JPH0794020B2 - 篩渣洗浄装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、下水処理場やポンプ場の沈砂池から発生する
篩渣を洗浄、廃棄処理するための篩渣洗浄装置に関す
る。

［従来の技術］ 沈砂池から発生する篩渣を直接トラックにより輸送、廃
棄処理しようとすると、輸送中に臭気や汚水の漏れ等を
生ずる問題がある。

このため、上記篩渣を一旦洗浄機により洗浄した後、脱
水機によって水分を低下させ、これをトラックにより輸
送、廃棄するシステムがとられている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上述したような篩渣洗浄装置にあって
は、沈砂池における篩渣の発生量が大きく変動するのに
対して沈砂池から掻揚げられた篩渣を直接洗浄機に投入
するようにしていた。このため、沈砂池における篩渣の
発生量によって洗浄機の負荷が大きく変動し、安定した
洗浄効果を得ることが困難であった。

そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決すべくな
されたもので、その目的は洗浄機の負荷変動を防止して
安定した洗浄効果を得ることができる篩渣洗浄装置を提
供することである。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本発明は、沈砂池から除塵機
を介して掻揚げられた篩渣を洗浄機により洗浄して廃棄
処理する篩渣洗浄装置において、上記除塵機と洗浄機と
の間に除塵機により掻揚げられた篩渣を収容するホッパ
ーを有し、その篩渣を定量的に切出して洗浄機に供給す
る定量供給機を設け、そのホッパーに、ホッパー内の篩
渣のレベルを検出し、この検出値が上限値を越えたとき
上記除塵機を停止すると共に、下限値を下回ったとき上
記定量供給機及び洗浄機を停止するためのレベル計を設
けたものである。

［作用］ 除塵機により掻揚げられた篩渣は、一旦ホッパーに収容
され、これより定量供給機によって定量的に切出されて
洗浄機に投入されることになる。これによって洗浄機の
負荷変動は生じない。また、除塵機は、ホッパー内の篩
渣のレベルが上限を越えないかぎりは洗浄機が運転され
ていても駆動されるため、洗浄機が運転されていても
（洗浄時でも）篩渣をホッパーに溜めることができる。
これによって、特に除塵機により掻揚げられた篩渣が少
ない場合には、洗浄時に篩渣をホッパーに貯蔵し、洗浄
終了後、ホッパー内の篩渣を洗浄機に投入できるので、
洗浄機が駆動されるまでの時間を短縮することができ
る。また、ホッパー内の篩渣のレベルが上限を越えたと
きには除塵機の運転が停止されるため、ホッパーから篩
渣があふれることを防止することができる。さらに、ホ
ッパー内の篩渣のレベルが下限値を下回ったときには定
量供給機及び洗浄機の運転を停止することで、篩渣を定
量的に切出して洗浄機に投入することが確実に行え、省
エネ運転を図れる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。

第１図において、１は下水処理場等の沈砂池であり、こ
の沈砂池１には被処理物である篩渣を掻き揚げるための
除塵機２が設置されている。この除塵機２は沈砂池内に
その流れに対向させて設けられたスクリーン３と、この
スクリーン３に引掛かった篩渣を掻揚げるための掻揚コ
ンベヤ４と、この掻揚げられた篩渣を搬出する搬出コン
ベヤ５とから主に構成されている。

この除塵機２の搬出コンベヤ５の搬出端は、コンベヤ６
を介して定量供給機７のホッパー８に接続され、定量供
給機７の排出口９はコンベヤ10を介して洗浄機11に接続
されている。

上記定量供給機７はホッパー８内に収容された篩渣をホ
ッパー８の底部に設けられたスクリュー12によって定量
的に切出して排出口９から排出するようになっている。
13はスクリュー12を回転駆動するためのモータである。

洗浄機11は、被洗浄物である篩渣が先ず最初に投入され
る１次洗浄槽14と、次いですすぎ洗いを行なう２次洗浄
槽15とを有し、これら洗浄槽14,15は槽体16をその中心
部が回転自在に支持された仕切ゲート17で仕切ることに
より形成され、仕切ゲート17を半回転させることにより
１次洗浄槽14内の被洗浄物を２次洗浄槽15内へ移送乃至
放流するようになっている。

１次洗浄槽14には２次洗浄槽15内の洗浄水が配管18及び
ポンプＰを介して供給されるようになっている。また１
次洗浄槽14には攪拌機19が取付けられ、洗浄水を排水口
20からオーバーフローさせつつ被洗浄物を攪拌洗浄する
ようになっている。

