JPH0790381B2 - アルミニウム合金板の電気抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

アルミニウム合金板の電気抵抗スポット溶接方法

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JPH0790381B2
JPH0790381B2 JP12263890A JP12263890A JPH0790381B2 JP H0790381 B2 JPH0790381 B2 JP H0790381B2 JP 12263890 A JP12263890 A JP 12263890A JP 12263890 A JP12263890 A JP 12263890A JP H0790381 B2 JPH0790381 B2 JP H0790381B2
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スカイアルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は連続打点溶接点に優れたアルミニウム合金板の
電気抵抗スポット溶接方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年自動車の燃費規制の点より車体軽量化の要求が一層
強まりつつあり、これに伴いアルミニウム合金板は鋼板
に代わって自動車用の外板等に使われる例が増加しつつ
ある。アルミニウム合金板を車体に組み立てるには鋼板
と同様に電気抵抗スポット溶接を行う必要がある。とこ
ろで、アルミニウム合金は鋼に比べ(1)電気比抵抗が
低い、(2)熱伝導度が高い、(3)板表面には非導電
性の硬く、脆い、緻密な酸化膜が存在する等性質が異な
る。したがって、アルミニウム合金板の電気抵抗スポッ
ト溶接では上記(1)、(2)のために溶接電流を講板
に比べ約3倍多く流す必要がある。
以下、第2図〜第4図を参照として電気抵抗スポット溶
接現象を説明する。
図中、1は電極、2、2′はアルミニウム合金板、3、
3′は電極側表面、6はナゲット、7は電極間の温度分
布である。
電極1間で通電を行うと、板2、2′間の接触面、電極
1と板2、2′の接触面での電気抵抗はアルミニウム地
に比べて高くなり、電気抵抗発熱が起こって、溶接部で
の温度分布7は第2図(B)に示すごとくなる。また、
上記(3)の性質のため電極側表面3、3′上の非導通
の酸化膜8(第3図参照)に一旦電荷が蓄えられ、次に
絶縁破壊を起こして、溶接時に部分的に割れ9を生じて
この部分を通じてのみ電気の通電(第3図矢印)が行わ
れるという現象が生じる。このため溶接時に電極接触部
での発熱が局部的に過大になってアルミニウム合金板が
溶融し、発生した溶融Alが割れ9を通って板側3、3′
から電極1に移行し、電極材料のCuと治金的に低融点化
合物を形成することにより電極にも局部的な溶融部12を
形成する。この溶融部12が電極1を欠けさせ、劣化する
ものと考えられている。
アルミニウム合金板の電気抵抗スポット溶接では電極の
保守なしにそのまま連続して溶接が出来る連続打点数が
鋼板の場合に比べ1/10〜1/100になっていた。また、従
来からアルミニウム板のスポット溶接では電極のドレッ
シングが必要であることが認識されていた。しかしなが
ら、このように連続打点性が劣りまた、数十点ごとにド
レッシングを行う必要があることについても、スポット
溶接をそれほど多用しない用途では特別に問題視されて
来なかった。ところが上記のようにアルミニウム合金板
が大量生産の自動車に使用されるようになってくると、
頻繁に電極のドレッシングを行う方法は採用できなくな
った。
〔発明が解決しようとする課題〕
こうした問題を解決するために種々の方法が提案されて
いる。例えば、電極面に前処理を施す、電極の材質を一
般のCrCuからアルミナ分散銅などに代える、電極の形状
に工夫を凝らす、電流の立ち上り速度を制御する等であ
る。
しかしいずれの提案も自動車の組立ラインで実用的に満
足できるレベルの成果を挙げる迄至っていないので、ア
ルミ合金板の溶接作業性は鋼板に比べて劣るのが実状で
ある。
本発明は上記の問題点を解決したアルミニウム合金板の
溶接作業性を大幅に向上させる事を目的にするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は従来鋼板ではスポット溶接の連続打点性を大幅
に劣化させるとされていた電極・板界面側のZnメッキ処
理がアルミニウム合金板においては逆に連続打点性を向
上させるという特異現象を発見し、さらにZn以外のメッ
キ金属についても同様の効果を見出し、本発明を完成し
たものである。
本発明の骨子は、アルミニウム合金板の電極表面に存在
するアルミニウム酸化膜を異種メッキ金属の薄膜に置換
したことにある。
即ち本発明はアルミニウム合金板の電気抵抗スポット溶
接方法において、アルミニウム合金板の電極と接する側
片面にメッキ処理により異種金属皮膜を形成した板を、
非メッキ面を介して相互に接触させ、前記メッキ面と接
触する電極間で通電を行うことを特徴とする。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
本発明においてアルミニウム合金は特に限定されるもの
ではないが例えばJISA5052,5182,5082,2036,6009,6010
等が好ましく適用できる。
メッキ処理の金属の種類としZn、Cu、Ni、Fe、Cr、Agお
よびこれら金属を合金化したもの等が適用できる。メッ
キ厚みは特に制限がないが、0.1μm未満では下地のア
ルミニウム合金板の粗さによってはAlがメッキ皮膜から
露出することがあり、10μmを超えてもメッキ皮膜の性
能には変わりがなく経済的ではない。また、メッキ皮膜
は一層で十分な性能が得られるが、下地にAlに対して密
