JPH0795979A - 超音波診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 任意の表示領域で血流情報を正確に表示す
る。 【構成】 超音波診断装置は、断層画像データとカラー
フローデータとを重ねて表示する装置であって、カラー
フローデータを表示画面上において深さ方向及び走査方
向任意の領域に指定して表示できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、超音波診断装置、特
に、超音波ビームを走査して得られた断層画像データと
２次元血流画像データを重ねて表示する２次元血流断層
方式の超音波診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】医用分野で用いられる超音波診断装置で
は、たとえば心臓部の断層データをリアルタイムでモニ
タに表示したり、またパルスドプラ法により特定部位の
血流速度を測定し、この分布を前記同様にモニタに表示
することが一般的におこわなれている。さらに、断層デ
ータをモニタに表示するとともに、ある特定部位の血流
情報を、断層データの表示されたモニタに並べて表示す
るようにしたものもある。

【０００３】また、血流速度を２次元的に把握するため
に、２次元血流断層方式が採用されている。この２次元
血流断層方式は、断層情報に血流情報を合成し、血流情
報を２次元で、しかもリアルタイムに表現するものであ
る。この場合には、断層情報及び血流情報が、それぞれ
ディジタル化されて合成され、Ｒ，Ｇ，Ｂのテレビジョ
ン信号に変換される。そして、通常の断層像の上に検知
された血流情報のプロフィールがカラー表示される。た
とえば、時間平均された血流速度プロフィールが、プロ
ーブに向かってくる方向を赤色で、プローブから遠ざか
る方向を青色でカラー表示され、また、血流速度プロフ
ィールの表示の濃淡により血流速度の大きさが表示され
る。

【０００４】このような血流情報の表示のためには、通
常、関心領域（以下、ＲＯＩと記す）の血流情報を表示
できるように、表示範囲を限定するようにしている。こ
の表示範囲を限定するために、通常、マウスやトラック
ボール等の入力手段により表示枠（以下、ＲＯＩ枠とい
う）を移動させている。このＲＯＩ枠は、一般に、走査
方向の範囲は変更可能であるが、深さ方向の範囲は超音
波ビームによらず一定である。このようにＲＯＩ枠が設
定されると、そのＲＯＩ枠内においてのみ断層情報に血
流情報が合成されて表示される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
ＲＯＩ枠の深さ方向の範囲が超音波ビームによらず一定
であるために、そのＲＯＩ枠の形状が、リニア画像であ
れば縦辺の長さが一定の矩形、セクタやコンベックス画
像であれば走査方向の長さが一定の扇形に限定されるこ
とになる。このように深さ方向の表示範囲が限定される
と、その表示範囲にたとえば心臓等の動きのある臓器が
表示されている場合には、その動きを血流情報として誤
検知するおそれがある。臓器の動きが血流情報として誤
検知されると、正確な血流情報を得ることができない。
したがって血流が少なくて臓器の動きが目立つような領
域の血流情報は正確に表示できない。

【０００６】本発明の目的は、任意の表示領域での血流
情報を限定して正確に表示できるようにすることにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る超音波診断
装置は、超音波ビームを走査して得られた断層画像デー
タと２次元血流画像データとを重ねて表示する装置であ
って、断層画像データ生成手段と２次元血流画像データ
生成手段と合成手段と表示手段と表示領域指定手段と制
限手段とを備えている。

【０００８】断層画像データ生成手段は、断層画像デー
タを生成する。２次元血流画像データ生成手段は、２次
元血流画像データを生成する。合成手段は、両画像デー
タ生成手段で生成された断層画像データと２次元血流画
像データとを合成する。表示手段は、合成手段で合成さ
れた画像データを表示画面に表示する。表示領域指定手
段は、２次元血流画像データの表示領域を、表示画面上
において深さ方向及び走査方向任意の領域に指定する。
制限手段は、表示領域指定手段で指定された任意表示領
域に対応して２次元血流画像データの表示を制限する。

【０００９】

【作用】本発明に係る超音波診断装置では、断層画像デ
ータが断層画像データ生成手段により生成され、２次元
血流画像データが２次元血流画像データ生成手段により
生成されると、合成手段でそれらが合成される。合成さ
れた画像データは表示手段によって表示画面に表示され
る。ここで、２次元血流画像データの表示領域は、表示
領域指定手段により指定される。この指定の際には、表
示画面上において深さ方向及び走査方向の任意の領域を
指定可能である。そして指定された任意表示領域に対応
して、制限手段が、２次元血流画像データの表示を制限
する。

【００１０】ここでは、表示領域指定手段により、任意
の表示領域を指定可能であるとともに、指定された任意
の表示領域に対応して、２次元血流画像データの表示が
制限されるので、２次元血流画像データを表示画面上の
任意の位置だけに限定して正確に表示できる。

【００１１】

【実施例】図１は、本発明の一実施例による超音波診断
装置の概略構成を示している。図において、プローブ１
は、複数の微小振動子から構成されており、送受信回路
２に接続されている。送受信回路２は、超音波ビームを
送波するための高周波パルス発振器，反射エコーを受信
処理する受信器，電子走査を行うための遅延回路及び遅
延量選択回路等により構成されている。送受信回路２に
は、断層データ生成回路３及び血流データ生成回路４が
接続されている。

