JPH0797324A - 抗ウイルス剤 - Google Patents

抗ウイルス剤

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JPH0797324A
JPH0797324A JP11853794A JP11853794A JPH0797324A JP H0797324 A JPH0797324 A JP H0797324A JP 11853794 A JP11853794 A JP 11853794A JP 11853794 A JP11853794 A JP 11853794A JP H0797324 A JPH0797324 A JP H0797324A
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antiviral agent
dideoxyribonucleoside
ethoxymethyl
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benzyl
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JP11853794A
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Inventor
Satoshi Yuasa
聡 湯浅
Masaru Ubasawa
賢 姥澤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 逆転写酵素のアロステリック阻害剤である6
−ベンジル−1−エトキシメチル−5−置換ウラシル誘
導体と逆転写酵素の拮抗阻害剤である2′,3′−ダイ
デオキシリボヌクレオシドまたはそのリン酸エステルと
を併用する抗ウイルス剤。 【効果】 本発明の抗ウイルス剤は、抗ウイルス効果を
相乗的に発揮することにより、薬剤投与量の軽減、副作
用の回避、耐性株出現の抑制等が期待され有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗ウイルス剤に関し、詳
細にはそれぞれ抗ウイルス作用を有することが既知であ
る特定の2種の化合物を有効成分とする、相乗的効果の
ある抗ウイルス剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、レトロウイルスの一種であるヒト後天性免疫不全ウ
イルス(HIV)感染症が大きな社会問題となってい
る。現在、HIV感染症の治療を目的として臨床に供さ
れている薬剤は、3′−アジド−3′−デオキシチミジ
ン(AZT,一般名ジドブジン)、2′,3′−ダイデ
オキシイノシン(ddI,一般名ダイダノシン)および
2′,3′−ダイデオキシシチジン(ddC)のヌクレ
オシド系3剤のみである。
【0003】これらの薬剤はいずれもHIV逆転写酵素
の拮抗阻害剤であり、優れた抗ウイルス作用を示すもの
の、宿主細胞に対しても強い毒性を示すことから、その
副作用が問題化している。例えばAZTの場合は骨髄抑
制による高度の貧血や白血球減少症が、ddIには末梢
神経障害や急性膵炎が報告されている。また、これらの
ヌクレオチド系薬剤を長期的に連用していると耐性ウイ
ルス変異株が出現することが報告されており、臨床上の
大きな問題となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】最近になってHIVの逆
転写酵素の基質結合部位以外の部分に結合して同酵素の
働きを阻害する『アロステリック阻害剤』と呼ばれる新
しい作用機序を有する化合物がいくつか報告されている
(欧州公開特許第384522号公報、同第42998
7号公報、同462800号公報、同第420763号
公報等)。これらの化合物は、強いHIV阻害作用を示
すと同時に、細胞毒性も前記したヌクレオシド系薬剤に
比べ極めて低いものである。
【0005】そこで、前述のヌクレオシド系薬剤
(2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオシド)とかか
るアロステリック阻害剤との併用効果に興味が持たれ
た。すなわち、作用機序が異なる両薬剤の組合せにより
効果が相乗的に作用し、ひいては投与量の軽減、副作用
