JPH0795097B2 - 距離測定方法およびその装置 - Google Patents

距離測定方法およびその装置

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JPH0795097B2
JPH0795097B2 JP63155876A JP15587688A JPH0795097B2 JP H0795097 B2 JPH0795097 B2 JP H0795097B2 JP 63155876 A JP63155876 A JP 63155876A JP 15587688 A JP15587688 A JP 15587688A JP H0795097 B2 JPH0795097 B2 JP H0795097B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は距離測定方法およびその装置に関し、さらに
詳細にいえば、三角波状に周波数変調が施されたレーザ
光に基づいて互に直交する偏光成分のみを有する偏光を
得、両偏光の光路長を異ならせておいて、各偏光毎に得
られる干渉信号に基づいて測定対象物までの距離を測定
する新規な距離測定方法およびその装置に関する。
<従来の技術> 従来から被測定対象物までの距離を測定する装置として
種々の構成のものが提供されている。具体的には、三角
測量の原理を適用したもの、光、超音波等の干渉が距離
の差に基づいて変化する原理を適用したもの等がある
が、測定精度を高めることが要求される用途において
は、外部条件の影響等を受けにくいレーザ光を測定光と
して使用することが好ましい。
上記レーザ光を測定光として使用する距離測定装置とし
て、従来から、レーザ光を2分して、一方を測定対象物
に照射するとともに、他方を距離が既知の基準反射体に
照射し、測定対象物からの反射光および基準反射体から
の反射光を干渉させることによりビート信号を得、ビー
ト信号の周波数に基づいて測定対象物までの距離を算出
することが知られている。
具体的には、測定対象物側の光路長をL、基準反射体側
の光路長をL0、光速をC、半導体レーザ(以下、LDと略
称する)の変調周波数をfm、ビート信号の周波数をfb、
LDの変調による最大発振周波数偏移をδとすれば、 L−L0=C・fb/4・fm・δ の関係があり、L0、C、fm、fb、およびδが既知である
から、Lを算出することができ、ひいては測定対象物ま
での距離を算出することができる。
しかし、LDの最大発振周波数偏移δは、LDの駆動電流、
温度に依存して大きく変化し(例えば、駆動電流が1mA
変化すれば3〜8GHZ程度変化し)、また、LDが異なれば
かなり異なるのであるから、最大発振周波数偏移δの値
を正確に固定することが著しく困難になり、ひいては距
離測定の精度、再現性が著しく低下してしまうことにな
るという問題を有している。
このような問題点を考慮して、基準反射体のほかに、光
路長が既知で、かつ互に異なる2つの参照反射体を準備
しておき、測定対象物からの反射光を、各基準反射体か
ら反射される光と干渉させるとともに、2つの参照反射
体から反射される光を干渉させることにより2種類のビ
ート信号を得、LDの最大発振周波数偏移δの影響を排除
して正確な距離測定を行なうようにした距離測定装置が
提供されている(特開昭61−223577号公報参照)。
さらに詳細に説明すると、第7図に示すように、LD(3
1)から出力されるレーザ光をビームスプリッタ(32)
で2分し、一方の光をビームスプリッタ(33)によりさ
らに2分してそれぞれ互に光路長が異なる参照反射体
(34)(35)に照射し、各反射光を干渉させ、干渉光を
受光素子(36)により受光してビート信号を得るように
している。そして、他方の光をビームスプリッタ(37)
によりさらに2分して基準反射体(38)および測定対象
物(39)にそれぞれ照射し、各反射光をビームスプリッ
タ(37)により干渉させ、干渉光を受光素子(30)によ
り受光してビート信号を得るようにしている。さらに、
上記受光素子(36)(30)により得られたビート信号を
入力として所定の演算を行ない、測定対象物(39)まで
の距離を算出する演算部(41)を有している。尚、(4
2)は直流電源であり、(43)は駆動電流を制御するた
めのモジュレータである。
即ち、上記の構成を採用すれば、両参照反射体(34)
(35)の光路長が既知であるから、これらからの反射光
に基づくビート信号の周波数を測定することにより、LD
