JPH0797155B2 - 放射性廃液の処理方法 - Google Patents

放射性廃液の処理方法

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JPH0797155B2
JPH0797155B2 JP4119187A JP4119187A JPH0797155B2 JP H0797155 B2 JPH0797155 B2 JP H0797155B2 JP 4119187 A JP4119187 A JP 4119187A JP 4119187 A JP4119187 A JP 4119187A JP H0797155 B2 JPH0797155 B2 JP H0797155B2
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、超ウラン元素(TRU)を含む放射性廃液を
容易かつ経済的に処理する方法に関するものである。
「従来の技術」 周知のように、使用済み核燃料に対しては、再処理によ
りU・Puを回収し、残りの高レベル放射性廃液をガラス
固化する方法が我が国において採択されている。廃棄物
の処理処分という点から、高レベル放射性廃液中に含ま
れる長寿命α放射体である超ウラン元素(TRU)を分離
し、これを効果的に貯蔵管理または消滅処理するのがも
っとも妥当な考え方であり、従来、再処理は、使用済み
燃料を硝酸に溶解して種々の酸化還元処理を行ない、TB
P(リン酸トリブチル)を用いた溶媒抽出でUとPuとを
分離する、いわゆるPurex法が用いられている。
「発明が解決しようとする問題点」 ところで、前記従来の放射性廃液の処理方法において、
U、Pu除去後のTRUを含む放射性廃液は、長期的に毒性
を持つので、これをガラス固化して貯蔵管理している
が、長寿命のα放射体が放射性廃液から分離されていな
いため、放射性廃棄物(ガラス固化物)の貯蔵期間が極
めて長いものとなり、貯蔵管理に膨大なコストを要して
いる。
このように、従来の放射性廃液の処理方法では、溶液中
からTRUを効率良く分離除去しないかぎり、放射性廃棄
物の処分や管理方法が困難になり、膨大なコストを要す
ることになる。
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
はTRUを含む放射性廃液からTRUを容易かつ経済的に分離
除去し、長期にわたる管理を要する廃液固化体を低減す
ることができる放射性廃液の処理方法を提供することに
ある。
「問題点を解決するための手段」 この発明に係る放射性廃液の処理方法は、まず、高酸濃
度にした放射性廃液から陰イオン交換等によりU、Puを
分離除去し、U、Pu除去後のTRUを含む放射性廃液をCMP
(carbamoyl methylene phosphonate)またはCMPO(car
bamoyl methylene phosphine oxide)を含浸させた固体
支持体(カラム)中を通過させることによりこの固体支
持体に液中のTRUを吸着させて前記廃液からTRUを除去す
るとともに、前記固体支持体に吸着したTRUを溶離して
回収することを特徴とする方法である。
「作用」 前記構成におけるCMP(carbamoyl methylene phosphona
te)またはCMPO(carbamoyl methylene phosphine oxid
e)は、3価、4価、6価のアクチノイド元素の抽出、
特に3価のアクチノイド元素の抽出が可能な化合物(二
座配位系有機リン化合物)として最近注目され始めた抽
出剤である。本発明においては、このCMP、CMPOをイオ
ン交換樹脂等の固体支持体に含浸させることによって、
比較的高価なCMP、CMPOの流損失を防止するとともに、C
MP、CMPOに抽出させたTRUの固定を容易にしている。
前記CMPの硝酸溶液中でのウラン;U(VI)およびTRUの抽
出反応式は次のように表すことができる。なお、TRUと
しては、プロトニウム;Pu(IV)と、廃液中に比較的多
量に含まれるアメリシウム;Am(III)とを例に挙げた。
UO2 2++2NO3 -+2CMP=UO2(NO3・2CMP Pu4++4NO3 -+2CMP=Pu(NO3・2CMP Am3++3NO3 -+3CMP=Am(NO3・3CMP また、高酸性度では、硝酸の付加反応が生じ(塩基性の
より強いCMPOにおいては一層顕著に生じる)、Am(II
I)の抽出は次式のようになると考えられる。
Am3++4NO3 -+H++3CMP=Am(NO3・3CMP・HNO3 一般に塩基性の強い抽出剤においては、高硝酸濃度では