の回避、耐性株出現の機会の減少等が期待された。本発
明者らは種々のアロステリック阻害剤と2′,3′−ダ
イデオキシリボヌクレオシドとの併用効果を検討したと
ころ、アロステリック阻害剤として6−ベンジル−1−
エトキシメチル−5−置換ウラシル誘導体を用いると極
めて強力な相乗効果を発揮することを初めて見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明の要旨は、下記一般式
(I)で表される6−ベンジル−1−エトキシメチル−
5−置換ウラシル誘導体および1種以上の2′,3′−
ダイデオキシリボヌクレオシドまたはそのリン酸エステ
ルを有効成分とする抗ウイルス剤に存する。
【0007】
【化3】
【0008】(上記式中で、Xは酸素原子または硫黄原
子を表し、R1 はエチル基またはイソプロピル基を表
し、R2 およびR3 はそれぞれ独立して水素原子、C1
〜C3 のアルキル基またはハロゲン原子を表す。)以
下、本発明につき詳細に説明する。
【0009】本発明の抗ウイルス剤は、前記一般式
(I)で表される6−ベンジル−1−エトキシメチル−
5−置換ウラシル誘導体および1種以上の2′,3′−
ダイデオキシリボヌクレオシドを有効成分とする。6−
ベンジル−1−エトキシメチル−5−置換ウラシル誘導
体は欧州公開特許第420763号公報に記載の化合物
で、同文献に記載の方法、またはそれに準じて合成する
ことができる。R2 およびR3 で定義されるC1 〜C3
のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基
またはイソプロピル基が挙げられ、ハロゲン原子として
はフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。本
発明においてはXが酸素原子を表し、R2 およびR3
共に水素原子を表す化合物が好ましく、中でもR1 がイ
ソプロピル基を表す化合物がより好ましい。2′,3′
−ダイデオキシリボヌクレオシドもしくはそのリン酸エ
ステルとしては、下記一般式(II)または(III)で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】(上記式中で、Bはピリミジン残基または
プリン残基を表し、Xは酸素原子またはメチレン基を表
す。R4 〜R7 はそれぞれ独立して水素原子、アジド基
またはハロゲン原子を表し、R8 は水素原子、−PO
(OH)2 、−PO(OH)OPO(OH)2 または−
PO(OH)OPO(OH)OPO(OH)2 を表
す。)Bで表されるピリミジン残基としては、シトシ
ン、チミン、ウラシル、5−フルオロウラシル、5−フ
ルオロシトシン、5−トリフルオロメチルウラシル、5
−クロロウラシル、5−ヨードウラシル等が挙げられ、
プリン残基としては、アデニン、グアニン、ヒポキサン
チン、キサンチン、2−フルオロアデニン、2,6−ジ
アミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、6−ク
ロロプリン等が挙げられる。本発明においては、前記
2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオシドは、3′−
アジド−3′−デオキシチミジン(AZT)、2′,
3′−ダイデオキシイノシン(ddI)、2′,3′−
ダイデオキシシチジン(ddC)、2′,3′−ダイデ
ヒドロ−3′−デオキシチミジン(D4′T)、もしく
はそれらのリン酸エステルであることが好ましく、3′
−アジド−3′−デオキシチミジン(AZT)であるこ
とが最も好ましい。
【0013】かかる2′,3′−ダイデオキシリボヌク
レオシドは、J.Org.Chem.,29,2076
−2078(1964)、J.Org.Chem.,
,817−818(1967)、J.Am.Che
m.Soc.,86,3585−3586(196
4)、有機合成化学,48,907−920(199
0)、有機合成化学,50,535−544(199
2)等の文献に記載の方法、あるいはそれに準じて合成
することができる。また、ddI、ddC等について
は、P.L.Biochemicals社等から購入す
ることもできる。
