JPH0792954B2 - ビデオテ−プレコ−ダテ−プ走行系調整方法とその装置 - Google Patents

ビデオテ−プレコ−ダテ−プ走行系調整方法とその装置

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JPH0792954B2
JPH0792954B2 JP62100082A JP10008287A JPH0792954B2 JP H0792954 B2 JPH0792954 B2 JP H0792954B2 JP 62100082 A JP62100082 A JP 62100082A JP 10008287 A JP10008287 A JP 10008287A JP H0792954 B2 JPH0792954 B2 JP H0792954B2
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正人 宇野
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープレコーダにおけるテープ走行系
を自動的に一括調整するための方法とその装置に関する
ものである。
〔従来の技術〕
一般にビデオテープレコーダ(以下、単にVTRと称す)
におけるテープ走行系においては、例えば第19図に示す
ように、供給リールからのテープ2はバックテンション
ポスト、全幅消去ヘッド、インピーダンスローラ、入側
ガイドローラ5、シリンダ(上部回転シリンダ3および
下部固定シリンダ3′より構成)、出側ガイドローラ
6、インパーダンスローラ、コントロールヘッド8、ピ
ンチローラ・キャプスタンを介し巻取りリールに巻き取
られるようになっている。テープ2は上記の如くに走行
されている間に上部回転シリンダ3に取付られているビ
デオヘッド4によってテープ2にはビデオ信号が記録さ
れたり、またはテープ2からはビデオ信号が読み出され
るようになっているものである。なお、図中での符号7,
17はそれぞれリード、X値調整ネジを示す。
ところで、以上のようにしてなるテープ走行系において
テープガイド部としての入側、出側ガイドローラや、コ
ントロールヘッドの位置と姿勢は高精度に設定されなけ
ればならないものとなっている。これは、あるVTRで記
録されたテープを他のVTRで再生する場合、その記録を
行なったVTRで再生されたのと同程度の画質が得られる
必要が互いにあるからであり、それらの高精度設定はVT
Rの互換性の観点よりして最重要事項となっている。
そこで、これまでにあっては、VTR規格に基づいて記録
された調整用の基準テープを被調整VTRに走行させ、そ
の際得られる再生信号を計測器等に表示し、その表示結
果を監視しつつ作業者が工具によってテープガイド部や
コントロールヘッド調整部での各種ねじを回転調整する
ことで、テープ走行系の互換調整を行なっているのが実
状である。しかしながら、このテープガイド部やコント
ロールヘッド調整部の調整作業はその調整手順が定まっ
ておらず試行錯誤的に行われており、これがために調整
に多くの時間と作業が要されるようになっている。ま
た、再生信号を計測器、例えばオシロスコープを用い信
号波形やそのレベルを観察しながら調整を行なう入手作
業であるため、非常に個人差が生じ易く調整時間の作業
者によるバラツキが多いばかりか、高精度の調整には熟
練を必要とし、その低い作業能率によって生産性もまた
低く抑えられたものとなっている。
上記した不具合を解消したVTRのテープ走行系の調整方
法もこれまでに考えられていないわけではなく、例えば
特開昭59−203262号公報に記載のものが知られている。
これによる場合、シリンダに対して入側、出側のテープ
ガイドをテープ走行方向と垂直に所定量だけ上昇させ、
その際に得られる映像再生出力のエンベロープ波形情報
からエンベロープのディップ数を算出し、この算出値が
設定値に等しくなるまでテープガイドを所定量ずつ下降
させながら繰り返し粗調整が行なわれるようになってい
る。この後はその粗調整に引き続き、エンベロープ波形
の最大レベルに対するエンベロープ入口値、また出口値
の割合が80%以上になるべくテープガイドの降下量を微
調整し、更にテープの下端を案内するシリンダのリード
全域にテープを接触させるべくその微調整完了位置にお
ける信号レベルを記憶しておいた後、テープガイドを設
定値だけ降下させてテープをシリンダのリードに過剰な
力で押し付け、これにより低下したエンベロープ波形の
レベルを検出したうえ、先に記憶しておいた信号レベル
との差が零になるまでテープガイドを上昇させるといっ
た具合に、テープ走行系の調整が行なわれるようになっ
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記公報による場合は、作業者に熟練が要されることも
なく高精度に調整を行なうことは可能であるも、調整評
価基準の媒体としてのテープを調整過程において強制的
に変形させており、基準テープの損傷防止への配慮が十
分ではないものとなっている。また、調整時間について
も配慮がされておらずテープガイドの上昇,下降を繰り
返しつつ調整しているための調整時間が長く要されると
いう不具合がある。更に、入側テープガイド調整終了後
に出側テープガイド調整を行っているため、入側テープ
ガイドと出側テープガイド間の相互影響が配慮されてお
らず、先に調整される入側テープガイドが後に調整され
る出側テープガイドの影響を受け、調整ずれが発生する
ようになっている。
本発明の目的は、調整対象相互間の影響をうけることな
く短時間に、しかも高精度にVTRテープ走行系を自動的
に一括し調整し得るVTRテープ走行系調整方法とその装
置を供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、シリンダに対して入側、出側のテープガイ
ドローラおよびコントロールヘッドを、調整用基準テー
プを走行させて得られる映像再生出力のエンベロープ波
形を監視することにより調整を行なうに際し、シリンダ
におけるビデオヘッドと調整用基準テープにおけるビデ
オトラックとの相対位置をテープ走行方向に連続的に変
化させている状態で、各トラッキングシフト位置対応の
映像再生出力エンベロープ波形を複数フィールド分取り
