JPH0794671B2 - 石炭水スラリ−の低粘性安定化法 - Google Patents

石炭水スラリ−の低粘性安定化法

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JPH0794671B2
JPH0794671B2 JP62084795A JP8479587A JPH0794671B2 JP H0794671 B2 JPH0794671 B2 JP H0794671B2 JP 62084795 A JP62084795 A JP 62084795A JP 8479587 A JP8479587 A JP 8479587A JP H0794671 B2 JPH0794671 B2 JP H0794671B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微粉砕した石炭と水を混合することにより、管
路輸送が可能な程度の低粘性のスラリーとなす高濃度石
炭水スラリー製造技術において、スラリーの粘度を低粘
度で安定に保つ方法に関する。
〔従来の技術〕
粉体のスラリー輸送技術は、固体である粉体を取扱いが
簡単な流体状にして輸送する方法として古くから研究が
行われている。近年、石炭の輸送にこのスラリー輸送技
術を適用し、石炭の自然発火や粉じん飛散等の心配がな
く、安全で、しかも、関路輸送が可能なため取扱いが容
易で、輸送効率の向上を図ることが出来る方法として高
濃度石炭水スラリーの製造技術開発が盛んで行われてい
る。高濃度石炭水スラリーの製造技術は、すでに公開さ
れた各種技術に示されているように、粉砕した石炭の粒
径分布を調整し、空げき率ができるだけ小さくなるよう
に調製した微粉炭と水とを混合することにより、石炭を
60〜70重量%以上含有する石炭水スラリーを製造する方
法である。
このようにして調製した高濃度石炭水スラリーは1000〜
2000cP程度の粘度をもち、流体として管路輸送を行うに
充分な流動特性をもつ。しかしこのような高濃度石炭水
スラリーは、石炭粒子が非常に密に充てんされており、
その流動状態では個々の石炭粒子は絶えず他の石炭粒子
との衝突をくり返している。このように高濃度の石炭を
含有するスラリーでは、僅かなスラリー組成の変化やス
ラリー中への少量の不純物の混入により、その流動特性
は大きく変化し、高濃度石炭水スラリーの管路輸送時に
上記のような流動特性の変化が起つた場合、管路の閉塞
等の問題を起こすことになる。
高濃度石炭水スラリーの粘度はそのpH値の影響を大きく
受け、一般に、pH値を高くする程、スラリーの粘度が低
くなることは良く知られている。これはスラリー媒質中
の水素イオン濃度の変化により、石炭粒子表面の電荷量
が変化したり、石炭粒子表面に吸着した界面活性剤の作
用が変化し、粒子間の相互作用が変化するためと考えら
れる。このように、高濃度石炭水スラリーでは石炭粒子
が非常に密に充てんされており、粒子間距離が非常に小
さくなつているため、粒子間相互作用のごく僅かの変化
でも、スラリーの粘性が大きく変化する。
水素イオン以外にも、正の電荷を持つた金属イオン、特
に、多価の金属イオンもスラリーの粘度を高くすること
が知られている。
周知のように、石炭表面の酸性度は石炭のランクや、貯
炭時の条件により異なるが、石炭の水スラリーは一般に
酸性である。また、石炭中には灰分が含有されており、
その主成分はシリカ,アルミナであるが、この他にカル
シウムやマグネシウムと言つたアルカリ土類金属塩や、
クロム,バナジウム,鉄,その他の重金属が含有されて
いるため、酸性スラリー中でこれらの金属塩が溶出し、
スラリー粘度を経時的に上昇させる。
この難点を解決するために、スラリー調製時にアルカリ
を添加し、スラリーpHを高くする方法があるが、このよ
うに調製したアルカリ性のスラリーでも、長時間保存し
ておくとスラリーは酸性となり、上記の難点の根本的な
解決策とはなつていない。
更に微粉砕した石炭を、界面活性剤及び多価金属イオン
と結合して難溶性あるいは不溶性塩を形成する陰イオン
のアルカリ金属塩、あるいは、多価金属イオンと結合し
て安定性の高い錯化合物を形成する無機の錯形成剤を含
有する水と混合することを特徴とする高濃度石炭水スラ
リーの製造法を本発明者等が特開昭59−20691号公報で
提案しているが、この方法も前記のpH調製法と同様、経
時的に溶出して来る多価金属イオンと反応し該添加剤が
