JPH079788Y2 - 壜用仕切板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本案は、例えば高級なワイン、ウ
イスキー等の壜の仕切板に係るもので、具体的な利用例
としては、上記物品の贈答用収納箱に用いられる。

【０００２】

【従来の技術】ワイン、ウイスキー等の壜は、上部の細
い開口端から下方にいたるにつれて逐次拡径し、とくに
いわゆる肩口の部分は、上下方向において反対側に湾曲
しつつ逐次下方に拡径して胴部に連続している。このた
め、これらの壜の外形にきっちりと適合し、これを揺動
することなく収納するための仕切板は、これまで提供さ
れていなかった。

【０００３】例えば、図５は従来のこの種の壜の仕切板
の一例を示すものであるが、この仕切板は、適当な厚紙
の台紙２０の両側を折曲して起立する支持壁２１を設
け、両支持壁２１の間の一端部にコ字状に折曲した支持
片２２を挿入し、支持片２２の内部側の上部を半円形に
切り欠き、これに連続する支持片２２の上面は切欠する
か又は折り込み可能に形成して受け部２３が設けてあ
り、前記受け部２３に壜の開口部を挿入し、その胴部を
両支持壁２１の間の台紙２０に横たえて載置するように
なっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の仕切板では、台紙を折曲し、且つ別部材の支持片に受
け部を加工形成してこれを支持壁の間に装着することを
要するから、紙材の使用量が多くなり、その構成も複雑
であった。また、両支持壁の間に横たえられた壜の胴部
は仕切板によって支持されないため、多くは柔いパッキ
ン材等を填装してその転動を防止する必要があり、収納
包装時の作業がきわめて煩雑であった。

【０００５】本案は、上記の問題点を解決しようとする
もので、１枚の紙材に折目を付するのみの簡易な構成で
壜の外形にきっちりと適合し、且つ美粧性を高めること
のできる仕切板を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、本案の仕切板
は、両側の折目を折曲して箱内に挿入可能にした紙材の
表面に、壜の外形に適合させて左右対称に第１の折目を
設け、この第１の折目間には、前記第１の折目とほぼ同
一形状でこれから適宜な間隔を有し壜の胴部を収納する
部分は少し離間させた第２の折目と、壜の開口部を収納
する部分で前記第２の折目に接近し、中間部の下方寄り
の位置で中央に相接近し前記胴部の収納部分で前記第２
の折目に接近する第３の折目とを左右対称に刻設し、前
記第１の折目とその間の各折目を折曲して前記表面に壜
収納用の凹部を形成することを特徴とする。

【０００７】

【作用】各折目を折り曲げて仕切板の表面に形成される
凹部は、壜の逐次拡径する外形に適合させて設けた第１
の折目から下方に凹ませてあるため、この凹部に下半部
を納めた壜は、前記第１の折目によって支持され、横方
向に揺動しない。壜の開口部を含む細い部分は、第１の
折目間における各折目の間隔が狭く、したがって凹部の
浅く形成された部分で支持される。また、壜の肩部の上
下方向において反対側に湾曲しつつ下方に拡径する部分
は、第３の折目が中央に相接近している反対側において
第２の折目との間隔が大きくなっているため、この間隔
の大きい部分が凹部内に張り出すからこの部分で支持さ
れる。

【０００８】

【実施例】図１は、この仕切板の展開図を示している。
仕切板の紙材としては厚手で強靭なものであれば良い
が、望ましくは表面に地模様、花柄その他の装飾性を施
こした紙材を使用する。この紙材（Ｐ）は、その長さ
（ａ）を使用する包装箱の内径の長さに適合させ、且つ
両側端から等間隔で折目１，２を刻設し、折目１〜２間
の幅（ｂ）を包装箱の内径の幅に適合させてある。

