JPH0791162B2 - 病害虫の省力防除方法及び水溶紙状農薬成形物 - Google Patents

病害虫の省力防除方法及び水溶紙状農薬成形物

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JPH0791162B2
JPH0791162B2 JP17392587A JP17392587A JPH0791162B2 JP H0791162 B2 JPH0791162 B2 JP H0791162B2 JP 17392587 A JP17392587 A JP 17392587A JP 17392587 A JP17392587 A JP 17392587A JP H0791162 B2 JPH0791162 B2 JP H0791162B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は農園芸病害虫の省力防除方法、並びにこの方法
に用いる新規な水溶紙状農薬成形物に関する。本発明は
種々の作物の育苗箱、特にイネの育苗箱で行うと作業の
省力化、作業に伴う手汚れ防止及び薬剤の散布ムラ防止
の効果が著しい。
特に、本発明は、イネの種籾を育苗箱に播種する際に応
用すると、農薬有効成分化合物を担持させた本発明の水
溶紙状農薬成形物(以下、単に水溶紙製剤と略称するこ
ともある)を施用するだけで育苗箱および水田に移植し
た後のイネに発生する病害虫を簡便にかつ効率よく防除
できる。ゆえに、本発明は農薬製剤業および農園芸分野
で有用である。
(従来の技術) 一般に、殺菌性化合物、殺虫性化合物の如き農薬化合物
は、粉剤、粒剤又は液剤の形に製剤して、施用部所又は
場所へ何らかの手段で散布するのが普通である。
他方、水に浸すと、水に溶ける特性をもつ水溶紙は知ら
れており、この種の水溶紙は、水に容易に分散、溶解す
る特性を活用して、これまで機密文書用紙、ラベル等の
筆記、印刷用に、また使用後溶解流去させる産業用資材
や婦人、乳幼児の衛生材として用いられている(特開昭
60−139899号公報)。さらに、農業分野では、水稲の育
苗において床土または育苗マット上に種籾を播種した
後、覆土の代わりに、水で破れやすい薄紙で全面的に被
覆することにより、作業を簡単にするとともに発芽、生
育を一様にすることが知られている(特開昭48−52506
号公報)。また水稲用育苗床の構成材料として、保水力
が良好で栽培管理が容易であるため、通常の紙や段ボー
ルが使用できることが知られている(特開昭49−41103
号公報)。また、通常の紙に殺菌剤を含有又は付着させ
て防菌紙として果実の保護袋に用いることが知られてい
る(特開昭62−39505号公報)。更に、プルラン系樹脂
に農薬有効成分を含浸させてフィルム状又はフレーク
状、等に成形した農薬成形物が知られている(特開昭59
−204101号公報)。
しかしながら、本発明のごとく水溶紙に農薬有効成分を
担持させて水溶紙製剤の形に成形すること、またこれを
施用し、病害虫を防除する方法は知られていない。
特に農業において水稲の栽培の場合に、イネの稚苗機械
移植の普及にともない、イネの種籾は育苗箱に播種し、
育苗されている。この機械移植用の稚苗は密植されたう
え、発芽を一斉にさせるために28〜35℃の恒温下に2〜
3日間置き、その後は高温多湿下で栽培させることが多
い。そのために、イネ苗は徒長し、軟弱となりやすく、
イネいもち病、イネ籾枯細菌病、イネ馬鹿苗病またはフ
ザリウム菌、ピシウム菌、トリコデルマ菌、リゾープス
菌によるイネ苗立枯病などの病害が多発しやすい。育苗
箱でのこれらの病害と本田でのこれらの病害および害虫
の防除を目的に、育苗箱に農薬薬剤を散布することが広
く行われている。これらの病害虫を防除する方法として
