JPH0789119A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナー流制御手段の制御部がショートする恐
れがなく、且つ安定して動作する画像形成装置を提供す
ることを目的としている。 【構成】 本画像形成装置は、アパチャ電極体１の上側
には、背面電極板２２が、また下側には、トナー担持ス
リーブ１４を備えるトナー供給装置１０がそれぞれ配設
されている。前記トナ−担持スリーブ１４は、アルミ等
の導電性金属が素材として用いられるが、アパチャ電極
体１との接触部分のみが絶縁コート１４ａされており、
またトナ−担持スリーブ１４と層規制ブレード１８との
接触部は導電性となっている。それにより、トナー担持
スリーブ１４は、仮にその表面のトナ−層が途切れて
も、制御電極４とショートすることが無い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンタ、プ
ロッタ、ファクシミリなどに利用し得る画像形成装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、画像形成装置の１つとして、複数
の開口部（以下、アパチャと称する）が形成された電極
を用いて、その電極に対して画像データに基いて電圧を
印加し、トナー粒子が前記アパチャを通過し得るよう制
御して、通過したトナー粒子により支持体上に画像を形
成するものが、米国特許第３６８９９３５号の明細書に
おいて開示されている。

【０００３】この画像形成装置は、絶縁体よりなる平板
と、この平板の一方の面に形成される連続した基準電極
と、他方の面に形成される互いに絶縁された複数の制御
電極とからなり、前記各制御電極毎に前記３者を貫いて
少なくも１列のアパチャが形成されたアパチャ電極体
と、前記基準電極と制御電極との間に選択的に電位を与
える手段と、印加された電位によってアパチャを通過す
るトナー粒子の流れが変調されるよう帯電したトナー粒
子を供給する手段と、支持体とアパチャ電極体とを相対
的に移動させて支持体を粒子流路中に位置決めする手段
とから構成されている。

【０００４】また、例えば米国特許第４７４３９２６
号、同４７５５８３７号、同４７８０７３３号、および
同４８１４７９６号の明細書には、アパチャ電極体が支
持体側に制御電極、トナー供給側に基準電極を向けて配
設された画像形成装置が開示されている。

【０００５】これに対して、本出願人が既に出願した特
願平４−２３３５２２号の出願では、支持体側にシール
ド電極を、またトナー供給側に制御電極を向けて配設す
ることにより、制御電圧の効率がよく、画像形成速度が
速い画像形成装置を提案している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の画像形成装置は、制御電極と担持体はト
ナー層によって一応は絶縁されているが、トナー層は非
常に薄いため、なんらかの原因でトナー層の欠落部分が
あると容易にショートし、最悪の場合、火花放電により
アパチャ電極体が破損してしまうといった問題があっ
た。

【０００７】また、このことを解決するために、制御電
極表面に絶縁層をコートするといったことも考えられる
が、トナー流の制御性が悪化したり、コート部分が摩擦
帯電してしまい、アパチャ近傍に形成される電界に悪影
響を与えてしまうと言う別の問題が生じた。

【０００８】更に、前記ショートを避けるため、担持体
表面を総て絶縁性としてしまうと、トナーの帯電特性が
安定しないといった問題がある。

【０００９】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、トナー流制御手段の制御部がシ
ョートする恐れがなく、且つ安定して動作する画像形成
装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の画像形成装置は、帯電したトナーの流れを制
御する制御部を有するトナー流制御手段と、その制御手
段にトナーを供給するトナー供給手段とを備え、前記供
給手段は、導電性が領域ごとに異なっているトナー担持
体を備えていることを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記の構成を有する本発明の画像形成装置によ
れば、供給手段のトナー担持体は、導電性が領域ごとに
異なっているので、トナー流制御手段の制御部がショー
トする恐れがなく、且つトナーの帯電特性も安定し、従
って画像形成動作が安定する。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照しながら説明する。

【００１３】図１は、本発明の画像形成装置の概要を示
す図であり、トナー流制御手段としてのアパチャ電極体
１の上側には、１ｍｍの間隙を有して、背面電極板２２
がシャーシ（図示せず）に配設されている。背面電極板
２２の右方には、一対の搬送ローラ１１９が配置されて
おり、それにより支持体２０を搬送して、前記１ｍｍの
間隙に挿入される得るように構成されている。また、前
記アパチャ電極体１の下側には、そのアパチャ電極体１
の長手方向に沿って、トナー供給装置１０が配設されて
おり、更には、前記背面電極板２２によって搬送される
支持体２０の進行先には定着装置２６が配設されてい
る。定着装置２６は加圧ローラ２６ａと内部にヒータを
有するヒートローラ２６ｂから構成されている。

