JPH079039Y2 - 炉内計測窓パージ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は炉内計測窓パージ装置に係わり、特に炉内への
投光又は炉内よりの受光によって計測する際に計測窓部
のシールガラスが炉内ガスや粉塵により汚れることを防
止するのに好適なパージ装置に関する。

〔従来の技術〕

炉内CPC（帯状走行物の中心位置等の位置制御）を行う
場合、炉内帯状走行物位置を計測する際に炉外から投光
したり又は炉内より受光したりするため炉壁の一部を開
口し、この開口部を透明なシールガラスでシールして光
りのみ通過するようにし、その他のガス、粉塵等が炉外
に放出しないように遮断する必要がある。このため従来
より第２図に示す構造が採用されている。

炉壁１に炉壁開口２を設け、炉壁開口２の炉外側に計測
用筺体３を設ける。計測用筺体３の炉壁開口２と対向す
る窓開口面４に計測窓開口５を設けこの計測窓開口５を
シールガラス６で炉内とシールする。筺体内壁８、計測
窓筺体３および窓開口面４で囲まれた環状部へパージガ
ス供給孔10からパージガスが供給され、筺体内壁８に設
けられた多数のパージガス流入孔９より炉壁開口２の方
向へ流出する。これによりシールガラス６の内面が炉内
ガスや粉塵で汚れるのを防止する。炉内CPC装置用投光
器20をシールガラス６の外側に設け炉内帯状走行物等の
被測定物に照射させる。

なお、特公昭57-16310号公報には上記の炉内方向への噴
流に加え、炉壁１の炉内側に炉壁開口２を遮断するよう
にエヤカーテンを設けた技術が開示されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来技術において、パージガス流入孔９よりのパー
ジガスの噴流が、パージガス流入孔９の数や位置、パー
ジガス流量を調節してもパージガスの流れに乱れを生じ
させ、炉内ガスの巻き込みを誘発してシールガラス６内
面の汚れを発生させていた。また上記公報記載のように
炉壁開口２の炉壁内側にエヤカーテンを設けることは炉
内ガス等を遮断する効果はあるが、完全な遮断は困難で
あり、エヤカーテンを通過して流入した炉内ガス等によ
りシールガラス６内面を汚染する恐れがあった。

本考案の目的は、パージガスの流れの乱れを少なくし、
炉内ガス等の巻き込みを誘発させる現象を抑制すると共
に、炉内ガス等のシールガラス方向への流れを阻止し、
炉内ガス等のシールガラスとの接触を回避してシールガ
ラスの汚れを防止する炉内計測窓パージ装置を提供する
ことにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題は、シールガラスの周囲からシールガラスにほ
ぼ平行にパージガスを流すと共に、この平行流より炉内
側においてシールガラスの周囲より炉内側に向かってさ
らにパージガスを流すことにより解決され、本考案の炉
内計測窓パージ装置は、炉壁開口部の炉外側に筺体を設
け、前記炉壁開口部と対向する該筺体の面に透明のシー
ル材よりなる計測窓を設け、前記筺体にパージガスを流
入し前記透明のシール材を炉内からの汚染に対し保護す
る炉内計測窓パージ装置において、前記透明のシール材
の周囲に均等にパージガスを流入する流入手段と、該流
入手段からパージガスを前記透明のシール材の近傍の周
囲よりその内表面に平行に流出する第１流出手段と、該
第１流出手段より前記炉壁開口部側に設けられ、前記流
入手段の周囲からパージガスを前記炉壁開口方向に流出
する第２流出手段とを備えたことを特徴とする。

〔作用〕

流入手段によって透明のシール材の周囲に均等に流入し
たパージガスは、第１流出手段から、シール材の周囲よ
りその内表面に平行に輻輳して流入し中心部で炉内方向
の流れとなりシール材内表面を炉内ガス等と遮断すると
共に、第２流出手段から、シール材の周囲より炉内方向
に幅輳して流入し、第１流出手段からの炉内方向流と合
流して炉内ガス等の流入を阻止する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図を用いて説明する。