は、粒剤の場合、たとえば、プロパホス粒剤、プロベナ
ゾール粒剤やイソプロチオラン粒剤を苗の上から散粒す
る方法、カスガマイシン粒剤をイネ種籾を播種前に育苗
培土(床土用培土と覆土用培土)と混和し、種籾を播種
後に覆土する方法(全層混和処理方法)があり、また粉
剤の場合、たとえばメタスルホカルブ粉剤を全層混和す
る処理方法があり、また液剤の場合、たとえばヒドロキ
シイソキサゾール液剤を土壌かん注する方法などがある
(「クミアイ農薬総覧」1987年版、昭和61年8月1日発
行、第502頁、第510頁、第527頁、第600頁、第691頁〜
第692頁)。
(発明が解決しようとする問題点) 粒剤を育苗箱の苗の上から散布する方法は容易であるの
で最も広く行われているが、散布ムラが生じることが多
く、散布ムラがあると十分な防除効果が得られず、朝
露、降雨や潅水などで葉がぬれている時は薬害が生じる
ため使用できない。粒剤の全層混和処理方法では、培土
と均一に混和できなければ、十分な防除効果が得られな
いし、薬量を正確に秤量しなければならないなど作業も
繁雑である。全層混和処理方法で粉剤を用いる場合、さ
らに微粉末が飛散するという作業環境上の問題も加わ
る。粉剤や粉剤の製品はやや重量があり、かさばるため
輸送や保管などにおいて不利な点が多い。
液剤を育苗箱の苗の上から散布する方法および土壌潅注
する方法では、薬量を秤量し、多量の水に希釈するなど
調製も繁雑であり、散布時に薬液がドリフトするという
作業上の問題点もあり、残液の廃棄場所によっては環境
汚染の面から好ましくない。さらに、異なる農薬有効成
分を2種以上含有する混合製剤は省力防除の面から有利
であるが、農薬有効成分の物理性により製剤化が困難な
こともある。
本発明者らはこのような従来の欠点を補い、施用に当っ
て手汚れがなく、簡便に且つ省力的に農園芸作物の病害
及び害虫を防除することのできる農薬製剤及び方法を提
供することを目的として研究を行った。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らの研究の結果、繊維状カルボキシメチルセル
ロース製の水溶紙、もしくは繊維状カルボキシメチルセ
ルロースと製紙用繊維とを混合してなる水溶紙に殺菌性
農薬化合物、殺虫性農薬化合物、すなわち農薬有効成分
化合物を含浸又は担持させた水溶紙製剤を培土の上に敷
き、その上に種子を播種後、覆土する方法(イ)、もし
くは培土に種子を播種し、その上に敷き、さらに覆土す
る方法(ロ)、または培土に種子を播種後、覆土しその
上に敷く方法(ハ)、などの方法により施用すると、前
記の従来の防除方法と同様に防除効果を発揮し、しかも
施用に当って手汚れがなく、従来方法よりも簡便且つ省
力的で施用でき、散布ムラに由る薬害を示すこともない
など、安全性の高い方法で農薬を施用できることを知見
した。これらの知見に基づいて、本発明を完成した。
従って、第1の本発明によると、繊維状カルボキシメチ
ルセルロースよりなる水溶紙、あるいは繊維状カルボキ
シメチルセルロースと製紙用繊維との混合物よりなる水
溶紙に殺菌性農薬化合物及び殺虫性農薬化合物の一つ又
はそれ以上を含浸させるか又は塗布層として担持させる
か若しくはこのような含浸と塗布層としての担持との両
方を行って形成された水溶紙状農薬成形物を、育苗箱内
の培土中又は(及び)培土表面に施用することを特徴と
する、病害虫の防除方法が提供される。
また、第2の本発明によると、繊維状カルボキシメチル
セルロースよりなる水溶紙、あるいは繊維状カルボキシ
メチルセルロースと製紙用繊維との混合物よりなる水溶
紙に殺菌性農薬化合物及び殺虫性農薬化合物の一つ又は
それ以上を含浸させるか又は塗布層として担持させるか
若しくはこのような含浸と塗布層としての担持との両方