【0014】本発明の抗ウイルス剤は、各種ウイルスの
感染に対する予防または治療のための薬剤として適用さ
れる。対象とするウイルスは、オンコウイルス、レンチ
ウイルス、スプーマウイルス等のレトロウイルスが挙げ
られ、本発明ではレンチウイルス、特にHIVがターゲ
ットとして好適である。本発明の抗ウイルス剤は、ヒト
に対し経口、経腸、非経口、局所投与等の経路によって
投与することができる。投与量は患者の年齢、健康状
態、体重等に応じて適宜決定されるが、上記一般式
(I)で表される6−ベンジル−1−エトキシメチル−
5−置換ウラシル誘導体の一般的投与量は1日当たり1
〜100mg/kg体重、好ましくは5〜50mg/k
g体重、2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオシドも
しくはそのリン酸エステルの一般的投与量は1日当たり
1〜100mg/kg体重、好ましくは5〜50mg/
kg体重であり、1回あるいはそれ以上投与される。
【0015】本発明の抗ウイルス剤は、6−ベンジル−
1−エトキシメチル−5−置換ウラシル誘導体を含有す
る薬剤および2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオシ
ドもしくはそのリン酸エステルを含有する薬剤それぞれ
を同時に投与しても、両者を含有する製剤を調製して投
与することもできる。後者の場合、6−ベンジル−1−
エトキシメチル−5−置換ウラシル誘導体と2′,3′
−ダイデオキシリボヌクレオシドもしくはそのリン酸エ
ステルの組成比としては100:1〜1:100である
ことが好ましく、より好ましくは10:1〜1:10で
ある。
【0016】また本発明においては、2′,3′−ダイ
デオキシリボヌクレオシドもしくはそのリン酸エステル
として、1化合物単独でも2以上の化合物を組合せて使
用することもできる。具体的には、以下の様な使用形態
が考えられる。 6−ベンジル‐1‐エトキシメチル‐5‐置換ウラシ
ル誘導体 +AZT 6−ベンジル‐1‐エトキシメチル‐5‐置換ウラシ
ル誘導体 +ddI 6−ベンジル‐1‐エトキシメチル‐5‐置換ウラシ
ル誘導体 +ddC 6−ベンジル‐1‐エトキシメチル‐5‐置換ウラシ
ル誘導体+AZT+ddI 6−ベンジル‐1‐エトキシメチル‐5‐置換ウラシ
ル誘導体+AZT+ddC 6−ベンジル‐1‐エトキシメチル‐5‐置換ウラシ
ル誘導体+ddI+ddC 6−ベンジル‐1‐エトキシメチル‐5‐置換ウラシ
ル誘導体+AZT+ddI+ddC
【0017】製剤化に際しては、通常使用される製剤用
担体、賦形剤等の薬学的に許容される担体を含む組成物
として使用することが好ましい。かかる担体としては、
固体、液体のいずれでも構わない。固体担体としては、
例えば乳糖、白陶土(カオリン)、ショ糖、結晶セルロ
ース、コーンスターチ、タルク、寒天、ペクチン、ステ
アリン酸、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、塩化
ナトリウム等が挙げられ、液状の担体としては、例えば
グリセリン、落花生油、ポリビニルピロリドン、オリー
ブ油、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレング
リコール、生理食塩水、水等が挙げられる。
【0018】剤型は種々の形態をとることができる。固
体担体を用いる場合は、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル
剤、坐剤、トローチ剤等が挙げられる。また液状の担体
を用いる場合は、シロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセ
ル剤、クリーム、ゲル、ペースト、スプレー、注射液等
が挙げられる。
【0019】
【発明の効果】本発明の抗ウイルス剤は、逆転写酵素の
アロステリック阻害剤である6−ベンジル−1−エトキ
シメチル−5−置換ウラシル誘導体と逆転写酵素の拮抗
阻害剤である2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオシ
ドもしくはそのリン酸エステルとを併用することによ
り、両者の抗ウイルス効果が相乗的に作用し、薬剤投与
