JPH0792403B2 - 温度測定方法および非破壊欠陥検査方法 - Google Patents

温度測定方法および非破壊欠陥検査方法

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JPH0792403B2
JPH0792403B2 JP8983593A JP8983593A JPH0792403B2 JP H0792403 B2 JPH0792403 B2 JP H0792403B2 JP 8983593 A JP8983593 A JP 8983593A JP 8983593 A JP8983593 A JP 8983593A JP H0792403 B2 JPH0792403 B2 JP H0792403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、計測分野において普及
しつつある赤外線サーモグラフィ装置を用いて被測定物
の表面温度分布を測定する温度測定方法および被測定物
の表面温度分布から被測定物内部の欠陥を検出する非破
壊検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、赤外線サーモグラフィ装置の性能
が向上し、これを用いた表面温度分布の測定が広く行わ
れるようになってきた。さらには、金属、プラスチッ
ク、複合材料、傾斜材料、合金等の材料内部の亀裂、剥
離、気泡、異物混入、混合異常等の欠陥を、欠陥部と正
常部の熱伝導率の違いを利用して、赤外線サーモグラフ
ィ装置を用いて表面温度を測定することにより非破壊的
に検出する欠陥検出法(例えば、日本機械学会講演論文
集,No.900-50,p.19,1990)が注目を集めている。
【0003】しかし、実際には被測定物の表面の放射率
の違いや凹凸度の違いによる温度測定誤差が問題にな
り、赤外線サーモグラフィ装置の利用範囲が狭められて
いた。特に、金属光沢を持つ低放射率の被測定物の場合
には、そのままでは表面温度が測定できず、高放射率の
塗料を被測定物の表面に塗布したり被測定物の表面を粗
面化処理する等の高放射率化処理が必要であり、かつ、
この高放射率化処理により新たに測定誤差が生じたりす
るため、満足のいく測定精度の温度測定方法はなかっ
た。さらに、被測定物が赤外線透過材料の場合にも、そ
のままでは表面温度が測定できず、低放射率の被測定物
の場合と同様に、表面の高放射率化処理が必要であっ
た。
【0004】このように、従来は、被測定物の表面温度
分布の測定が困難であったり、測定誤差が大きかったり
するため、内部欠陥の検出精度も満足いくものではなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、計測分野に
おいて普及しつつある赤外線サーモグラフィ装置を用い
て被測定物の表面温度分布を測定する温度測定方法およ
び被測定物の表面温度分布から被測定物内部の欠陥を検
出する非破壊検査方法に関するものであり、被測定物の
材質や表面の放射率の違いや凹凸度に左右されずに被測
定物表面の高精度な温度分布の測定を可能とし、このこ
とから被測定物内部の欠陥の検出を可能にせんとするも
のである。
【0006】特に、高放射率化処理を行わないとサーモ
グラフィ装置では測定が不可能な金属光沢を持つ低放射
率の被測定物や赤外線透過性の被測定物に対しても、高
放射率化処理を行わずそのままの状態にて表面温度の測
定を行うことを可能とし、さらに、被測定物内部の亀
裂、剥離、気泡、異物混入、混合異常等の欠陥を非破壊
にて検出することを可能にすることを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、赤外線サ
ーモグラフィ装置を用いて被測定物の表面温度分布を測
定する温度測定方法において、赤外線センサーと被測定
物との間に、0.2以上の放射率をもつ材料からなる層
である高放射率層と、赤外線検出波長域における透過率
が0.2以上の赤外線透過材料からなる層である透過層
とを、前記高放射率層が被測定物側に位置し前記透過層
が赤外線センサー側に位置するように配し、前記高放射
率層および前記透過層を通して、被測定物の表面温度分
布を測定することにより、金属光沢を持つ低放射率の被
測定物や赤外線透過性の被測定物に対しても、高放射率
化処理を行わずそのままの状態にて表面温度の測定を行
うことが可能な温度測定方法を発明した。
【0008】さらに、この温度測定方法を用いることに
より、被測定物の材質や表面の放射率の違いや凹凸度に
左右されずに正確に被測定物の表面温度分布を測定し
て、被測定物内部の亀裂、剥離、気泡、異物混入、混合
異常等の欠陥を高精度に検出できる非破壊検査方法を発
