JPH07893Y2 - 電磁流量計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は配管等を流れる流体の流量を計量する電磁流量
計に関し、特にこの消費電力の低減化に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来この種の電磁流量計としては、励磁回路によってコ
イルに通電される電流を制御することにより、配管に流
れる流体に印加される磁界を変化させ、この流体の流量
に応じて発生する電圧を検出することにより、流量を計
量していた。

そして、この流量の表示にはアナログ表示とデジタル表
示との２種類があり、アナログ表示は、アナログ流量信
号出力回路に検出電圧に応じた４〜20mAの範囲の電流を
出力することにより、そのアナログ指針を変化させて流
量表示を行う。また、デジタル表示は、検出した電圧に
ついて電圧−周波数変換を行い、デジタル流量信号出力
回路を構成するフォトカプラの発光ダイオードに通電す
る電流の周期を変化させてデジタルパルス信号に変換
し、このデジタルパルス信号を分周することによって各
種電圧パルス，接点パルス等を得て流量のデジタル表示
を行っていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、フォトカプラにより流量に応じたデジタ
ル流量信号を安定して出力するためには、そのフォトカ
プラの発光ダイオードに比較的大きな通電電流を供給す
る必要があり、近時、電磁流量計において、回路各部に
供給される電源が電圧トランス等を必要とする大型の従
来の商用交流電源からの小型バッテリへの変換を図り、
小型化，低消費電力化を実現する場合の障害になってい
る。

という課題を有していた。

なお、４〜20mAの通電電流を用いるアナログ表示は日本
工業規格に定められた電流値のため、この通電電流は変
えられない。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はこのような課題を解消するためになされたもの
で、コイルに所定の励磁電流を出力することにより磁束
を発生させる励磁回路と、磁束により流量に応じて流体
に発生する電圧信号を検出する手段と、検出された電圧
信号に応じた周波数のデジタルパルス信号を出力する電
圧−周波数交換回路と、デジタルパルス信号により発光
ダイオードが駆動され流量を示すデジタル流量信号を出
力するフォトカプラとを有する電磁流量計において、発
光ダイオードを前記コイルと直列に接続するとともに、
デジタルパルス信号に基づき励磁回路から出力される励
磁電流をコイルおよび発光ダイオードまたはコイルだけ
のいずれかに切り替え供給するスイッチを設けたもので
ある。

〔作用〕

フォトカプラの発光ダイオードに、励磁回路からの励磁
電流が供給されるとともに、スイッチにより発光ダイオ
ードに供給される励磁電流が切り替え制御されて、フォ
トカプラからデジタル流量信号が出力される。

〔実施例〕

次に本考案について図面を参照して以下に詳述する。

第１図は、本考案を直流励磁形の電磁流量計に適用した
場合の一実施例を表すブロック図である。

同図において、１は流体が流れる配管、２はこの流体に
磁束を印加するためのコイル、３はこの磁束による磁界
中を流れる流体の流量に応じて発生する電圧を検出する
電極、４はコイル２を励磁する励磁回路であり、この励
磁回路４は定電流回路を内蔵し、図示しない発振回路か
らの信号に従ってコイル２に常に一定の電流を供給す
る。また、５は流量信号出力回路を構成するフォトカプ
ラ、６はフォトカプラ５に並列に接続された電子スイッ
チであり、フォトカプラ５の発光ダイオード部は励磁回
路４と直列回路を構成し、トランジスタ部のコレクタ−
エミッタ間はデジタル流量表示をするための図示しない
表示器に接続される。

７は電極３からの検出電圧を伝搬するシールドケーブ
ル、８はシールドケーブル７によって伝搬された検出電
圧を交流増幅する交流増幅器、９は交流増幅器８で増幅
された検出電圧をサンプリングしてホールドするサンプ
ルホールド回路、10はサンプリングホールド回路９でホ
ールドされて出力された検出電圧を直流増幅する直流増
幅器である。なお、サンプルホールド回路９でのサンプ
リングは、励磁回路４を励磁する前記の発振回路の発振
信号に同期して励磁電流値が所定の値に達した時以降の
一定区間で行われる。

11は直流増幅器10から出力された検出電圧を電流に変換
する電圧−電流変換回路、12はこの検出電圧を周波数に
変換する電圧−周波数変換回路であり、電圧−電流変換
回路11からは電極３で検出された電圧に応じた４〜20mA
の電流が出力されて電流計13を駆動し、流量に応じてア
ナログ指針が変化するものとなっている。電圧−周波数
変換回路12の出力信号は、電子スイッチ６を変換周波数
に応じてスイッチングし、電子スイッチ６がオンの時に
はフォトカプラ５は短絡されて流量信号は出力されず、
また、電子スイッチ６がオフの時はコイル２に通電され
る電流はフォトカプラ５の発光ダイオード部に通電され
る。このため、検出電圧に応じた変換周波数のデジタル
パルス信号が出力されるものとなっている。

このような構成において、フォトカプラ５に供給される
電流は、励磁回路４内部に構成された定電流回路により
発生される電流と共用される。

このため、従来、フォトカプラ５に電流を供給していた
電源回路から電源供給を受けることは不要となり、この
分だけ消費電力の低減化が図られる。

第２図は、本考案を矩形波励磁形の電磁流量計に適用し
た場合の他の一実施例を表すブロック図であり、第１図
と同一または相当部分については同符号を用いてその説
明は省略する。

同図と第１図との相違点は、コイル２の励磁部分が異な
るのみで、本実施例による励磁は、図において互いに対
角に配置されている各スイッチSa,Sbが連動し、このス
イッチSa,Sbを制御することによりコイル２に通電され
る電流の方向が切り替えられ、励磁回路４から出力され
た励磁電流は矩形波に変換され、配管１に流れる流体に
は矩形波の磁束が印加される。

本実施例においても、フォトカプラ５は励磁回路４と直
列に接続されているため、励磁回路４内の定電流回路で
発生される電流によってフォトカプラ５が駆動され、低
消費電力化が図られている。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、流量信号出力回路を励磁
回路に直列に接続したことにより、励磁回路に通電され
る電流により流量信号出力回路が駆動される。

このため、比較的大きな通電電流を要する発光ダイオー
ド等を用いた流量信号出力回路に供給される電流と励磁
回路によるコイルを励磁する励磁電流とが共用化され、
電磁流量計の小型化，低消費電力化が図れるという効果
を有する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案を直流励磁形の電磁流量計に適用した場
合の一実施例を表すブロック図、第２図は本考案を矩形
波励磁形の電磁流量計に適用した場合の他の一実施例を
表すブロック図である。 １……配管、２……コイル、３……電極、４……励磁回
路、５……フォトカプラ、６……電子スイッチ、12……
電圧−周波数変換回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コイルに所定の励磁電流を出力することに
   より磁束を発生させる励磁回路と、前記磁束により流量
   に応じて流体に発生する電圧信号を検出する手段と、検
   出された電圧信号に応じた周波数のデジタルパルス信号
   を出力する電圧−周波数変換回路と、前記デジタルパル
   ス信号により発光ダイオードが駆動され前記流量を示す
   デジタル流量信号を出力するフォトカプラとを有する電
   磁流量計において、 前記発光ダイオードを前記コイルと直列に接続するとと
   もに、前記デジタルパルス信号に基づき前記励磁回路か
   ら出力される励磁電流を前記コイルおよび発光ダイオー
   ドまたは前記コイルだけのいずれかに切り替え供給する
   スイッチを設けたことを特徴とする電磁流量計。