JPH079350B2 - 高純度窒素ガスの製造方法及び装置 - Google Patents

高純度窒素ガスの製造方法及び装置

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JPH079350B2
JPH079350B2 JP1204672A JP20467289A JPH079350B2 JP H079350 B2 JPH079350 B2 JP H079350B2 JP 1204672 A JP1204672 A JP 1204672A JP 20467289 A JP20467289 A JP 20467289A JP H079350 B2 JPH079350 B2 JP H079350B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低温吸着により混合物を分離する方法に係
り、特に窒素,酸素,アルゴンの混合ガスから少なくと
も一酸化炭素等の不純物を低温吸着法により除去し、高
純度の窒素ガスを分離製造する方法及び装置に関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来の装置は、特開昭61-163105号公報「高純度窒素の
製造方法」に記載のように、例えば精留塔から製品とし
て抜き出されるラインの途中に、吸着剤を充填した吸着
塔を設置し、吸着工程および再生工程を繰り返し、窒素
ガス中のアルゴンを吸着除去し、高純度の窒素ガスを得
ようとするものである。一方、周知のごとく精留塔内の
精留皿の数を増大して、精留操作のみで高純度の窒素を
得ようとするものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、例えば精留塔から製品として窒素ガス
を抜き出すラインに吸着塔を設置している。このため、
最終的に系外へ取出される窒素は高純度で、窒素中に含
まれる不純物、例えば、酸素、一酸化炭素,二酸化炭素
及び炭化水素等は微量となるが、精留塔内の窒素ガスあ
るいは液体窒素に着目すれば、これら不純物は多量に含
有されている。このため、該精留塔より、液体窒素を製
造する場合、この液体窒素中には該不純物が多量に含ま
れており、高純度の液体窒素を製造するには限度があっ
た。もちろん、高純度の窒素ガスと高純度の液体窒素を
併用して製造することは困難である。一方、精留皿の数
を増大しても、ある程度の高純度の窒素は得られるが、
装置の大形化によるコスト高、それに伴なう運転費の増
大により、得策ではない。
本発明は、高純度の窒素ガスあるいは高純度の液体窒素
等を製造する高純度窒素ガスの製造方法及び装置を提供
することを目的としており、更に高純度の窒素ガスと高
純度の液体窒素を併用して、あるいはその割合を任意に
製造できる高純度窒素の製造方法及び装置の提供を目的
とする。
〔課題を解決しようとする手段〕
上記目的を達成するためには、精留塔内の窒素ガス中の
不純物を吸着除去することにより、達成される。空気分
離装置で窒素ガスあるいは液体窒素を製造する場合、空
気中の成分の沸点差を利用して精留を行い、成分を分離
する。精留はトレイと呼ばれる棚段を上昇するガスと下
降する液の接触により行われ、通常数十段のトレイを要
する。精留塔下部に供給された原料空気は精留塔内の上
昇ガスとなり、トレイ上で気液接触し、精留塔の上部に
窒素ガスを、下部に液体空気を得る。窒素ガスは、精留
塔上部に設けられた熱交換器で液化され精留塔内を下降
する液となる。
本発明では、精留塔上部に得られた窒素ガスを抜き出し
吸着剤が充填された吸着塔に導き、更に吸着塔から、熱
交換器に導くと共に、精留塔上部からの窒素ガスを吸着
塔をバイパスさせて熱交換器に導く導管とその途中にバ
イパス弁を設けたものである。
〔作用〕
吸着剤により吸着される物質が同一であれば、吸着剤は
吸着時の温度が低温になる程、その吸着性能は著しく向
上する。例えば微量の低級炭化水素等は、珪藻土製品
(吸着剤)を液体酸素で冷却することにより、完全に吸
着除去が可能である。
本発明によれば、不純物を含んだ低温の窒素ガスが、こ
の窒素ガス等で冷却された吸着剤と接触することで、窒
素ガス中に微量に含まれた不純物(例えば、酸素、一酸
化炭素,二酸化炭素,炭化水素等)が吸着除去される。
該不純物を除去された高純度の窒素ガスは、熱交換器で
冷却され、液化し、その一部は製品として系外へ取出さ
れる。
このため、高純度の窒素ガスと高純度の液体窒素を効率