の最大発振周波数偏移δを算出することができる。した
がって、算出された最大発振周波数偏移δと、基準反射
体(38)および測定対象物(39)からの反射光に基づく
ビート信号の周波数とにより測定対象物(39)までの距
離を正確に算出することができる。
<発明が解決しようとする課題> 上記特開昭61−223577号公報に記載された距離測定装置
においては、LD(31)から出力されるレーザ光が、ビー
ムスプリッタ(32)で2分された後、それぞれの光がさ
らにビームスプリッタ(33)(37)で2分されるのであ
るから、各レーザ光は互に異なる雰囲気中を通過するこ
とになる。この結果、各レーザ光が大気のゆらぎ等の外
乱の影響を受け、各干渉信号周波数が、外乱の影響を受
けない場合と比較して大きく影響を受けてしまうのであ
るから、LD(31)の最大発振周波数偏移δの影響を排除
することができても、余り高精度に測定対象物(39)ま
での距離を算出することが不可能になってしまうという
問題がある。
さらに、上記の問題点を考慮して、互に異なる波長のレ
ーザ光を出射する1対のLDを使用し、両LDから出射され
るレーザ光を同一光路に導き、各波長のレーザ光毎に干
渉信号を得、両干渉信号に基づいて外乱の影響を排除
し、測定対象物までの距離を高精度に測定することが考
えられるが、LDの数が増加するのみならず、両レーザ光
を同一光路に導くための手段が必要になり、全体として
構成が著しく複雑化するという問題がある。
<発明の目的> この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、
LDを増加させることなく外乱の影響を排除し、測定対象
物までの距離を高精度に測定することができる距離測定
方法およびその装置を提供することを目的としている。
<課題を解決するための手段> 上記の目的を達成するための、この発明の距離測定方法
は、半導体レーザを三角波変調することにより三角波状
に周波数変調されたレーザ光を得、得られたレーザ光に
基づいて互に直交する偏光成分のみを有する偏光を得、
両偏光を同一の光路に導くとともに、光路の途中におい
て各偏光の光路長を互に変化させ、三角波の立上り部分
および立下り部分において偏光方向が等しい偏光に基づ
く干渉信号周波数に対応する信号を得、両干渉信号周波
数に対応する信号に基づいて光路長差に対応するビート
信号周波数を得る方法である。
上記の目的を達成するための、この発明の距離測定装置
は、半導体レーザを三角波変調する変調手段と、三角波
状に周波数変調されたレーザ光に基いて互に直交する偏
光成分のみを有する偏光を得る偏光生成手段と、両偏光
を同一の光路に導く光干渉系と、光路の途中において各
偏光の光路長を互に変化させる光路長調整手段と、各偏
光による干渉光のみをそれぞれ抽出する干渉光抽出手段
と、干渉光抽出手段によりそれぞれ抽出された干渉光を
受光する受光手段と、三角波の立上り部分および立下り
部分において偏光方向が等しい偏光に基づく干渉信号周
波数に対応する信号を得る1対の干渉信号抽出手段と、
両干渉信号周波数に対応する信号に基づいて光路長差に
対応するビート信号周波数を得るビート周波数算出手段
とを有している。
但し、上記偏光生成手段が偏光ビームスプリッタであ
り、上記光干渉系が、偏光ビームスプリッタにより生成
された各偏光をそれぞれ2分して、互に直交する偏光成
分のみを有する偏光を、互に異なる2つの光路に導く無
偏光ビームスプリッタを有していることが好ましい。
また、上記測定対象物が直線偏光を楕円偏光として反射
させるものである場合には、上記偏光生成手段が測定対
象物に向かうレーザ光から分岐させられたレーザ光の光
路に配置されていることが好ましい。
さらに、上記光路長調整手段が偏光の種類に対応して互
に異なる光路を選択させるものであるとともに、測定対
象物からの反射光光路、基準光路の一方に配置されてい
ることが好ましい。
<作用> 以上の距離測定方法であれば、三角波変調される半導体
レーザから出力されるレーザ光を2分して、一方を測定
対象物に照射するとともに、他方を光路長が既知の基準
光路に導き、測定対象物からの反射光および基準光路に
導かれた光を干渉させて干渉信号を得、干渉信号に基づ
いて距離データを得る場合において、レーザ光に基いて
互に直交する偏光成分のみを有する偏光を得るようにし
ているので、同一の偏光成分を有する偏光同士の間にお
いてのみ干渉信号が得られる。
そして、各偏光の光路長が、光路の途中において変化さ