を行って形成された水溶紙状農薬成形物が提供される。
本発明の水溶紙製剤を施用すると、土壌中の水分あるい
は潅水によって速やかに水溶紙製剤が溶け、農薬有効成
分が培土中に又は植物体上に拡散する。その結果、その
場に居る病菌、害虫が防除される。特に本発明をイネ育
苗箱で実施する場合には、種籾感染病菌のみならず、イ
ネ苗の根より吸収された農薬有効成分が本田移植後のイ
ネの病害虫にも防除効果を発揮する。
本発明の水溶紙製剤の調製は特別な方法や装置を必要と
せず、農薬有効成分化合物を直接または適当な溶剤(ア
セトン、メタノールなど)に溶解させ、その薬剤液を水
溶紙に噴霧するか、または、これら薬剤液に水溶紙を浸
した後、必要により乾燥すればよい。また、そのような
薬剤液を水溶紙に塗布し、必要により乾燥してもよい。
本発明で使用される水溶紙は、繊維状カルボキシメチル
セルロースから作られるか、もしくは繊維状カルボキシ
メチルセルロースに製紙用繊維、好ましくはセルローズ
質繊維を混合してなるもので、水中で速やかに分散、溶
解するものであればよく、その品質は特に限定されな
い。しかし次記の測定法で60分以内に水に分散し、溶解
するものが望ましい。
水溶紙の分散、溶解性測定法 500ml容ビーカーに水500ml(20℃)を入れる。これをマ
グネティックスターラーで渦高30mlとなるように調節す
る。次いで、水溶紙の大きさが、30mm×30mmの試料片を
投入し、水溶紙が完全に分散するまでの時間を測定す
る。
水溶紙は常法で製造される。たとえば繊維状セルロース
グリコール酸を抄紙し、プレスしたあとの湿紙に炭酸ナ
トリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ液を塗布含
浸し、イオン交換してナトリウム塩とした後、脱水し、
乾燥して製造された水溶紙も使用できる。農薬有効成分
に好ましいpHとするため、酸物質を添加して紙面もしく
は溶解液を中性ないし弱酸性に調節した水溶紙も使用し
うる。
本発明の水溶紙製剤に用いる製紙用繊維としては、その
種類に特に制限はなく、一般のセルロースパルプ、レー
ヨンなどの半合成繊維、ポリエチレンなどの合成パル
プ、アクリルニトリルなどの合成繊維等を使用目的によ
り選定すればよいが、通常は晒クラフトパルプ、晒サル
ファイトパルプ、溶解パルプなどの化学パルプおよびレ
ーヨンの如きセルローズ質繊維が用いられる。またその
使用割合は繊維状カルボキシメチルセルロースに対して
50重量%以下が好ましい。50重量%以上になると水中で
繊維の結束を生じやすいからである。
本発明に使用する殺菌性化合物、殺虫性化合物である農
薬有効成分は、従来の製剤で施用できるものならすべて
使用できる。例えば、ヒドロキシイソキサゾール、メタ
スルホカルブ、TPN、メタラキシル、プロベナゾール、
カスガマイシン塩酸塩、バリダマイシンA、トリシクラ
ゾール、イソプロチオラン、IBP、ベノミル、チウラ
ム、チオファネートメチル、チアベンダゾール、ポリオ
キシン、プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリ
ン、オキサジキシル、トリフルミゾール〔(E)−4−
クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−イミダ
ゾール−1−イル−2−プロポキシエチリデン)0−ト
ルイジン〕、ピロキロン、などの殺菌剤、並びにMEP、M
PP、ベンフラカルブ、カルボフラン、カルボスルファ
ン、エチルチオメトン、チオシクラム、PHC、カルタッ
プ、ベンスルタップ、ダイアジノン、プロパホス、アセ
フェート、ベンダイオカルブ、バミドチオンなどの殺虫
剤が用いられる。なお、イナベンフィド〔4′−クロロ