減少し、ついには効力を失うため、スラリー貯蔵時には
添加剤を追加する方策を実施する必要がある。本発明者
らは、スラリー中のこのような多価陽イオンを除去する
方法について鋭意検討を行つた結果、上記添加剤は多価
金属イオンと反応しなくてもそれ自身が経時的に変質し
効力を失うことが明らかになり、経済的に無駄の多いこ
とを明らかにした。特に、高濃度石炭水スラリーでは前
記のように流動性を高めるためには微粒子が必要で、こ
のため粉砕時にスラリーの温度上昇があり、温度が高く
なるほど添加剤の変質速度が大きくなり、経済性は更に
悪化する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
高濃度石炭水スラリーの分散媒は水であり、該スラリー
が一旦製造されると石炭粒子表面は常時水と接触してい
ることになる。良く知られているように水は極性溶媒で
あり解離性物質の溶解作用が大きい。石炭は炭質分と、
シリカ,アルミナ,その多の金属塩で構成された灰分と
の混成物であり、灰分の一部は粉砕により粒子表面に露
出することになる。従つて、高濃度石炭水スラリー中に
存在する石炭中の灰分も常時水と接触しており、その中
に一部の成分は良溶媒である水中に溶出し、すでに述べ
たように該スラリーの粘度を高くする。このような灰分
の溶出はpHは低い程一般に速くなるが、どのようなpH領
域でも溶解量を零にすることは不可能である。高濃度石
炭水スラリーの製造において、一般に苛性ソーダ等を加
えてアルカリ性に調整するが、このようにしても石炭中
の灰分は経時的に溶出して、該スラリーの粘度を高くす
る。また、灰分の溶出特性は石炭中の灰分の性状によっ
て大きく異なり、一部の石炭では高濃度石炭水スラリー
の製造と同時に多量の灰分が溶出して来るため、高濃度
で流動性の高いスラリーを製造することが困難なものも
ある。
本発明の目的は、長期貯蔵してもスラリーの性状を変化
させることなく、スラリーの粘度を低粘度で安定に保つ
石炭水スラリーの低粘性安定化法を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、少なくとも60重量%の粉砕された石炭と乾燥
石炭に対し0.1〜2重量%の陰イオン系界面活性剤を含
有し、残部が実質的に水で構成され、pHが6−11、粘度
が3000cP以下となるように調整された石炭水スラリーに
おいて、カルシウムイオンあるいはマグネシウムイオン
を結合して水に実質的に不溶性の塩を形成する陰イオン
であるケイ酸あるいは炭酸イオンのアルカリ金属塩を、
該スラリー中に存在する実質上全てのカルシウムイオン
あるいはマグネシウムイオンと結合して該不溶性塩に変
換するに必要充分な量で添加するに際し、該スラリー中
に溶存するカルシウムイオンあるいはマグネシウムイオ
ンを連続的または間欠的に検出し、実質上全ての該検出
イオンを該不溶性塩に変換するに必要充分な量のケイ酸
あるいは炭酸イオンのアルカリ金属塩を前記スラリー中
に添加することを特徴とする石炭水スラリーの低粘性安
定化法にある。
更に、本発明はスラリー中に存在するCaイオン又はMgイ
オンと結合して不溶性塩に変換することにより陽イオン
濃度を予め設定した所定値以下に保持するようにケイ酸
又は炭酸イオンのアルカリ金属塩を添加するものであ
る。
陰イオンのアルカリ金属塩は、タンクに貯蔵の際に石炭
水スラリーの上澄液中における多価金属イオン濃度を所
定値以下に保持するのに必要な十分な量が添加される。
〔作用〕
発明者らは上述の難点を解決するため鋭意研究を重ね、
高濃度石炭水スラリーの粘度が経時的に上昇する原因を
次のように考えた。
高濃度石炭水スラリーの製造ではその粘度を低下するた
めに、界面活性剤を添加するが、この界面活性剤は通常
陰イオン系のものである。添加された界面活性剤は石炭
粒子表面にその疎水基により吸着した石炭表面を親水性
とし、石炭粒子を負に帯電させる。このように陰イオン
系界面活性剤は、もともと疎水性の石炭表面を親水性に
変化させる作用をし、言わば、高濃度石炭水スラリーを
疎水性コロイドから親水性コロイドに変換する作用をす
る。陰イオン系界面活性剤の添加により、高濃度石炭ス
ラリーの粘度を低下できるのは、界面活性剤の上述の二
つの作用によるものである。即ち、第1に石炭粒子表面
を親水性とすることにより、石炭粒子の回りに水の薄膜
を形成させ、立体障害により石炭粒子同士の凝集を防止
し、第二に石炭粒子を負に帯電させることにより、石炭