せられているので、各偏光に基く干渉信号は、各偏光の
光路長差、最大発振周波数偏移、外乱に対応する周波数
を有することになる。また、上記最大発振周波数偏移
は、三角波の立上り部分と立下り部分とでは絶対値が等
しく、符号が逆になる。
したがって、上記各偏光に基づく干渉信号周波数に対応
する信号に基づいて、測定対象物を含む光路長と基準光
路長との差に対応するビート信号周波数を得ることがで
き、ビート信号周波数に基づいて測定対象物までの距離
を高精度に測定することができる。
以上の構成の距離測定装置であれば、変調手段により半
導体レーザを三角波変調することにより、三角波状に周
波数変調が施されたレーザ光を出射させることができ
る。そして、レーザ光を、2分される前または後におい
て偏光生成手段に導くことにより互に直交する偏光成分
のみを有する偏光を得ることができ、両偏光が光干渉系
においてほぼ同一の光路に導かれる。したがって、測定
対象物から反射された光および基準光路に導かれた光
は、共に、偏光方向が互に直交する偏光を有しているこ
とになり、最終的に同一の偏光方向の偏光同士が干渉し
合うことにより2つの干渉信号が得られる。
しかし、何れかの光路に導かれる光は光路長調整手段に
導かれるのであるから、互に偏光方向が異なる偏光同士
についてみれば光路長が互に異なり、上記2つの干渉信
号は、互に異なる光路長差に対応するものとなる。
そして、1対の干渉信号抽出手段により、三角波の立上
り部分および立下り部分において偏光方向が等しい偏光
に基づく干渉信号周波数に対応する信号を得ることがで
き、得られた両干渉信号周波数に対応する信号をビート
周波数算出手段に供給することにより、最大発振周波数
偏移の影響、外乱の影響を排除して、光路長差に対応す
るビート信号周波数を得ることができる。
したがって、得られたビート信号周波数および光路長差
に基づいて測定対象物までの距離を高精度に算出するこ
とができる。
そして、偏光生成手段が偏光ビームスプリッタであり、
光干渉系が、偏光ビームスプリッタにより生成された各
偏光をそれぞれ2分して、互に直交る偏光成分のみを有
する偏光を、互に異なる2つの光路に導く無偏光ビーム
スプリッタを有している場合には、偏光ビームスプリッ
タにより偏光方向が互に直交する偏光を得ることがで
き、これらの偏光を無偏光ビームスプリッタに供給する
ことにより、各偏光をそれぞれ2分し、それぞれ他方の
偏光が2分された光と同一の光路に導くことができる。
したがって、両偏光を含む光をそれぞれ別の光路に導
き、上記と同様にして高精度に測定対象物までの距離を
算出することができる。
また、測定対象物が直線偏光を楕円偏光として反射させ
るものであり、偏光生成手段が測定対象物に向かうレー
ザ光から分岐させられたレーザ光の光路に配置されてい
る場合には、半導体レーザから測定対象物までの間にお
いて単にレーザ光を導くだけでよく、レーザ光の光路を
揃えるための構成が不要になるので、構成を簡素化する
ことができるとともに、高精度の距離測定を行なうこと
ができる。
さらに、光路長調整手段が偏光の種類に対応して互に異
なる光路を選択させるものであるとともに、測定対象物
からの反射光光路、基準光路の一方に配置されている場
合には、光路長調整手段の構成を簡素化することができ
るとともに、両偏光を揃えるための余分な光学部材を設
ける必要がなく、光学系を全体として簡素化することが
できる。
さらに詳細に説明すると、大気のゆらぎ等の外乱による
ノイズNω(t)は乗法性雑音であり、この雑音を考慮
した干渉信号Iac(t)は、 Iac(t)=A cos{ωb t+Nω(t)+φ} … (但し、Iac(t)は三角波変調によるヘテロダイン干
渉信号の交流分、Aは振幅強度、ωbはビート周波数、
φは位相) となる。即ち、干渉信号周波数は外乱により影響を受
け、本来のビート周波数ωbとは異なる値になってい
る。
この外乱の周波数成分を知ることは従来から不可能であ
ることが知られており、このため、従来は、外乱の影響
を受けたままの干渉信号周波数に基づいて測定対象物ま
での距離を算出していた。
本件発明者は、鋭意研究を行なった結果、外乱の周波数
を知ることは不可能であるけれども、特別な悪環境下で
ない限り外乱の周波数が数10HZ以下であり、通常は10HZ
以下の低周波成分であることを見出し、このような低周
波成分のみである場合には、2系統の干渉系を用いて干
渉信号周波数を得ることにより、外乱の影響を著しく排