−2′−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコチンアニ
リド〕、インドール酪酸、ベンジルアミノプリンなどの
植物成長調整剤も前記の殺菌剤、殺虫剤と混用して製剤
化してもよい。また、殺菌剤同士、殺虫剤同士あるいは
殺菌剤と殺虫剤の混合製剤化も可能である。混合すると
農薬有効成分が分解する恐れがあるならば、農薬有効成
分をそれぞれ別々のシートの水溶紙に含有させ、それら
のシートを重ねて施用することもできる。
水溶紙に担持させる農薬有効成分化合物の含量は縦30cm
×横60cm×厚さ0.1mmの水溶紙1枚当り0.1〜100gであ
り、好ましくは0.1〜10gである。薬量を増やす場合、厚
い水溶紙を用いるか、あるいは前記の水溶紙を重ねては
り合わせるかまたは重ねて施用すればよい。
また本発明の水溶紙製剤には農薬有効成分の拡散あるい
は防除効果の増強を目的とした各種の界面活性剤、例え
ば、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリルサルフェ
ート、POEアルキルフェノールエーテル、POEアルキルエ
ーテル、POEスチレンフェノールエーテル、ジオクチル
スルホサクシネート、リグニンスルホン酸塩などと、溶
剤と、農薬有効成分の安定化剤などとの補助剤を併用し
ても何ら問題はない。なお、上記の農薬名は「農薬ハン
ドブック1985年版」昭和61年1月30日発行、日本植物防
疫協会編および「ザ・ペスティサイドマニュアル(The
Pesticide Manual)第8版」ザ・ブリティシュ・クロッ
プ・プロテクション・カウンシィル(The British Crop
Protection Council)編、ザ・ラベンハム・プレス・
リミテッド(The Lavenham Press Limited)発行(198
7)に記載の一般名である。
(発明の効果) 本発明は、第1に、特別な器具を用いることなく手汚れ
なしに手軽に、しかも容易に施用できる。第2に、農薬
有効成分を担持した水溶紙製剤が土壌中の水分や潅水に
よって崩壊するにともない農薬有効成分が培土中にすみ
やかに拡散することができ、粒剤や粉剤のように散布ム
ラがなく、従来の散布方法と同等又はやや優る防除効果
を発揮し、薬害の発生もなく安心して使用できる。第3
に、培土との混和や薬液の調製が不必要なため作業上簡
便である。第4に、施用時にドリフトや薬液の残液処理
の必要もないため、作業上および環境上の問題もない。
第5に、本発明の水溶紙製剤は、粒剤や粉剤に比べ重量
が軽く、かさばらないため輸送や保管の点でも有利であ
る。第6に、農薬有効成分の特性により混合製剤化が困
難な場合は、各農薬有効成分の水溶紙製剤を重ねて施用
することにより解決される。第7に、水溶紙製剤は水に
速かに溶けるため特にイネ育苗箱で用いる時もイネの発
芽、発根には全く影響を及ぼさない。
次に本発明を実施例及び試験例により説明する。
実施例1 カスガマイシン塩酸塩をメタノールに溶解し、カスガマ
イシンとして0.4gを30×60cm片の水溶紙(ディゾルボ60
MDP180WA、三島製紙株式会社製)に噴霧した。乾燥後、
カスガマイシンを含浸、担持した水溶紙製剤を得る。
実施例2 ベノミルおよびチウラムをクロロホルムに溶解し、ベノ
ミルとして0.2g、チウラムとして0.2gを30×60cm片の水
溶紙(ディゾルボ60 MDP 180WA三島製紙株式会社製)に
噴霧した。乾燥後、ベノミル、チウラムを含浸、担持し
た水溶紙製剤を得る。
実施例3 TPNをアセトンに溶解し、TPNとして0.75gを30×60cm片
の水溶紙(ディゾルボ(60 MPD 180WA三島製紙株式会社
