JPH0794255B2 - 金属製容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、缶詰用缶等として利用される円筒形金属製容
器に関するものである。その目的は、金属製容器の底端
部の構造を改良することにある。該容器の底端部とは、
頂部と反対側の端部を意味し、該頂部は容器を空にする
ために開放されるのが普通である。

従来技術、および発明が解決しようとする課題 マーケッティングにおいては、製品の梱包がますます重
要になっているので、製造速度の増大、容器抵抗の向
上、容器の密封性の確保等（これらの全ては、容器のデ
ザイン、および棚上での魅力を改善する一方、材料経費
を削減する努力に関連する）の技術的、経済的目的を達
成するために、金属製容器（金属缶として広く知られて
いる）の製造方法とデザインが継続的に模索されている
ことは、金属材による梱包業界の技術者にとって周知で
ある。

一つの重要な進歩は、平坦なブリキ板シートの両端を互
いに引っ掛け係合させてハンダ付けして成る側面接合部
を、ハンダ（通常、人の健康に有害な鉛合金で形成され
る）を使用することなく、端縁部分の重ね合わせ接合を
行うことを可能にした汎用の電気抵抗溶接で形成された
側面接合部に変えたことであった。

現在の技術によれば、円筒体の頂端部と底端部の締結は
２重シーミング法（板の端部を折曲げて噛み合わせ、接
合する方法を言う）によって行われる。この２重シーミ
ング法では、第１図の上部に示されるように、適当な形
状になされた端部が円筒体の鍔付き端縁の上に位置づけ
られ、該端部と円筒体の鍔付き端縁が、ローラ作業によ
って２重シーム（第１図下部参照）となるように形成さ
れる。この作業は、円筒体の両側で行われ、第２図に示
されるような周知の食糧缶が得られる。缶詰業者は、通
常、第１図に示されるような容器を受け取る。この容器
は、２重シーミングされた底部と、缶内に充填できるよ
うに開放された頂部を有し、缶内が充填された後、２重
シーミングによって頂部が閉成され、両端部が同様に仕
上げられる。

この汎用されている方法には以下の欠点がある。

２重シーミング工程は、端部の中央パネルが、２重
シームの最も突出している部分に関して、概ね0.3175cm
（約1/8インチ）偏位していなければならない。この形
状は内圧を受けたときに（蒸留処理の間の食糧缶詰、ま
たは炭酸飲料に生じる）変形を容易にするが、円筒体本
体の厚さに比して、端部の厚さをかなり大きくする必要
がある。

２重シームを形成する端部周辺領域が、かなりの量
の材料を必要とする。

審美的観点、および実務的観点からして、突出した
リムは不都合である。

上記技術についての最近の進展として、本願発明者は、
既に、製品および製造手段について一連の改良を行なっ
た。

ブラジル特許出願第840.5613号（1984年11月１日付）
（これは、CB−Ａ−2166410に対応する）に、容器構造
と端部シーミング方法に関する最初の実質的改良につい
て説明されている（GB−Ａ−2166410の第４図〜第８図
参照）。それによると、円筒状本体内に端部を挿入し、
内側に彎曲した本体の縁と相互作用する特殊な２重シー
ミング工具を用い、周辺ローラ加工（ローラによる成形
圧下作業）を行なってシームを形成することにより、外
側シームに代わる、内側シームが得られる。

その缶は、その底部リムが円筒状本体の外側表面と同
一面内にあり、また端部と円筒状本体の重合表面が平
坦であって缶の軸線（ｘ−ｘ′）に直交する平行平面内
にあるという基本的特徴を有する（第３図参照）。

その後の技術的進歩として本発明者は、ブラジル特許出
願PI第860.5741号（1986年11月21日付）（これは、1987
年11月20日付英国出願第872.7284号、および1987年７月
13日付米国出願第072513号に対応する）に記載された発
明を実現した。この発明は、新規な缶製造方法および装
置に係わり、回転式多ステーション装置に装架された特
殊な工具を使用することで、ローラ加工に代わる軸線方
向の成形力が用いられ、シーミング接合された底端部と
鍔付き頂部を有する缶の多量生産用自動機械が得られ
る。