除し、高精度のビート周波数を算出することができるこ
とを見出した。
詳細に説明すると、干渉周波数の測定は変調波である三
角波の半周期以内に行なわなければならず、通常の測定
時間は数msec以下に設定される。そして、このように外
乱の周波数変化に比べて著しく短い時間内においては Nω(t)≒ωN t (但し、ωNは低周波の寄せ集め) となるから、上記式は Iac(t)≒A cos{(ωb+ωN)t+φ} … で近似することができる。
また、ビート周波数は周波数偏移量δに比例するので、
三角波の立上り部分と立下り部分とでは、周波数偏移の
絶対値が等しく、符号のみが逆になる。したがって、上
記両部分に対応する干渉信号の交流分は、 Iac(立上り)≒A cos{(ωb+ωN)t+φ} … Iac(立下り)≒A cos{(ωb−ωN)t+φ} … となる。この結果、上記式からそれぞれ干渉信号周
波数(ωb+ωN)および(ωb−ωN)が得られ、両
周波数に基づいて外乱の影響が排除されたビート周波数
ωbを算出することができる。
しかし、上記のようにして算出されたビート周波数ωb
に基づいて直ちに測定対象物までの距離を算出すると、
ビート周波数が周波数偏移量の影響を受けているので、
算出距離が不正確になってしまう。
この点に着目して、互に干渉し合わないレーザ光L1、L2
を同一の光路に導き、しかも両光路長の差l0を予め所定
値に設定しておけば、各レーザ光L1、L2の周波数ω1、
ω2は、 ω1=ωb1+ωN(立上り) … または ω1=ωb1−ωN(立下り) … ω2=ωb2+ωN(立上り) … または ω2=ωb2−ωN(立下り) … (但し、ωb1、ωb2はそれぞれレーザ光L1、L2のビート
周波数) となる。
したがって、レーザ光L1の光路長が長いか否かに対応さ
せて上記式または式を選択して演算を行なえ
ば、測定対象物までの距離lは、 l={(ωb1+ωb2)/(ωb1−ωb2)−1}l0/2 +lL (但し、lLは基準光路の光路長に基づいて定まる距離
であり、例えば、レーザ光を2分する分離器と基準反射
体との間の距離) となり、外乱の影響のみならず周波数偏移量の影響が排
除されて、測定対象物までの距離を正確に算出すること
ができることになる。
<実施例> 以下、実施例を示す添付図面によって詳細に説明する。
第1図はこの発明の距離測定装置の一実施例を示す概略
図である。
測定用のレーザ光を出力するLD(1)に対して、直流電
源(2)からの出力信号およびモジュレータ(3)から
の出力信号を加算器(4)により加算した状態で供給し
ている。そして、上記モジュレータ(3)からの出力信
号を三角波状に周期的に変化させることにより、LD
(1)から三角波状に周波数が変化するレーザ光を出力
するようにしている。
上記LD(1)から出射されるレーザ光の光路上にコリメ
ータレンズ(5)および偏光ビームスプリッタ(6)が
この順に配置されているとともに、偏光ビームスプリッ
タ(6)の光分岐面の延長上に光分岐面が位置するよう
に無偏光ビームスプリッタ(7)が配置されている。そ
して、偏光ビームスプリッタ(6)により2分される光
の双方を無偏光ビームスプリッタ(7)に導くプリズム
(6a)(6b)が配置されている。そして、無偏光ビーム
スプリッタ(7)の一方の出射面と測定対象物(9)と
の間に集光レンズ系(8)が配置されている。さらに、
測定対象物(9)により反射され、集光レンズ系(8)
を通過した光の光路上に、光路上に位置する2個の偏光
ビームスプリッタ(10a)(10b)および一方の偏光ビー
ムスプリッタ(10a)により分岐された光を他方の偏光
ビームスプリッタ(10b)に導く2個の偏光ビームスプ
リッタ(10c)(10d)から構成される偏光素子群(10)
が配置されているとともに、上記無偏光ビームスプリッ
タ(7)の他方の出射光と上記偏光ビームスプリッタ
(10b)からの出射光との交差位置に無偏光ビームスプ
リッタ(11)が配置されている。そして、無偏光ビーム
スプリッタ(11)から出射される1対の光の光路上に、
偏光板(12a)(12b)および受光素子(13a)(13b)が
それぞれ配置されている。さらに、上記両受光素子(13
a)(13b)から出力される干渉信号は信号処理部(14)
に供給されている。
尚、上記測定対象物(9)としては、偏光特性を変化さ
せることなく光を反射させる材質であればよく、例えば
金属に適用できる。
上記の構成の距離測定装置の動作は次のとおりである。