量の軽減、副作用の回避、耐性株出現の抑制等が期待さ
れる。
【0020】
【実施例】以下、本発明につき実施例を挙げて具体的に
説明するが、その要旨を越えない限り以下に限定される
ものではない。 参考例1 6−ベンジル−1−エトキシメチル−5−イ
ソプロピルウラシル(以下、「MKC−442」と略記
する)の合成 5−イソプロピルウラシル18gをジクロロメタン23
0mlに懸濁し、ビストリメチルシリルアセトアミドを
60.7ml加え、室温で1時間撹拌した。得られた溶
液に、テトラノルマルブチルアンモニウムアイオダイド
0.46gおよびクロロメチルエチルエーテル10.7
mlを室温で加え、1.5時間撹拌した。冷水50ml
を加え、洗浄、分液操作を2回行い、有機層を減圧濃縮
し、残留物にn−ヘプタン100mlを加えて室温で結
晶化し、1−エトキシメチル−5−イソプロピルウラシ
ル22.2gを得た。融点78.4℃。
【0021】1N−リチウムジイソプロピルアミドのテ
トラヒドロフラン溶液357mlを窒素気流下−10〜
−15℃に冷却し、1−エトキシメチル−5−イソプロ
ピルウラシル22.2gのテトラヒドロフラン溶液(1
00ml)を反応内温度が−10〜−15℃に保たれる
速度で滴下した。滴下後、−10〜−15℃で1時間撹
拌した。次に、ベンズアルデヒドを反応内温度が−10
〜−15℃に保たれる速度で滴下した。その後−10〜
−15℃で1時間撹拌した。酢酸40.8mlを加えて
反応を止め、反応液を室温まで昇温し、半飽和食塩水1
00mlを加えて洗浄、分液した。有機層にヘキサン2
20mlを加え、1N−水酸化ナトリウム溶液150m
lで2回抽出した。水層を塩酸で中和し、トルエン20
0mlで抽出した。トルエンを減圧濃縮した残留物をピ
リジン100mlに溶かし、無水酢酸270gを加えて
室温で16時間放置した。その後冷水100mlを加え
て、室温で16時間放置した。ピリジン水溶液を減圧で
濃縮し、得られた結晶をろ取し、6−(α−アセトキシ
ベンジル)−1−エトキシメチル−5−イソプロピルウ
ラシル13.3gを得た。融点158℃。
【0022】6−(α−アセトキシベンジル)−1−エ
トキシメチル−5−イソプロピルウラシル13.3gを
ジオキサン53mlに溶かし、5%パラジウムカーボン
0.66gを加え、常圧の水素雰囲気下、50℃で4時
間撹拌した。パラジウムカーボンを除去し、ジオキサン
を減圧で留去し、残留物にエタノール50mlを加えて
冷蔵庫内で結晶化して、6−ベンジル−1−エトキシメ
チル−5−イソプロピルウラシル(MKC−442)1
0gを得た。融点109〜110℃。
【0023】参考例2 2′,3′−ダイデオキシリボ
ヌクレオシドの合成 J.Org.Chem.,29,2076−2078
(1964)に記載の方法に従って、AZTおよびAZ
T3リン酸(AZT−TP)を合成した。
【0024】参考例3 他のアロステリック阻害剤の合
成 欧州公開特許第384522号公報に記載の方法に従っ
て化合物“R82913;(+)−(S)−9−クロロ
−4,5,6,7−テトラヒドロ−5−メチル−6−
(3−メチル−2−ブテニル)イミダゾ〔4,5,1−
jk〕〔1,4〕ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオ
ン”を、同第429987号公報に記載の方法に従って
化合物“Nevirapine;5,11−ジヒドロ−
11−シクロプロピル−4−メチルジピリド〔2,3−
b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オ
ン”を、同462800号公報に記載の方法に従って化
合物“L−696229;3−〔2−(ベンズオキサゾ
ール−2−イル)エチル〕−5−エチル−6−メチルピ
リジン−2(1H)−オン”を合成した。R8291
3、NevirapineおよびL−696229の構
造式を、それぞれ下記式(IV)〜(VI)に示す。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】実施例1 HIV−1の逆転写酵素阻害評
価 HIV−1の逆転写酵素(RT)による酸沈降性cDN
A中へのトリチウム化リン酸チミジンの取り込みを測定
した。すなわち、50mM トリス−塩酸(pH8.