込むようにするが、コントロールヘッドのテープ走行方
向での位置ずれ方向と位置ずれ量は、波形中央部での波
形レベルが最大とされた映像再生出力エンベロープ波形
対応のトラッキングシフト位置より、また、入側、出側
のテープガイドローラ各々のシリンダに対する位置ずれ
方向と位置ずれ量は、映像再生出力エンベロープ波形に
おける入側部分、出側部分の傾きが映像再生出力エンベ
ロープ波形の時間経過を示す水平軸に対して反転するト
ラッキングシフト位置より求めた後は、これら位置ずれ
方向と位置ずれ量にもとづき、入側、出側のテープガイ
ドローラおよびコントロールヘッドの各調整部に各々対
応して配設された工具を該調整部に当接せしめた状態
で、該工具を回転せしめることによって、入側、出側の
テープガイドローラおよびコントロールヘッドを自動的
に、且つ同時に調整することで達成される。また、装置
としては、テープガイドローラ調整部およびコントロー
ルヘッドテープ走行方向位置調整部対応に配設された工
具と、これら工具を上記調整部各々に対して係合させた
状態で回転駆動する駆動機構と、シリンダにおけるビデ
オヘッドと調整用基準テープにおけるビデオトラックと
の相対位置をテープ走行方向に連続的に変化させるトラ
ッキングシフタ回路と、シリンダにおけるビデオヘッド
と調整用基準テープにおけるビデオトラックとの相対位
置各々に対応したフィールドの映像再生出力を取り込ん
だ上、これら出力のエンベロープ波形を量子化した状態
で記憶するエンベロープ検出回路と、該回路に記憶され
ている複数フィールド分のエンベロープ波形を処理する
ことで入側、出側のテープガイドローラおよびコントロ
ールヘッドの位置ずれ方向と位置ずれ量を求めた上、そ
の方向および量にもとづき駆動機構、工具を介し入側、
出側のテープガイドローラおよびコントロールヘッドの
位置を自動的に、且つ同時に調整制御する制御回路とか
ら構成することで達成される。
〔作用〕
トラッキングシフタ回路によりビデオヘッドとテープ上
のビデオトラックとの相対位置はテープ走行方向に連続
的に変化させられるので、エンベロープ検出回路ではト
ラッキングシフトに対応して連続的に変化する映像再生
出力信号を得ることが可能であり、これを量子化、記憶
するものとなっている。このテープ走行方向のトラッキ
ングシフトはコントロールヘッドのテープ走行方向上で
の移動と同一効果をもつことから、連続トラッキングシ
フトによっては最適トラッキングシフト点が検出される
ものとなっている。したがって、その点でのトラッキン
グシフト量だけコントロールヘッドのテープ走行方向上
での位置を調整すれば、最適点に調整可能なものであ
る。また、入側、出側のガイドローラの調整ずれの影響
は、ビデオトラックの入側、出側に物理的に表われ、こ
れは結果的にFMエンベロープの入側、出側にも表われる
ようになっている。このFMエンベロープはビデオヘッド
とビデオトラックの相対位置に応じて波形が変化し、特
にビデオヘッドとビデオトラックの相対位置が入側、出
側で一致する前後でエンベロープ波形の入側、出側の傾
きが反転するようになっている。この変化点は連続トラ
ッキングシフトで検出可能であり、ビデオトラック曲が
り量もその際のトラッキングシフト量から算出可能とな
っている。連続トラッキングシフト時の映像再生出力信
号のエンベロープ波形を比較解析することによっては、
コントロールヘッドのテープ走行方向での位置ずれ量
や、入側、出側のガイドローラの位置ずれ量が知られる
ことから、これら位置ずれ量にもとづき調整を同時に一
括して行なうことが可能となるものである。
〔実施例〕
以下、本発明を第1図から第18図により説明する。
先ず本発明による調整装置について説明すれば、第2図
はその全体構成を示したものである。図示の如く全体は
調整対象としてのVTR1で予め調整用の基準信号が記録さ
れたアライメントテープ2を再生することによって、ビ
デオヘッド4から得られる映像再生出力信号(以下FM信
号と称す)およびVTR1のサーボ回路18から得られるスイ
ッチング信号を取り込むエンベロープ検出部20と、ビデ
オヘッド4とアライメントテープ2上のビデオトラック
との相対位置をテープ走行方向に連続的に変化させるト
ラッキングシフタ部30と、テープ走行系におけるテープ
案内部としての入側、出側のガイドローラ等の位置ある
いは姿勢、更にはコントロールヘッド8のテープ走行方
向での位置(以下X値と称す)の調整を行なう駆動機構
部40と、この駆動機構部40の動作を制御する調整制御回
路50と、駆動機構部40と一体となって、テープ走行系に
おける入側ガイドローラ、出側ガイドローラ、X値調整
部各々に対応して配設された工具41とを含むようにして
構成されたものとなっている。このうち、エンベロープ
検出部20は信号取込制御回路21、ピーク検出回路22、A/
D変換器23および取込記憶回路24からなるが、エンベロ
ープ検出部20では調整制御回路50からFM信号の取込開始
信号を受けると、VTR1における2つのビデオヘッド4
(4a,4b)の切換タンミングを決定しているスイッチン
グ信号を監視し、このスイッチング信号の切替え時点か
らFM信号の取込みを複数フィールド分に亘って連続的に
行なうものである。信号取込制御回路21では第3図
(a)に示すFM信号の1フィールドの区間内に第3図
(b)に示すように数個の等間隔のサンプリングパルス
をピーク検出回路22に出力するが、これによりピーク検
出回路22ではFM信号を半波整流したうえで取込みサンプ
リングパルス間におけるFM信号のピーク値を検出し、第
3図(c)に示す如く次のサンプリングパルスが入力さ
れるまでその値をホールドするようになっている。A/D
変換器23ではピーク検出回路22でピークホールドされた
FM信号のエンベロープがA/D変換により量子化(ディジ
タル化)されるが、この量子化されたエンベロープデー
タは信号取込制御回路21による制御下に取込記憶回路24
に記憶されるようになっている。このようにして、FM信
号のエンベロープ波形がエンベロープ検出部20において
量子化記憶されるわけであるが、FM信号の取込記憶はト
ラッキングシフタ部30が動作している間での複数フィー
ルド分のデータについて取込みが行なわれ、取込順に取
込記憶回路24に記憶されるものである。トラッキングシ