【００１４】次に、上記各構成要素の詳細を説明する
と、前記トナー供給装置１０は、装置全体のハウジング
を兼ねるトナーケース１１と、そのトナーケース１１内
に収納される磁性のトナー１６と、供給ローラ１２と、
トナ−担持体としてのトナー担持スリーブ１４と、その
内側のマグネットローラ１５と、トナー層規制ブレード
１８とから構成されている。

【００１５】ここにおいて、前記トナー担持スリーブ１
４はトナー１６を担持し、アパチャ電極体１に向かって
搬送するものであり、前記供給ローラ１２は、トナー担
持スリーブ１４に対してトナー１６を供給するものであ
る。

【００１６】そして、前記供給ローラ１２は図示する矢
印方向に回転可能に、またトナー担持スリーブ１４は固
定された状態でそれぞれトナーケース１１に支持されて
おり、両者は接した状態で平行に配設されている。マグ
ネットローラ１５はそれ自体が８極のマグネトとなって
おり、これもまた、図示する矢印方向に回転可能に、ト
ナーケース１１に支持されている。

【００１７】前記トナ−担持スリーブ１４は、アルミ等
の導電性金属が素材として用いられるが、アパチャ電極
体１との接触部分のみ、すなわち、トナ−担持スリーブ
１４の頂部部分がその軸方向に絶縁コート１４ａされて
いる。コート材としてはナイロン、ポリイミド、テフロ
ン等絶縁性のある樹脂等であれば良く、コート厚さは例
えば５μｍ程度である。

【００１８】また、前記トナー層規制ブレード１８は、
トナー担持スリーブ１４に担持されるトナー１６の量が
スリーブ面上で均一になるよう調整するとともに、その
トナー１６を均一に帯電させるためのものであり、トナ
ー担持スリーブ１４に圧接されている。前記供給ローラ
１２およびトナー層規制ブレード１８が接触しているト
ナー担持スリーブ１４部分には、前記絶縁コート１４ａ
が存在せず、従ってその部分は導電性となっている。

【００１９】前記アパチャ電極体１は、図２に示すよう
に厚さ２５μｍのポリイミド製の絶縁シート２に直径１
００μｍの複数のアパチャ６が１列に形成され、且つ上
面には厚さ１μｍのシールド電極５が全面に形成され、
また下面に厚さ１μｍの制御電極４が各アパチャ６毎に
形成されたものである。そして、前記アパチャ電極体１
は、図１に示すように支持体２０側にシールド電極５を
対向させた状態で、制御電極４のアパチャ位置でトナー
担持スリーブ１４に対して圧接されている。

【００２０】ここにおいて、前記アパチャ電極体１のア
パチャ６とトナー担持スリーブ１４との位置関係の詳細
を説明すると、図３に示すように、各アパチャ６は各々
の中心線３０がトナー担持スリーブ１４の周面の最上部
分と、トナー担持スリーブ１４の中心軸３２とを通過す
るように配置されている。これによれば、各アパチャ６
は、トナー担持スリーブ１４の周面の最上部分を基準と
して、左右に均等に配置されることにより、各アパチャ
６を通過するトナー１６の分布をアパチャ内の全域で均
一にすることができる。また、アパチャ６の壁面とトナ
ー１６の飛翔方向とが平行であるため、安定してトナー
を飛翔させることができる。

【００２１】更には、アパチャ電極体１自体は、図３に
示すように、トナー担持スリーブ１４に対して、アパチ
ャ６を中心として左右に同じ角度だけたわむように圧接
されている。これにより、アパチャ電極体１とトナー担
持スリーブ１４との接触面積を大きくすることができる
とともに、アパチャ６の下部周辺を左右均一に圧接する
ことができるため、トナーの濃度むらが発生することを
極力抑えることができる。

【００２２】また、前記制御電極４とトナー担持スリー
ブ１４の間には、制御電圧印加回路８が接続されてい
る。この制御電圧印加回路８は、画像信号に基いて制御
電極４に対して０Ｖ、もしくは＋５０Ｖの電圧を印加す
るように構成されている。そして、シールド電極５は担
持スリーブ１４と同電位となるよう接続されている。

【００２３】更には、前記背面電極板２２とトナー担持
スリーブ１４との間には直流電源２４が接続されてお
り、この直流電源は前記背面電極板２２に対して＋１ｋ
Ｖの電圧を印加し得るようになっている。

【００２４】次に、上述のように構成される画像形成装
置の動作を説明する。

【００２５】まず始めに、マグネットローラ１５と、供
給ローラ１２の図１に示す矢印方向の回転により、供給
ローラ１２から送られてくるトナー１６はトナー担持ス
リーブ１４に擦りつけられ、マイナスに帯電させられて
トナー担持スリーブ１４上に担持される。担持されたト
ナー１６は、複数個のトナーが一緒になって担持スリー
ブ上を転動しながら搬送され、層規制ブレード１８によ
って薄層化されるとともに帯電された後、さらにアパチ
ャ電極体１に向かって搬送される。

