JPH0797675A - 小形アルミシリンダの溶射方法 - Google Patents

小形アルミシリンダの溶射方法

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JPH0797675A
JPH0797675A JP5264352A JP26435293A JPH0797675A JP H0797675 A JPH0797675 A JP H0797675A JP 5264352 A JP5264352 A JP 5264352A JP 26435293 A JP26435293 A JP 26435293A JP H0797675 A JPH0797675 A JP H0797675A
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JP
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cylinder
flame
inside surface
spraying
particles
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JP5264352A
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Hiroshi Kobayashi
弘 小林
Katsunori Komatsu
勝憲 小松
Yoshitaka Kawahara
芳隆 河原
Katsutoshi Asai
勝敏 浅井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の小形2サイクルエンジンシリンダの
シリンダ面の表面硬化法の目的は、シリンダヘッドとシ
リンダが1体の2サイクルエンジンのアルミシリンダの
内面にクロムめっきに代替可能な溶射皮膜の表面硬化層
を形成することにある。 【構成】 小形アルミシリンダの内面に溶射粉末粒子径
が公称45μm以下の粉末を高速ガス炎溶射法を用い前
記アルミシリンダの開口部の外側からシリンダ面に対し
45°以下の角度で溶射してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小形単気筒エンジンのシ
リンダに関する。
【0002】
【従来の技術】小形単気筒エンジンのシリンダは生産性
向上と低コスト化のため、そのシリンダはシリンダヘッ
ドと1体でアルミダイキャストで製造される。シリンダ
内面がアルミダイキャスト材のものは耐摩耗性や潤滑性
がないので、内面にクロムめっきなどの表面硬化がなさ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】2サイクルエンジン
は、吸気、圧縮、爆発、排気を2ストロークで行なう。
エンジンとしては、4サイクルエンジンより小形高速ガ
ソリンエンジンとしてオートバイや小形自動車を初めと
して、船外機や汎用ガソリンエンジンとして大量に用い
られている。また、2サイクルエンジンは小形であり、
ほとんどが移動用に用いられているため、軽量でなくて
はならず、シリンダにはアルミ合金鋳物が用いられてい
る。シリンダは吸気、圧縮、爆発、排気などの工程にお
いてピストン(ピストンリング)が高速に摺動するた
め、潤滑特性や耐摩耗性などが要求されるが、一般のA
l合金ではシリンダとして潤滑特性や耐摩耗性などの性
質を十分に得ることができず、Al合金のシリンダ表面
を強化する方法が各種提案され実用化されている。この
中で主に用いられている方法として、(1)シリンダ内
面へのクロムめっき法、(2)鋳鉄ライナの鋳ぐるみ
法、(3)高SiAl合金による一体鋳造法、(4)シ
リンダ内面への直接溶射法、(5)シリンダ面へ溶射皮
膜の転写法などが提案されている。
【0004】(1)の方法は、Al合金のシリンダ上へ
直接クロムめっきを施こすが、Al合金上へのクロムめ
っきは密着性が悪いため、複雑な工程と厳密な工程の管
理を必要とし、品質の不安定さとコスト高を招いてい
る。この技術は6価クロムの水溶液より金属クロムを電
解析出させる電気めっきに属する技術であるが、このク
ロム電気めっきではめっき中に6価クロムミストの空中
浮遊による作業者への健康障害の発生、めっき液やめっ