粒子間に静電反発力を発生させ、石炭粒子同士の凝集を
防止することにより、スラリーの粘度を下げる。第一の
作用は、特に陰イオン系の界面活性剤でなくとも良く、
非イオン系の界面活性剤でもその目的を達成することが
できるが、高濃度石炭水スラリーで、石炭濃度が70重量
%以上であり、このような高濃度スラリー中では石炭粒
子同士が非常に密に充てんされているため、粒子同士が
非常に接近しており、この様な状態では、粒子間の静電
反発力が凝集防止に重要な役割をする。以上の理由によ
り、高濃度石炭水スラリーでは、特に、陰イオン系界面
活性剤が用いられる。
以上の考察から、高濃度石炭水スラリーでは粒子の電荷
が粘性低下に非常に重要な役割をしていると考えられ、
粒子の電荷量を減少するように条件ではスラリー粘度は
上昇する。逆に、粒子に大きな電荷を持たせ、その分散
性を高めることはスラリーの粘度低減に有効である。ス
ラリーにある種の添加剤を加えることにより粒子の電荷
量を制御できることは米国特許第4,282,006号に開示さ
れている。よく知られているように、負に帯電した親水
性コロイド粒子の電荷量は溶媒中の陽イオンの種類及び
濃度により大きく変化する。これは負に帯電した粒子の
回りに陽イオンが選択的に吸着し、粒子の電荷を中和し
てしまうためで、陽イオンの吸着が強い程粒子の電荷量
は小さくなる。負に帯電した粒子に対する陽イオンの吸
着は親水性コロイドの安定性に関係しており、古くから
研究されている。良く知られているように、負に帯電し
た粒子に対する陽イオンの吸着はH+イオンが最も強
く、次に多価金属イオンがその価数の減少とともに弱く
なる。これは陽イオンの電荷密度と関係があり、電荷密
度の高いイオン程強く吸着されると言われている。
このことから、前述のようにpHの変化により、スラリー
粘度が大きく変化する高濃度石炭水スラリーの性質を良
く説明することが出来る。
発明者らは高濃度石炭水スラリーの研究において、上記
のpH変化だけでは説明できない現象のあることを見出し
た。即ち、高濃度石炭水スラリーを調製し、長時間保存
すると時間の経過とともにスラリー粘度が上昇する。上
記の考察に鑑み、スラリーの上澄液を分析した所、カル
シウムやマゲネシウムの陽イオン濃度が、スラリー製造
時に比べ著しく増加していることが明らかになつた。本
発明者らはすでに、スラリー中の多価金属イオンを除去
する手段として、多価金属イオンと難溶性塩を形成する
陰イオン、あるいは、安定な金属錯体を形成する錯化剤
を添加することにより、有害な多価金属イオンをマスク
して、これらの金属イオンの石炭粒子への吸着を防止
し、高濃度石炭水スラリーの低粘性化を図り、性状の安
定したスラリーを製造する方法を開示したが、このよう
にして製造したスラリーでも、長時間に亘つて貯蔵する
と上記のように上澄中の陽イオン濃度が増加し、スラリ
ーの粘度が上昇することが認められた。更に、この経時
的な粘度増加の速度は添加剤の種類によりまちまちであ
ることが認められた。この新事実から、すでに述べたよ
うに、粘度増加速度の大きいものは添加剤自身が変質し
ていることが明らかになつた。
以上のことから、本発明者らは安価で、しかも変質を起
さず安定で、しかも多価金属イオンの結合力が強く除去
効果の大きい添加剤の探索を行つた結果、ここに貯蔵や
パイプライン輸送中のスラリーの増粘を防止する方法と
して、スラリーに多価金属イオン除去剤としてケイ酸ナ
トリウムあるいは炭酸ナトリウム等を添加する方法を見
いだした。
<実施例1> 石炭,水、及び陰イオン系界面活性剤(ナフタリンスル
ホン酸ホルムアルデヒドのナトリウム塩)をボールミル
に投入し、石炭を60メツシユ以下99%,100メツシユ以下
93%,200メツシユ以下80%,400メツシユ以下65%となる
ような粒径分布に湿式粉砕し、高濃度石炭水スラリーを
調製した。スラリー中の石炭濃度は69重量%で、陰イオ
ン系界面活性剤は乾燥石炭に対し0.5重量%添加した。
また、スラリー調製時に、水酸化ナトリウムを乾燥石炭
に対し0.3重量%添加し、調製したスラリーのpHが約8
となるようにした。このようにして調製したスラリーの
粘度4200はcPであつた。このスラリーを以後元スラリー
と称する。尚、本実施例ではスラリーのpHを8に調整し
たが6〜11の範囲であればよい。
以上のようにして調製したスラリーに、多価金属陽イオ
ンと不溶性塩を形成する陰イオンとしてヘキサメタリン
酸のナトリウム塩を添加した所、スラリーの粘度は石炭