明した。
【0009】本発明の温度測定原理は、高放射率層に被
測定物の表面温度を転写させ、この転写させた温度を透
過層を通して測定することにある。これにより、被測定
物の材質や表面の放射率の違いや凹凸度に左右されず
に、被測定物表面の正確な温度分布の測定が可能となっ
たのである。さらに、この原理により測定された正確な
表面温度分布によって、被測定物内部の欠陥の非破壊検
出が可能となったのである。
【0010】このような温度測定原理のため、本発明に
おける被測定物としては、表面温度の熱転写が可能であ
り、赤外線サーモグラフィ装置の温度測定能力の範囲内
であれば、金属、無機材料、高分子材料、合金、複数の
材料からなる複合材料さらには生体でもよく、特に制限
はない。
【0011】サーモグラフィ装置による温度測定の精度
は放射率に左右されるため、本発明の高放射率層の放射
率は、0.2以上が好ましく、0.5以上がより好まし
い。高放射率層としては、無機材料、高分子材料、金
属、合金もしくは複数の材料からなる複合材料でもよ
く、被測定物の表面凹凸による表面温度の測定誤差を小
さくする上で、柔らかく弾力(弾性)のある材料が好ま
しい。本発明における高放射率層の厚さは、被測定物の
表面温度の高放射率層への転写が迅速に行われ、短時間
での測定を可能とするため、1mm以下であることが好
ましく、100μm以下がより好ましい。また、高放射
率層の最小厚さには特に制限はない。さらに、高放射率
層は、被測定物との密着性向上および効率的な熱転写の
ために、多層構造でもよい。
【0012】本発明に用いられる透過層は、赤外線検出
波長域における透過率が20%以上のものが好ましく、
40%以上であればより好ましい。本発明の透過層の材
料としては、無機材料、高分子材料、金属、合金もしく
は複数の材料からなる複合材料でもよい。さらに、被測
定物の形状に合わせた表面加工が可能な透過材料が好ま
しい。可能であれば透過層のセンサー側表面に無反射塗
布膜を有することが、測定精度の向上の上で有効であ
る。入手し易さ、価格、加工性能、機械強度等を考慮し
た場合、透過材料としては、下記の表1に示すような物
質が好ましい。構造の保持および赤外線が充分に透過し
赤外線サーモグラフィ装置で温度分布測定が可能であれ
ば、透過層の厚さに特に制限はない。
【0013】
【表1】
【0014】本発明においては、被測定物の表面温度の
高放射率層への正確な転写が行われるよう、被測定物に
高放射率層を近接させることが好ましく、高放射率層を
被測定物に接触させて測定することが特に好ましい。被
測定物の表面が曲面であったり、凹凸が大きい場合等に
は、被測定物と高放射率層との間に密着性を高める密着
性促進層を介することが好ましい。この密着性促進層と
しては、軟質塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン等のプラ
スチックやゴム等の固体でも、グリースや水等の液体で
もよい。さらに、この密着性促進層は、被測定物の表面
の凹凸が相殺できる範囲内で、可能な限り薄い方がよ
い。
【0015】また、本発明による温度測定においては、
空気等の外乱を防止するために、高放射率層と透過層を
密着させることが好ましい。また、被測定物から透過層
への熱伝達を効率的に行うためにも、高放射率層と透過
層を密着させることが好ましい。さらに、これらの層が
密着していることにより、透過層が高放射率層を支持す
ることになり、測定時の操作性が向上するという利点も
有する。高放射率層と透過層を密着させる方法には特に
制限はないが、他材料を介さない蒸着膜や塗料塗布膜等
が好ましい。
【0016】赤外線サーモグラフィ装置を用いた表面温
度分布の測定による非破壊検査方法において、本発明の
上記温度測定方法を用いることにより、被測定物の材質
や表面の放射率や凹凸度に左右されずに正確な表面温度
分布の測定が可能となり、被測定物内部の亀裂、剥離、
気泡、異物混入、混合異常等の欠陥の非破壊検出を可能
とすることができる。
【0017】表面温度分布の測定により欠陥検出を行う
場合において、常温においては内部欠陥に起因する表面
温度分布が生じない場合があるが、このような場合に
は、被測定物を加熱または冷却することにより表面温度
分布を生じさせて測定することが好ましい。加熱または
冷却の温度は、内部欠陥に起因する表面温度分布を生じ
させる温度であれば特に限定はないが、5℃以上が実用
的である。
【0018】また、一般に、定常状態では内部欠陥に起
因する表面温度分布が生じない場合がある。しかし、加
熱または冷却する過程の温度の非定常状態においては内
部欠陥に起因する表面温度分布が生じる。したがって、