き後の洗浄液排出による重金属排水による水質汚染など
があり公害問題となっている。また、めっき作業場近傍
での6価クロムの飛散による土壌汚染ならびにこれに伴
なう地下水の汚染などの問題の発生により大きな社会問
題となっている。これらの問題点を解決するために自動
化の推進排水処理施設の増強、めっき設備建屋の補強な
ど膨大な投資が必要となっている。しかし、現在では次
記の(2)〜(5)に示したような代替技術があるもの
の一部の技術を除いては実用化に至っておらず、このク
ロムめっき表面硬化法の前記技術(1)が一番利用され
ている。前記の問題に鑑みてこのクロムめっきの低コス
ト代替技術の確立が望まれている。
【0005】(2)の方法はAl合金より鋳鉄の比重が
大きいため、重量の増大を招いている。(3)の方法
は、Al合金ではあるがSi量が高く、共晶シリコンや
初晶シリコンにより耐摩耗性を得る方法としては良好な
方法である。しかし、Siの含有量が高いために鋳造時
に湯流れが悪くなり鋳造時の歩留が悪く、コスト高とな
っておりまた耐久性も低く、ほとんど実用化されていな
い。(4)の方法はシリンダ内面へ直接溶射する方法
で、一般の溶射方法ならびに線爆溶射方法などが用いら
れているが、小形2サイクルエンジンではシリンダの形
状が円筒のみでなく、低コスト化のためにシリンダヘッ
ドとシリンダが1体でカップ状となっており、吸気孔、
排気孔、掃気孔などが存在するために、溶射が難かしい
事、ならびに溶射時に溶射粒子が自由に飛散するために
溶射皮膜が不必要な部分のマスキングや溶射後の溶射皮
膜の不必要部へ付着した溶射粒子の手入が必要であるこ
とや、小径の内径には溶射の施工が行ないにくいなどの
欠点を有している。又(5)の転写法は工程が複雑でコ
スト高となっており、以上の(2)〜(5)はほとんど
実用化されていないのが現状である。
【0006】しかし、本発明者はこの当然考えられる溶
射法をクロムめっき表面硬化シリンダの代替工法と前記
(5)の溶射皮膜の転写方法も含めて、シリンダの表面
硬化法として利用すべき各種の検討を行なった。小形単
気筒エンジンシリンダではシリンダとシリンダヘッドは
コスト低下の点から一体型となり、形状が図1に示すよ
うに底付きのカップ状になっている。このカップ状内面
シリンダ部分に溶射皮膜を形成しようとすると、従来の
溶射方法では、溶射粒子を飛行させるガス炎や圧縮空気
がシリンダヘッド部で衝突して乱流を起こし入口側へ押
しもどされて、シリンダ内面に溶射皮膜が形成されにく
く量産性がなく、コスト的にクロムめっき表面硬化法に
太刀打ち出来ない。もし特定の条件で形成された皮膜で
も図2(b)に示すように溶射角度が通常の溶射皮膜の
粒子の積層〔図2(a)〕に比べてシリンダ基材21面
に対して溶射角度が小さくなるため、溶射皮膜の積層さ
れた溶射粒子23の影(積層粒子前後方)の部分では気
孔状〔図2(b)空洞24、溶射粒子23〕となり基材
21に対して密着性の点で信頼性が低く、なおかつ多孔
性の皮膜となるため、エンジンシリンダ面として耐久性
が得られない。
【0007】これらを解決しようと内径部を専用的に溶
射する溶射ガンが開発されているが、内径溶射ガンの構
造上、小形単気筒2サイクルエンジン程度のシリンダで
はシリンダ内径に対してガン径が大きく、十分な溶射距
離が得られず健全な溶射皮膜が得られない。一方、シリ
ンダがカップ状のために内径溶射ガンの利用では自から
が発するプラズマ炎やガス炎でガン自体が高温となり、
焼損して溶射が不能となり量産性を得ることが出来ない
などの欠点を有している。また、前記(5)に示した溶
射皮膜転写法では、クロムめっきの代替工法としての重
要性が認識出来るが、小形2サイクルエンジンでは工程
が複雑なためにコスト高となりいま一歩が実用化されて
いない。なお25,26は溶射方向を示す。
【0008】本発明の目的は、シリンダヘッドとシリン
ダが一体の2サイクルエンジンのシリンダ内面にクロム
めっきに代替可能な溶射皮膜の表面硬化層を形成するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明は小形アルミシ
リンダの内面に溶射粉末粒子径が公称45μm以下の粉
末を高速ガス炎溶射法を用い前記アルミシリンダの開口
部外側からシリンダの内面に対して45°以下の角度で