LD(1)から出力されるレーザ光LA1はコリメータレン
ズ(5)により平行光束化された状態で偏光ビームスプ
リッタ(6)に入射されることにより、互に直交する方
向の直線偏光LA2、LA3が生成され、直線偏光LA2はレー
ザ光LA1の延長方向に出射されるとともに、直線偏光LA3
は直線偏光LA2と直角な方向に出射される。そして、両
直線偏光LA2、LA3はそれぞれプリズム(6a)(6b)によ
り反射させられて無偏光ビームスプリッタ(7)に導か
れるので、各直線偏光LA2、LA3がそれぞれ2分されて直
線偏光LA21、LA22、LA31、LA32となり、偏光方向が互に
直交する直線偏光LA21、LA31がレーザ光LA1と平行な方
向に出射させられるとともに、偏光方向が互に直交する
直線偏光LA22、LA32がレーザ光LA1と直角な方向に出射
させられる。
上記直線偏光LA21、LA31は集光レンズ系(8)を通して
測定対象物(9)の表面に導かれ、反射された後、再び
集光レンズ系(8)を通して偏光素子群(10)に導かれ
る。偏光素子群(10)においては、偏光ビームスプリッ
タ(10a)において直線偏光LA21が直進させられるとと
もに、直線偏光LA31が直交方向に分岐させられる。そし
て、直線偏光LA31は偏光ビームスプリッタ(10c)(10
d)により進行方向がそれぞれ90゜ずつ変化させられる
ことにより偏光ビームスプリッタ(10b)に導かれ、直
線偏光LA21はそのまま直進して偏光ビームスプリッタ
(10b)に導かれるので、再び同一方向に出射される。
但し、上記の説明から明らかなように、直線偏光LA31の
光路長が直線偏光LA21の光路長よりも長くなっている。
以上のようにして光路長に差が持たされた直線偏光LA2
1、LA31が無偏光ビームスプリッタ(11)に導かれると
ともに、上記直線偏光LA22、LA32も無偏光ビームスプリ
ッタ(11)に導かれるのであるから、直線偏光LA21、LA
22が干渉させられるとともに、直線偏光LA31、LA32が干
渉させられ、両干渉光が2分された状態で互に直交する
方向に出射される。そして、一方の出射光LA4が偏光板
(12a)に導かれることにより、直線偏光LA21、LA22に
よる干渉光LA41のみが抽出され、受光素子(13a)によ
り電気信号に変換される。また、他方の出射光LA5が偏
光板(12b)に導かれることにより、直線偏光LA31、LA3
2による干渉光LA51のみが抽出され、受光素子(13b)に
より電気信号に変換される。
その後は、両受光素子(13a)(13b)から出力される電
気信号を信号処理部(14)に供給することにより、外乱
による影響、周波数偏移量による影響を排除して測定対
象物までの正確な距離を算出することができる。
第2図は信号処理部の電気的構成の一例を示すブロック
図であり、上記受光素子(13a)(13b)から出力される
電気信号をそれぞれ入力とする波形整形器(15a)(15
b)と、両波形整形器(15a)(15b)からの出力信号を
入力とする乗算器(16)と、乗算器(16)から出力信号
を入力とするバンドパスフィルタ(17a)(17b)と、各
バンドパスフィルタ(17a)(17b)からの出力信号を入
力とする増幅器(18a)(18b)と、各増幅器(18a)(1
8b)からの出力信号を比較入力信号とする比較器(19
a)(19b)と、互にレベルが異なる1対のゲートパルス
G1、G2を生成するゲートパルス発生器(20)と、上記ゲ
ートパルスG1により動作が制御されるとともに、各比較
器(19a)(19b)からの比較結果信号を入力とするカウ
ンタ(21a)(21b)と、上記ゲートパルスG2により動作
が制御されるとともに、比較器(19a)からの比較結果
信号を入力とするカウンタ(21c)と、上記カウンタ(2
1a)(21b)(21c)からのカウント信号を入力とする演
算器(22)と、演算器(22)からの出力信号を入力とす
る表示器(23)とを有している。
尚、上記ゲートパルスG1、G2のレベルは上記三角波の立
上り部分と立下り部分とに対応して変化させられる。
上記の構成の信号処理部の動作は次のとおりである。
受光素子(13a)からは干渉光LA41に対応する電気信号
が出力されるので、波形整形器(15a)において強度変
調による影響を排除するための除算等が行なわれること
によりcos(ωbs+ωN)tの周波数成分を有する信号
を得ることができ、また受光素子(13b)からは干渉光L