【００１２】断層データ生成回路３は、生体の断層画像
データを得るための回路である。断層データ生成回路３
は、受信信号に対して波形成形処理を行う受波成形回路
及びその出力信号をディジタル信号に変換するためのＡ
／Ｄコンバータ等から構成されている。断層データ生成
回路３及び血流データ生成回路４には、ＤＳＣ（ディジ
タル・スキャン・コンバータ）５が接続されている。

【００１３】また、血流データ生成回路４は、受信信号
に対して波形成形及び位相検波処理を行う検波回路と、
検波して得られたドプラ信号によりカラーフローデータ
を作成するための演算回路とを備えている。ＤＳＣ５
は、断層データ生成回路３で得られた断層画像データ
と、血流データ生成回路４で得られたカラーフローデー
タとを表示形式に変換して合成するとともに、それらを
テレビジョン信号に同期してモニタ６に出力する。

【００１４】血流データ生成回路４及びＤＳＣ５には、
ＲＯＩ枠発生回路７が接続されている。ＲＯＩ枠発生回
路７には、操作パネル８が接続されている。操作パネル
８には、たとえばトラックボール等が設けられており、
トラックボールにより２次元血流画像データのＲＯＩ枠
を任意の位置に指定することができる。ＲＯＩ枠発生回
路７では、ＲＯＩ枠が設定されると、ＲＯＩ枠の走査方
向の表示開始位置と表示終了位置とを示す第１枠データ
と、各走査線毎のＲＯＩ枠の深さ方向の表示開始位置と
表示終了位置とを示す第２枠データとが生成される。第
１枠データは、血流データ生成回路４に与えられ、第２
枠データは、ＤＳＣ５内の後述するＲＯＩ範囲限定回路
１３に与えられる。またＲＯＩ枠発生回路７は、グラフ
ィックデータ生成回路９にも接続されている。グラフィ
ックデータ生成回路９は、ＲＯＩ枠発生回路７で生成し
た第１及び第２枠データに基づき、ＲＯＩ枠を表示する
ためのグラフィックデータを生成する。グラフィックデ
ータ生成回路９には、ＤＳＣ５が接続されている。

【００１５】ＤＳＣ５は、図２に示すように、断層デー
タ生成回路３に接続された断層データ補間回路１０と、
血流データ生成回路４に接続された血流データ補間回路
１１とを有している。断層データ補間回路１０にはＢモ
ード用２次元メモリ１２が接続されている。また血流デ
ータ補間回路１１には、ＲＯＩ範囲限定回路１３が接続
されている。ＲＯＩ範囲限定回路１３には、前述したよ
うに、ＲＯＩ枠発生回路７から、各走査線毎の深さ方向
の表示開始位置及び表示終了位置を示す第２枠データが
与えられている。ＲＯＩ範囲限定回路１３には、ＣＢ用
２次元メモリ１４が接続されている。Ｂモード用２次元
メモリ１２及びＣＢ用２次元メモリ１４には合成部１５
が接続されている。合成部１５には、グラフィックデー
タ生成回路９も接続されている。

【００１６】次に、上述の実施例の動作について説明す
る。まず、送受信回路２の高周波パルス発振器が駆動さ
れ、高周波パルスがプローブ１に印加される。これによ
り、プローブ１から生体内に超音波ビームが送波され
る。生体内で反射された反射エコーは、プローブ１で受
波され、送受信回路２に入力される。送受信回路２で所
定の処理を受けた反射エコー信号は、断層データ生成回
路３及び血流データ生成回路４に入力される。断層デー
タ生成回路３に入力された反射エコー信号には、受波成
形回路により増幅，波形成形，フィルタ処理等の信号処
理が施される。そしてＡ／Ｄコンバータでディジタル情
報に変換されてＤＳＣ５に与えられる。

【００１７】また、血流データ生成回路４に入力された
反射エコー信号は、検波回路により増幅，波形成形，位
相検波等の信号処理が施され、Ａ／Ｄ変換されて、演算
回路に入力され、カラードプラモード用のカラーフロー
データが作成される。このカラーフローデータ作成時
に、操作パネル８が操作され、ＲＯＩ枠が設定される
と、血流データ生成回路４に、その走査方向の表示開始
位置及び表示終了位置を示す第１枠データが与えられ
る。この第１枠データが与えられると、血流データ生成
回路４では、深さ方向において、図４の範囲ＣＩのよう
にＲＯＩ枠ＲＩと同等またはそれよりやや大きな範囲で
のカラーフローデータだけを生成する。また、ＲＯＩ枠
発生回路７で第１及び第２枠データが作成されると、そ
のデータは、グラフィックデータ生成回路９に与えら
れ、ＲＯＩ枠を示すためのグラフィックデータが生成さ
れる。

