JPH0792293B2 - 流動化水素吸蔵合金によるヒ−トポンプ方法 - Google Patents

流動化水素吸蔵合金によるヒ−トポンプ方法

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JPH0792293B2
JPH0792293B2 JP27645986A JP27645986A JPH0792293B2 JP H0792293 B2 JPH0792293 B2 JP H0792293B2 JP 27645986 A JP27645986 A JP 27645986A JP 27645986 A JP27645986 A JP 27645986A JP H0792293 B2 JPH0792293 B2 JP H0792293B2
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正英 岩崎
正雄 中島
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三井建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、熱回収性能に優れた
流動化水素吸蔵合金によるヒートポンプ方法に関する。
「従来の技術」 水素吸蔵合金を利用する従来のヒート
ポンプ方法は、通常、粉砕した水素吸蔵合金を容器に充
填し固定層の状態で反応させるもので、複数の容器を交
互に切替えて使用するものである。(例えば特公昭58−
19956号公報、特開昭和60−101398号公報参照) 「発明が解決しようする問題点」 従来の方法は固定層
複数の容器のため水素吸蔵合金の使用量が多くなるばか
りでなく、1基の容器を吸蔵と放出、すなわち発熱と冷
却に使用するため、切替えによる容器金属及び合金の顕
熱ロスが生じ、これによって熱利用効率の低下は避けら
れなかった。また粉状の水素吸蔵合金、特に活性化によ
り微粉化したものはその熱伝導率が極めて低いために、
反応器の熱交換器伝熱面積が大きくなること、フィルタ
ーが必要なこと、さらに水素吸蔵合金が水素吸蔵により
膨張することの対策、複数の容器を交互に使用するため
の複雑な計装設備が必要なことなどにより装置コストは
一般に割高となる。これが水素吸蔵合金利用のヒートポ
ンプ方法の実用化が進まない一因であった。
「問題を解決するための手段」 本発明は上記問題点を
解決するため、従来の固定床に替え流動床式反応器を使
用する方式とし、第一種の水素吸蔵合金(作動温度領域
において水素平衡分解圧力が高いもの、例えばMmNiAl系
合金)を使用する高圧側反応器2基(1A,1B)及び第二
種の水素吸蔵合金(作動温度領域において水素平衡分解
圧力が低いもの、例えばLaNiAl系合金)を使用する低圧
側反応器2基(2A,2B)の各流動床型反応容器内で、放
出水素ガスを循環送入により、流動層反応による水素の
吸蔵(1A、2A内)、放出(1B、2B内)反応を行なわせる
とともに、反応後の水素吸蔵合金は水素をキャリヤーガ
スとして反応器1A,1B間及び反応器2A,2B間で循環移動さ
せる。同時に高圧側反応器1Bと低圧側反応器2Bに廃熱源
を供給し、高圧側反応器1Aを冷却し、低圧側反応器2Aよ
り高温の熱出力を連続して取得するか、または低圧側反
応器2Bに廃熱源を供給し、高圧側反応器1Aと低圧側反応
器2Aを冷却し、高圧側反応器1Bより冷熱出力を連続して
取得する方法である。
「実施例」 本発明の実施例を温廃水を利用して蒸気を
得る、昇温型ヒートポンプの場合について、図面に基づ
いて以下詳細に説明する。
第1図において流動床型の高圧側反応器1A,1Bには水素
平衡分解圧力の高い第一種の水素吸蔵合金を使用する。
同様に流動床型の低圧側反応器2A,2Bには水素平衡分解