A51に対応する電気信号が出力されるので、波形整形器
(15b)において強度変調による影響を排除するための
除算等が行なわれることによりcos(ωbp+ωN)tの
周波数成分を有する信号を得ることができる。但し、ω
bsは干渉光LA41のビート周波数、ωbpは干渉光LA51のビ
ート周波数、ωNは外乱に起因するノイズである。
そして、各周波数成分cos(ωbs+ωN)t、cos(ωbp
+ωN)tを有する信号が乗算器(16)に供給されるこ
とにより乗算が行なわれ、次いでバンドパスフィルタ
(17a)(17b)に供給されることにより互に異なる周波
数成分cos(ωbs+ωbp+2ωN)t、cos(ωbs−ωb
p)tを有する2つの信号が得られる。次いで、上記両
信号をそれぞれ増幅器(18a)(18b)により増幅し、比
較器(19a)(19b)において所定の基準値と比較される
ことにより、各信号の周波数に対応するパルス信号が得
られる。したがって、これらのパルス信号数を計数する
ことにより、上記各信号の周波数を得ることができる。
さらに詳細に説明すると、上記ノイズに起因する周波数
成分を有していない信号については、三角波の立上り部
分に対応する時間内、即ち、ゲートパルスG1により規定
される時間内において単にカウンタ(21b)によりパル
ス信号数を計数するだけでよく、ω3=ωbs−ωbpの周
波数を得ることができる。また、上記ノイズに起因する
周波数成分を有している信号については、ゲートパルス
G1により規定される時間内においてカウンタ(21a)に
よりパルス信号数を計数することによりω1=ωbs+ω
bp+2ωNの周波数(第3図A参照)を得ることがで
き、ゲートパルスG2により規定されている時間内におい
てカウンタ(21c)によりパルス信号数を計数すること
によりω2=ωbs+ωbp−2ωNの周波数(第3図B参
照)を得ることができる。そして、上記両周波数ω1、
ω2を加算すれば、ωNが完全に除去される(第3図C
参照)。
したがって、上記各カウンタ(21a)(21b)(21c)に
より得られた周波数ω1、ω3、ω2を演算器(22)に
供給して l−lL={(ω1+ω2)/2ω3−1}l0/2 の演算を行なわせることにより、ノイズの影響を排除
し、しかも周波数偏移量の影響をも排除して測定対象物
(9)までの距離を正確に算出することができる。その
後は、算出された距離を表示器(23)により可視的に表
示することができる。
<実施例2> 第4図は距離測定装置の他の実施例の要部を示す概略図
であり、上記実施例と異なる点は、偏光素子群(10)を
集光レンズ系(8)と無偏光ビームスプリッタ(11)と
の間に配置する代わりに、無偏光ビームスプリッタ
(7)(11)の間に配置した点のみであり、他の部分の
構成は同一である。
したがって、この実施例の場合には、測定対象物(9)
に照射され、反射される光の光路長は各偏光について互
に等しいのであるが、無偏光ビームスプリッタ(7)か
らそのまま無偏光ビームスプリッタ(11)に導かれる光
の光路中に偏光素子群(10)が配置されているのである
から、この光路を通る間における各偏光の光路長が互に
異なる値となる。
この結果、各偏光毎に生じさせられる干渉は上記光路長
の差に対応して互に異なり、この結果、互に異なる干渉
の周波数に基づいてノイズに起因する周波数の影響を排
除し、測定対象物(9)までの距離を正確に算出するこ
とができる。
<実施例3> 第5図は距離測定装置のさらに他の実施例の要部を示す
概略図であり、第1図の実施例と異なる点は、コリメー
タレンズ(5)と集光レンズ系(8)との間に無偏光ビ
ームスプリッタ(24)を配置し、無偏光ビームスプリッ
タ(24)により分岐された光の光路に対して上記偏光ビ
ームスプリッタ(6)、無偏光ビームスプリッタ(7)
およびプリズム(6a)(6b)が配置されている点および
測定対象物(9)として、上記実施例1,2の如く偏光特
性を変化させることなく光を反射させることができる材
質のみならず、直線偏光が入射した場合に楕円偏光とし
て反射させる材質、例えば紙、木にも適用できる点のみ
であり、他の部分の構成は同一である。
したがって、この実施例の場合には、測定対象物(9)
に照射されるレーザ光がLD(1)から出射された直線偏
光のままであるが、測定対象物(9)から反射されるこ
とにより楕円偏光となり、その後、偏光素子群(10)に
より光路長が異なる2つの偏光が得られ、また無偏光ビ
ームスプリッタ(24)により分岐された直線偏光のレー