濃度69重量%において1200cPに低下した。ここで、ヘキ
サメタリン酸のナトリウム塩の添加量はスラリー中の石
炭の乾燥重量に対し0.1%とした。このヘキサメタリン
酸ナトリウムを添加したスラリーを以後スラリーAと称
する。
上記のように調製した元スラリーに、上記ヘキサメタリ
ン酸ナトリウムに変えてケイ酸ナトリウム(水ガラス)
をやはりスラリー中の石炭の乾燥重量に対し0.1%添加
した。このスラリーの粘度は石炭濃度69重量%において
スラリーAと同じ1200cPであつた。このケイ酸ナトリウ
ムを添加したスラリーを以後スラリーBと称する。
以上のようにヘキサメタリン酸ナトリウムとケイ酸ナト
リウムはスラリーの低粘度化に同等の効果がある。上記
のように調製したスラリーA及びBを温度65℃において
貯蔵し、その粘度を経時的に固定した。その結果を第1
図に示す。スラリーAは貯蔵試験を開始後すぐに粘度上
昇が始まり3日経過後には元スラリーと同等の粘度にな
つてしまつたが、スラリーBは貯蔵開始から30日経過後
の調製当初と同じ粘度で、スラリーAのように粘度上昇
は見られなかつた。
上記のスラリーAの粘度上昇の原因として、石炭から経
時的に灰分が溶出し、生成した多価金属陽イオンとヘキ
サメタリン酸陰イオンが結合して水に不溶性のリン酸塩
となり、添加したヘキサメタリン酸を消費してしまうこ
とが一つである。これ以外にも、ヘキサメタリン酸は水
溶液中で、pH、温度その他の条件によつてはオルトリン
酸に変化したり、あるいは重縮合によるポリリン酸に変
化することが知られており、このように変化したものは
溶出してきた多価金属イオンとは水に不溶性の塩を作る
性質はなくなる。スラリーAの粘度が上記の貯蔵試験に
おいて急激に上昇した原因として、以上のようなヘキサ
メタリン酸自身の変質がもう一つの大きな要因となつて
いると考えられる。
ケイ酸も、ヘキサメタリン酸と同様に水溶液中で条件に
よつては重縮合が起ることが知られているが、第1図か
ら明らかなように、スラリーBの粘度は経時的に上昇す
ることはなく、安定に存在することがわかる。これは、
ケイ酸の重縮合反応の速度が上記スラリー中の水溶液の
条件下では非常に遅く、上記の期間では、重縮合が起つ
ても問題とならず無視できる程度のものか、あるいはケ
イ酸の場合には重縮合体であつても多価金属イオンと結
合し、不溶性の塩を形成する能力があるためによると考
えられる。
本実施例で明らかになつたように、ケイ酸ナトリウムは
スラリーの初期低粘性化特性に優れていると同時に、長
期間に亘つてスラリーの粘度上昇を防止し、その性状を
安定に保持する優れた特性を有することがわかつた。
<実施例2> 実施例1で調製した元スラリーにケイ酸ナトリウムを乾
燥石炭に対し0.005,0.01,0.05,0.1重量%添加したスラ
リーを調製した。ケイ酸ナトリウム添加量0.005重量%
のスラリーをC,0.01重量%のものをD,0.05重量%ものを
E,0.1重量%のものをFと称す。各々のスラリーのケイ
酸ナトリウム添加直後の粘度は石炭濃度69重量%におい
て全て1200cPであつた。これらのスラリーを用いて実施
例1と同様の手順で貯蔵試験を行い、各々スラリーの粘
度を経時的に測定した。その結果を第2図に示す。ケイ
酸ナトリウムの添加量が少なくなるにしたがつて経時的
な増粘傾向が強くなつていることがわかる。これは、ケ
イ酸がヘキサメタリン酸のように経時的に変質し、多価
金属イオンの捕捉能力がなくなつたことによるのではな
く、石炭中の灰分がスラリーの水中に経時的に溶解し、
ケイ酸を消費するため、添加量が少ない場合には灰分の
溶出量に対し不足したためである。各スラリーの上澄液
中のカルシウムイオン(Ca2+)濃度を測定した結果を
第3図に示す。スラリーの粘度上昇とあわせて上澄液中
のCa2+濃度が上昇しており、ケイ酸ナトリウム添加量
が少ない場合、灰分の溶出量に対し絶対量が不足してい
ることがわかる。
<実施例3> 実施例1で用いたものと異なる石炭を用いて、実施例1
と同一の要領で元スラリーを調製した。本実施例で用い
た石炭は灰分量が比較的少なく、実施例1で調製したス
ラリーに比べ灰分の溶出も少なくなつていると考えられ
る。ちなみに、その上澄液中のCa2+濃度を測定した
所、3.2mmol/lと非常に低いことがわかつた。このスラ
リーに、灰分溶出を模擬するために塩化カルシウム(Ca
Cl2)を添加し、このように調製したスラリーにケイ酸