フタ部30でのトラッキングシフタ時間が一定であれば、
エンベロープ検出部20は常に一定フィールド数分のデー
タを取り込めばよいものである。
さて、所定フィールド数分のFM信号の取込記憶が終了す
れば、信号取込制御回路21は調整制御回路50に信号取込
終了信号を送信するが、これにより調整制御回路50では
取込記憶回路24に記憶されている複数フィールド分のエ
ンベロープ波形データを所定に処理することで、入側、
出側ガイドローラおよびX値調整ネジの調整条件が求め
られるものである。
トラッキングシフタ部30では信号取込制御回路21からの
トラッキングシフト開始指令を受けた場合、遅延回路31
にて被調整VTR1におけるコントロールヘッド8からの、
増幅器19によって増幅されたコントロールパルス信号に
遅延設定時間Δt(正または負)を連続的に可変して付
加し、ビデオヘッド4とアライメントテープ2上のビデ
オトラック9との相対位置を連続的に変化させるもので
ある。遅延回路31の例としては、例えば可変抵抗Rとコ
ンデンサCからなる時定数RCを有するものがあり、可変
抵抗Rをモータ等で一定速度で変化させれば、遅延設定
時間もまた連続的に可変可能となっている。複数の抵抗
器を直列接続し、それら抵抗器の各々を電気的手段で順
次短絡、または開放していくことも可能である。
ここで、第4図(a),(b),(c)によりシリンダ
の概要構造とその機能について説明すれば、上部の回転
シリンダ3には180゜離れた位置にCH1用のビデオヘッド
4aとCH2用のビデオヘッド4bとが図示の如くに設けられ
ており、下部の固定シリンダ3′の下部にはまた回転シ
リンダ3に連動して回転するマグネットベース3″が位
置するようになっている。このマグネットベース3″に
は図示の如くN極のマグネット10とS極のマグネット11
が取付されているが、これらはCH1用のビデオヘッド4a
とCH2用のビデオヘッド4bの区別やヘッド切換点のコン
トロールに使用されるものである。ビデオヘッド4a,4b
とマグネット10,11の位置関係は第4図(a),(b)
に示すようであり、CH2用のビデオヘッド4bの下部にN
極マグネット10が位置するようにしているが、これらマ
グネット11,10はビデオヘッド4a,4bより何度(ψ)か進
んでおり、タックヘッドと称される、マグネットベース
3″の180゜位置近傍に固定されているマグネット検出
用ヘッド12が第4図(c)に示すようにのパルスを検
出した後の一定時間t0経過後にCH2用のビデオヘッド4b
が180゜の位置に達すべくサーボ回路18が調整されてい
る。即ち、ビデオヘッド4a,4bはN極またはS極の検出
パルスによってその何れが180゜の位置に達したのかが
見分けられており、それぞれ相手方へのビデオヘッドへ
の切替タイミングを決めている。この切替用のパルスを
スイッチング信号と呼んでいるものである。また、この
スイッチング信号のパルスはN極が通過したときにと
決めておけば、S極が通過した時は当然になる。これ
によってとの区別、つまりCH1用のビデオヘッド4a
とCH2用のビデオヘッド4bの区別をしているわけであ
る。
一般にVTRではシリンダ3、したがって、ビデオヘッド
4の回転速度と回転位相とを制御するサーボ方式が採用
されているが、これに相当するのがサーボ回路18であ
る。このサーボ回路18の基準信号としては記録時には入
力ビデオ信号の垂直同期信号(60Hz)に同期した30Hz信
号、再生時にはアライメントテープ2上にコントロール
トラックに記録時に記録されているンコントロール信号
(30Hz)が用いられる。よって、アライメントテープ2
の再生時にはサーボ回路18が基準信号となるコントロー
ルトラックからのコントロール信号とビデオヘッド4a,4
bを切換えるスイッチングパルスとを比較し、ビデオヘ
ッド4a,4bの回転数のズレを誤差信号として検出し、こ
の誤差信号に応じてシリンダ3を回転速度制御すること
で、ビデオヘッド4a,4bの回転位相は記録時と同一にな
るべくされているものである。以上から、トラッキング
シフタ部30での遅延回路31にコントロール信号を入力
し、その出力をサーボ回路18に入力すれば、遅延時間に
相当する位相ずれがコントロール信号とスイッチング信
号との間に生じるため、この位相ずれをなくすようにサ
ーボ回路18が作用する結果、遅延時間Δtに応じてアラ
イメントテープ2はテープ走行方向にシフトされること
になる。遅延回路31で遅延時間Δtを連続して変化させ
る場合は、アライメントテープ2はシリンダ3における
ビデオヘッド4に対してテープ走行方向に連続的にシフ
トされることになるものである。
第5図(a)はVHS方式のテープ磁気パターンをベース
面より透視したものを、また、第5図(b)はテープ走
行系の位相関係の概略を平面的に示したものである。図
中でのXとは、CH2用のビデオヘッド4bのスイッチング
ポイントからコントロールヘッド8まで距離をいう。コ
ントロールヘッド8のテープ走行方向での位置、即ち、
X値が調整完了状態ではX値は規格値X0と一致しアライ
メントテープ2を再生した際、通常第6図(a)に示す
ようにシリンダ3でのビデオヘッド4a,4bはアライメン
トテープ2上のビデオトラック9a,9bと相対位置が一致
する。つまりビデオヘッド4a,4bがそれぞれビデオトラ
ック9a,9bに重なり、ビデオヘッド4bの軌跡は斜線表示
部15として示したようになる。この状態をトラッキング
がとれたという。ところが、トラッキングシフタ部30で
の遅延回路31によってコントロールトラック13からのコ
ントロール信号14に正の遅延時間(Δt>0)を付加さ
せると、第6図(b)に示すように、X値が規格値X0
あるにも拘わらずアライメントテープ2の走行速度をv
として、アライメントテープ2はv・Δtだけテープ走
行方向にシフトする。その結果、ビデオヘッド4a,4bは
先のトラッキングがとれた状態に比べてそれぞれビデオ
トラック9a,9bの上側を斜線表示部15′として示す如く
トレースすることになる。同様にして、負の遅延時間
(Δt<0)を付加させると、逆にアライメントテープ
2はv・Δtだけ先の場合とは反対方向にシフトする。
その結果、ビデオヘッド4a,4bは先のトラッキングがと
れた状態に比べてそれぞれビデオトラツク9a,9bの下側