金属錯体の抽出よりも酸の付加反応が優先するので、抽
出能力が低下する。しかし、塩基性の弱いCMPでは、ア
ミド基がバッファーとなり、金属錯体が配位するフォス
ホリル基がH+のアタックを受けないため、高酸性度でも
抽出能力が低下しない。ただし、抽出能力自体について
は、第5図に示すように、CMPOの方が強い。また、他の
元素との分離性では、CMPの方が優れている。なお、こ
の第5図においては,CMPとしてはDHDECMP(dihexy−N,N
−diethyl carbamoyl methylene phosphonate)を用
い、CMPOとしてはDHDECMPO(dihexy−N,N−diethylcarb
amoyl methylene phosphine oxide)を用いた。各構造
式は同図中に示した。
また、前記CMPまたはCMPOの含浸固体支持体には、CMPま
たはCMPOの含浸量が多く、CMPまたはCMPOが溶出しにく
い樹脂を使用する。例えば、Amberlite XAD−4(商品
名;非極性のポリスチレン−DVB樹脂、巨大網状構造)
が好適である。このような固体支持体にCMPまたはCMPO
(抽出剤)を含浸させて構成する吸着剤は、まず前記樹
脂をアセトンで洗浄して不純物を除去し、これを減圧乾
燥したものに抽出剤を含浸させて調製する。含浸時間は
数時間で充分である。
前記のようにして支持体に含浸された抽出剤は前記支持
体のカラムに通水することにより、その溶解度(〜500p
pm)に応じて溶出されていく。調製した吸着カラムに蒸
留水を通すと、通水初期に多量の抽出剤が流出し、その
後は一定濃度(420ppm)での溶出となる。一定濃度での
溶出は抽出剤の水に対する溶解度によるものであるが、
初期の多量の流出は抽出剤の含浸工程で余剰抽出剤とし
て除去しきれないものが流出したことによるものであ
る。したがって、抽出液をカラムから抜いた後、カラム
をカラムボリュームの10倍程度で洗浄し、この洗浄液を
抽出剤を含浸していないAmberlite XAD−4のカラムに
通して、抽出剤を吸着回収する。このように抽出剤を固
体支持体に含浸させるので、抽出剤の溶解度に見合うだ
けの少量しか流失しないので、高価な抽出剤を使用して
もコスト高になるのを抑えることができる。
このようにして調製した吸着剤を塔内に充填してカラム
を形成し、このカラム中にU、Pu除去後のTRUを含む放
射性廃液を通過させれば、液中のTRUをカラムに吸着さ
せることができ、これによって容易にTRUの除去を行な
うことができる。カラムに吸着させたTRUは希酸溶液の
洗浄により容易に溶離することができ、TRU廃液を分
離、回収することができる。
以下、この発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
「実施例」 第1図に本発明方法を実施するに好適な装置の概略構成
図を示す。
周知のように、放射性廃液は、多量のアメリシウム;Am
を含んでいる。この放射性廃液は、通常、前記Amの他に
U(VI)、Pu(IV)を含んでおり、これらの濃度が高い
場合にはAmの吸着容量に影響を及ぼすことが考えられ
る。そこで、まず、図に示すように、一旦、廃液供給槽
1に貯えた廃液をポンプ2により濃硝酸溶液とともに陰
イオン交換樹脂塔3に流して、U、Pu元素を除去する。
除去したU、Pu成分は希硝酸溶液による逆洗により塔3
内のイオン交換樹脂から溶離し、U・Pu貯留槽4に貯え
て適宜リサイクルする。
U、Pu除去後の流出液(Am廃液)は、廃液貯留槽5に一
時貯留し、この貯留槽5からポンプ6により抽出部7に
供給する。抽出部7は、1バッチあたりの廃液処理量を
増すために7a(7a)、7bの2段とし、前段の塔7a、7aに
はCMP含浸イオン交換樹脂またはCMPO含浸イオン交換樹
脂を充填し、後段の塔7bに溶出した抽出剤を回収・保持
するためのバックアップカラムを設ける。このバックア
ップカラムにより前段の塔7a、7aから溶出した抽出剤を
吸着し、抽出剤の溶出によるコストの損失を大きく低減
化することができる。
前記抽出部7からのAmが分離除去された流出液は、一旦
FP廃液貯留槽8へ送り、たとえば、硝酸ナトリウムに対
する処理を施して、暫定固化処理を行なうことができ
る。
一方、抽出塔7a、7a内のカラムに吸着されているAm等の
TRUは希硝酸溶液による順洗により溶離し、このAmを含
む廃液は、一時廃液貯留槽9に貯え、ガラス固化処理を
行ない処分するか、あるいは必要な場合には、シュウ酸
沈澱法等によりAmを回収することが可能である。
次に、この発明方法の硬化を定量的に確認するために行
なった実験例を示す。この実験例では抽出剤としてCMP