溶射してなることを特徴とする。第2発明は前記第1発
明において、小形アルミシリンダがシリンダとシリンダ
ヘッドが1体となっているシリンダであることを特徴と
する。
【0010】
【作用】図3には、プラズマ溶射法32と高速ガス炎溶
射法31のある条件下で溶射粒子を溶射した場合の粒子
速度を測定した模式図を示す。この図によると先に述べ
たように通常の溶射法による溶射(プラズマ溶射法)で
は、溶射粒子の飛行速度が溶射ガン、ノズル出口から1
50mm程度(通常の溶射距離)で100m/sec前
後でこれに比べて高速ガス炎溶射法は7〜10倍の10
00m/sec程度となっている。このことは溶射時の
ガス炎および溶射粒子の飛行スピードが高いため、粒子
の基材への衝突エネルギが高く、またガス炎フレームは
整流化しており溶射粒子パターンの形状がプラズマ炎な
どに比べてはるかに小さい。従ってプラズマ炎等での溶
射時に比べてシリンダヘッド面に衝突し乱流化した炎の
流れが入口側に排出される時のエネルギもより高い。
【0011】従来のプラズマ溶射法やガス炎溶射法、電
気アーク溶射法ではシリンダヘッド面に衝突したプラズ
マ炎、ガス炎、電気アーク溶射時の圧縮空気の流れなど
が乱流状となり入口側へ排出され、この排出時のエネル
ギによって入口側より溶射した溶射飛行粒子が入口近傍
でヘッド部より乱流により入口側へ排出される炎により
シリンダ内へ飛行することを阻止されたり、粒子の飛行
エネルギが弱まりシリンダ面へ付着しなかったり、付着
しても基材に対して衝突した時の溶融粒子の偏平化がな
されず、健全な皮膜の形成がなされなかった。また、プ
ラズマ炎やガス炎などの溶射法では炎のパターンが広く
炎の周囲よりの空気巻き込みが多く、微細溶射粒子を用
いると飛行中に燃焼や粒子外周の酸化が多いため、一般
に粗い粒子(320〜60μm程度)が用いられる。こ
れらの粒子が45°以下の溶射角度で溶射されると(シ
リンダの口径や奥行寸法からして溶射角度は基材に対し
て30°程度となる。)大きい粒子がシリンダ基材面へ
衝突付着した場合、粒子飛行方向の後方は粒子積層に対
しては影となり次に飛行してくる粒子の基材への衝突が
なされず、その積層粒子の高さをこえた後方には積層さ
れず積層粒子の影ができ該部は空洞となり皮膜形成完了
部には残留気孔となり、図2(b)24に示すような空
洞(残留気孔)の多い皮膜となるため、皮膜の密着信頼
性が低く耐摩耗性も劣り使用中ピストンリングとの摺動
により積層粒子の剥離及び自からの粒子によりシリンダ
面を損傷させ耐久性が得られない。
【0012】そこで本発明では溶射材に45μm以下
(好ましくは45μm〜10μm)の径を持つ粒子径を
用いる。この場合、粒子形状は粉末溶射時の粒子搬送の
点から球状粒子形状が好ましいが、同一径で溶射時の良
好な搬送が確保されれば破砕粒子などでも良い。なお、
これらの溶射粒子の成分は、皮膜形成後のかたさがHv
650以上に確保されればその成分構成は問わないが、
金属、サーメット、セラミックの利用が可能である。し
かし、皮膜形成後のシリンダ面の加工時の量産加工性か
ら好ましくはHv650〜800程度のかたさが良い。
【0013】また、溶射角度については、通常の溶射法
では溶射面に対して90°方向が最良であり少なくとも
60°以上を確保しなければ信頼性のある皮膜は困難と
云われている。ところが、小形2サイクルエンジンなど
の小径内径面への溶射では、シリンダ面に90°の溶射
角度を確保するためには内径寸法が小さいために内径溶
射ガンの利用が出来ず新たな開発が必要である。このた
め、カップ状の開口部より溶射を実施すれば口径と奥行
寸法から考えて当然シリンダ面に対して45°以下の角
度となり、通常の溶射法では先に述べた理由により耐久
性を持ち密着の信頼性のある良好な皮膜の形成は不可能
である。
【0014】ところが近年開発された高速ガス炎溶射法
により微細粉末粒子の溶射材を利用し、溶射皮膜を開口
部外側よりシリンダ面に対して45°以下の角度で溶射
を行なっても、高速ガス炎溶射法の特性と積層粒子が小
さいためと、粒子の持つ飛行エネルギが大きく基材衝突
時の変形が大きく粒子後方の影の部分が少なくなること
などの理由により、残留気孔が少ない良好な皮膜とな
る。これらのことから基材界面や粒子の積層間残留気孔
も少なく、加工後も微細な粒子の積層のため加工後の皮