ナトリウムを添加してその粘度を測定し、その効果を確
認した。その結果を第4図に示す。尚、本実施例で用い
たスラリーの石炭濃度は67重量%で、CaCl2の添加量は
石炭に対し0.071重量%である。第4図において、で
示した破線はCaCl2添加する前のスラリーの粘度を示
し、で示した点はCaCl2添加後のスラリー粘度を示
す。この結果からわかるように、SiO3として、Ca2+の
2倍モル量のケイ酸ナトリウムの添加により、スラリー
粘度は完全にCaCl2添加前の値にまで低下する。本実施
例から、ケイ酸ナトリウムの多価陽イオン捕捉能力と、
スラリー粘度低下のためにはどの程度ケイ酸ナトリウム
の添加量が必要かがわかる。
<実施例4> 実施例1〜3で用いた以外の石炭を用いて、同様の方法
でスラリーを調製し、これらのスラリーに塩化カルシウ
ムを添加し、その粘度変化を調べた。結果を第5図に示
す。第5図において、縦軸のη゜は塩化カルシウム添加
前のスラリー粘度であり、ηは塩化カルシウム添加後の
スラリー粘度を示す。この結果から明らかなように、ど
の石炭を用いて調製したスラリーでも、上澄液中の添加
Ca2+イオン濃度が500〜1000ppm程度になるとスラリー
粘度は塩化カルシウム添加前の約1.5倍になる。しか
し、上澄液中のCa2+イオン濃度が約500ppm以下ではCa2
+イオンの影響は小さく、スラリー粘度は塩化カルシウ
ム添加前のものと大差ない。
<実施例5> スラリーの粘度上昇にはどのような多価金属陽イオンが
関与しているかを調べるために、石炭から溶出するイオ
ンの分析を行つた。粒径0.5mm以下に粉砕した石炭60gと
水120gを混合し、これに塩酸あるいは水酸化ナトリウム
を添加することにより異なるpHに調整したものを約3週
間放置した後、その上澄液中の多価金属イオンを分析し
た。その結果を第5図に示す。第5図には、分析した中
でも比較的濃度の高いものについてのみ示してある。pH
が低いとアルミニウム、鉄といつたイオンが多量に溶出
していることがわかるが、それらのイオンの溶出量はpH
の上昇とともに急激に減少し、通常の高濃度石炭水スラ
リーで用いられているpH6〜8程度になるとほとんど溶
出しなくなることがわかる。これに比べ、カルシウムや
マグネシウムといつたアルカリ土類金属のイオンはpHが
6〜8と高くなつてもかなりの高濃度で溶出しているこ
とがわかる。本実施例の結果から、スラリーの経時増粘
に影響している多価金属イオンはカルシウムあるいはマ
グネシウムのイオンが主となつていると考えられる。
<実施例6> 実施例5でスラリーの経時増粘に影響しているのはカル
シウムイオン、あるいはマグネシウムイオンで、これら
はpHが高くなつてもスラリー上澄液中にかなりの濃度で
溶解して存在していることが明らかとなつた。本実施例
ではこの結果を基に更にケイ酸ナトリウムの低粘性化効
果を確認する。実施例1及び3で用いた石炭とは異なる
石炭を用い、実施例1と同一の方法でスラリーを調製し
た。本実施例で用いた石炭は配分含有量が比較的多く、
溶出して来る陽イオンも多いと考えられるものである。
スラリーの調製に当つては製造スラリーのpHが約6とな
るように水酸化ナトリウムを添加した。このスラリーに
更に水酸化ナトリウムを添加することによりpHを8.5に
調整したものと、これに更にケイ酸ナトリウムをスラリ
ー中の乾燥石炭に対し0.1重量%添加したスラリーを調
製した。これらのスラリーの粘度と石炭濃度の関係を第
8図に示す。図中Gで示したものは調製直後のpH6のス
ラリーの粘度、Hで示したものはこれに水酸化ナトリウ
ムを添加しpHを8.5に調製したスラリーの粘度、Iで示
したものはこれに更にケイ酸ナトリウムを添加したスラ
リーの粘度を示す。第8図の結果から、pHを8.5とする
ことによりスラリーの低粘性化を図れるが、実施例4の
結果から、このスラリーの上澄液中にはカルシウムある
いはマグネシウムイオンが残存しているため粘度の低下
率は低いが、これにケイ酸ナトリウムを添加することに
より残存していたカルシウムあるいはマグネシウムイオ
ンが完全に上澄液中から除去されるため更に大きく低粘
性化を図ることができたと考えられる。
<実施例7> 灰分を約18%含有する石炭を水,陰イオン系界面活性剤
(ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム
塩)共存下でボールミルにより粉砕することにより石炭
水スラリーを製造した。この際、石炭濃度は65wt%とな
