JPH079209U - 化粧料収納用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、フランジ部を有する皿状容器を
プレス成形し、プレス成形と同時にフランジ部をカット
してなる皿状容器にあっても、充分に大きい耐衝撃強度
を発揮し得るようにした皿状容器を提供せんとするもの
である。 【構成】 化粧料を充填する皿状の小型の容器の側面壁
に凹部を形成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、化粧料を収納し、コンパクト等の容器に装着する中皿と称せられ る化粧料収納容器の新規なる構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンパクト等の外面を美麗に仕上げた容器に化粧料を収納する場合、中 皿と称せられる小型の容器に化粧料をその種類、色毎に区別して収納し、かかる 化粧料を収納した中皿をコンパクトに装着している。

【０００３】 従来公知の中皿は通常側面と底面を直角に形成し、角部に小さなアールを付け た構造を有しているが、落下時の耐衝撃強度が比較的小さいため、収納された化 粧料に亀裂が入ったり、破損するおそれがあった。このため、側壁を底面から上 部開口に向かって内方へ傾斜させたテーパー形状に形成し、耐衝撃強度向上を図 った中皿が提案されている。かかるテーパー形状の中皿によれば、前述した垂直 な側面壁の中皿よりも耐衝撃強度を向上させることは出来るが側壁の傾斜度が大 きくなると、中皿の成形性が悪化して来ると共に、中皿の上端縁肉厚が厚くなる ため、外観上好ましくなかった。

【０００４】 近年、コストダウンの観点から、１枚のアルミ板を一度のプレス工程でフラン ジ部を有した中皿を成形し、プレス成形と同時にフランジ部をカットするように した中皿が多用されているが、このような方法により製造した中皿は、開口縁が 外方へ拡開するようなアールが付いてしまう為、耐衝撃強度が大きく低下してし まう欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、フランジ部を有する皿状容器をプレス成形し、プレス成形と同時 にフランジ部をカットしてなる皿状容器にあっても、充分に大きい耐衝撃強度を 発揮し得るようにした皿状容器を提供せんとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、この考案が採った手段は、化粧料を充填する皿状 の小型の容器の側面壁に凹部を形成したことを特徴とする。

【０００７】

【作 用】

中皿の側壁内面に凹部を形成し、充填された化粧料が該凹部内に嵌入してアン カー作用をはたすため、耐衝撃強度が大きく向上する。

【０００８】 凹部の深さは０．１ｍｍ程度が適当であり、側壁の長手方向に沿って少なくと も深さよりも長く延びている。

【０００９】

【考案の効果】

この考案によれば、凹部に嵌入する化粧料がアンカー作用をはたし、化粧料の 耐衝撃強度を大きく向上させることが出来る。プレス成形後、フランジ部をカッ トする中皿にあっても、耐衝撃強度を大きく向上させることが出来る。

【００１０】

【実施例】

以下に図面を参照しつつ、この考案の好ましい実施例を詳細に説明する。図１ 〜５は、この考案の一実施例を示し、浅い皿状の方形の化粧料収納容器(１)から 成り、該容器(１)はコンパクト等の外装容器に収納するに適した形状と寸法を有 する。収納される化粧料は、従来周知のようにアイシャドー、ブラッシャー等の 固型粉末化粧料である。容器(１)の開口部周縁には、アルミ板からプレス成形時 にフランジ(２)が形成され、プレス成形と同時にカットされて、図３、４に示す ような断面形状を有している。

【００１１】 この考案は、かかる容器(１)において、その垂直に延びる側面壁(３)の一部を 外方に向かって突設して、内周面に凹部(４)を形成したことを特徴とする。凹部 (４)は、図示の実施例では対向する側面壁(３)に一個ずつ形成されており、側面 壁(３)の長手方向に沿って延びる溝状の凹部とされている。しかしながら、凹部 (４)の形状、数並びに形成位置は特に限定されるものではない。要するに、側面 壁(３)に凹部(４)を適宜位置に適宜数形成すれば良い。

【００１２】 図示の実施例において凹部(４)の深さはフランジ(２)の突出長さと同様の０． １ｍｍ程度が好ましく、又長さは５ｍｍ程度とした。

【００１３】 このような化粧料容器にアイシャドー並びにブラッシャーをそれぞれ充填成形 して、３０ｃｍの高さから倒立落下させて、化粧料が割れるまでの回数を測定し たところ、従来の凹部がない容器にあっては、アイシャドー、ブラッシャー共に 、４回で化粧料の割れがみられたのに対し、本願の容器にあっては、アイシャド ーで１１回、ブラッシャーで１０回と、従来の容器に比して、２．５〜３倍近い 耐衝撃強度を有していることが確かめられた。

【００１４】 図６〜９は、容器の開口縁にフランジ(２)が形成されていないタイプの容器に ついて、この考案を適用したものであるが、かかるタイプの容器にあっても、同 様な耐衝撃強度の効果が認められた。

【図面の簡単な説明】

【図１】斜視図

【図２】平面図

【図３】図２Ａ−Ａ線に沿った断面図

【図４】図３Ｂ部分の拡大図

【図５】図３Ｃ−Ｃ線の拡大断面図

【図６】一変形を示す斜視図

【図７】一変形を示す平面図

【図８】図７Ｄ−Ｄ線に沿った断面図

【図９】図８Ｅ部分の拡大図

【符号の説明】

(１) 容器 (２) フランジ (３) 側面壁 (４) 凹部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 化粧料を充填する皿状の小型の容器の側
   面壁に凹部を形成したことを特徴とする化粧料収納用容
   器。
2. 【請求項２】 容器の開口縁にカットされたフランジが
   形成されていることを特徴とする請求項(１)記載の容
   器。
3. 【請求項３】 容器の開口縁が上方へ向かって垂直に延
   びていることを特徴とする請求項(１)記載の容器。
4. 【請求項４】 凹部が側面壁の長手方向に沿って溝状に
   形成されていることを特徴とする請求項(１)乃至(３)の
   いずれかに記載の容器。
5. 【請求項５】 凹部の深さが０．１ｍｍであることを特
   徴とする請求項(１)乃至(４)のいずれかに記載の容器。
6. 【請求項６】 凹部の長さが５ｍｍであることを特徴と
   する請求項(４)記載の容器。