着性が優れたZnをメッキしその上に上層としてFe又はNi
をメッキしてもよい。
又、メッキ皮膜とアルミ地との間にはアルミニウム酸化
皮膜が存在しないことが好ましい。しかしながらアルミ
ニウム酸化皮膜を薬品で完全に溶解したとしても、メッ
キまでの間アルミニウム合金板と大気との接触により極
く薄いアルミニウム酸化皮膜が生成することは避けられ
ない。このような不可避的に発生するメッキ皮膜下のア
ルミニウム酸化皮膜は膜厚が10Å以下ならば許容され
る。これを超えるとメッキが困難になるのみならず、第
3図を参照して説明したような通電の局部的集中が起こ
り好ましくない。
メッキ処理の表面は電極と接触する側にのみに限定すべ
きであり、アルミニウム合金板同士が接触する界面にも
メッキを行うとかえって溶接が不安定になり溶接性が低
下して好ましくない。
メッキを施さないからもう一方の面の酸化膜は通常の板
の製造工程で生じる自然酸化膜厚でよいが、特に積極的
に酸化焼鈍等を施し酸化膜厚を例えば0.01〜0.1μmに
増加させてもよい。
電気抵抗スポット溶接法の機種としては特に限定はされ
ず、通常3相整流式、単相整流式、静電蓄整式、3相低
周波式が使用可能である。
なお、上述のように電極の材質、形状などが種々工夫さ
れているが、本発明においてはこれらの制限はなく、通
常のものを使用することができる。
〔作用〕
本発明方法においては、第1図(A),(B)に示すよ
うに電極1と接触する板面3、3′のみにメッキ処理を
行いメッキ皮膜14、14′を形成すると、非導電性の硬く
て脆い酸化膜8の代わりにメッキ皮膜14、14′が電極と
接触する。このメッキ皮膜14、14′は、一部の不純物を
除き導電性の金属からなり、またアルミニウム合金板の
保存中などにメッキ層上に表面酸化膜が形成されても、
板表面のアルミニウム酸化膜8(第3図)に比べて薄く
て緻密ではない。このためメッキ面での電気の流れは一
様に流れるため板表面で局部的な発熱が無いため温度分
布第1図(B)の如くなり電極1界面の局部昇温に伴う
劣化が大幅に低下するものと思われる。
一方、アルミニウム合金板の接合面に存在するアルミニ
ウム酸化膜8、8′は接合面での温度上昇によるナゲッ
ト6の形成を促進する。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
〔実施例〕
板厚1.0mmのAA6009合金板の片表面にりん酸ソーダ系脱
脂剤での脱脂処理、水洗およびデスマットを行って、酸
化アルミニウム皮膜を除去した後、ZnSO4、HFの混合メ
ッキ浴で電流密度5A/dm2にて電気メッキを行ってZnメッ
キ付着量3g/m2にした。なお、デスマット処理後合金板
上に形成される薄いアルミニウム酸化膜をメッキ液中で
できるだけ除去するようHF含有メッキ液を使用した。こ
の板をメッキ面が各々電極側になるようにして2枚重ね
にして3相整流式の溶接機を使用して連続打点の電気抵
抗スポット溶接試験を以下の条件にて行った。
ここで連続打点性の評価は電極チップの清掃又は交換無
しで連続的に溶接が行える限界で判定して行った。この
限界の判定は最初のナゲット径が6.0mmφになるように
溶接しておき連続打点の進行に伴ないナゲット径が低下
して来るがこの低下でナゲット径が4.8mmφ未満になっ
た時を限界とした。
電流30KA、 通電時間3サイクル、 加圧力300kg この限界打点数の結果を表1に示す。
尚比較としてZnメッキを行わない板の場合および両面を
Znメッキした板の場合の限界打点数についても各々この
表に示す。但しこれら板の場合の溶接条件は片面メッキ
板と同じ条件で溶接すると同じナゲット径が得られなか
ったので最初のナゲット径が6.0mmφになるように溶接
電流を少し修正して行った。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の方法に従えば連続打点溶接
性に優れ溶接作業性を大幅に向上させたアルミニウム合
金の電気抵抗スポット溶接が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明法における溶接法の概念図、 第1図(B)は本発明法における溶接中の板面垂直方向
の温度分布を示す概念グラフ、 第2図(A)、(B)は従来法について第1図(A)、
(B)と同様の図、 第3図は従来法における溶接中の電極側アルミニウム合
金板の溶解を示す説明図、 第4図は溶融金属がアルミニウム合金板から電極側に移
行する状況の説明図である。 1……電極、2、2′……アルミニウム合金板、3、
3′……電極側表面、6……ナゲット、7……電極間の
温度分布、12……電極側の溶融金属、13……メッキ皮膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金板の電気抵抗スポット溶
    接方法において、 前記アルミニウム合金板の電極と接する側片面にメッキ
    処理により異種金属皮膜を形成した板を、非メッキ面を
    介して相互に接触させ、前記メッキ面と接触する電極間
    で通電を行うことを特徴とする連続打点性に優れたアル
    ミニウム合金板の電気抵抗スポット溶接方法。
JP12263890A 1990-05-11 1990-05-11 アルミニウム合金板の電気抵抗スポット溶接方法 Expired - Lifetime JPH0790381B2 (ja)

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JP4303629B2 (ja) * 2004-04-02 2009-07-29 本田技研工業株式会社 異種材料の抵抗溶接方法、アルミニウム合金材および異種材料の抵抗溶接部材

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