【０００９】本案において注目すべきことは、前記折目
１，２間の中央に長手方向の折目３が刻設され、この折
目３と前記折目１，２との間に、折目１，２の側から順
にそれぞれ、壜の開口部側を納める上部が折目１，２か
ら相当な幅を有し、下方にいたるにつれて壜の拡径度に
適合して前記折目１，２に逐次に接近する第１の折目
４，５と、この折目４，５と同一形状でこれから適宜な
間隔を有し、壜の胴部を納める下部が前記折目４，５か
ら少し離れた第２の折目６，７と、前記折目６，７から
上部が少し離間し、中間部の下方寄りの位置で中央の折
目３に緩除に接近し、さらに下部側で外側の折目６，７
に接近する第３の折目８，９とが、左右対称に設けられ
ていることである。

【００１０】この仕切板は、図２に示すように、各折目
４〜９を内方に折り曲げて壜を納める凹部（Ｒ）を形成
し、包装箱（１点鎖線で示す）内に装着される。

【００１１】仕切板の表面に形成される凹部（Ｒ）は、
壜の逐次拡径する外形に適合させて設けた第１の折目
４，５から下方に凹ませてあるため、この凹部（Ｒ）に
下半部を納めた壜は、前記第１の折目４，５によって支
持され、横方向に揺動することはない。

【００１２】壜の開口部を含む細い部分は、折目６〜９
間の間隔が狭く、したがって凹部（Ｒ）の浅く形成され
た部分で支持され（図３参照）、また、壜の肩部の上下
方向において反対側に湾曲しつつ下方に拡径する部分
は、第３の折目８，９が中央の折目３に接近している反
対側において第２の折目６，７との間隔（ｃ）が大きく
なっているため、この間隔（ｃ）の大きい部分が凹部
（Ｒ）内に張り出して支持するから（図４参照）、凹部
（Ｒ）内の壜は上下方向においても確実に支持される。

【００１３】上記実施例は、通常一般的にみられる壜に
ついての仕切板であるが、肩口における拡径の度合いが
特殊な壜についても、各折目の間隔、長さ、湾曲度など
をこれに適合させて設けることにより、同様に実施する
ことができる。

【００１４】また、表面に例えば花模柄その他の装飾性
を施こした紙材（Ｐ）を用いると、半ば埋った壜の周囲
が装飾模様で飾られるから、きわめて美粧性を高めるこ
とができる。

【００１５】

【考案の効果】上記のごとく、本案の仕切板は、１枚の
紙材の表面に各折目を設け、この各折目を折曲して前記
表面に壜収納用の凹部を形成するので、この凹部内に壜
を横たえてその下半部をきっちりと収納し、これを揺動
することなく保持できる効果がある。また、仕切板は１
枚の紙材に設定した寸法で折目を設け、これを折曲して
凹部を形成し壜を収納するのみであるから、構成をきわ
めて簡易化することができ、且つ包装時の作業も簡単化
できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の仕切板の一実施例の展開図である。

【図２】図１に示した仕切板の組立て状態の斜面図であ
る。

【図３】図２のＡ−Ａ線の断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ線の断面図である。

【図５】従来の壜用仕切板の一例の斜面図である。

【符号の説明】

１，２…両側の折目 ４，５…第１の折目 ６，７…第２の折目 ８，９…第３の折目 Ｐ…紙材 Ｒ…凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側の折目を折曲して箱内に挿入可能にした紙材の表面
   に、壜の外形に適合させて左右対称に第１の折目を設
   け、この第１の折目間には、前記第１の折目とほぼ同一
   形状でこれから適宜な間隔を有し、壜の胴部を収納する
   部分は少し離間させた第２の折目と、壜の開口部を収納
   する部分で前記第２の折目に接近し、中間部の下方寄り
   の位置で中央に相接近し前記胴部の収納部分で前記第２
   の折目に接近する第３の折目とを左右対称に刻設し、前
   記第１の折目とその間の各折目を折り曲げて前記表面に
   壜収納用の凹部を形成することを特徴とする壜用仕切
   板。