２次洗浄槽15には図示しない給水用のノズルが設けられ
ると共に被洗浄物である篩渣を捕集するためのスクリー
ン21と、このスクリーン21に引掛かった篩渣を掻揚げて
排出する掻揚コンベヤ22とが設けられている。この掻揚
コンベヤ22の搬出端にはスクリュー式、ドラム式等の脱
水機23が接続され、この脱水機23の排出口から排出され
た篩渣はコンベヤ24により廃棄ホッパー25に搬入され、
これよりトラックに積込まれて廃棄されるようになって
いる。また、ホッパー８には、ホッパー８内の篩渣のレ
ベルを検出し、この検出値（レベル）が上限値（図示例
ではHH）を越えたとき除塵機２の運転を停止すると共
に、下限値（図示例ではＬ）を下回ったとき定量供給機
７、洗浄機11などの運転を停止するためのレベル計26が
設けられている。

次に、上記システムの作動を説明する。除塵機２と洗浄
機11を自動運転する場合の１例を示せば第２図の通りで
ある。図示するように除塵機２は24時間タイマーとホッ
パー８に取付けられたレベル計26に基づいて制御され、
設定時にホッパー８内の篩渣のレベルがHH以上であると
運転されないが、HH以上でない場合、コンベヤ６、除塵
機２が所定時間運転される。

これにより沈砂池から掻揚げられた篩渣は定量供給機７
のホッパー８内に投入されることになる。このように除
塵機２は、ホッパー８内の篩渣のレベルがHHを越えない
かぎりは駆動されるため、洗浄機11が運転されていても
（洗浄時でも）篩渣をホッパー８に溜めることができ
る。このため、特に除塵機２により掻揚げられた篩渣が
少ない場合には、洗浄時に篩渣をホッパー８に貯蔵し、
洗浄終了後、ホッパー８内の篩渣を洗浄機11に投入でき
るので、洗浄機11が駆動されるまでの時間を短縮するこ
とができる。また、レベルがHH以上では運転しないのは
ホッパー８から篩渣があふれることを防止するためであ
る。

一方、洗浄機11は、ホッパー８のレベル計26に基づいて
制御される。レベルがＨ以上であると、コンベヤ24、脱
水機23、洗浄機11、コンベヤ10の運転を順次開始した
後、定量供給機７を所定時間（０〜３分）運転する。こ
れにより篩渣が洗浄機11の１次洗浄槽14内に投入される
ことになる。また上記コンベヤ10の運転開始後、所定時
間（０〜10分）洗浄してから仕切りゲート17を半回転し
て１次洗浄槽14内の篩渣を２次洗浄槽15内へ入れ替え
る。これにより、篩渣は１次洗浄（洗浄攪拌）及び２次
洗浄（すすぎ）がなされ、比較的きれいになった状態で
掻揚コンベヤ22により掻揚げられ、脱水機23で含水率60
％程度まで脱水された後、廃棄ホッパー25内に貯留され
ることになる。ホッパー８のレベルがＬ以上である場
合、上記定量供給機７を更に所定時間運転すると共に、
所定時間洗浄後に仕切ゲート17を半回転するというサイ
クルを繰り返すことになる。

ホッパー８のレベルがＬ以上でない場合、コンベヤ10が
停止し、洗浄機11の掻揚コンベヤ22により２次洗浄槽15
から篩渣の掻揚げを所定時間行なった後、洗浄機11、脱
水機23、コンベヤ24を順次停止する。このように、定量
供給機７以降をホッパー８のレベルによって運転するた
め、省エネ運転となる。

なお、仕切ゲート17は回転式ではなく往復式のものであ
ってもよい。

［発明の効果］ 以上要するに本発明によれば次のごとき優れた効果を発
揮する。

（１）除塵機と洗浄機との間に定量供給機を配置したの
で洗浄機の負荷を一定に保つことができ、安定した洗浄
効果を得ることができる。

（２）定量供給機が除塵機により掻揚げられた篩渣を収
容するホッパーを有しているため、一時的に大量の篩渣
が掻揚げられたとしても洗浄機等にトラブルを生じな
い。

（３）レベル計をホッパーに設けてホッパー内の篩渣の
レベルに基づいて除塵機、定量供給機及び洗浄機の運転
を制御するようにしたので、洗浄時間の短縮を図れると
共にホッパーからの篩渣のあふれを防止でき、かつ省エ
ネ運転を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す構成図、第２図は除塵
機及び洗浄機を自動運転する場合のフローチャートであ
る。 図中、１は沈砂池、２は除塵機、７は定量供給機、８は
ホッパーである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】沈砂池から除塵機を介して掻揚げられた篩
   渣を洗浄機により洗浄して廃棄処理する篩渣洗浄装置に
   おいて、上記除塵機と洗浄機との間に除塵機により掻揚
   げられた篩渣を収容するホッパーを有し、その篩渣を定
   量的に切出して洗浄機に供給する定量供給機を設け、そ
   のホッパーに、ホッパー内の篩渣のレベルを検出し、こ
   の検出値が上限値を越えたとき上記除塵機の運転を停止
   すると共に、下限値を下回ったとき上記定量供給機及び
   洗浄機の運転を停止するためのレベル計を設けたことを
   特徴とする篩渣洗浄装置。