を斜線表示部15″として示す如くトレースすることにな
る。なお遅延時間ΔtがΔt=±1/60secの場合ビデオ
トラック9a,9bとビデオヘッド4a,4bとの相対関係が反対
になる。つまり、ビデオヘッド4aがビデオトラック9b
を、また、ビデオヘッド4bがビデオトラック9aをトレー
スすることになるものである。
以上はX値の調整が完了状態の場合であるが、X値、即
ち、コントロールヘッド8のテープ走行方向での位置が
ずれている場合にも、ビデオヘッド4とアライメントテ
ープ2上のビデオトラック9との相対位置がずれる。第
7図にこの関係を示す。このうち第7図(a)はコント
ロールヘッド8のテープ走行方向での位置にずれがない
調整完了状態を示したものである。この状態ではビデオ
ヘッド4a,4bはアライメントテープ2上のビデオトラッ
ク9a,9bと相対位置が一致しており、ビデオヘッド4bの
軌跡は斜線表示部15として示すようにビデオトラック9b
に重なる。ところが、X値に調整ずれがあると、例えば
第7図(b)に示すように、ビデオトラック9bからコン
トロールヘッド8までの距離が規格値X0に比べてΔxだ
け短いと、サーボ回路18は規格値X0でビデオヘッド4bを
トレースするので、X値調整ずれ量Δxに応じてアライ
メントテープ2上のビデオトラック9bはビデオヘッド4b
に対しテープ走行方向にΔxだけシフトすることにな
る。これとは逆に、ビデオトラック9bからコントロール
ヘッド8までの距離が規格値X0に比べてΔxだけ長い
と、第7図(c)に示すように、アライメントテープ2
上のビデオトラック9bはビデオヘッド4bに対し、Δxだ
け先の場合と、反対方向にシフトすることになる。
以上から、X値の調整ずれ量Δxと遅延回路31により付
加される遅延時間Δtとの間には Δx=v・Δt ……(1) という関係があることになる。ここでvはアライメント
テープ2の走行速度である。
即ち、コントロールヘッド8のテープ走行方向での機械
的位置ずれΔxによって生じるビデオヘッド4とアライ
メントテープ2上のビデオトラック9のトラッキングシ
フトは、トラッキングシフト部30での遅延回路31により
電気的に付加される遅延時間Δtによっても同様に発生
させることが可能である。よって、コントロールヘッド
8のテープ走行方向での機械的位置ずれを打ち消すよう
な遅延時間Δtで遅延回路31で発生される場合は、機械
的位置ずれΔxがあっても第7図(a)に示すように恰
もX値調整ずれがないX値調整完了状態と同様の状態と
なるものである。
具体的な調整方法は後述するとして最後に駆動機構部40
について説明すれば、これはテープ走行系案内部として
の入側ガイドローラ5や出側ガイドローラ6の高さおよ
びX値調整ネジ17を調整する工具41と、この工具41を上
記ガイドローラ5,6およびX値調整ネジ17に調整制御回
路50の指令により位置決めする位置決め機構42と、工具
41を回転させる回転調整機構43と、調整制御部50の指令
により回転調整機構43を回転させるステッピングモータ
44およびそのモータ駆動回路45とから構成されたものと
なっている。第8図はその駆動機構部の一例での構成を
入側ガイドローラ5やシリンダ3とともに示したもので
ある。これによるとシャーシ64上にはシリンダ3の他入
側ガイドローラ5が取付台63を介し取付されるようにな
っている。入側ガイドローラ5はその雄ねじ61が取付台
63に形成されている雌ねじ62に係合せしめられているも
のである。図示の如く入側ガイドローラ5はその上端が
溝形状をなす切欠凹部65として、また、雄ねじ61の下部
はストレートピン66として形成されているが、取付台63
の雌ねじ62の下部に形成された嵌合穴67に収容されるス
トレートピン66はその側面が取付台63に取付された固定
ねじ68によって予め所定の高さで、かつ所定の締付力で
仮固定されたものとなっている。即ち、調整前では入口
ガイドローラ5は仮固定されているものある。
さて、入側ガイドローラ5の高さ位置調整用の工具41で
あるが、これはその先端が入側ガイドローラ5の上端切
欠凹部65の溝に対応してマイナスドライバ形状をなして
おり、その工具41頭部の多角形状スプライン軸70は軸73
内に形成されたスプライン穴71に嵌合収容されるが、工
具41はスプライン軸70を介しスプリング72によって下方
に押し下げられる力を受けるようになっている。スプラ
イン軸70を内部に収容した軸73はまた軸受74(74a,74
b)、ゴム材75(75a,75b)を介し移動ベース76に対し回
転可として支持されるようになっている。移動ベース76
上にはまた軸73を連結されているユニバーサルジョイン
ト77を介しステッピングモータ44が、そのステッピング
モータ44上には更にロータリーエンコーダ46が直結され
たものとなっている。したがって、軸73はステッピング
モータ44から回転力は伝達されるが、ラジアル方向には
ゴム75によってコンプライアンスを有している。移動ベ
ース76自体はまたリニアベアリング78(78a,78b)、リ
ニアガイド79(79a,79b)を介しフレーム80に上下動可
として取付される一方、フレーム80に固定されたシリン
ダ47のロッド48に連結されており、しかして、移動ベー
ス76はシリンダ47の推力によって、リイアガイド79とリ
ニアベアリング78の案内に沿って上下動可とされるよう
になっている。
調整に際しては、アライメントテープ2がVTR1にセット
された状態で再生されるが、これにより予め所定の高さ
で、かつ所定の締付力で仮固定された粗位置調整済み状
態の入側ガイドローラ5および出側ガイドローラ6や、
シリンダ3におけるリード7によって案内され走行する
アライメントテープ2からはヘッドによってFM信号が得
られ、エンベロープ検出部20により量子化、記憶される
ところとなる。この後は調整制御回路50で入側ガイドロ
ーラ5の位置調整量である回転量、回転方向が出側ガイ
ドローラ6やX値調整ネジ17の位置調整量、回転方向と
ともにに求められるわけであるが、入側ガイドローラ5
の調整回転量と回転方向が求まると、調整制御回路50の
指令でシリンダ47が動作し移動ベース76が下降せめられ
ることで、軸73先端の工具41は被調整部としての入側ガ
イドローラ5頭部49に当接することになる。この間、ス