膜厚さもCrめっきの50μm級の薄膜の表面硬化層の
作成が可能で小形2サイクルエンジンのシリンダヘッド
1体形シリンダのシリンダ面硬化法として利用可能とな
る。
【0015】
【実施例】本発明に係る実施例を図1〜3によって説明
する。図1は実施例の小形2サイクルエンジンのシリン
ダの図、(a)は小形2サイクルエンジンのシリンダヘ
ッドと1体構造のシリンダの断面図、(b)は図1
(a)に対応する側面図、図2は実施例の溶射皮膜の積
層の模式図で(a)は基材に対し90°の方向から溶射
した場合の溶射層の図、(b)は基材に対し45°の方
向から溶射した溶射粒子の模式図、図3はプラズマ溶射
法と高速ガス炎溶射法のある条件下の溶射ガン中心線上
のノズルからの距離と溶射粒子の速度との模式図であ
る。図において1は吸気孔、2は排気孔、3は掃気孔、
4は点火プラグ孔、5は表面処理層、6はシリンダ内空
間、21は基材、22は積層粒子、23は溶射粒子、2
4は空洞、25,26は溶射方向矢印、31は高速ガス
炎溶射法の特性線、32はプラズマ溶射法の特性線であ
る。
【0016】本実施例で用いたエンジンシリンダの形状
は図1に示す様な形状で平面処理層5に示すCrめっき
層を代替することにある。このエンジンは(シリンダ
径:φ33)×(ストローク:30mm)、総排気量2
5.6ccのガソリンエンジン(シリンダ部は径:φ3
3×奥行55mm)でこの内面のピストン摺動部には表
面硬化を施こす。シリンダはアルミダイキャスト製でこ
の素材を用いて加工方法、加工寸法を現在利用されてい
るクロムめっきで表面硬化する工程と同様とした。ただ
し、シリンダ径を所定仕上げ寸法に対して表面硬化膜の
関係上寸法目標(片肉で50μm)径で100μm大き
く加工して溶射用シリンダ素材とした。
【0017】この基材に通常の溶射工程で溶射するがそ
の工程の概要は、(1)基材の洗浄・脱脂→(2)溶射
するための回転冶具に取りつける。→(3)溶射不必要
部のマスキング→(4)溶射施工部分ブラスト→(5)
予熱→(6)溶射→(7)冷却→(8)マスキング取は
ずし→(9)溶射冶具より取りはずし→(10)加工で
あり、以上の工程でシリンダは完成され、これと他の部
品の組み合せによりエンジンとして完成させる。この工
程の中でとくに本発明に係わる溶射工程の詳細について
述べ、他の工程は一般的な工程であるために省略する。
なお、本工程についてはすべてロボットを搭載した自動
溶射装置となっており、シリンダ基材の搬入から溶射終
了搬出まで無人化ラインとなっているが本発明の特許請
求範囲と係わりがないため省略する。
【0018】本発明ではシリンダ内面溶射を実施するに
あたり、溶射法・溶射角度・溶射材、粉末粒径、溶射皮
膜かたさを限定しているが、これは先に述べた理由によ
りこれらの限定でシリンダ開口部の外側より溶射するこ
とでシリンダ内面に溶射皮膜による硬化層の形成が可能
なことから限定している。本発明に用いる高速ガス炎溶
射法は高圧の燃料(プロパン、プロピレンとこれらの混
合物など)と高圧の酸素・空気などによって高速のフレ
ームを噴出して溶射する装置を云い、この時の燃焼炎フ
レームは超高速のフレームに認められるショックダイヤ
モンドが6〜11個程度認められ燃焼炎のフレーム速度
はノズル出口近傍では1400m/sの速さと云われて
いる。これらのシステムはMETCO社が開発したダイ
ヤモンドジェット溶射システム(商品名)やBrowi
ng社の開発したJET Koto(商品名)やJET
KotoII(商品名)溶射システムなどが利用可能で
ある。
【0019】本実施例ではメテコ社のダイヤモンドジェ
ットシステムを用いた。この溶射システムを自動溶射シ
ステムの溶射部ロボットに取りつけた。シリンダ内面に
対して溶射角度が30°になるように設定し、溶射面よ
り所定の溶射距離になるように溶射ガンノズル位置を設
定する(通常溶射距離は150〜250mmが用いられ
溶射材料やその粉末粒度、利用する皮膜特性などにより
値は異なるが、今回は200mmを用いた。)。この時
の燃焼炎はプロパン、酸素と空気を用いてそれぞれ10
・7・5kgf/cm2 Gの圧力で所定流量により燃焼
フレームとする。溶射粉末としては45〜10μmの範
囲の高炭素クロム鉄材(主要化学成分C=7.5% S
i=2% Cr=64% 残部はFeと不可避的含有成
