JPH0795863B2 - ディジタル中継交換機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はディジタル中継交換機に関する。

〔従来の技術〕

従来のディジタル中継交換機は、通話路に時分割スイッ
チ回路網を使用しており、その時分割スイッチ回路網と
しては、各種の形式が実用化されている。そして、その
中で、時間スイッチ−空間スイッチ−時間スイッチ（以
下Ｔ−Ｓ−Ｔと記す）形式は、大規模なスイッチ回路網
（即ち、使用条件として、リンクはノンブロックでなく
てもよいが、多入出力端子を持つ必要があるスイッチ回
路網）を構成した場合、リンクブロック率が低く制御が
容易である。そのため、現在ではＴ−Ｓ−Ｔ形式を使用
するディジタル中継交換機が主流となっている。ここで
使用されている時間スイッチには、一つのハイウェイ上
でタイムスロットを入替えるため、通話メモリが用いら
れている。そして、この通話メモリに、通話情報を書込
む順序と読出す順序とを変えることで交換動作を行って
いる。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述した従来のディジタル中継交換機は、時分割スイッ
チ回路網の時間スイッチに通話メモリを用い、その通話
メモリに対する、通話情報を書込む順序と読出す順序と
を変えることで交換動作を行わせるため、その制御を行
う制御部と通話メモリとは、高速で多くの処理を行う必
要があるので高価なものになる。そのため、この形式
を、用途として小規模ではあるが一つの端子ごとの呼量
が多くかつリンクブロックを許さないディジタル中継交
換機に適用する場合、時分割スイッチ回路網をノンブロ
ックとしなければならず、従って交換機の扱う呼量に比
較して非常に大きなスイッチ回路網を必要とするので、
経済的に不利なものになるという問題点がある。

本発明の目的は、構成および制御が簡単で安全線群を組
むことができる経済的な時分割スイッチ回路網を持つデ
ィジタル中継交換機を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明のディジタル中継交換機は、それぞれ複数のタイ
ムスロットを持つ複数のハイウェイで構成される時分割
交換スイッチ回路網と、他の交換機と接続する複数の中
継線に対応して設ける前記中継線内のアナログ信号を２
線−４線変換する複数のトランクと、前記複数のトラン
クにそれぞれ対応して設けられ自己の属するトランクが
出力するアナログ信号を受けディジタル符号に変換し前
記自己の属するトランクごとに予め定めてあるハイウェ
イ上の予め割付けてあるタイムスロットに出力する符号
器と、前記符号器と一対に設けられ交換接続動作ごとに
ハイウェイおよびこのハイウェイ上のタイムスロットの
指定を受けこの指定されたハイウェイとタイムスロット
とを選択しこの選択したハイウェイ上のタイムスロット
からディジタル符号を受けアナログ信号に変換し前記自
己の属するトランクに出力する復号器と、前記交換接続
動作ごとに入呼側の中継線から受信した情報により接続
すべき出呼側の中継線を知り前記入呼側の中継線と前記
出呼側の中継線とのそれぞれに対応して設けられた二つ
のトランクに属するそれぞれの復号器に接続相手となる
符号器の属するトランクごとに予め定めてあるハイウェ
イおよびタイムスロットとを指定する制御装置とを有す
る構成である。

本発明では、符号器から出力するディジタル符号のハイ
ウェイ上のタイムスロットを固定的に割振り、接続相手
の復号器では制御装置からの指示により、接続先符号器
が出力しているディジタル符号をハイウェイから符号器
の出力するタイミングに同期して読込むことにより、デ
ィジタル音声データ蓄積用の通話メモリなしに交換動作
を実現でき、すべての符号機に対して予めタイムスロッ
トが確保されているので完全線群となる。

また、前従の記載では符号器の出力を固定し、復号器の
入力を任意に制御できるようにしてあるが、これを復号
器の読込むハイウェイ上のタイムスロットを固定し、符
号器の出力するハイウェイおよびタイムスロットを、接
続相手となる復号器に合せて任意に制御しても同様な効
果が得られる。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は本発明の一実施例のブロック図である。

ディジタル中継交換機１は、各交換機２と接続するため
の中継線３と接続し２線−４線の変換を行うトランク４
と、そのトランク４のアナログ信号を受けディジタル符
号に変換し自己の属するトランクごとに予め定めてある
ハイウェイ上の予め割付けてあるタイムスロットに出力
する符号器５と、その符号器５と一対に設けられ、交換
接続動作ごとにハイウェイおよびこのハイウェイ上のタ
イムスロットの指定を受け、この指定されたハイウェイ
とタイムスロットとを選択しこの選択したハイウェイ上
のタイムスロットからディジタル符号を受けアナログ信
号に変換し自己の属するトランクに出力する復号器６
と、それぞれ複数のタイムスロットを持つ複数のハイウ
ェイで構成される時分割交換スイッチ回路網７と、共通
バス８を経由して各装置を制御すると共に、交換接続動
作ごとに入呼側の中継線から受信した情報により接続す
べき出呼側の中継線を知り前記入呼側の中継線と前記出
呼側の中継線とのそれぞれに対応して設けられた二つの
トランクに属するそれぞれの復号器に接続相手となる符
号器の属するトランクごとに予め定めてあるハイウェイ
およびタイムスロットを指定する制御装置９とを含んで
いる。