テッピングモータ44の速度と回転力、回転方向は第9図
に示す如く、速度Nとして予め粗位置調整時に仮固定さ
れた入側ガイドローラ5の所要回転締付力の最小値Tlに
比べてより小さい回転力Tiが得られるべくステッピング
モータ44は駆動電流値Iiに設定され、ステッピングモー
タ44は先に求められた回転方向へ回転されるものとなっ
ている。第10図(A),(a)に示す如く、工具41が入
側ガイドローラ5の頭部49に当接すれば、その後も移動
ベース76は下降しつつあるも工具41はスプライン軸70が
スプリング72からの力に抗して上に逃げることで、工具
41は頭部49に接触した状態で回転することになる。切欠
凹部65と同一回転位相になって時点でスプリング72の力
によって工具41が下降し、工具41は切欠凹部65と係合す
ることになる。この時の状態は第10図(B),(b)に
示す如く、互いに接触してないので、入口ガイドローラ
5に対する回転力はまだ殆ど発生していない。ステッピ
ングモータ44が更に回転すると、工具41は切欠凹部65の
壁81(81a,81b)に当接し、第10図(C),(c)の状
態になる。その際、入側ガイドローラ5から反力によっ
て回転力が発生するが、この回転力はステッピグモータ
44の回転速度をNとして、駆動電流Iiに対応した限界回
転力Tiとなる。この後もステッピングモータ44は更に回
転しようとするが、Tiは入側ガイドローラ5の所要回転
締付力(最大値Th、最小値Tl)未満であるため脱調する
ことになる。この脱調現象の検出はステッピングモータ
44が回転速度Nで動作中、実際に時間Δtの間にロータ
リエンコーダ46より得られる出力パルス数Δpの比であ
るΔp/Δt値を調整制御回路50が監視した結果、Δp/Δ
t≪Nが成立することをもって脱調していると判断し得
る。
この脱調検出にもとづき調整制御回路50は第9図に示す
如く最大値Thより大きな回転力が得られる駆動電流値Io
に切換えた後、先に求めた所要調整回転量だけ回転させ
微調整を完了するところとなるものである。この後はそ
の微調整を評価すべく再度アライメントテープ2の再生
出力をヘッド4からFM信号として得、エンベロープ検出
部20によりエンベロープ波形が記憶されるようになって
いる。この場合でのトラッキングシフトは所定の評価す
べき特定シフト位置に固定して行なう。調整制御回路50
ではエンベロープ検出部20に対して評価信号取込開始信
号を送信する。エンベロープ検出部20はこれを受けてト
ラッキングシフタ部30に対して評価すべき特定のシフト
位置へトラッキングシフトさせる。その後エンベロープ
検出部20における信号取込制御回路21では評価用のFM信
号のエンベロープ波形を記憶完了すると、その旨を調整
制御回路50に取込完了信号を送信するようになってい
る。これにより調整制御回路50では取込記憶回路24に記
憶されているFMエンベロープ波形と予め設定されている
調整仕様条件とを比較することによって調整の良否判定
を行なうが、この結果もしも不良の判定が出た場合には
上記の調整動作を繰り返すが、良と判定された場合には
移動ベース76がシリンダ47の引き上げ力によって上昇
し、工具41は入側ガイドローラ5の切欠凹部65から外れ
るようになっている。
以上は入側ガイドローラ5に対する駆動機構部の説明で
あるが、出側ガイドローラ6、X値調整ねじ17に対する
駆動機構部の構造も同様である、因みに第18図によりコ
ントロールヘッドのテープ走行方向位置での調整につい
て説明すれば、コントロールヘッド8はヘッド取付板16
に固定的に取付されているが、ある点を支点として回転
可とされているヘッド取付板16の一部分は常にX値調整
ネジ17におけるテーパ部に当接した状態となっている。
しかして、X値調整ネジ17を回転させてX値調整ネジ17
自体を下降、または上昇せしめれば、その下降、上昇に
伴いヘッド取付板16、したがって、コントロールヘッド
8のテープ走行方向での位置もまた変化するところとな
るものである。即ち、X値調整ネジ17を下降せしめれば
コントロールヘッド8はシリンダ3方向に近づき、上昇
せしめればシリンダ3より遠ざかるようになっているも
のである。
さて、本発明による調整方法について具体的に説明す
る。
先ずX値調整ずれがないX値調整完了状態において、入
側ガイドローラおよび出側ガイドローラを調整した場合
に、どのようなFM信号のエンベロープ波形が得られるか
を説明すれば以下のようである。
即ち、先ずアライメントテープ2がシリンダ3における
テープガイドラインとしてのリード7に沿って走行され
るべく入側ガイドローラおよび出側ガイドローラが調整
された状態を第11図(a)として示す。この状態ではア
ライメントテープ2上のビデオトラック9に対するビデ
オヘッド4のトレースは第11図(b)に示すように、ア
ライメントテープ2上のビデオトラック9とビデオヘッ
ド4の軌跡は一致し、ビデオヘッド4のアライメントテ
ープ2上のビデオトラック9への当りであるFM信号は第
11図(c)に示すようにほぼ四角形であり、ほぼ平坦化
されたものとなる。
一方、第12図(a)に示すように例えば入側ガイドロー
ラ5が最適位置より高い場合、アライメントテープ2は
シリンダ3におけるリード7に対して入側が浮いた状態
で走行するようになる。この状態では第12図(b)に示
すように、アライメントテープ2は上方向に持ち上げら
れることで変形するため、ビデオトラック9は斜線表示
として示すようにビデオヘッド4の軌跡4′に対して入
側が上方向に曲げられた状態となり、ビデオトラック
9′の入側に対するビデオヘッド4の当りは悪くなる。
よって、FM信号レベルは第12図(c)に示すように、入
側に相当する左端部の出力レベルが低くなり平坦にはな
らない。
また、調整完了状態に比し出側ガイドローラ6が第13図
(a)に示すように高い場合、アライメントテープ2は
シリンダ3のリード7に対して出側が浮いた状態で走行
するようになる。この状態では第13図(b)に示すよう
に、アライメントテープ2は上方向に持ち上げられて変
形し、ビデオトラック9″は斜線表示として示すように
ビデオヘッド4の軌跡4″に対し出側が上方向に曲げら
れた状態となり、ビデオトラック9″の出側に対するビ
デオヘッド4の当りは悪くなる。よって、FM信号レベル
は第13図(c)に示すように、出側に相当する右端部の