4)、0.1% TritonX−100、10mM
塩化マグネシウム、2mM ジチオスレイトール、50
mM 塩化カリウム、0.1mg/ml 牛血清アルブ
ミン(ヌクレアーゼを含まない;Worthingto
n,Freehold,NJ)、0.5μCi〔メチル
3H〕TTPおよび12μg/ml poly(r
A)・p(dT)12 -18 を含む反応混合液に、薬剤の1
0%ジメチルスルフォキシド溶液および0.05ユニッ
トをRT加えて全量50μlの反応液とし、37℃で3
0分間インキュベートした。2M EDTAを10μl
加えて反応を止め、50μlをWatman DE−8
1フィルターペーパーサークルヘスポットした。サーク
ルは5% リン酸水素二ナトリウム溶液で3回、水で2
回、95% エタノールで2回洗浄し、その後シンチレ
ーションカウンターで放射線を測定した。HIV−1の
逆転写酵素阻害剤(アロステリック阻害剤)はトリチウ
ム化リン酸チミジンの取り込みを阻害することから、薬
剤を含まない場合を基準に、阻害の割合を計算した。
【0029】まず、HIV−1の各種アロステリック阻
害剤とAZT−TPとの併用効果を確認するために、C
houらの方法(Adv.Enzyme Regu
l.,22,27−55(1984))に従ってイソボ
ログラムを作成した(図1)。その結果、MKC−44
2とAZT−TPとを併用することにより、抗HIV−
1作用の相乗効果が認められた。すなわち、MKC−4
42の濃度を単独使用時のIC50値(33.5nM)の
半分にしたとき、RTを50%阻害するのに必要なAZ
T−TPの濃度は、AZT−TP単独使用時のIC50
(7.5nM)のおよそ1/10量(約0.75nM)
であった。他のアロステリック阻害剤には、このような
顕著な相乗効果は認められなかった。
【0030】次に、Prichardらの方法(Ant
imicrob.Agents Chemothe
r.,35,1060−1065(1991))に従っ
て、RTの50%、70%、90%阻害時におけるコン
ビネーション インデックス(CI)を、一定の濃度比
で行った最低2回の実験結果より算出した(表1)。こ
こでCIが1以下の場合は相乗効果有り、1の場合は相
加効果、1以上の場合は相殺効果を表す。その結果、M
KC−442とAZT−TPとを併用した場合、他のア
ロステリック阻害剤に比べてCI50、CI70、CI90
いずれにおいても相乗効果が認められた。
【0031】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── コンビネーション インデックス ─────────────────────────── 化 合 物 AZT-TP/化合物* CI50 CI70 CI90 ──────────────────────────────────── MKC−442 1/20 0.82 0.63 0.43 R82913 1/250 1.15 1.33 1.70 Nevirapine 1/250 1.04 0.91 0.69 L−696229 1/40 0.97 0.99 1.06 ──────────────────────────────────── *併用時の濃度比。おのおのの薬剤単独使用時のIC50
値がほぼ同じとなるように設定した。
【0032】実施例2 HIV−1感染の阻害効果 MT−4細胞(HIVの感染を受けると死滅するヒトT
細胞クローン)に対するHIV−1の感染阻害作用を測
定した。20mMのHepes緩衝液、10% 牛胎児
血清および20μg/ml ゲンタマイシンを含むRP
MI1640 DM培地中でMT−4細胞1×104
に、感染多重度0.02の量のHIV−1を感染させ、
直ちにジメチルスルフォキシドで調製した薬物を所定量
添加し、37℃で培養した。培養4日後に生存細胞数を
MMT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イ
ル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)
法にて測定した。
【0033】上記実施例1と同様、Prichardら
の方法(Antimicrob.Agents Che
mother.,35,1060−1065(199
1))に従って、MT−4細胞の細胞死を50%、70
%、90%阻害するコンビネーション インデックス
(CI)を、一定の濃度比で行った3回の実験結果より
算出した(表2)。ここでCIが1以下の場合は相乗効
果有り、1の場合は相加効果、1以上の場合は相殺効果
を表す。その結果、MKC−442とAZTとを併用に
より、顕著な相乗効果が確認された。
【0034】
【表2】 表2 ───────────────────────────────── コンビネーション インデックス*2 ───────────────────────────────── AZT/MKC-442*1 CI50 CI70 CI90 ───────────────────────────────── 1/8 0.60 0.40 0.21 2/8 0.53 0.36 0.20 4/8 0.60 0.39 0.21 ───────────────────────────────── *1 併用時の濃度比。 *2 3回の試験の平均値。