ザ光に基づいて偏光ビームスプリッタ(6)および無偏
光ビームスプリッタ(7)により互に直交する方向の直
線偏光が得られるのであるから、上記実施例と同様に外
乱の影響を排除して測定対象物(9)までの正確な距離
を算出することができる。
尚、第5図中(25)は無偏光ビームスプリッタ(7)に
より得られる、互に直交する方向の偏光を受光する受光
素子であり、LD(1)から出射されるレーザ光の強度を
監視するため等に用いられる。
<実施例4> 第6図は距離測定装置のさらに他の実施例の要部を示す
概略図であり、第5図の実施例と異なる点は、偏光ビー
ムスプリッタ(6)、無偏光ビームスプリッタ(7)、
プリズム(6a)(6b)と偏光素子群(10)との配置位置
を入替えた点のみであり、他の部分の構成は同一であ
る。
したがって、この実施例の場合には、測定対象物(9)
に導かれないレーザ光に基づいて互に光路長が異なり、
かつ偏光方向が直交する直線偏光を得ることができると
ともに、測定対象物(9)に導かれるレーザ光に基づい
て互に光路長が等しく、かつ偏光方向が直交する直線偏
光を得ることができるのであるから、上記実施例と同様
に外乱の影響を排除して測定対象物(9)までの正確な
距離を算出することができる。
尚、この発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、例えば、偏光素子群(10)を構成する偏光ビームス
プリッタ(10c)(10d)に代えて直角プリズム、コーナ
ーキューブを使用することが可能であるほか、偏光ビー
ムスプリッタ(6)に代えて無偏光ビームスプリッタお
よび無偏光ビームスプリッタにより2分された各光をそ
れぞれ互に偏光方向が直交する偏光にする偏光素子を使
用することが可能であり、その他、この発明の要旨を変
更しない範囲内において種々の設計変更を施すことが可
能である。
<発明の効果> 以上のように第1の発明は、1つの半導体レーザから出
射されるレーザ光に基づいて互に偏光方向が直交する直
線偏光を得、両直線偏光の間に光路長の差を持たせ、か
つほぼ同一の光路に導くようにしているのであるから、
両直線偏光が同程度に受けた外乱の影響を、両直線偏光
により得られる干渉信号に基づいて排除することがで
き、半導体レーザを2つ使用することに伴なう構成の複
雑化および各光学素子の配置精度の高精度化を排除し
て、測定対象物までの正確な距離測定を行なうことがで
きるという特有の効果を奏する。
第2の発明は、1つの半導体レーザから出射されるレー
ザ光に基づいて互に偏光方向が直交する直線偏光を得、
両直線偏光の間に光路長の差を持たせ、かつほぼ同一の
光路に導くようにしているのであるから、両直線偏光が
同程度に受けた外乱の影響を、両直線偏光により得られ
る干渉信号に基づいて排除することができ、半導体レー
ザを2つ使用することに伴なう構成の複雑化および各光
学素子の配置精度の高精度化を排除して、測定対象物ま
での正確な距離測定を行なうことができるという特有の
効果を奏する。
第3の発明は、偏光ビームスプリッタと無偏光ビームス
プリッタとの相対位置関係を正確に設定するだけで、互
に偏光方向が直交する直線偏光を同一の光路に導出する
ことができるとともに、互に直交する方向に2分するこ
とができ、構成の複雑化を必要最少限にすることができ
るという特有の効果を奏する。
第4の発明は、半導体レーザから測定対象物までの間に
おいて単にレーザ光を導くだけでよく、レーザ光の光路
を揃えるための構成が不要になるので、構成を簡素化す
ることができるとともに、高精度の距離測定を行なうこ
とができるという特有の効果を奏する。
第5の発明は、光路長調整手段の構成を簡素化すること
ができるとともに、両偏光を揃えるための余分な光学部
材を設ける必要がなく、光学系の複雑化を必要最少限に
することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の距離測定装置の一実施例を示す概略
図、 第2図は信号処理部の電気的構成の一例を示すブロック
図、 第3図はノイズに起因する周波数成分除去動作を説明す
る波形図、 第4図は距離測定装置の他の実施例の要部を示す概略
図、 第5図および第6図は、それぞれ距離測定装置のさらに