被測定物を加熱または冷却する過程の温度の非定常状態
を生じさせて、本発明の表面温度測定方法を用いること
により、被測定物の材質や表面の放射率や凹凸度に左右
されずに正確な温度分布の測定が可能となり、被測定物
内部の亀裂、剥離、気泡、異物混入、混合異常等の欠陥
の非破壊検出を効率的に行うことができる。
【0019】この温度の非定常状態は、被測定物を直接
加熱または冷却することによっても達成できる。たとえ
ば、被測定物と異なる温度の高放射率層および透過層
(以下、高放射率層および透過層を合わせたものを「高
放射率層/透過層」と記す)を被測定物に接触させるこ
とによって、被測定物から透過層への熱伝達を生じさせ
れば、効率的に温度の非定常状態を得ることができるた
め好ましい。
【0020】さらに、透過層として、シリコン単結晶の
ごとき高熱伝導率材料を使用した場合には、熱伝達が向
上するため被測定物の温度をより効率的に非定常状態と
することが可能であり、被測定物内部の欠陥検出精度を
向上させる上でさらに好ましい。
【0021】本発明に使用される赤外線サーモグラフィ
装置に特に限定はないが、通常市販されている機種は、
赤外線検出波長域が3〜5μmの短波長型または8〜1
2μmの長波長型のものが多い。
【0022】また、赤外線サーモグラフィ装置本体に、
記録装置や画像処理装置等のデータの記録やデータ処理
を行える装置を付加することがより好ましい。特に、非
定常状態の測定を行う場合には、得られた被測定物の表
面温度分布情報を画像処理装置等を用いて加工処理する
ことにより欠陥検出精度がより向上する。これらの機能
により、得られた測定試料の温度分布情報および/また
は測定試料内部の欠陥情報を表示装置を用いて視覚的に
表現することが可能である。
【0023】
【作用】本発明による温度測定では、被測定物の表面温
度が高放射率層に転写される。赤外線サーモグラフィ装
置はこの転写させた温度分布を透過層を通して測定す
る。このため、被測定物の材質や表面の放射率の違いや
凹凸度に左右されずに、被測定物表面の正確な温度分布
の測定が可能となる。さらに、この温度測定により得ら
れた正確な表面温度分布によって、被測定物内部の欠陥
の高精度な非破壊検出が可能となる。
【0024】
【実施例】図1および図2は本発明の温度測定方法およ
び非破壊検査方法を実現する装置例を示す構成図であ
る。
【0025】まず、図1の装置において、赤外線サーモ
グラフィ装置の赤外線センサー4と被測定物1との間に
は、透過層2と高放射率層3が、透過層2が赤外線セン
サー4側に位置し高放射率層3が被測定物1側に位置す
るように重ねられ、かつ被測定物1に接触させられた状
態で配置されている。赤外線サーモグラフィ装置の本体
5は、赤外線センサー4の測定データを取り込み、必要
なデータ処理等を行った後、本体5に接続された記録装
置6や画像処理装置8に出力するものである。この記録
装置6は測定データの記録を行うもの、画像処理装置8
は入力データを画像処理し、被測定物(試料)内部の欠
陥情報を表示装置7に表示させるものである。
【0026】図2の装置は、密着性促進層9を設けた点
が図1の装置と相違している。この密着性促進層9は、
被測定物1と高放射率層3との間に、両面が被測定物1
と高放射率層3とに接触するように挿入配置されてい
る。
【0027】図1および図2の装置において、被測定物
1の表面温度は、図1の装置においては高放射率層3に
直接転写され、図2の装置においては密着性促進層9を
介して高放射率層3に転写される。赤外線サーモグラフ
ィ装置の赤外線センサー4がこの転写された温度分布を
透過層2を通して測定することになる。
【0028】以下、本発明の具体的な実施例を示すが、
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 日本アビオニクス社製赤外線サーモグラフィ装置(商品
名:TVS−2000)、(性能:検出波長域3〜5μ
m、温度分解能0.1℃、計測速度0.033秒/画
面、近接拡大レンズ付き)を用いて、銅(厚さ:18μ
m)/ポリイミド(厚さ:26μm)/銅(厚さ:18
μm)積層体の非破壊検査を行った。この被測定物の放
射率は0.02であった。透過層としては厚さ0.65
mmの旭化成社製アルミナセラミックス板(商品名:N
ALTUS)を使用し、片面にアサヒペン社製艶消し黒
色塗料(商品名:ノンフロン水性ニュースプレー、以下
黒色塗料と略記する。)を塗布し、その上に東レ社製ナ
イロンコーティング剤(商品名:RP−10)を塗布し
て、厚さ約35μmの高放射率層を形成して、高放射率
層/透過層を得た。
【0029】約90℃に加熱した被測定物に、約20℃