【００１８】ＤＳＣ５では、断層データ生成回路３で生
成された断層画像データが断層データ補間回路１０に与
えられ、血流データ生成回路４で生成された走査方向に
制限されたカラーフローデータが血流データ補間回路１
１に与えられる。断層データ補間回路１０では、与えら
れた断層画像データに補間処理を施し、表示形式の画像
データを生成する。つまり、リニアスキャンの場合に
は、たとえば、走査ビームの本数が表示画面の解像度よ
り少ない場合には、水増し補間処理により、解像度分の
断層画像データを生成する。また、コンベックススキャ
ンやセクタスキャンの場合には、得られた断層画像デー
タを水増しするとともに、それらを扇形状に配置し得る
ようにデータ変換処理を施す。得られた２次元画像デー
タがＢモード用２次元メモリ１２に表示形式で配置され
る。そしてＴＶ信号に同期して合成部１５に与えられ
る。

【００１９】また、血流データ生成回路４で生成された
カラーフローデータは、血流データ補間回路１１に与え
られる。血流データ補間回路１１では断層データ補間回
路１０と同様な補間処理が施される。補間されたカラー
フローデータはＲＯＩ範囲限定回路１３に与えられる。
ＲＯＩ範囲限定回路１３には、ＲＯＩ枠発生回路７か
ら、設定されたＲＯＩ枠の各走査線毎の表示開始位置及
び表示終了位置を示す第２枠データが与えられる。ＲＯ
Ｉ範囲限定回路１３では、血流データ補間回路１１で生
成されたカラーフローデータのうち、各走査線毎に、深
さ方向の表示開始位置から表示終了位置までのデータだ
けを出力し、ＣＢ用２次元メモリ１４に与える。ＣＢ用
２次元メモリ１４では、表示形式でＲＯＩ枠内のカラー
フローデータだけを配置する。そして２次元メモリ１４
に格納されたカラーフローデータは、ＴＶ信号に同期し
て合成部１５に与えられる。

【００２０】一方、合成部１５には、ＲＯＩ枠を示す画
像データも与えられる。これらの３つのデータが合成さ
れてモニタ６に出力される。この表示の一例を図３に示
す。図３に、一点鎖線で示した矩形範囲ＢＩが、Ｂモー
ド画像の表示範囲である。また一点鎖線で示した範囲Ｃ
Ｉが第１枠データに対応して血流データ補間回路１１か
ら出力された血流データの範囲である。そして実線が、
第２枠データに対応して設定されたＲＯＩ枠ＲＩを示し
ている。このＲＯＩ枠ＲＩの範囲だけに血流情報が表示
される。このため、任意の表示領域のカラーフローデー
タを臓器等の動きによる影響を受けることなく正確に表
示できる。

【００２１】〔他の実施例〕 （ａ） 血流データ生成回路４でＲＯＩ枠に応じた走査
方向の制限を超えずに、ＲＯＩ範囲限定回路１３で走査
方向と深さ方向とに制限を加えてもよい。ただしこの場
合には、表示画面上のすべてのカラーフローデータを生
成しなければならず、データ生成に長時間を要する。 （ｂ） 血流データ生成回路４で、走査方向毎に深さ方
向の限定を加えてもよい。この場合には、生成するカラ
ーフローデータの数を予め絞ることができる。つまり、
第１枠データではなく第２枠データが血流データ生成回
路４に与えられる。この場合には、血流データ生成回路
４には、血流演算を実行する際に、深さ方向の範囲を走
査方向毎に変更する機能が必要になる。 （ｃ） ＣＢ用２次元メモリ１４に書き込む際の範囲を
限定するのではなく、読み出す際にＲＯＩ枠に応じた範
囲に限定してもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明に係る超音波診断装置では、表示
範囲を深さ方向及び走査方向で任意に指定し、指定され
た任意表示領域に対応して表示を制限しているので、２
次元血流画像データを表示画面において任意に指定する
ことができる。この結果、任意の領域で血流画像データ
を正確に表示できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による超音波診断装置の概略
ブロック構成図。

【図２】ＤＳＣの概略ブロック構成図。

【図３】表示の一例を示す図。

【符号の説明】

３ 断層データ生成回路 ４ 血流データ生成回路 ５ ＤＳＣ ６ モニタ ７ ＲＯＩ枠発生回路 ８ 操作パネル １３ ＲＯＩ範囲限定回路 １５ 合成部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】超音波ビームを走査して得られた断層画像
   データと２次元血流画像データとを重ねて表示する超音
   波診断装置であって、 前記断層画像データを生成する断層画像データ生成手段
   と、 前記２次元血流画像データを生成する２次元血流画像デ
   ータ生成手段と、 前記両画像データ生成手段で生成された前記断層画像デ
   ータと２次元血流画像データとを合成する合成手段と、 前記合成手段で合成された画像データを表示画面に表示
   する表示手段と、 前記２次元血流画像データの表示領域を、前記表示画面
   上において深さ方向及び走査方向任意の領域に指定する
   表示領域指定手段と、 前記表示領域指定手段で指定された任意表示領域に対応
   して前記２次元血流画像データの表示を制限する制限手
   段と、を備えた超音波診断装置。