圧力の低い第二種の水素吸蔵合金を使用する。各反応器
内部にはMH熱交換器(以下水素吸蔵合金の熱媒との熱交
換器を称す)12、13、14、15と流動床3を備える。第一
種水素吸蔵合金(反応器1Aで水素を吸蔵し移動されてき
たもの)を入れた反応器1BのMH熱交換器13に80℃前後の
温廃水熱源を通し加熱する。一方反応器2Aより出てきた
反応残水素ガス(以下残水素キャリヤガスと称す)を昇
圧機4で昇圧し、反応器1Bの流動床3の下方より送入す
ると、1B内のリッチ水素吸蔵合金(水素を吸蔵した水素
吸蔵合金を称す)は浮遊流動し、MH熱交換器13の伝熱管
と接触することにより熱を受け水素を放出する。放出さ
れた水素ガス(以下リッチ水素吸蔵合金より放出された
水素ガスをリッチ水素キャリヤガスという)は合金補集
器8により合金粉末が補集され、ガスはガス熱交換器10
を通り残水素キャリヤガスと熱交換し加温され、圧力差
によりそのまま低圧側反応器2Aに送入される。この時2A
のMH熱交換器15に120℃の飽和熱水を供給すると反応器
内流動床上の流動浮遊した水素吸蔵合金は送入された水
素と反応し、一部水素を吸蔵して発熱しMH熱交換器伝熱
管内の熱水に熱を与える。これにより飽和熱水は120℃
の蒸気となる。反応器2Aより出る残水素キャリヤガスは
合金補集器6によりガス中の合金粉末を補集され、ガス
はガス熱交換器10にてリッチ水素キャリヤガスと熱交換
し、もとの高圧側反応器1Bに昇圧送入され流動化ガスと
してはたらく。このように水素ガスは1B,2A間を連続的
にリサイクルする。同様に低圧側反応器2Bには80℃前後
の温廃水熱源を供給、吸熱反応により水素を放出、この
リッチ水素キャリヤガスは合金補集器7によりガス中の
合金粉末を補集され、ガス熱交換器11を通り高圧側反応
器1Aに供給される。この時、1Aの内蔵熱交換器12には冷
却水を通し冷却する。1A内で、リッチ水素キャリヤガス
で浮遊流動され、水素を吸蔵した水素吸蔵合金は残水素
キャリヤガスとともに上部より出て、同伴された水素吸
蔵合金粉末は合金補集器9で補集され、残水素キャリヤ
ガスはガス熱交換器11を通り昇圧機5で昇圧され第二反
応器2Bへ昇圧送入され流動化ガスとなる。すなわち水素
ガスは1A,2B間を連続的にリサイクルされる。
なを本方法においては、初めに吸蔵水素相当分の水素の
ほかキャリヤガス量分を余分に充填使用する。その後系
外からの補給は必要なく装置内で密閉循環される。1A,2
Aから流出する残ガス水素キャリヤガス量が1B,2Bより放
出されるリッ水素キャリヤガス量に比べて少ないため、
流動化ガスとなる反応器入口ガス量が1A,2A>1B,2Bとな
りアンバランスになる点は、反応器内径を1A,2A>1B,2B
のすること、または第1図に点線で図示したように反応
器出口ラインにリサイクルラインを設けリサイクルガス
量を調節することによって解決できる。
一方水素吸蔵合金粉末は、合金補集器6、7、8、9で
補集され、それぞれフィーダー16により、反応器2B,2A,
1A,1Bへ供給される。すなわち第一種水素吸蔵合金は反
応器1A,1Bの間で、第二種水素吸蔵合金は反応器2A,2Bの
間で水素の吸蔵、放出を繰り返しながら、連続して循環
移動される。
以上の作動を第2図のサイクル図で説明する。横軸は絶
対温度Tの逆数、縦軸は水素吸蔵合金の水素平衡分解圧
Pの対数である。サイクルポイントの番号は第1図の反
応器番号に合致している。1Bに80℃の温廃水を流し、2A
に120℃の飽和熱水を流すと、それぞれの水素平衡分解
圧に1B>2Aを圧力落差ができ、1Bから2Aに水素が流れ、
2Aで水素吸蔵による発熱反応で蒸気を発生する。同じく
2Bに80℃の温廃水を流し、1Aに30℃の冷却水を流すこと
により、それぞれの水素平衡分解圧に2B>1Aの圧力落差