製)に噴霧した。乾燥後、TPNを含浸、担持した水溶紙
製剤を得る。
実施例4 ベンフラカルブをアセトンに溶解し、ベンフラカルブと
して2.0gを30×60cm片の水溶紙(ディゾルボ60 MPD 180
WA三島製紙株式会社製)に噴霧した。風乾後、ベンフラ
カルブを含浸、担持した水溶紙製剤を得る。
実施例5 ベンフラカルブ2.0gの溶液を30×60cm片の水溶紙(ディ
ゾルボ60 MPD 180WA三島製紙株式会社製)に筆で均一に
塗布した。乾燥後、ベンフラカルブを担持した水溶紙製
剤を得る。
試験例1 カスガマイシンの稲籾枯細菌病に対する防除
効果試験 供試籾は、浸種後に催芽させたイネ種籾(品種コガネマ
サリ)を108細胞/mlの稲籾枯細菌の懸濁液に28℃で3時
間浸漬することによって感染させた人工接種籾を用い
た。この種子を通常の育苗箱の1/10の大きさに作製した
育苗箱(15×12×3cm)に播種し、実施例1に準じて調
製した所定薬量を含有する水溶紙製剤(15×12cm)を直
接に種籾にのせ覆土した。供試土壌はクミアイ粒状培土
K(呉羽化学製)を用いた。覆土後に、1/10育苗箱当り
50ml水を潅水し、32℃で2日間芽出した。その後の栽培
管理はガラス温室で行った。発病調査は、播種15日後に
1/10育苗箱当り約300本の苗を抜きとり、発病苗数を調
べ発病苗率(%)を求めた。薬害は肉眼観察により、下
記の指標で観察した。
薬害指数: 0:健全 1:微少 2:少 3:中 4:甚 5:激甚 試験は3連制で行ない、その平均値を求めた。結果は第
1表の通りである。
試験例2 ベノミル+チウラムの稲馬鹿苗病に対する防
除効果試験 供試籾は馬鹿苗病発生圃場から採集した自然感染のイネ
種籾(品種アキヒカリ)を用い、無種子消毒のまま20℃
で5日間浸種した種籾を一夜催芽した。この種籾を通常
の育苗箱の1/10の大きさに作製した育苗箱(15×12cm)
に播種し、播種後覆土前に、実施例2に準じて調製した
所定薬量を含有した水溶紙製剤(15×12cm)を直接に種
籾にのせ潅水後、覆土した。供試土壌は、クミアイ粒状
培土K(呉羽化学製)を用いた。覆土後に1/10育苗箱当
り50ml水を潅水し、32℃で2日間芽出した。その後の栽
培管理はガラス温室で行った。発病調査は播種30日後に
全苗数を抜き取り、徒長、枯死などの発病苗数を肉眼的
に調査し発病苗率(%)を求め、無処理区との対比から
防除価を算出した。また薬害は、芽出し処理後(播種2
日後)に発芽程度、幼芽の生育を調べ、更に播種10日後
に草丈、葉令、根のマット形成程度などについて調査し
た。
薬害の評価は試験例1と同様な指数で行った。結果は第
2表の通りである。
試験例3 リゾープス菌に起因する稲苗立枯病に対する
TPNの防除効果試験 土壌・フスマ培地で28℃10日間培養したリゾープス菌
(Rhizopus chinensisリゾープス チィネンシス)を接
種源として、黒色火山灰土:接種源(W/W)=500:1の割
合で混和してリゾープス汚染土とした。この病害の防除
処理法は、1/10育苗箱を用い、床土として汚染土300m
lを入れてならした後、50mlの水道水で散水し、この上
に、実施例3に準じて調製した所定薬量を含有させた水
溶紙をのせ、種籾を播種し覆土にした場合、前記と同
様にして床土を入れ、散水し、イネ種籾を播種し、覆土
後に水溶紙をのせた場合の2方法について実施した。
その後、32℃で2日間芽出しさせた後、ガラス温室に移
して栽培した。発病調査は播種15日後に箱当り約300本
の苗を抜きとり、根部の生育程度を調査し発病度を求
め、これより無処理区との対比で防除価(%)を算出し
た。薬害は、出芽程度、草丈などについて達観調査し
た。
但し、a:重症苗数、b:中症苗数、c:軽症苗数 薬害指数は試験例1と同様な指標で行った。結果は第3