他の実施例の要部を示す概略図、 第7図は従来例を示す概略図。 (1)……LD、(3)……モジュレータ、 (6)……偏光ビームスプリッタ、 (7)(11)……無偏光ビームスプリッタ、 (9)……測定対象物、 (10)……偏光素子群、 (12a)(12b)……偏光板、 (13a)(13b)……受光素子、 (14)……信号処理部、(19a)……比較器、 (20)……ゲートパルス発生器、 (21a)(21c)……カウンタ、 (LA1)……レーザ光、 (LA2)(LA3)(LA21)(LA22)(LA31)(LA32)……
直線偏光

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザ(1)から出力されるレーザ
    光(LA1)を2分して、一方を測定対象物(9)に照射
    するとともに、他方を光路長が既知の基準光路に導き、
    測定対象物からの反射光および基準光路に導かれた光を
    干渉させて干渉信号を得、干渉信号に基づいて距離デー
    タを得る距離測定方法において、半導体レーザ(1)を
    三角波変調することにより三角波状に周波数変調された
    レーザ光(LA1)を得、得られたレーザ光(LA1)に基づ
    いて互に直交する偏光成分のみを有する偏光(LA2)(L
    A3)を得、両偏光(LA2)(LA3)を同一の光路に導くと
    ともに、光路の途中において各偏光(LA2)(LA3)の光
    路長を互に変化させ、三角波の立上り部分および立下り
    部分において偏光方向が等しい偏光に基づく干渉信号周
    波数に対応する信号を得、両干渉信号周波数に対応する
    信号に基づいて光路長差に対応するビート信号周波数を
    得ることを特徴とする距離測定方法。
  2. 【請求項2】半導体レーザ(1)から出力されるレーザ
    光(LA1)を2分して、一方を測定対象物(9)に照射
    するとともに、他方を光路長が既知の基準光路に導き、
    測定対象物からの反射光および基準光路に導かれた光を
    干渉させて干渉信号を得、干渉信号に基づいて距離デー
    タを得る距離測定装置において、半導体レーザ(1)を
    三角波変調する三角波変調手段(2)と、三角波状に周
    波数変調されたレーザ光(LA1)に基づいて互に直交す
    る偏光成分のみを有する偏光(LA2)(LA3)を得る偏光
    生成手段(6)と、両偏光(LA2)(LA3)を同一の光路
    に導く光干渉系(6a)(6b)(7)と、光路の途中にお
    いて各偏光(LA2)(LA3)の光路長を互に変化させる光
    路長調整手段(10)と、各偏光による干渉光のみをそれ
    ぞれ抽出する干渉光抽出手段(12a)(12b)と、干渉光
    抽出手段(12a)(12b)によりそれぞれ抽出された干渉
    光を受光する受光手段(13a)(13b)と、三角波の立上
    り部分および立下り部分において偏光方向が等しい偏光
    に基く干渉信号周波数に対応する信号を得る1対の干渉
    信号抽出手段(14)(15a)(15b)(16)(17a)(17
    b)(20)(21a)(21b)(21c)と、両干渉信号周波数
    に対応する信号に基づいて光路長差に対応するビート信
    号周波数を得るビート周波数算出手段(14)(23)とを
    有していることを特徴とする距離測定装置。
  3. 【請求項3】偏光生成手段が偏光ビームスプリッタ
    (6)であり、光干渉系が、偏光ビームスプリッタ
    (6)により生成された各偏光(LA2)(LA3)をそれぞ
    れ2分して、互に直交する偏光成分のみを有する偏光
    (LA21)(LA22)(LA31)(LA32)を、互に異なる2つ
    の光路に導く無偏光ビームスプリッタ(7)を有してい
    る上記特許請求の範囲第2項記載の距離測定装置。
  4. 【請求項4】測定対象物(9)が直線偏光を楕円偏光と
    して反射させるものであり、偏光生成手段(6)が測定
    対象物(9)に向かうレーザ光(LA1)から分岐させら
    れたレーザ光の光路に配置されている上記特許請求の範
    囲第2項記載の距離測定装置。
  5. 【請求項5】光路長調整手段(10)が偏光の種類に対応
    して互に異なる光路を選択させるものであるとともに、
    測定対象物(9)からの反射光光路、基準光路の一方に
    配置されている上記特許請求の範囲第2項から第4項の
    何れかに記載の距離測定装置。
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