良く併用して製造できる。
また、バイパス弁は、吸着塔へ流入する窒素ガスのバイ
パスとして使用する。例えば、不純物の多い起動時に
は、窒素ガスをバイパス弁で流すことにより吸着剤の汚
れを最少限にできる。
〔実施例〕
深冷分離により窒素を製造する装置には、複式精留塔方
式によるもの、単式精留塔方式によるものの二通りがあ
る。ここで、後者によって得られる窒素ガス中の不純物
を除去し、高純度の窒素を製造する場合を例にとり説明
する。
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。吸着
により窒素中の不純物を除去する方法には、大別して窒
素ガス雰囲気,液体窒素雰囲気で行う場合があるが、こ
こでは窒素ガス雰囲気での吸着除去方法を主として述べ
る。
第1図において、破線で囲った部分Aが低温領域であ
る。
圧縮され、冷却された原料空気ガスは、導管101より精
留塔1の下部に導入され、上昇ガスとなし、前記上昇ガ
スを熱交換器2で液化し、還流液となし、前記上昇ガス
と前記還流液とを精留塔内の棚段(精留皿)3で気液接
触させ、精留塔1の上部に窒素を分離精製する。前記熱
交換器2は、精留塔1の下部の液体空気4で冷却され
る。なお、液体空気4の蒸発ガスは、導管102を通り熱
回収された後、系外に放出される。分離された窒素は、
ガスあるいは液体として導管103および104より外部へ取
出される。
本発明は、精留塔1の上部に得られた窒素ガスは、導管
200により、バルブ21を介して吸着剤(例えばA形ゼオ
ライト等)が充填されている吸着塔22に導かれる。導管
200および吸着塔22は予め低温に冷却されている。窒素
ガスは前記吸着塔22内に充填された吸着剤を通過するこ
とによって、窒素ガス中に含まれる微量の不純物(例え
ば、酸素,一酸化炭素,二酸化炭素および炭化水素等)
が吸着剤に吸着除去され、より純度の高い窒素ガスとな
り、導管201を通って吸着塔22から導出される。導出さ
れた高純度の窒素ガスは、フィルター23等により、微少
のゴミが除去された後、導管202を通り、熱交換器2に
導入される。以上の如く精製された高純度の窒素ガス
は、導管203より系外へ製品として取出され、また、高
純度の液体窒素は、導管104より系外へ取出される。な
お、従来ベースの純度の窒素ガスは導管103より製品と
して系外へ取り出される。ここに従来ベースの純度の窒
素ガスと記載したが、本発明によれば、吸着塔22により
不純物の除去された窒素ガスは、熱交換器2で液化さ
れ、不純物の除去された液体窒素の還流液となって精留
塔1に流下させられるため、窒素と不純物の気液平衡関
係により、従来ベースの純度の窒素ガスより、不純物の
少ない窒素ガスが、精留塔1内で得られている。
例えば、不純物として酸素を例に取り上げて説明する
と、従来、不純物として約1ppmの酸素が混入していた窒
素ガスの場合、吸着により酸素が除去され、不純物の少
ない液体窒素を得て、精留塔を流下する還流液となすた
め、酸素が従来ベースの約1ppmに対し、約0.4ppmに低減
された窒素ガスが得られる。従って、実際は約60%の不
純物が除去された窒素ガスを生産できる効果がある。も
ちろん、吸着により不純物が除去され、吸着塔から取り
出される窒素ガスおび液化された液体窒素中の不純物の
濃度は、ppbのオーダである。そして、本実施例によれ
ば、高純度の窒素ガスあるいは高純度の液体窒素を併用
して、あるいはその割合を任意に調整し、製造できる効
果が得られる。空気分離装置では、常温の空気を、圧
縮,冷却,液化して、空気中の成分を分離精製するた
め、装置の起動時には当然不純物も多量に混入してい
る。このため、導管200より、窒素ガスを吸着塔22に導
入すれば、吸着塔22内に充填されている吸着剤が短時間
で、不純物により飽和してしまう。このため、本発明で
は、吸着塔22への窒素ガスのバイパス機構として、導管
200と導管202とを連絡するバイパス導管300を設け、そ
の途中にバイパス弁24を設けた。すなわち、装置の起動
時にはバルブ21,25を閉,バイパス弁24を開として運転
を行う。装置がある程度定常に達すると、バルブ21,25
を開,バイパス弁24を閉として運転を行う。この起動運
転時に含有する多量の不純物は適宜系外に放出される。
(図示は省略)このバイパス機構を使用することによ
り、起動時に多い不純物による吸着剤の被吸着成分の飽
和あるいはその他の成分による汚れを最少限にできる効