るように石炭と水の混合比を調整し、製造したスラリー
のpHが8となるように水酸化ナトリウムを添加した。製
造したスラリーに水を添加することにより石炭濃度を調
整しその粘度を測定した結果を第9図Jに示す。
更に、上記と同様の操作でスラリーを製造したが今回は
ケイ酸ナトリウムを石炭に対し0.1wt%添加して粉砕し
製造した。他の条件は全て上記と同じである。このスラ
リーの粘度を上記と同様に測定した結果を第9図Kに示
す。同一の石炭濃度においてケイ酸ナトリウムを添加し
たスラリーの粘度は明らかに低く、本発明の効果を示し
ている。
更に、ケイ酸ナトリウムを添加しないスラリーはせん断
速度とともに見かけ粘度が低下する擬塑性の性状を示
し、疑似的な降伏値を有していた。これは、このスラリ
ー中の石炭粒子の凝集性が高いことを意味しており、先
に述べた考察から、石炭の灰分の溶出により陽イオンが
生成し、粒子の電荷を中和して粒子間の反発力が弱めて
いることがわかる。これに対し、ケイ酸ナトリウムを添
加したスラリーはほぼニユートン流体であり、上記のよ
うに降伏値も観察されなかつた。このことから、このス
ラリー中での石炭粒子の分散性は高くなつていることが
わかる。調製したケイ酸ナトリウムを含有するスラリー
を温度80℃,70℃,50℃,20℃で保持し、その粘度の経時
変化を調べたところ、80℃で保持したスラリーの粘度は
1週間後には3000cPになつており、1ケ月後には全く流
動性がなくまつていた。70,50,20℃で保持したものは、
1週間後には各各、1700,1300,1300cpの粘度を示し、1
ケ月後には各々3000,1300,1300cPであつた。尚、本試験
に用いたスラリーの石炭濃度は65wt%であり、製造直後
の粘度は1250cPであつた。各々の温度で1ケ月保存した
スラリーの濾液中のCa2+濃度を測定した所、80℃のも
のは1900ppm,70℃のものが800ppm,50及び20℃ものは約1
00ppmであつた。
この結果から温度が高くなるほど灰分の溶出が速くなる
ことが明らかで、スラリーの貯蔵時における温度は70℃
以下、好ましくは50℃以下にすることにより本発明の効
果が長期にわたり持続することがわかる。
<実施例8(比較例)> 実施例1で調製した元スラリーにホウ酸ナトリウムをス
ラリー中の乾燥石炭に対し0.1重量%添加し、その粘度
を測定したところ、石炭濃度69重量%で1500cPであつ
た。また、このスラリーを実施例1と同じ方法で貯蔵試
験に供した所、30日経過後で粘度が2300cPに上昇してい
た。
<実施例9(比較例)> 実施例8でホウ酸ナトリウムに変えた炭酸ナトリウムを
実施例8と同様に添加したところ、スラリーの粘度は21
00cPで、同様の貯蔵試験で30日後にその粘度は2500cPで
あつた。
<実施例10(比較例)> 実施例8でホウ酸ナトリウムに変えて硫酸ナトリウムを
実施例8と同様に添加したところ、スラリーの粘度は28
00cPで、同様の貯蔵試験で30日後にその粘度は3600cPで
あつた。
<実施例11(比較例)> 実施例8でホウ酸ナトリウムに変えて亜硫酸ナトリウム
を実施例8と同様に添加したところ、スラリーの粘度は
1900cPで、同様の貯蔵試験で30日後にその粘度は3000cP
であつた。
<実施例12(比較例)> 実施例8でホウ酸ナトリウムに変えてフツ化ナトリウム
を実施例8と同様に添加したところ、スラリーの粘度は
1400cPで、同様の貯蔵試験で30日後にその粘度は1500cP
であつた。
<実施例13> 石炭,水,及び陰イオン系界面活性剤(ナフタリンスル
オン酸ホルムアルデヒドのナトリウム塩)をボールミル
に投入し、石炭を60メツシユ以下97%,100メツシユ以下
89%,200メツシユ以下80%,400メツシユ以下55%となる
ような粒径分布に湿式粉砕し、高濃度石炭水スラリーを
調製した。スラリー中の石炭濃度は62重量%で、陰イオ
ン系界面活性剤は乾燥石炭に対し0.5重量%添加した。
調製したスラリーを各々20,50及び70℃の温度に保持し
て30日間貯蔵した後粘度を測定した。スラリーは調製直
後に石炭濃度62重量%において700cPの粘度であつた
が、20,50及び70℃の温度における30日間貯蔵試験後に
は各々720,950及び1500cPの粘度になつていた。
貯蔵試験後のスラリー上澄液中のCa2+及びMg2+イオン
濃度を測定した結果を表1に示すが、貯蔵温度が高いほ