第２図は本発明の時分割交換スイッチ回路網内のハイウ
ェイとタイムスロットとの使用方法を説明するための説
明図である。

時分割交換スイッチ回路網７内には16本のハイウェイが
あり、各ハイウェイには32個のタイムスロットがある。
そしてそれらのタイムスロット一つ一つにトランク４が
割付けてある。この実施例の場合は、32×16＝512個の
タイムスロットがあるので、本実施例のディジタル中継
交換機には512個のトランクを収容することができるこ
とになる。第２図では、その様子をタイムスロットごと
に番号を付けて区別してある。すなわち、４桁の数字の
上の２桁がハイウェイ番号を示し、下の２桁がタイムス
ロット番号を示している。例えば「S0130」は、ハイウ
ェイ番号１番のタイムスロット番号30番のタイムスロッ
トである。

第３図は本発明の時分割交換スイッチ回路網と復号器と
の組合せで実現するスイッチ回路の空間分割スイッチに
よる等価表現の回路図である。

まず16本のハイウェイの１本ごとに32個の符号器を接続
し、この32個一群の符号器には、それぞれ異なるタイム
スロットを割付ける。これで512個の符号器すべてに独
自のハイウェイおよびタイムスロットを固定的に割付け
たことになる。これが第３図の左側のタイムスロット選
択（時間スイッチ）に相当する部分である。つぎに各復
号器に16本のハイウェイを接続する。ここでは16本のハ
イウェイに対し16個の復号器を一群として接続した状態
を第３図の右側のハイウェイ選択（空間スイッチ）とし
て図示している。各復号器は、交換接続動作ごとに接続
相手となる符号器に割付けられたハイウェイおよびタイ
ムスロットの指定を制御装置から受け、16本の中から１
本のハイウェイを選択し、選択したハイウェイ上の指定
を受けたタイムスロットにタイミングを合せてディジタ
ル符号を取出す構成であるので、512個の符号器の自己
を含むすべてが動作中であっても、必ず接続相手の符号
器と接続していることになる。従って第３図の空間分割
スイッチによる等価表現の回路図が書け、かつこのリン
クは完全線群であるといえる。

次に第１図から第３図を参照して動作について説明す
る。

ディジタル中継交換機１は、交換機２（入呼側交換機）
からの着信呼を中継線３を経由してトランク４で受け
る。制御装置９は、その着信呼の接続先を図示されてい
ないダイヤル番号受信回路の情報から知る。その情報に
より接続先の交換機２（出呼側交換機）に属するトラン
ク４を選定し起動すると共に、入呼側および出呼側の二
つのトランク４に接続している符号器５は、それぞれ予
め定めてあるハイウェイ上のタイムスロットにディジタ
ル符号を出力し、二つの復号器６にはそれぞれ相手とな
るハイウェイ番号とこれのタイムスロット番号とを共通
バス８を経由して記憶させる。これにより復号器６は、
指定されたハイウェイの中の指定されたタイムスロット
を選択しディジタル符号を受信し、ディジタル・アナロ
グ変換を行い、トランク４と中継線３とを経由して交換
機２に送出する。この動作、すなわち復号器６が、指定
されたハイウェイの中の指定されたタイムスロット番号
のデータを選択的に受信する動作は、第３図に示す本発
明の通話路構成を空間スイッチ形式で等価表現した回路
図からも明らかである。

このようにして、時間スイッチに通話メモリを設けずと
も、任意の２本の中継線の間を接続することができるデ
ィジタル中継交換機が得られる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明は、符号器がハイウェイ上
に出力したディジタル符号を直接復号器に読込むことに
より、構成および制御が簡単で完全線群を組むことがで
きる経済的な時分割スイッチ回路網を持つディジタル中
継交換機を得られる効果が有る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のブロック図、第２図は本発
明の時分割交換スイッチ回路網内のハイウェイとタイム
スロットとの使用方法を説明するための説明図、第３図
は本発明の時分割交換スイッチ回路網と復号器との組合
せで実現する通話路構成を空間分割スイッチ形式で等価
表現した回路図である。 １……ディジタル中継交換機、２……交換機、３……中
継線、４……トランク、５……符号器、６……復号器、
７……時分割交換スイッチ回路網、８……共通バス、９
……制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ複数のタイムスロットを持つ複数
   のハイウェイで構成される時分割交換スイッチ回路網
   と、他の交換機と接続する複数の中継線に対応して設け
   る前記中継線内のアナログ信号を２線−４線変換する複
   数のトランクと、前記複数のトランクにそれぞれ対応し
   て設けられ自己の属するトランクが出力するアナログ信
   号を受けディジタル符号に変換し前記自己の属するトラ
   ンクごとに予め定めてあるハイウェイ上の予め割付けて
   あるタイムスロットに出力する符号器と、前記符号器と
   一対に設けられ交換接続動作ごとにハイウェイおよびこ
   のハイウェイ上のタイムスロットの指定を受けこの指定
   されたハイウェイとタイムスロットとを選択しこの選択
   したハイウェイ上のタイムスロットからディジタル符号
   を受けアナログ信号に変換し前記自己の属するトランク
   に出力する復号器と、前記交換接続動作ごとに入呼側の
   中継線から受信した情報により接続すべき出呼側の中継
   線を知り前記入呼側の中継線と前記出呼側の中継線との
   それぞれに対応して設けられた二つのトランクに属する
   それぞれの復号器に接続相手となる符号器の属するトラ
   ンクごとに予め定めてあるハイウェイおよびタイムスロ
   ットを指定する制御装置とを有することを特徴とするデ
   ィジタル中継交換機。