課題を解決するための手段 かくして、本発明の目的は、GB−Ａ−2166410に記載さ
れた技術を改良し、真空および高圧に対して密封を維持
でき、対損傷抵抗があり、鋭いリム縁のない外観性良好
な金属製容器を得ることである。

この目的は、下記特徴を有する３部材構造の金属製容器
を提供することによって達成される。

金属製容器の内部が満たされた後に該容器の一端部の２
重シーミングを可能にする、外方へ拡開せしめられた形
状のフランジをその上部に有する、長手方向に溶接され
た本体と、内方へ彎曲した本体の縁よりも内側から組み
立てられて、リムの内側に隣接材料層と共にラビリンス
構造を形成する底端部とを有する容器であって、リムが
実質的に環状になされるとともに、その中間部分で本体
の内径よりも小さい直径を有し、本体がその下縁部でリ
ムに向かって内側に彎曲せしめられ、巻き込み形状の層
が互いに平行で全て凸状に曲がり、それによってリムの
中間部分が該リムの端部分よりも低くなり、リムの外側
の輪郭が本体の彎曲した下縁部に連なっている金属製容
器。

この特別な構造から得られる技術的利点は、以下のよう
に要約できる。

本体と端部との重なり合う表面を更に拡大して、密封
を保証するラビリンス効果を増大させることにより、第
３図に示される先行技術に比較して、より確実な密封が
可能である。

ラビリンス10を形成する重合表面の相互摺動が不可能
である。斯かる摺動は、重なり合う部分すなわち接触領
域が平坦である場合（第３図の符号７部分参照）に生じ
る。

環状リム（ドーナツ型リム）がシーリング化合物（第
４図、第５図の符号11参照）の密封機能を極大にする。
環状体の変形により、本体と端部材料から成る隣接層の
内側に弾性的反作用が生じて隣接表面間の圧力が増し、
耐漏洩性が改善される。

生産コストが相対的に低いにもかかわらず外観は２部
材構造の容器（缶）に似ている。

ラビリンス構造部分を平坦でなくすることにより、外
部からの衝撃に高い抵抗が与えられるため、使用材料の
薄肉化を図ることができ、缶製造のような多量生産に適
用された場合に経費の節減を企図し得る。

以下、添付図面によって本発明の実施例について説明す
る。

実施例 第１図、第２図は先行技術に係わる容器（金属缶）を示
す。現在、斯かる容器は、製缶業者によって製造され、
缶詰業者に配付され、その製品（例えば、保存食等）で
満たされ、密封される。この従来型容器（金属製缶詰用
缶）は、食品等の製品を充填した後に頂端部３の仕上げ
２重シーミングを可能にする鍔（フランジ）２において
外方に拡開せしめられた頂部を有する円筒状本体１から
成っている。同様な鍔（フランジ）が形成されている、
容器の他の側、すなわち底面４では、底端部５が２重シ
ーミングされていて、その結果、通常、２重シーム８と
呼ばれるラビリンス構造になされている。該ラビリンス
構造では、本体および端部材から成る隣接層が、本体の
円筒状表面母線に平行な軸線（Ｘ−Ｘ′）を有する事実
上円筒状の表面に沿って同心的に存在している。

第３図の容器は、容器本体の頂部側９に、通常外側に曲
げられるフランジ２と、内側に曲げられた本体の下部６
とを有する。この容器では、ｔ位置の点線で示されてい
るように、内側から本体に当てがわれた底端部５が、そ
の外側リム７によって、結果として得られるシーム部で
係合せしめられている。該シーム部は、ラビリンス構造
になっており、そこでは、容器本体と容器端部材料の隣
接層が実質的に平行平面内にあり、該平面は容器の基部
のＰ−Ｈ平面に平行であって、容器の軸線（Ｘ−Ｘ′）
に直角である。

本発明の主題である改良された金属製容器（金属缶）
が、第４図、第５図に示されている。この容器は新規な
構造である底部リム13を有する。その構造では、缶（容
器）本体14の下部15に係合する缶端部12の外側リム10が
２つの突出部10a,10dと、それら10a,10d間の凹表面部10
bを有する。また、缶本体の底部15〜15aと、缶端部12の
外側の縁10cとによって形成された隣接層が、実質的に
環状（ドーナツ型）の外側表面を有するラビリンス構造
を形成している。