果が得られる。
第2図は本発明の他の実施例を示すものである。図中で
第1図と同一のものは同一符号で示し説明は省略する。
第2図は、吸着剤を充填した吸着塔22を少なくとも2個
以上設置し、バルブ機構等を用いて、吸着塔22の一方が
吸着工程を、他方が再生工程を行い、吸着塔22a,22b自
身が吸着,再生工程を繰り返すことを特徴とするもので
ある。吸着塔22aにより吸着工程が開始されると、吸着
塔23bは再生工程へ入り、外部あるいは、空気分離装置
自身が製造する少なくとも常温のかつ乾燥した再生ガ
ス、例えば窒素ガスあるいは空気成分に近いガスは、導
管400より吸着塔22bに導入され、吸着剤に吸着された不
純物を脱着除去する。不純物を含んだ再生ガスは導管40
1より系外へ放出される。吸着工程は、本発明の第1の
実施例と何ら変わるものではない。以上の吸着・再生工
程のサイクルを繰り返すとにより、連続して不純物の少
ない高純度の窒素ガスあるいは液体窒素を製造すること
できる。
また、本実施例では、窒素ガス中に不純物の多い起動運
転時に、バイパス弁を設けたバイパス機構を操作させる
ことにより、不純物による吸着剤の飽和あるいは汚れを
最少限にすることできるため、吸着剤を有効に活用でき
るため、よりコンパクトに高純度窒素を製造できる効果
がある。
なお、本実施例では、吸着塔内を窒素ガス雰囲気の状態
での不純物の除去を主として説明したが、吸着塔に例え
ば液体状態の窒素ガスを導入し、吸着塔内の雰囲気が例
えば液体窒素の状態で不純物を吸着除去し、高純度の液
体窒素を得る方法も、思想的には何ら変わりのないもの
である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、吸着塔内に充填された吸着剤を低温に
冷却し、低温吸着により空気分離装置内の窒素ガス中の
不純物(例えば、酸素,一酸化炭素,二酸化炭素,炭化
水素等)を吸着除去できるため、高純度の窒素ガスある
いは液体窒素を併用して、あるいはその割合を任意に製
造できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の高純度窒素を製造する装置
のフロー図、第2図は本発明の他の実施例を示す装置の
フロー図である。 1……精留塔、2……熱交換器、4……液体空気、22…
…吸着塔、24……バイパス弁、300……バイパス導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−40480(JP,A) 特開 昭60−147086(JP,A) 特開 昭61−143681(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を冷却し、精留作用により窒素または
    酸素を得る精留塔を備えた深冷分離による窒素ガスの製
    造方法において、 前記精留塔の上部より抜き出した低温の窒素ガスを低温
    の吸着剤が充填された吸着塔に導入し、該吸着塔で前記
    窒素ガスより不純物を除去し、不純物の除去された該窒
    素ガスの一部を系外に取出すと共に、 不純物の除去された該窒素ガスの残りを前記精留塔で精
    製される液体空気と熱交換させ液化し、還流液となして
    前記精留塔に戻し、該還流液の一部を液体窒素として系
    外に取出すものであって、 前記吸着塔に導入される前記窒素ガスは、起動運転時、
    該吸着塔をバイパスさせることを特徴とする高純度窒素
    ガスの製造方法。
  2. 【請求項2】深冷分離により窒素または酸素を得る精留
    塔を備えた窒素ガスの製造装置において、 前記精留塔の上部より抜き出した低温の窒素ガスの低温
    の吸着剤が充填された吸着塔に導入する導管と、該吸着
    塔で不純物の除去された前記窒素ガスの一部を前記吸着
    塔から系外に取出す導管と、不純物の除去された該窒素
    ガスの残りを前記精留塔で精製される液体空気と熱交換
    させる熱交換器に導入する導管と、該熱交換器で液化さ
    れ還流液となすよう前記精留塔に戻された液体窒素を系
    外に取出す導管と、前記吸着塔をバイパスさせて前記低
    温の窒素ガスを前記熱交換器に導入するバイパス機構
    と、を設けたことを特徴とする高純度窒素ガスの製造装
    置。
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