【図面の簡単な説明】
【図1】アロステリック阻害剤とAZT−TPとの併用
によるHIV−1逆転写酵素の阻害効果をイソボログラ
ムで表した図面である。図中、●はMKC−442を、
□はR82913を、○はNevirapineを、△
はL−696229をそれぞれ表し、データは一定のA
ZT−TPを加えた場合に得られた各アロステリック阻
害剤のIC50値をAZT−TPを加えていない場合のI
50値で割って算出した。図中の曲線は相加効果の場合
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 31/44 9454−4C 31/55 9454−4C C07D 239/47 Z 239/54 473/18 473/34 321 (A61K 31/505 31:70)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される6−ベンジ
    ル−1−エトキシメチル−5−置換ウラシル誘導体およ
    び1種以上の2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオシ
    ドまたはそのリン酸エステルを有効成分とする抗ウイル
    ス剤。 【化1】 (上記式中で、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、R
    1 はエチル基またはイソプロピル基を表し、R2 および
    3 はそれぞれ独立して水素原子、C1 〜C3 のアルキ
    ル基またはハロゲン原子を表す。)
  2. 【請求項2】 2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオ
    シドもしくはそのリン酸エステルが下記一般式(II)ま
    たは(III ) 【化2】 (上記式中、Bはピリミジン残基またはプリン残基を表
    し、Xは酸素原子またはメチレン基を表し、R4 〜R7
    はそれぞれ独立して水素原子、アジト基またはハロゲン
    原子を表し、R8 は水素原子、−PO(OH2 )、−P
    O(OH)OPO(OH)2 または−PO(OH)OP
    O(OH)OPO(OH)2 を表す。)で表される化合
    物であることを特徴とする請求項1記載の抗ウイルス
    剤。
  3. 【請求項3】 2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオ
    シドが、3′−アジド−3′−デオキシチミジン、
    2′,3′−ダイデオキシイノシン、、2′,3′−ダ
    イデオキシシチジン、2′,3′−ダイデヒドロ−3′
    −デオキシチミジンから選ばれることを特徴とする請求
    項1記載の抗ウイルス剤。
  4. 【請求項4】 2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオ
    シドが3′−アジド−3′−デオキシチミジンを含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の抗ウイルス剤。
  5. 【請求項5】 2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオ
    シドが2′,3′−ダイデオキシイノシンを含むことを
    特徴とする請求項1記載の抗ウイルス剤。
  6. 【請求項6】 2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオ
    シドが2′,3′−ダイデオキシシチジンを含むことを
    特徴とする請求項1記載の抗ウイルス剤。
  7. 【請求項7】 6−ベンジル−1−エトキシメチル−5
    −置換ウラシル誘導体が6−ベンジル−1−エトキシメ
    チル−5−イソプロピルウラシルを含むことを特徴とす
    る請求項1記載の抗ウイルス剤。
  8. 【請求項8】 抗レトロウイルス剤である請求項1記載
    の抗ウイルス剤。
  9. 【請求項9】 抗レンチウイルス剤である請求項1記載
    の抗ウイルス剤。
  10. 【請求項10】 抗ヒト免疫不全ウイルス剤である請求
    項8記載の抗ウイルス剤。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の6−ベンジル−1−エ
    トキシメチル−5−置換ウラシル誘導体、1種以上の
    2′,3′−ダイデオキシリボヌクレオシドまたはその
    リン酸エステルおよび薬理学的に許容される担体を含有
    してなることを特徴とする抗ウイルス剤組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010280724A (ja) * 1998-06-24 2010-12-16 Emory Univ Hivの治療薬物の製造のための他の抗hiv薬と組み合わせた3’−アジド−2’,3’−ジデオキシウリジンの使用

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