缶本体の縁15aは、シーミング作業の前に缶端部12の外
側表面に装着される密封用化合物に対して接触して圧力
を加える。前記缶端部は、ブラジル特許出願PI第860.57
41号に記述されている形式のものであり、凹みを画成す
るためにその周縁から伸びる環状壁によって規定される
中央パネルと、前記環状壁の周縁から放射状に外側に伸
長する環状部分と、下方に曲げられた縁部分とから成
る。該缶端部によれば、下方へ曲げられた縁部分と、環
状部分と、環状壁とが、チャンネル（溝）を形成し、そ
の内部に内張り化合物としてのガスケット（密封材料）
11が装着されている。更に詳しく言えば、組み付け完了
後に缶の内側を構成する側とは反対側に位置する、前記
缶端部の側にあって前記下方へ曲げられた縁と環状部分
とで画成される角隈部（コーナー部）に、ガスケットが
設置される。

第４図、第５図に示されているように、環状リム基部
は、突出部10a,10dの存在するその平面が、リムの外側
表面に対する接平面であるPM（第４図）に平行であって
もよく、また彎曲したラビリンス構造という基本的特徴
を変えることなく、円錐表面を形成するような角度をな
していても良い。

容器の好ましい構造が第５図に示されている。第５図で
は、シーミング領域に隣接する缶本体15の下部が円錐表
面17の形に成形されており、そのため、缶本体15の下部
を他の缶の２重シーミングされている頂部に係合させる
ことができる。すなわち、展示または取扱いのために、
缶本体15の下部が、積み重ね易く円錐表面17になってい
る。

前記円錐表面は、シーミング加工の開始部から円筒状表
面に至る測定距離ｄが、少なくとも、缶本体を作成する
ために使用された板の厚さに缶頂端部の厚さを加えた厚
さに等しくなければならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は先行技術に係わる金属容器（缶）を示す概略断
面図である。 第２図は第１図に示された缶の斜視図である。 第３図は、缶底シーミング部を示す拡大図を伴う、ブラ
ジル特許出願PI第840.5613号（先行技術）に記載された
缶の概略断面図である。 第４図は、缶底部のラビリンス構造を示す拡大図を伴
う、本発明例としての改良缶の概略断面図である。 第５図は、缶底部のラビリンス構造を示す拡大図を伴
う、好ましい本発明例としての改良缶の概略横断面図で
ある。 10……外側リム、12……缶（容器）端部、13……底部リ
ム、14……缶（容器）本体、16……外方へ拡開せしめら
れた形状の鍔（フランジ）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルギエロ ラ ロベル ブラジル国リオ デ ジャネイロ，アベニ ュー アルミランテ アルバロ アルベル ト 100 (56)参考文献 実公 昭30−17893（ＪＰ，Ｙ２) 仏国特許公開2585332（ＦＲ，Ａ)

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】３部材構造の金属製容器であって、 該容器の内部が満たされた後に該容器の一端部の２重シ
   ーミングを可能にする、外方へ拡開せしめられた形状の
   フランジ（16）をその上部に有する、長手方向に溶接さ
   れた本体（14）と、 内方へ彎曲した本体の縁（15）よりも内側から組み立て
   られて、リム（13）内に隣接材料層と共にラビリンス構
   造を形成する底端部（12）とを有する金属製容器におい
   て、 前記リム（13）が実質的に環状になされるとともに、そ
   の中間部分で前記本体（14）の内径よりも小さい直径を
   有し、本体（14）がその下縁部でリム（13）に向かって
   内側に彎曲せしめられ、巻き込み形状の層（10b,10c,15
   a）が互いに平行で全て凸状に曲がり、それによってリ
   ム（13）の中間部分が該リム（13）の端部分よりも低く
   なり、リム（13）の外側の輪郭が本体（14）の彎曲した
   下縁部に連なっていることを特徴とする金属製容器。
2. 【請求項２】底端部（12）と本体の縁（15）の間のラビ
   リンス構造が、弾性を有する密封材料（11）の層によっ
   て密封係合状態になされていることを特徴とする請求項
   １に記載された金属製容器。
3. 【請求項３】下方へ向かって収束する円錐形状部分（1
   7）が、本体（14）の中間部分と、本体（14）が内方へ
   彎曲した部分との間に存在することを特徴とする請求項
   １または請求項２に記載された金属製容器。