を用いた。
「実験例」 (i) 吸着剤の調製 CMPの含浸支持体には、CMPの含浸量が多く、CMPが溶出
しにくいとされるAmberlite XAD−4(商品名;非極性
のポリスチレン−DVB樹脂、巨大網状構造)を用いた。
吸着剤は、樹脂をアセトンで洗浄して不純物を除去し、
これを減圧乾燥したものにCMPを含浸させて調製した。
(ii) 放射性廃液 この実験例では実際の放射性廃液のかわりにランタノイ
ド(Ce、Nd、Eu)を用いた模擬廃液によりCMP含浸支持
体カラムの廃液中からのTRU分離・回収特性を評価し
た。使用した模擬廃液の組成を表1に示す。他元素との
分離性を評価するためにIII価金属の代表としてFeを、I
I価金属の代表としてSrを添加した。
(iii) 模擬廃液を用いた分離・回収特性 第2図はこの実験例に用いた装置を示すものである。図
中符号10は前記模擬廃液を入れたビーカを示すもので、
このビーカ10内の廃液は定量ポンプ11によって第1段目
の抽出カラム12、第2段目のバックアップカラム13中に
順次に供給され、カラムからの流出液はサンプル容器14
中に滴下されるようになっている。前記抽出カラム12内
には前記した吸着剤が充填されており、バックアップカ
ラム13内にはAmberlite XAD−4が充填されている。
模擬廃液や溶離液(希硝酸溶液)は、定量ポンプ11を用
いてカラム12−13に供給し、流出液、溶離液はカラムボ
リューム単位でフラクションをとった。各フラクション
からサンプリングし、ランタノイド(Ce)については高
周波プラズマ発光分析で、Fe、Srについては原子吸光度
分析で、それぞれ流出液中の濃度を分析した。
分析の結果得られた流出液のブレークスルーカーブを第
3図に示す。図に見られるように、6×(カラムボリュ
ームの6倍)までの模擬液に対して良好な分離が得られ
ている。なお、ブレークスルーのしきい値は、流速の調
整、吸着カラムの多段化により大きくすることが可能で
ある。
また、第4図に希硝酸溶液を用いた吸着カラムの溶離曲
線を示す。図に見るように、10×までにほぼ全量のセリ
ウムが溶出される。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明に係る放射性廃液の処理
方法によれば、TRUを含む放射性廃液からTRUを容易かつ
経済的に分離除去し、長期にわたる管理を要する廃液固
化体を大幅に低減することができ、放射性廃棄物(ガラ
ス固化物)の貯蔵管理コストの低減に大きく寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明方法に用いて好適な装置の一例を示す
もので、同装置の概略構成図で、第2図ないし第4図は
本発明方法の実験例を説明するためのもので、第2図は
用いた装置の概略構成図、第3図は分析の結果得られた
流出液のブレークスルーカーブ、第4図は希硝酸溶液を
用いた吸着カラムの溶離曲線、第5図は本発明方法に用
いるCMPおよびCMPOのよる硝酸溶液からのAmの抽出分離
性能を示す曲線である。 1……廃液供給槽、 2、6……ポンプ、 3……陰イオン交換樹脂塔、 4……U・Pu貯留槽、 5……廃液貯留槽、 7……抽出部、 7a……抽出塔、 7b……バックアップカラム、 8……FP廃液貯留槽、 9……廃液貯留槽、 10……ビーカ、 11……定量ポンプ、 12……抽出カラム、 13……バックアップカラム、 14……サンプル容器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高酸濃度にした放射性廃液からU、Puを分
    離除去し、U、Pu除去後の超ウラン元素を含む放射性廃
    液をCMP(carbamoyl methylene phosphonate)またはCM
    PO(carbamoyl methylene phosphine oxide)を含浸さ
    せた固体支持体中を通過させることによりこの固体支持
    体に超ウラン元素を吸着させて前記廃液から超ウラン元
    素を除去するとともに、前記固体支持体に吸着した超ウ
    ラン元素を溶離して回収することを特徴とする放射性廃
    液の処理方法。
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JP5668048B2 (ja) * 2012-12-27 2015-02-12 株式会社神鋼環境ソリューション 放射性セシウム含有水の吸着塔の交換方法

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