の前記高放射率層/透過層の黒色塗料側を接触させ、高
放射率層/透過層を通して、被測定物の表面温度分布の
測定および内部の欠陥検出を行った。
【0030】なお、透過層の透過率は70%であり、高
放射率層の放射率は0.9であった。第3図は、微小剥
離欠陥部の輪郭をなす表面温度分布図である。驚くべき
ことに、被測定物の放射率が0.02であるにもかかわ
らず、表面温度が測定できるとともに、ポリイミド層内
部の長径約1.5mmの微小剥離欠陥が確認できた。
【0031】被測定物の表面温度を高放射率層に転写さ
せ、この転写させた温度を透過層を通して測定すること
により、被測定物の材質や表面の放射率や凹凸度に左右
されずに、被測定物の表面の正確な温度分布の測定が可
能となり、これにより、被測定物内部の欠陥が正確に測
定できたのである。 実施例2 実施例1で使用した黒色塗料の代わりに、寺岡製作所社
製のポリイミド粘着テープ(商品名:カプトン粘着テー
プ、ポリイミドフイルム厚さ:50μm)をアルミナセ
ラミックス板に貼り付け、表面温度分布測定および内部
欠陥検出を行った。図4に、微小剥離欠陥部の輪郭をな
す表面温度分布図を示す。 比較例1 実施例1で使用した日本アビオニクス社製の同じサーモ
グラフィ測定系(赤外線サーモグラフィ装置)を用い
て、実施例1に使用した銅/ポリイミド/銅複合材の被
測定物の表面を、約90℃に加熱し、高放射率層/透過
層を使用せずに直接測定した。冷却は、自然冷却および
約20℃の強制送風冷却としたが、被測定物の内部欠陥
像はもちろん表面温度すらまったく測定することができ
なかった。 実施例3 実施例1で使用した日本アビオニクス社製の同じサーモ
グラフィ測定系を用いて、10mm角の人工欠陥入りの
エポキシ系ポリエステルガラス強化プラスチック(以下
GFRPと略記する)の非破壊検査を行った。透過層と
しては厚さ0.65mmの旭化成社製アルミナセラミッ
クス板(商品名:NALTUS)を使用し、片面に黒色
塗料を塗布して10μmの厚さの高放射率層を形成し、
高放射率層/透過層を得た。室温の前記の高放射率層/
透過層の黒色塗料側を、厚さ40μmの軟質塩化ビニル
樹脂の密着促進層を介し、約95℃に加熱した被測定物
に接触させ、高放射率層/透過層を通して表面温度分布
および被測定物内部の欠陥検出を行った。
【0032】なお、透過層の透過率は70%であり、高
放射層の放射率は0.9であった。第5図は、人工剥離
欠陥部の輪郭をなす表面温度分布図である。図5からわ
かるように、被測定物の表面温度および内部の欠陥図が
明確に確認できた。被測定物の表面温度を高放射率層に
転写させ、この転写させた温度を透過層を通して測定す
ることにより、被測定物の材質や表面の放射率や凹凸度
に左右されずに、被測定物の表面の正確な温度分布の測
定が可能となり、これにより、被測定物内部の欠陥が正
確に測定できたのである。 比較例2 実施例2で使用した日本アビオニクス社製の同じサーモ
グラフィ測定系を用いて、実施例3に使用したGFRP
試料表面を、約95℃に加熱し、高放射率層/透過層を
使用せずに直接測定した。冷却は自然冷却とした。外気
流の影響と最大30μmのGFRP表面の凹凸の影響を
受け、実施例3ほど明確な表面温度分布図および被測定
物の内部の欠陥図は得られなかった。
【0033】第6図に、本比較例で最も明瞭であった温
度分布図である、送風冷却開始約1秒後の写真を示す。 実施例4 実施例1で使用した日本アビオニクス社製の同じサーモ
グラフィ測定系を用いた、4mm角の人工欠陥入りのG
FRPの非破壊検査を行った。透過層としては大阪チタ
ニウム社製の厚さ2mmのシリコン単結晶平板を使用
し、片面に黒色塗料を塗布して10μmの厚さの高放射
率層を形成し、高放射率層/透過層を得た。
【0034】室温の前記の高放射率層/透過層の黒色塗
料側を、厚さ40μmの軟質塩化ビニル樹脂の密着促進
層を介し、約95℃に加熱した被測定物に接触させ、高
放射率層/透過層を通して表面温度分布および被測定物
内部の欠陥検出を行った。
【0035】なお、透過層の透過率は55%であり、高
放射層の放射率は0.9であった。第7図は、人工剥離
欠陥部の輪郭をなす表面温度分布図である。4mm角の
大きさの欠陥にもかかわらず、被測定物の表面温度およ
び内部の欠陥図が明確に確認できた。被測定物の表面温
度を高放射率層に転写させ、この転写させた温度を透過
層を通して測定することにより、被測定物の材質や表面
の放射率や凹凸度に左右されずに、被測定物の表面の正
確な温度分布の測定が可能となり、これにより、被測定
物内部の欠陥が正確に測定できたのである。 比較例3 実施例4で使用した日本アビオニクス社製の同じサーモ
グラフィ測定系で、実施例4に使用したGFRP試料表