分よりなる。)を1分間に45gの搬送量でフレームへ
送り溶射した。この溶射皮膜のかたさはHv800であ
った。溶射粉末材料は、今回利用した粉末成分以外にも
皮膜のかたさがHv650以上であれば利用可能であ
る。
【0020】シリンダ面への溶射厚さは片肉55〜60
μm溶射し冷却後自動溶射機より取りはずし、シリンダ
面を荒ホーニング、仕上ホーニングにより所定の寸法に
加工しシリンダとして完成させた。その後、他の部品と
エンジンとして組み立てて7500r.p.mで100
時間の耐久運転を行なった。同時にCrめっき製エンジ
ンも耐久運転を実施したがCrめっき表面硬化シリンダ
と遜色は認められずCrめっき同様に利用出来ることが
確認出来た。本実施例ではφ33×55mmのシリンダ
ヘッド1体形のエンジンシリンダの実施例を示したがこ
れらの他にφ25以上で奥行が41程度の最小のものか
らこれ以上の径はもちろんのこと奥行が径の1.7倍程
度のものには利用可能で径が大きくなれば利用がしやす
い。この他にも同様な工法を用い筒状のヘッド部のない
シリンダや軸受などにも利用可能である。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように従来の溶射法では小形
2サイクルエンジンのシリンダヘッド一体形シリンダは
口径が小さく、シリンダ面への溶射は基材に対する溶射
角度が小さく、従来提案されている溶射皮膜形成法では
困難であった。しかし本発明を用いることにより、溶射
皮膜材料の選定の自由度が大きく、耐摩耗性や潤滑性の
ある溶射皮膜をシリンダのピストン摺動面に形成出来、
従来用いられているシリンダ表面のクロムめっきで作業
者の健康上の問題や、公害問題など解決出来る。また同
程度のコストでの量産性があり、小形2サイクルエンジ
ンのシリンダ表面硬化法として使用可能であり、その産
業的利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の小形2サイクルエンジンのシリンダの
図。
【図2】実施例の溶射皮膜の積層の模式図。
【図3】実施例の高速ガス炎溶射法とプラズマ溶射法と
の溶射ガン中心線上のノズルからの距離と溶射粒子の速
度との模式図。
【符号の説明】
1…吸気孔、2…排気孔、3…掃気孔、4…点火プラグ
孔、5…表面処理層、6…シリンダ内空間、21…基
材、22…積層粒子、23…溶射粒子、24…空洞、2
5,26…溶射方向矢印、31…高圧ガス炎溶射法の特
性線、32…プラズマ溶射法の特性線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 勝敏 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小形アルミシリンダの内面に溶射粉末粒
    子径が公称45μm以下の粉末を高速ガス炎溶射法を用
    いて前記アルミシリンダの開口部外側からシリンダ面に
    対し45°以下の角度で溶射してなることを特徴とする
    小形アルミシリンダの溶射方法。
  2. 【請求項2】 小形アルミシリンダがシリンダヘッドと
    シリンダとが1体成形された1体形シリンダであること
    を特徴とする請求項1記載の小形アルミシリンダの溶射
    方法。
JP5264352A 1993-09-28 1993-09-28 小形アルミシリンダの溶射方法 Withdrawn JPH0797675A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102009023605A1 (de) * 2009-06-02 2010-12-09 Daimler Ag Vorrichtung und Verfahren zum thermischen Beschichten

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102009023605A1 (de) * 2009-06-02 2010-12-09 Daimler Ag Vorrichtung und Verfahren zum thermischen Beschichten

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