出力レベルが低くなり、平坦にはならない。
更に、入側ガイドローラ5と出側ガイドローラ6の高さ
が調整完了状態に比し低くなった場合は、ビデオトラッ
ク9の曲がり方向が逆になり、同様に各々入側、出側の
出力が低くなる。つまり、入側ガイドローラ5あるいは
出側ガイドローラ6の調整完了状態である最適位置とこ
の最適状態と比しガイドローラ5,6が高い場合と低い場
合に各々アライメントテープ2を走行して得られるビデ
オヘッド4からのFM信号のエンベロープ波形形状は、水
平軸に時間を、垂直軸に電圧レベルをとれば、第14図に
示すようになる。ここでクリック点とは前述したトラッ
キングシフトが付加されない中立点でのFM信号取込条件
を示す。第14図にはクリック点状態に遅延時間Δt(Δ
t>0又はΔt<0を付加した時、即ち、トラッキング
シフト量v・Δtが付加された場合に得られるFM信号も
併せて示しているが、FM信号のエンベロープ波形はガイ
ドローラの高さとトラッキングシフト量v・Δtによっ
て様々に変化し、トラッキングシフト量を−v・ΔTか
ら+v・ΔTまで連続的に変化させた場合、ガイドロー
ラの高低に対しエンベロープ波形の入側部分、出側部分
の傾きが途中で反転することが判る。即ち、ガイドロー
ラが高い場合は、トラッキングシフト量−v・ΔTでは
入側・出側の波形は左下り、右下りであるのに対し、+
v・ΔTでは左上り、右上りとなり、+v・ΔT〜+v
・ΔTの間で傾きが水平軸に対して反転するトラッキン
グシフト位置が存在するというものである。ガイドロー
ラが低い場合には上記関係が逆転し、同様にその間で傾
きが反転するトラッキングシフト位置が存在するという
わけである。
したがって、第14図に示す如く連続的にトラッキングシ
フトさせた場合には、エンベロープ波形の入側(左端
部)と出側(右端部)の連続変化が知れるので、何れの
トラッキングシフト位置を境にしてエンベロープ波形の
入側の傾きが変化したか、また、何れのトラッキングシ
フト位置を境にしてエンベロープ波形の出側の傾きが変
化したかが知れる。この傾きの変化によりアライメント
テープ上のビデオトラックの入側部分および出側部分が
どの程度変形しているかを判定し得るものである。第15
図(A)〜(C),(a)〜(c)は入側ガイドローラ
が最適位置より上方向にずれている場合でのビデオトラ
ックの変形状態とFMエンベロープ波形の関係を示したも
のである。連続的にトラッキングシフトさせた場合に、
あるトラッキングシフト位置を境にしてエンベロープの
入側の傾きの変化が第15図(a)〜(c)あるというこ
とは、第15図(A)〜(C)に示すように、ビデオヘッ
ドの位置(斜線表示)がアライメントテープ2上のビデ
オトラック9に対してシフトしていることを示す。即
ち、エンベロープの入側部分での傾きが反転する位置は
アライメントテープ2上のビデオトラック入側部分とビ
デオヘッド4が一致した位置であり、ビデオトラック9
の入側は、トラッキングシフトv・Δtに対応したトラ
ック幅方向ずれ量Δyだけ変形していることになる。こ
こで、トラッキングシフト量v・Δtとアライメントテ
ープ上のビデオトラックのずれ量Δyとの間には、第16
図から判るように、 Δy=(v・Δt)sinθ ……(2) の関係がある。ここでvはテープの走行速度であり、θ
はアライメントテープ長手方向に対するビデオトラック
の傾きで、VHS方式のVTRでは θ=5゜58′9.9″ ……(3) であり、ほぼ Δy≒0.1v・Δt ……(4) の関係にある。
したがって、エンベロープ波形の入側部分での傾きが反
転させるトラッキングシフト位置v・Δtから、アライ
メントテープ上のビデオトラックの入側部分での変形量
Δyが算出され得、この変形量Δyを零にすべく入側ガ
イドローラの高さを調整すればよい。この場合ビデオト
ラックの入側部分での変形量Δyと入側ガイドローラの
高さ調整量Δhとの関係は一次式と仮定し、 Δh=k・Δy と置き実験的に比例定数kを決定すれば、入側ガイドロ
ーラ高さ調整量Δhは容易に算出されることになる。
以上は入側ガイドローラが最適調整状態より上昇方向に
ずれている場合であるが、下降方向にずれている場合
や、出側ガイドローラが上昇方向、下降方向にずれてい
る場合でも同時に、ビデオトラックの変形量とガイドロ
ーラの調整量が算出可能となっている。
次に、X値調整ずれがある場合での入側ガイドローラ、
出側ガイドローラおよびX値調整ネジの調整方法につい
て一般的に説明すれば以下のようである。
即ち、前述したように、X値調整ずれがあると、ビデオ
ヘッドとアライメントテープ上のビデオトラックとの相
対位置はトラッキングのとれた位置からずれた位置とな
る。したがって、トラッキングシフタ部での遅延回路に
より付加される遅延時間をΔtとすると、トラッキング
シフト量が零(Δt=0)の位置、即ち、クリック点で
はビデオヘッドとアライメントテープ上のビデオトラッ
クとは一致せずあるトラッキングシフト量v・Δtの位
置で一致することになる。基準のX値をXoとすると、い
まコントロールヘッドのテープ走行方向での位置がシリ
ンダの方向に近くずれ、正規のX値(Xo)に対してΔx
だけ短かい場合に、トラッキングシフタ部での遅延回路
により連続的にトラッキングシフトさせた時のエンベロ
ープ波形の変化を第17図に示す。第17図から判るよう
に、ガイドローラの高さ状態が最適の時にはクリック点
以外でエンベロープ波形の幅が最大となり、この時ビデ
オヘッドとアライメントテープ上のビデオトラックとが
一致することになる。したがって、エンベロープ波形の
幅が最大となるトラッキングシフト量v・Δtだけコン
トロールヘッドの位置をそのシフト量にもとづき調整し
てやればX値を調整することが可能となるものである。
また、ガイドローラ高さ状態が最適でない場合でもエン
ベロープ波形の入側、出側部分が変化するが、これのエ
ンベロープ波形の中央部分への影響は少なくX値調整ず
れΔxとトラッキングシフト量v・Δtとが相殺される
トラッキングシフト位置で、エンベロープ波形の中央部
が他のトラッキングシフト位置に比較して最大となる。
よって、トラッキングシフトを−ΔTから+ΔTまで連
続して行ない、この間のFM信号のエンベロープ波形を複
数フィールド分取り込み、複数フィールド分のエンベロ