面を、約95℃に加熱し、高放射率層/透過層を使用せ
ずに直接測定した。冷却は、自然冷却および約20℃の
強制送風冷却としたが、被測定物内部の欠陥像は得られ
なかった。 比較例4 実施例1で使用した、銅/ポリイミド/銅複合材の内部
欠陥を、帝人エンジニアリング社製X非破壊線検査装置
(装置名:リニヤレイ型エクセル)で測定した。しか
し、内部欠陥はまったく検出できなかった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、被測定物の材質や表面
の放射率や凹凸度に左右されずに被測定物表面の精密な
温度分布の測定が可能となり、さらに、被測定物の材質
や表面の放射率や凹凸度に左右されずに材料内部の欠陥
の非破壊検出が可能となる。特に、金属光沢を持つ低放
射率の被測定物や赤外線透過性の被測定物の表面温度
を、高放射率化処理を行わずにそのままの状態で測定す
ることが可能となると共に、表面温度分布の測定を可能
ならしめて、被測定物内部の亀裂、剥離、気泡、異物混
入、混合異常等の欠陥の非破壊検出も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度測定方法および非破壊検査方法を
実現する装置例を示す構成図である。
【図2】本発明の温度測定方法および非破壊検査方法を
実現する他の装置例を示す構成図である。
【図3】実施例1における欠陥検出表面温度分布図であ
る。
【図4】実施例2における欠陥検出表面温度分布図であ
る。
【図5】実施例3における欠陥検出表面温度分布図であ
る。
【図6】比較例2における欠陥検出表面温度分布図であ
る。
【図7】実施例4における欠陥検出表面温度分布図であ
る。
【符号の説明】
1 被測定物 2 透過層 3 高放射率層 4 赤外線サーモグラフィ装置の赤外線センサー 5 赤外線サーモグラフィ装置の本体 6 記録装置 7 表示装置 8 画像処理装置 9 密着性促進層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木島 重基 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−156528(JP,A) 特公 昭42−9972(JP,B1)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線サーモグラフィ装置を用いて被測
    定物の表面温度分布を測定する温度測定方法において、
    赤外線センサーと被測定物との間に、0.2以上の放射
    率をもつ材料からなる層である高放射率層と、赤外線検
    出波長域における透過率が0.2以上の赤外線透過材料
    からなる層である透過層とを、前記高放射率層が被測定
    物側に位置し前記透過層が赤外線センサー側に位置する
    ように配し、前記高放射率層および前記透過層を通し
    て、被測定物の表面温度分布を測定することを特徴とす
    る温度測定方法。
  2. 【請求項2】 被測定物に高放射率層を接触させて、被
    測定物の表面温度分布を測定することを特徴とする請求
    項1に記載の温度測定方法。
  3. 【請求項3】 高放射率層と透過層を密着させて、被測
    定物の表面温度分布を測定することを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の温度測定方法。
  4. 【請求項4】 赤外線サーモグラフィ装置を用いて被測
    定物の表面温度分布を測定し、該表面温度分布から被測
    定物内部の欠陥を検出する非破壊検査方法において、請
    求項1または請求項2または請求項3のいずれかに記載
    の温度測定方法を用いて被測定物の表面温度分布を測定
    することを特徴とする非破壊検査方法。
  5. 【請求項5】 被測定物を加熱または冷却することによ
    り生じる被測定物の表面温度分布を測定することによ
    り、被測定物内部の欠陥を検出することを特徴とする請
    求項4に記載の非破壊検査方法。
  6. 【請求項6】 被測定物を加熱または冷却する過程の非
    定常状態において生じる被測定物の表面の温度分布を測
    定することにより、被測定物内部の欠陥を検出すること
    を特徴とする請求項4に記載の非破壊検査方法。
JP8983593A 1993-04-16 1993-04-16 温度測定方法および非破壊欠陥検査方法 Expired - Lifetime JPH0792403B2 (ja)

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