JPH0797109A - 布帛移送用のスリップレスロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 布帛とスリップすることなく該布帛を連続移
送するロールの開発。 【構成】 回転支軸の周囲に該支軸と平行な多数本のガ
イド杆を配設し、これらガイド杆の相互間に、双方ガイ
ド杆の外側相互間を結ぶ接線よりも外方へ突出する針長
の多数本の針を植設した針植設板を取外し自在に設け
た。 【効果】 布帛とロールとの間で布帛のスリップを生じ
ることのないロールが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば湿熱が保持され
る湿熱処理室内で、該湿熱処理室内に連続的に供給され
る布帛を駆動ロールによりループ状に懸垂移送するに使
用されるスリップレスロールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】本発明者は、工業的に生産加工する長尺
布帛の例えば前処理、染着処理等を行なうために、所定
の処理液が付与された長尺の被処理布帛を、所望の湿熱
が維持されている湿熱処理室内を順次通過せしめること
で目的とする湿熱処理を連続的に行なう処理方法あるい
はその処理装置について長年の研究を重ね、多種多様の
出願を済ませている。

【０００３】その中で、湿熱処理室の内部を通過させる
布帛にテンションをかけることなくその湿熱処理室内を
連続的に移送させるための装置、例えば布帛の風合処理
装置、縮じゅう装置、あるいはプリント布帛のように、
そのプリント処理面に、ガイドロールを接触せしめるこ
とができないプリント発色装置などの装置にあっては、
布帛をノーテンション移送せしめる必要があり、このノ
ーテンション移送装置においても多数の開発を行なって
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この種のノ
ーテンション連続移送装置は、例えば高圧又は常圧の湿
熱が維持される湿熱処理室内で、手のとどき難い室内に
設備されるものであって、その室内での布帛のノーテン
ション移送状況を湿熱処理室の外部より管理することは
困難であることから、そのノーテンション連続移送装置
は、布帛を一定間隔でループ状に懸垂形成しながら移送
することが、機械的かつ連続的にしかも確実になされる
信頼性の高いものでなければならない等の要求があっ
た。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、かかる要求に
答えるためになされたもので、湿熱が保持される湿熱処
理室内の布帛導入口より布帛導出口に向って長尺布帛を
一定間隔で垂下移送せしめるための駆動ロールを、その
周面に多数本の針が突設配置される針ロールとすると共
に、その針の突出長を調整することができるようにし
て、多種多様の移送布帛に応じてそれら布帛とのスリッ
プを有効に解消することができるスリップレスロールを
提供することにある。

【０００６】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

【０００７】１は本実施例よりなるスリップレスロール
であって、このスリップレスロール１は回転支軸２と、
この回転支軸２の両端部に夫々固定形成される夫々の端
面板３と、これら双方の端面板間において前記支軸２に
固定される支持環４を有し、前記双方の端面板３相互間
には、その回転支軸２と平行に配置され、しかも端面板
３の周方向に、その周方向へ隔設される２本のガイド杆
５Ａ，５Ｂが対をなし、しかも端面板３の周方向に配置
される多数対のガイド杆５Ａ，５Ｂが架設保持されてい
る。

【０００８】平行に対設されている各ガイド杆５Ａと５
Ｂとの間に多数本の針６を植設せしめた帯形状の針植設
板７が配置され、これら針植設板７は、取付ねじ８によ
って前記の支持環４に着脱可能に支持固定される。この
針植設板７は、両側の端面板３間に位置される長尺のも
のであってもよいが、図示のように各支持環４の間に跨
って取付けられるように短尺のものであってもよい。

【０００９】また上記の各ガイド杆５Ａ，５Ｂの端面板
３への取付構造は、その端面板３に設けた取付孔９に、
ガイド杆５Ａ，５Ｂの両端部を挿入し、その挿入端をナ
ット１０により螺着するようにしてもよいが、その取付
孔９を、端面板３の放射方向に長い長孔となしてガイド
杆５Ａ，５Ｂの取付位置を端面板３の放射方向の取付位
置を調整可能となしてもよい。

【００１０】また前記針植設板７に植設される針６の長
さは、図４に示すように対のガイド杆５Ａ，５Ｂの周面
相互間を結ぶ接線１１よりも突出するように設定されて
おり、またこの突出長は、移送すべき布帛の厚さに対し
て１．５〜３倍ぐらいの長さとなるような複数種の針長
を有する針植設板７を予め用意する。

【００１１】このように本実施例にあっては、回転支軸
２と平行に配置されかつその回転支軸の周方向に配設さ
れた多数対のガイド杆５Ａ，５Ｂと、この双方ガイド杆
相互間に配置され、その双方ガイド杆外側相互を結ぶ接
線よりも外方へ突出する針長を有する各種針植設板７を
交換可能に取付けたものであるから、これによれば、針
長が異る針６を植設せしめた複数種の針植設板７を予め
用意しておけば、移送すべき布帛の厚さに応じて、その
布厚に適した針長を有する針植設板７と交換することで
各種布厚の布帛をスリップさせることなく有効な連続移
送が可能である。

【００１２】またその針長を移送すべき布厚の１．５〜
３倍ぐらいに設定することで、その針によって布帛を確
実に引掛け、また針に引掛けられた布帛は、そのロール
の回転に伴なって針から円滑に離脱せしめることがで
き、連続移送の信頼性に優れたスリップレスロールが提
供できる。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明は、回転支軸２と平
行に配置され、かつその回転支軸の周方向に隔設配置さ
れる多数本のガイド杆５Ａ，５Ｂと、これらガイド杆の
相互間に配置され、しかも双方ガイド杆の外側相互間を
結ぶ接線よりも外方向に突出する長さの多数本の針６を
植設せしめてなる複数種針長の針植設板７を用意し、こ
れら針植設板７を、回転支軸に対して交換可能に取付け
たスリップレスロールであるから、これによれば、針長
が異る針６を植設せしめた複数種の針植設板７を予め用
意しておけば、移送すべき布帛の厚さに応じて、その布
厚に適した針長を有する針植設板７と交換することで各
種布厚の布帛をスリップさせることなく有効な連続移送
が可能であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例のスリップレスロールの構造説明
図。

【図２】図１におけるＡ−Ａ’断面図。

【図３】図１におけるＢ−Ｂ’断面図。

【図４】本発明実施例の要部構造拡大図。

【符号の説明】

１…スリップレスロール ２…回転支軸 ３…端面板 ４…支持環 ５Ａ，５Ｂ…ガイド杆 ６…針 ７…針植設板 ８…取付ねじ ９…取付孔 １０…ナット １１…接線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山東幸司 和歌山県和歌山市宇須４丁目４番５号 株 式会社山東鉄工所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転支軸（２）と平行に配置され、かつ
   その回転支軸の周方向に隔設配置される多数本のガイド
   杆（５Ａ），（５Ｂ）と、これらガイド杆の相互間に配
   置され、しかも双方ガイド杆の外側相互間を結ぶ接線よ
   りも外方向に突出する長さの多数本の針（６）を植設せ
   しめてなる複数種針長の針植設板（７）を用意し、これ
   ら針植設板（７）を、回転支軸に対して交換可能に取付
   けたことを特徴とする布帛移送用のスリップレスロー
   ル。