ープ波形の中で中央部分の幅(レベル)が最大となる時
のトラッキングシフト量v・ΔtからX値のずれ量Δx
がΔx=v・Δtとして求められるものである。
もしこのX値のずれ量をΔxだけ調整したとすれば第14
図に示すX値調整ズレのない状態のクリック点の状態と
なる。結局ΔxだけX値ずれ量のある状態でガイドロー
ラの調整条件を求めるには、エンベロープ波形の中で中
央部分の幅が最大となる時のトラッキングシフト位置を
クリック点と見なして、X値調整ずれのない場合に行な
った如く入側、出側のガイドローラの調整条件を求めれ
ばよいことになる。
さて、ここで入側ガイドローラ、出側ガイドローラおよ
びX値調整ネジに対する一般的な調整処理のフローを第
1図に示す。まず被調整VTRにおけるテープ走行系にア
ライメントテープを再生させ、この状態で連続的にトラ
ッキングシフトさせることで、アライメントテープ上の
ビデオトラックとビデオヘッドとの相対位置関係をテー
プ走行方向に連続的に変化させるようになっている。本
例においてはトラッキングシフトの範囲は−1/120・v
〜+1/120・v[mm]とされ、31フィールド分のFM信号
を取り込むために61/60秒間に亘ってトラッキングシフ
トが行なわれるようになっている。テープ走行速度vの
値はVHS規格では33.35mm/sであるが、トラッキングシフ
タ部での遅延回路により付加される遅延速度Δtを−1/
120秒から1/120秒まで61/60秒の間かけて連続的に変化
させることによっては、クリック点を中心に前後各々1/
2トラック走査時間分だけ連続的にトラッキングシフト
が行なわれることになるものである。このトラッキング
シフト中にFM信号を複数フィールド分取り込むわけであ
るが、この取り込むFM信号は2つのビデオヘッドの何れ
か1つより取り込むようにすればよく、本例ではCH1用
のビデオヘッドより取り込む場合を想定している。この
ようにしてFM信号を取り込む場合は、トラッキングシフ
ト61/60秒間、即ち、61フィールド分のトラックに亘っ
て行なわれるので、FM信号をCH1用のビデオヘッドから
取込開始し、CH1のビデオヘッドからだけ取込む場合は3
1フィールド分のFM信号が取り込まれることになるもの
である。取り込まれたFM信号は量子化されたうえ取込順
に順次記憶されるが、これで調整方向とその量を求める
ためのデータが全て揃ったことになるものである。
この後は先ずX値調整ネジについての調整方向とその量
を求めるべく、記憶されている31フィールド分のエンベ
ロープ波形各々についてその波形中央部での波形レベル
が調べられ、波形レベルが最大となるエンベロープ波形
の取込順番号aが求められるようになっている。この取
込順番号aよりX値調整ネジの調整量Δxはテープ走行
方向長さとして以下のように求められるものである。
Δx=1/120・v×(a−16)/15〔mm〕 …(5) 即ち、トラッキングシフト位置がクリック点(取込順番
号16)を離れるに従い調整量は1/120・v×1/15づつ増
加するものであり、また、その調整方向は(a−16)の
符号、したがって、Δxのそれより知れることになる。
トラッキングシフト位置−1/120・v位置でのFM信号よ
り取込開始するとすれば、その符号が負である場合はX
値を小さくする調整方向であり、正である場合にはX値
を大きくする方向となるものである。実際にはX値調整
ネジに対する調整量ΔgxはΔgx=kx・Δxとして求めら
れる。但し、kxは比例定数である。
この後は入側、出側のガイドローラに対する調整量とそ
の方向を求めるべくエンベロープ波形の入側、出側部分
での波形の傾きが反転する取込順番号が求められるよう
になっている。入側、出側に対するそれをそれぞれb,c
とすれば、入側ガイドローラ調整量Δgi、出側ガイドロ
ーラ調整量Δgoは以下のように求められるものである。
Δgi=ki(b−a) ……(6) Δgo=ko(c−a) ……(7) ここにki,koは正の比例定数であり、実験的に求められ
る値であり、また、Δgi、Δgoの符号はガイドローラの
調整方向を示している。正はガイドローラを下げる方向
を、負は上げる方向を示しているわけである。
さて、以上のようにしてX値調整ネジ、入側ガイドロー
ラ、出側ガイドローラ各々についての調整量と調整方向
を求めた後は、調整工具をガイドローラとX値調整ネジ
に位置決めし、調整用ねじ部の締付けトルク未満の回転
力でステッピングモータにより工具を回転させて、調整
用ねじ部にガタ無く当接させる。その後、調整用ねじ部
の締付けトルクを越える回転力で、ステッピングモータ
を先に求めた調整条件にもとづいて回転させガイドロー
ラおよびX値調整ネジを調整するものである。この調整
終了後はその調整に対する評価を行なうが、これは、所
定のトラッキングシフト位置、またはクリック点でのFM
信号のエンベロープ波形から評価する。
例えば、クリック点での中央部のレベルが判定レベル以
上であるかとか、トラッキングシフト量が1/240・vの
位置でのエンベロープ波形の入側、出側の平坦度が判定
レベル以上であるかとかを評価するものである。
もしも、この評価がNGとなった時は最初に戻り再調整を
行なうが、評価がOKであれば工具とガイドローラ、X値
調整ネジとの係合を解除し、またアライメントテープの
再生を停止して一連の調整は終了されることになる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、従来、熟練作業
者がオシロスコープを観察しながら調整していたVTRの
互換調整作業を自動化することが可能であり、よって個
人差による調整のバラツキや作業時間のバラツキを少な
くし得、生産性が向上されることになる。また、シリン
ダに対する入側、出側のテープ走行系の案内部およびX
値調整ネジを同時に一括して調整し得、従来のように調
整項目別に直列に調整するよりも調整時間が短く、しか
も調整項目相互間の影響が除去されることになる。更
に、アライメントテープの走行状態はトラッキングシフ
トによってテープ走行方向にずれるのみであり、テープ
の損傷を与えることはなく評価基準としての品質を保証
し得、それの長寿命が図れることになる。これは、調整