ができ2Bから1Aに水素が流れる。そして2Aと2Bの合金、
1Bと1Aの合金をそれぞれ連続的に入れ替えることにより
2Aから連続的に蒸気を発生する。
次に同様の流動床反応器4基を使用して、冷熱を発生す
るヒートポンプ方法について説明する。各反応器の水素
吸蔵合金の流動化を循環水素により行ない、合金の移動
を水素キャリヤガスで行なうことは前記同様である。た
だし低圧側反応器の1基に温廃水熱源を入れ高圧側反応
器の1基より冷熱を得る。すなわち第二種水素吸蔵合金
(リッチ水素吸蔵合金)を入れた低圧側反応器2Bに廃熱
源を供給し、流動層反応により水素を放出させる。そし
て高圧側反応器1Aの低圧側反応器2Aに30℃の冷却水を通
し冷却する。この時高圧側反応器1BのMH熱交換器12に10
℃の水を通すとことにより5℃の冷水を得る。
以上の作動を第3図のサイクル図で説明する。符号は第
2図で説明したとおりである。2Bに80℃の温廃水、1Bに
10℃の水を流し、1A,2Aに30℃の冷却水を流すと、それ
ぞれの水素平衡分解圧に2B>1A,1B>2Aの圧力落差がで
き、2Bから1A,1Bから2Aに水素が流れ、1Bにおいて水素
放出による吸熱反応で5℃の冷水を得ることができる。
そして1Bと1Aの合金、2Aと2Bの合金をそれぞれ連続的に
入れ替えることにより1Bから連続的に冷水が取得され
る。
「発明の効果」 言発明の方法は上記のとおり、水素の
吸蔵(発熱反応)、放出(吸熱反応)が定められた反応
器で行なわれ、切り替え操作が無く連続操作であるの
で、従来の切替式多管円筒熱交換器型反応器におけるよ
うな混液熱ロス及び容器金属の顕熱ロスがなく、従って
同一出力エネルギーに対する供給エネルギー、冷却エネ
ルギーが低減する。このためCOP(熱回収成績係数)が
上がりランニングコストも下がる。
また水素吸蔵合金の使用量は、流動層の連続循環である
ことから固定床方式の場合の1/5〜1/7と少なくなる。
さらに流動床型の反応器を採用したので、固定床で問題
となる高価なフィルターや伝熱改良材を必要とせず、連
続操作であるので切替弁、複雑な制御装置などが不要と
なる。
以上により全体として装置コストが大幅に低減する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の説明図。第2図、第3図はそ
の作動を説明するサイクル図である。 1A,1B:高圧側反応器 2A,2B:低圧側反応器 3:流動床、4,5:昇圧機 6,7,8,9:合金補集器 10,11:ガス熱交換器 12,13,14,15:MH熱交換器 16:フィーダー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一種の水素吸蔵合金を使用する高圧側反
    応器2基(1A,1B)及び第二種の水素吸蔵合金を使用す
    る低圧側反応器2基(2A,2B)の各流動床型容器内で、
    放出水素ガスの循環送入により、流動層反応による水素
    の吸蔵(1A、2A内)、放出(1B、2B内)反応を行なわせ
    るとともに、反応後の水素吸蔵合金は、水素をキャリヤ
    ーガスとして反応器1A,1B間及び反応器2A,2B間を循環移
    動させ、同時に高圧側反応器の1Bと低圧側反応器の2Bに
    廃熱源を供給し、高圧側反応器1Aを冷却し、低圧側反応
    器2Aより高温の熱出力を連続して取得するか、または低
    圧側反応器2Bに廃熱源を供給し、高圧側反応器1Aと低圧
    側反応器2Aを冷却し、高圧側反応器1Bより冷熱出力を連
    続して取得することを特徴とする流動化水素吸蔵合金に
    よるヒートポンプ方法。
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