どイオン濃度が高くなつていることがわかる。
貯蔵による粘度の上昇や、イオンの溶出量はスラリーに
使用する石炭の種類により異なるが、高温度で貯蔵する
ほどイオンの溶出量が多く、粘度の上昇率が大きくなる
という傾向はどの炭種についても同じである。なお、貯
蔵試験中のスラリーのpHは水酸化ナトリウムを随時添加
することにより7.9の一定値に保持した。
70℃で30日間貯蔵試験を行つたスラリーに、多価金属イ
オンと結合して不溶性塩を形成する陰イオンとしてケイ
酸ナトリウムを乾燥石炭に対し0.5重量%添加した。こ
の添加量は上澄液中のCa2+イオンに対し約2倍モル量
に相当する。ケイ酸ナトリウムを添加することによりス
ラリー粘度は調製直後と同一の700cP(石炭濃度62重量
%で)まで低下した。
上記と同様の操作により、70℃で30日間貯蔵試験を行つ
たスラリーに、炭酸ナトリウムを乾燥石炭に対し0.45重
量%添加した所、ケイ酸ナトリウム添加時と同様に粘度
は700cPまで低下し、同等の効果が得られることがわか
つた。
<実施例14> 実施例1で調製した元スラリーを用いた貯蔵試験を行つ
た。第10図1に示した貯蔵タンクにスラリーを保持し、
石炭粒子の沈降を防止するためにスラリーをポンプ2に
より配管3を通して循環し、更に攪拌翼4により攪拌し
た。
スラリー中のCa2+イオン濃度を、タンク1に挿入した
イオン電極5及び検出器6により測定した。このように
して測定したCa2+イオン濃度が100ppm以上になつた時
点で、タンク9に保持したケイ酸ナトリウム溶液を所定
量ポンプ8によりタンク1に注入した。また、ポンプ8
は制御器7により制御されており、上記Ca2+イオン濃
度が50ppm以下になつた時点で、タンク1へのケイ酸ナ
トリウム溶液の供給を停止するようにした。
貯蔵温度は実施例13で最も顕著な粘度増大が認めらた70
℃とし、貯蔵期間30日及び60日の時点でスラリーの粘度
を測定したが、製造直後のスラリーの粘度と同一であつ
た。貯蔵試験の期間中、ケイ酸ナトリウム溶液は約20日
に1度の割合でタンク1に供給され、その供給量はスラ
リー1トン当り約1.6であつた。尚、タンク9中のケ
イ酸ナトリウム溶液の濃度は20重量%とした。
本実施例から明らかなように、本発明によりスラリーを
長期間に渡つて安定に貯蔵し、かつ低粘性に保持するこ
とが可能となつた。
<実施例15> 実施例6を用いたものと同じスラリーを用いて貯蔵試験
を行つた。即ち、18%の灰分を含有する石炭を10kg/hの
速度で第11図に示したボールミル111に供給し、同時に
水及び陰イオン系界面活性剤(ナフタリンスルホン酸ホ
ルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩)を供給して湿式
粉砕し、石炭濃度65重量%のスラリーを調製した。界面
活性剤の添加量は乾燥石炭に対し0.5重量%とし、水酸
化ナトリウムを添加することによりスラリーのpHを8に
調整した。スラリーのpHを8に調整するのに必要な水酸
化ナトリウムの量は予め予備実験により求めておいた。
粉砕に用いたボールミルは内径0.5m、長さ約1mであり、
鋼性のボールの充てんして用いた。pH調整用の水酸化ナ
トリウム溶液は、濃度10%のものをタンク112Kに調製し
ておき、ポンプ113を介してミル111に供給した。また、
界面活性剤は濃度40%の溶液をタンク114に調製してお
き、ポンプ115を介してミル111に供給した。水はタンク
116よりポンプ117を介して、スラリーの石炭濃度が65重
量%となるのに必要な量をミル111に供給した。水の供
給量は、原料炭に含まれる水分量、水酸化ナトリム溶
液、及び界面活性剤溶液に含まれる水分量を補正して算
出した。本実施例においては、タンク118よりポンプ119
を介して、製造初期に乾燥石炭に対し0.1重量%のケイ
酸ナトリウムをミル111に供給した。その後、タンク130
に排出されたスラリーの上澄液中のカルシウムイオン濃
度をカルシウムイオン電極120により検出し、該カルシ
ウムイオン濃度が50〜100ppmとなるように制御器122を
介してポンプ119を制御しケイ酸ナトリウム添加量を調
整した。このようにして調整されたスラリーの粘度は石
炭濃度65重量%において1250cPであつた。しかしなが
ら、上記のようにしてケイ酸ナトリウムを添加しないで
調製したスラリーの粘度は同一石炭濃度において3100cP
であつた。
石炭水スラリーの燃焼において、含有する水分の蒸発潜