炉壁１に円筒状に開口された炉壁開口２に直管部15を介
して円筒状の計測窓筺体３が設けられている。計測窓筺
体３の炉壁開口２と対向する窓開口面４に計測窓開口５
が設けられ、計測窓開口５は透明なシールガラス６でシ
ールされ、シールガラス６はシールガラス押さえ板７で
固着されている。計測窓筺体３の内部には外面円筒内面
円錐形状の筺体内壁８が設けられ、この外面と計測窓筺
体３の内面によって環状空間部11を形成する。計測窓筺
体３の円筒部には均等に配置された複数個のパージガス
供給孔10が環状空間部11にパージガスを供給するように
設けられ、パージガス供給孔10の開孔部には、パージガ
スを環状空間部11に均一に流入させる拡散板12が設置さ
れている。筺体内壁８のシールガラス６近傍には、シー
ルガラス６内面に平行に全周にわたって平行スリット13
が設けられ、さらにシールガラス６内面に対して炉壁開
口２側へ20度傾斜して全周にわたり傾斜スリット14が設
けられている。

次にパージガスの動作について説明する。

計測窓筺体３の円筒部に均等に配置されたパージガス供
給孔10から流入したパージガスは、パージガス供給孔10
出口に設けられた拡散板12に当たって拡散され、環状空
間部11に圧力分布がほぼ均一化された状態で充満する。
充満したパージガスの一部は平行スリット13よりシール
ガラス６の周囲から均一の流れとなってシールガラスの
内表面に平行に幅輳して流入し、シールガラス６の中心
部で炉内方向の流れとなり、シールガラス６の内表面を
炉内ガス等と遮断する。また充満したパージガスの残部
は傾斜スリット14から炉内方向へ、シールガラス６の周
囲から均一な輻輳流となって流出する。平行スリット13
と傾斜スリット14から流出した流れは炉内方向へ合流し
て流れるので炉内ガス等のシールガラス６への流れは阻
止される。なお、スリットの幅は、パージガスの流れが
大きな乱れを生じないよう低速流となるように決めれば
よい。このように本実施例によれば、炉内ガス等は平行
スリット13と傾斜スリット14から流出する炉内方向流に
よって阻止され、この阻止を乗り越えてシールガラス前
面に到達しても平行スリット13より流出する平行流によ
ってシールガラス６表面へ到達するのを阻止されるの
で、シールガラス６の内面は清浄に保たれる。

なお、直管部15は、炉壁開口２の外表面に金具や配管等
があるため、計測窓筺体３を直接取り付けることができ
ないので本実施例では設けたが、必ずしも必要でない。
しかし、パージガスの炉内方向流を整流する効果があ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、炉内計測窓シールガラス内表面をパー
ジガスの平行流と炉内方向への傾斜流とで覆うことによ
り炉内ガス等のシールガラス内表面への流入を阻止する
ので、シールガラス内表面の清浄度が維持でき、炉内計
測や制御等に支障をきたすことがなく、炉の操業性、保
守性を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は従来
技術の一例を示す断面図である。 １……炉壁、２……炉壁開口 ３……計測窓筺体、４窓開口面 ５……計測窓開口、６……シールガラス ７……シールガラス押さえ板 ８……筺体内壁、９……パージガス流入孔 10……パージガス供給孔 11……環状空間部、12……拡散板 13……平行スリット、14……傾斜スリット 15……直管部、20……投光器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭57−16310（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭51−46419（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】炉壁開口部の炉外側に筺体を設け、前記炉
   壁開口部と対向する該筺体の面に透明のシール材よりな
   る計測窓を設け、前記筺体にパージガスを流入し前記透
   明のシール材を炉内からの汚染に対し保護する炉内計測
   窓パージ装置において、前記透明のシール材の周囲に均
   等にパージガスを流入する流入手段と、該流入手段から
   パージガスを前記透明のシール材の近傍の周囲よりその
   内表面に平行に流出する第１流出手段と、該第１流出手
   段より前記炉壁開口部側に設けられ、前記流入手段の周
   囲からパージガスを前記炉壁開口方向に流出する第２流
   出手段とを備えたことを特徴とする炉内計測窓パージ装
   置。