表の通りである。
試験例4 ベンフラカルブのイネミズゾウムシに対する
殺虫効果試験 稚苗機械植え用の育苗箱の10分の1の大きさの育苗箱
(15×12×3cm)に、催芽させたイネ種籾(品種コガネ
マサリ)20gを播種し、実施例4に準じて調製した所定
薬量を含有する水溶紙製剤(15×12cm)を直接に種籾に
のせ覆土した。覆土後に10分の1箱当り50mlの水を潅水
し、32℃で2日間芽出しした(供試土壌はクミアイ粒状
培土K(呉羽化学)を用いた)。その後の栽培管理はガ
ラス温室内で行い、稲苗が2.5葉期に達した時に、1万
分の1アールの大きさのポットに5本を1株として移植
した。移植10、20および30日後に、稲ポットにプラスチ
ック製の網蓋付円筒(直径11cm、高さ30cm)をかぶせ、
この中にイネミズゾウムシ成虫を5頭放虫した。放虫72
時間後に生死虫数を調べた。
試験は各4連制にて実施し、平均死虫率(%)を求め
た。薬害は試験例1と同様に調べた。その結果は第4表
の通りである。
試験例5 ベンフラカルブのヒメトビウンカに対する殺
虫効果試験 稚苗機械植え用の育苗箱の10分の1の大きさの育苗箱
(15×12×3cm)に、催芽させたイネ種籾(品種コガネ
マサリ)20gを播種し、覆土した。覆土上に、実施例4
に準じて調製した所定薬量を含有する水溶紙製剤(15×
12cm)をのせ、50mlの水を潅水した。これらの育苗箱
を、32℃で2日間おき芽出しした。供試土壌はクミアイ
粒状培土K(呉羽化学製)を用いた。その後の栽培管理
はガラス温室内で行い、稲苗が2.5葉期に達した時に、
1万分の1アールポットに5本を1株として移植した。
移植10、20および30日後に、稲ポットにプラスチック製
の網蓋付円筒(直径11cm、高さ30cm)をかぶせ、この中
にヒメトビウンカ成虫を10頭放虫した。放虫72時間後に
生死虫数を調べた。薬害は試験例1と同様にして調査し
た。
試験は各3連制にて実施し、平均死虫率(%)を求め
た。その結果は第5表の通りである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鍋谷 佳彦 神奈川県厚木市岡田794番地−1 コーポ 本間202号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維状カルボキシメチルセルロースよりな
    る水溶紙、あるいは繊維状カルボキシメチルセルロース
    と製紙用繊維との混合物よりなる水溶紙に殺菌性農薬化
    合物及び殺虫性農薬化合物の一つ又はそれ以上を含浸さ
    せるか又は塗布層として担持させるか若しくはこのよう
    な含浸と塗布層としての担持との両方を行つて形成され
    た水溶紙状農薬成形物を、育苗箱内の培土中又は(及
    び)培土表面に施用することを特徴とする、病害虫の防
    除方法。
  2. 【請求項2】育苗箱内で培土内に播かれた種子の下又は
    上に敷いて水溶紙状の農薬成形物を施用するか若しくは
    種子の上に覆土された培土の上に敷いて施用する特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】繊維状カルボキシメチルセルロースよりな
    る水溶紙、あるいは繊維状カルボキシメチルセルロース
    と製紙用繊維との混合物よりなる水溶紙に殺菌性農薬化
    合物及び殺虫性農薬化合物の一つ又はそれ以上を含浸さ
    せるか又は塗布層として担持させるか若しくはこのよう
    な含浸と塗布層としての担持との両方を行つて形成され
    た水溶紙状農薬成形物。
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