熱のため水分量10%当り石炭の発熱量の約1.2%の熱損
失がある。このため、石炭濃度60重量%のスラリーでは
4.8%,70重量%のスラリーでは3.6%の熱損失があるこ
とになり、燃料としての経済性の観点から石炭水スラリ
ーの石炭濃度は少なくとも60重量%以上にする必要があ
ると考えられ、石炭濃度は高ければ高いほど燃料として
の経済性は向上する。しかし、現状のスラリー調製技術
から見て、石炭濃度80重量%以上のスラリーを調製する
ことは困難であると考えられる。しかしながら、本発明
になる方法はスラリーの石炭濃度には関係なく一般的に
スラリーに適用できるものであり、石炭濃度80重量%以
上のスラリーが調製された場合でも、その有効性は本明
細書に述べられているものと何ら変わる所はない。
また、同様に本実施例中に述べられている石炭の粒径分
布も本発明の範囲を制御するものではなく、本発明は60
メツシユ以下が97重量%、100メツシユ以下が85〜90重
量%、200メツシユ以下が75〜80重量%、400メツシユ以
下が50〜55重量%の範囲にある粘径分布を有する粉砕炭
のスラリーに適用できる。
また、シユウ酸,フツ素,硫酸,及び亜硫酸等の陰イオ
ンもカルシウムイオンと不溶性あるいは難溶性塩を形成
することが知られており、本発明者らはそれらの陰イオ
ンの効果についても検討した。しかしながら、ケイ酸ナ
トリウムが最も有効であることを見出したものである。
加えるに、ケイ酸イオン以外の陰イオンを添加したスラ
リーでは、燃焼時に有害な物質を生成し、重大な環境上
の問題を引き起こすため、実用に当たつては好ましくな
い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高濃度石炭水スラリー中に溶出した多
価金属イオンにより石炭粒子の電荷の中和を防止できる
ため、その長期間貯蔵においてもスラリーの性状を変化
させることなく、低粘度に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は各石炭水スラリーの貯蔵期間と粘度の関係を示
すグラフ、第2図はケイ酸ナトリウム添加スラリーの貯
蔵期と粘度の関係を示すグラフ、第3図はスラリーの貯
蔵期間と上澄液中のカルシウムイオン濃度の関係を示す
グラフ、第4図はカルシウムイオンとケイ酸イオンの添
加モル比とスラリー粘度の関係を示すグラフ、第5図は
上澄液中のカルシウムイオン濃度とスラリー粘度の関係
を示すグラフ、第6図及び第7図は上澄液pHと溶出イオ
ン濃度の関係を示すグラフ、第8図及び第9図は石炭濃
度とスラリー粘度の関係を示すグラフ、第10図は高濃度
石炭水スラリー貯蔵装置を示すフローシートのブロツク
図、第11図はスラリー製造装置を示すフローシートのブ
ロツク図である。 1……貯蔵タンク、4……攪拌翼、5……イオン電極、
6……検出器、111……ボールミル、114,118,130……タ
ンク。
フロントページの続き (72)発明者 菊池 秀雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 斎藤 一一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 宮寺 博 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−225293(JP,A) 特開 昭61−225294(JP,A) 特開 昭62−89795(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも60重量%の石炭と乾燥石炭に対
    して0.2〜2重量%の陰イオン界面活性剤とを含有し、
    スラリー調製時に水酸化ナトリウムを添加してpHを6〜
    11に調整し、粘度を3000cp以下に調整した残部が実質的
    に水からなる石炭水スラリーに対して、ケイ酸ナトリウ
    ムを0.05〜0.5重量%添加し、スラリー中に存在するカ
    ルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンと該ケイ酸
    ナトリウムとを結合させて該イオンを水に不溶性の塩に
    変換することを特徴とする石炭水スラリーの低粘性安定
    化法。
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