の精度向上にも有効となっている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、入側、出側のガイドローラおよびX値調整ネ
ジに対する本発明に係る一般的な調整処理のフローを示
す図、第2図は、本発明による調整装置の一例での全体
構成を示す図、第3図(a)〜(c)は、FM信号の取込
方法を説明するための図、第4図(a)〜(c)は、シ
リンダの概要構造とその機能を説明するための図、第5
図(a),(b)は、VHS方式とテープ磁気パターンと
テープ走行系の概略平面を示す図、第6図(a)〜
(c)は、X値調整完了状態でのトラッキングシフトを
説明するための図、第7図(a)〜(c)は、X値のず
れによってビデオヘッドとビデオトラックとの間に相対
的なずれが生じることを説明するための図、第8図は、
第2図に示す駆動機構部の一例での構成を示す図、第9
図は、調整時でのステッピングモータの回転切替方法を
説明するための図、第10図(A),(a),(B),
(b),(C),(c)は、調整時での工具の被調整部
への係合状態を説明するための図、第11図(a)〜
(c)は、X値調整完了状態でのシリンダに対する入
側、出側のガイドローラの状態、ビデオトラックに対す
るビデオヘッドのトレース状態、ビデオヘッドの出力信
号状態を示す図、第12図(a)〜(c)は、入側ガイド
ローラが最適位置より高い場合での状態を第11図(a)
〜(c)に対応して示す図、第13図(a)〜(c)は、
出側ガイドローラが最適位置より高い場合での状態を第
11図(a)〜(c)に対応して示す図、第14図は、X値
調整完了状態において、ビデオヘッドの出力信号エンベ
ロープ波形がガイドローラの高さとトラッキングシフト
量とに応じ如何に変化するかを示す図、第15図(A),
(a),(B),(b),(C),(c)は、入側ガイ
ドローラが最適位置より上方向ずれている場合でのビデ
オトラックの変形状態とそれに対するビデオヘッド出力
信号エンベロープ波形を示す図、第16図は、トラッキン
グシフト量とビデオトラックずれ量との関係を示す図、
第17図はX値がずれている場合に、ビデオヘッド出力信
号エンベロープ波形がガイドローラの高さとトラッキン
グシフト量とに応じて如何に変化するかを示す図、第18
図は、コントロールヘッドのテープ走行方向位置での調
整方法を説明するための図、第19図は、VTR走行系の概
略を示す図である。 1……VTR、2……アライメントテープ、3……シリン
ダ、4……ビデオヘッド、5……入側ガイドローラ、6
……出側ガイドローラ、8……コントロールヘッド、9
……ビデオトラック、17……X値調整ネジ、20……エン
ベロープ検出部、30……トラッキングシフタ部、40……
駆動機構部、41……工具、50……調整制御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 貞明 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会社 日立製作所東海工場内 (72)発明者 坂本 博 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会社 日立製作所東海工場内 (56)参考文献 特開 昭62−82536(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダに対して入側、出側のテープガイ
    ドローラおよびコントロールヘッドを、調整用基準テー
    プを走行させて得られる映像再生出力のエンベロープ波
    形を監視することにより調整を行なうに際し、シリンダ
    におけるビデオヘッドと調整用基準テープにおけるビデ
    オトラックとの相対位置をテープ走行方向に連続的に変
    化させている状態で、各トラッキングシフト位置対応の
    映像再生出力エンベロープ波形を複数フィールド分取り
    込んだ後、コントロールヘッドのテープ走行方向での位
    置ずれ方向と位置ずれ量は、波形中央部での波形レベル
    が最大とされた映像再生出力エンベロープ波形対応のト
    ラッキングシフト位置より、入側、出側のテープガイド
    ローラ各々のシリンダに対する位置ずれ方向と位置ずれ
    量は、映像再生出力エンベロープ波形における入側部
    分、出側部分の傾きが映像再生出力エンベロープ波形の
    時間経過を示す水平軸に対して反転するトラッキングシ
    フト位置よりそれぞれ求めた後は、これら位置ずれ方向
    と位置ずれ量にもとづき、入側、出側のテープガイドロ
    ーラおよびコントロールヘッドの各調整部に各々対応し
    て配設された工具を該調整部に当接せしめた状態で、該
    工具を回転せしめることによって、入側、出側のテープ
    ガイドローラおよびコントロールヘッドを自動的に、且
    つ同時に調整することを特徴とするビデオテープレコー
    ダテープ走行系調整方法。
  2. 【請求項2】テープガイドローラ調整部およびコントロ
    ールヘッドテープ走行方向位置調整部対応に配設された
    工具と、これら工具を上記調整部各々に対して係合させ
    た状態で回転駆動する駆動機構と、シリンダにおけるビ
    デオヘッドと調整用基準テープにおけるビデオトラック
    との相対位置をテープ走行方向連続的に変化させるトラ
    ッキングシフタ回路と、シリンダにおけるビデオヘッド
    と調整用基準テープにおけるビデオトラックとの相対位
    置各々に対応したフィールドの映像再生出力を取り込ん
    だ上、これら出力のエンベロープ波形を量子化した状態
    で記憶するエンベロープ検出回路と、該回路に記憶され
    ている複数フィールド分のエンベロープ波形を処理する
    ことで入側、出側のテープガイドローラおよびコントロ
    ールヘッドの位置ずれ方向と位置ずれ量を求めた上、そ
    の方向および量にもとづき駆動機構、工具を介し入側、
    出側のテープガイドローラおよびコントロールヘッドの
    位置を自動的に、且つ同時に調整制御する制御回路とか
    らなる構成を特徴とするビデオテープレコーダテープ走
    行系調整装置。
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