【００２６】この時本実施例においては、トナ−担持ス
リーブ１４は、それと供給ローラ１２および層規制ブレ
ード１８との両接触部が導電性であるため、トナーを安
定して十分に帯電させることができる。そして、トナー
担持スリーブ１４上のトナー１６は、アパチャ電極体１
の絶縁シート２に擦られつつアパチャ６の下に供給され
る。

【００２７】ここで、画像信号に応じて、その画像部分
に対応する制御電極４には、制御電圧印加回路８から＋
５０Ｖの電圧が印加される。その結果、画像部分に対応
するアパチャ６の近傍には、制御電極４とトナー担持ス
リーブ１４の間の電位差により、制御電極４よりトナー
担持スリーブ１４に向かう電気力線が形成される。それ
により、マイナスに帯電されたトナーは電位の高い方向
に静電力を受け、トナー担持スリーブ１４上からアパチ
ャ６を通過して制御電極４側に引き出される。引き出さ
れたトナー１６は、更に、背面電極板２２に印加されて
いる電圧によって支持体２０とアパチャ電極体１との間
に形成される電界により、支持体２０に向かって飛翔
し、支持体２０上に堆積して画素を形成する。

【００２８】また、非画像部分に対応する制御電極４に
は、制御電圧印加回路８から０Ｖの電圧が印加される。
その結果、トナー担持スリーブ１４と制御電極４との間
には電界が形成されないことにより、トナー担持スリー
ブ１４上のトナー１６は静電力を受けないため、アパチ
ャ６を通過しない。トナー担持スリーブ１４の表面はア
パチャ近傍が前述の如く、絶縁コート１４ａされている
ため、制御電極４とショートすることが無い。

【００２９】更には、支持体２０は、その面上にトナー
１６により１列の画素が形成される間に、アパチャ列と
垂直の方向に１画素分送られる。そして、上記のプロセ
スを繰り返すことにより支持体２０の全面にトナー像が
形成される。その後、形成されたトナー像は、定着装置
２６によって支持体２０上に定着される。

【００３０】上記のように構成される画像形成装置で
は、導電性または絶縁性のいずれのトナーも用いること
ができる。

【００３１】上記のプロセスにおいて、制御電極４によ
る制御電界は、制御電極４とアパチャ６の内部、および
そのアパチャ６と対向するトナー担持スリーブ１４のト
ナー担持面との間に形成されるので、担持されるトナー
１６に直接、制御電界を印加できるため、制御効率がよ
い。

【００３２】また、供給されるトナー１６の一部が、ア
パチャ電極体１との摺動で機械的な力等を受け、非画像
部に対応するアパチャ６内に進入しても、アパチャ６内
部の電界でアパチャ６を通過しないよう制御できるた
め、トナーの制御性が良い。

【００３３】更には、トナー担持スリーブ１４とアパチ
ャ電極体１はトナー層を挟んで対向しているので、比較
的近距離に配置することができることにより、制御電圧
を低くでき、安価な駆動素子を使用することができる。

【００３４】また、アパチャ電極体１とトナー担持スリ
ーブ１４上のトナー１６とは、アパチャ６の入口部分で
接触していることにより、アパチャ６の入口部分に堆積
するトナー１６は、トナー担持スリーブ１４により順次
供給されるトナーにより押し流されるため、トナー１６
が堆積、架橋してアパチャ６を塞ぐことが無い。

【００３５】尚、本発明は、以上詳述した実施例に限定
されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲におい
て、種々の変更を加えることが可能である。

【００３６】例えば、上記実施例では非画像部分に対応
するアパチャの制御電圧を０Ｖとしたが、これは負の電
圧であっても良い。この場合、よりかぶりの少ない画像
を得ることができる。また、上記実施例においては、ト
ナー流制御手段としてアパチャ電極体を用いたが、例え
ば、米国特許第５０３６３４１号の明細書に記載される
ような編目状の電極体を用いることも可能である。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の画像形成装置においては、供給手段のトナー担持
体が、導電性が領域ごとに異なっているので、トナー流
制御手段の制御部がショートする恐れがなく、且つトナ
ーの帯電特性も安定し、従って画像形成動作が安定する
等、優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像形成装置の構成を具体化した一実
施例を示す図である。

【図２】本発明の画像形成装置に用いられるアパチャ電
極体の構成を示す斜視図である。

【図３】本発明の画像形成装置に用いられるアパチャ電
極体とトナー担持スリーブとの構成を模式的に示す図で
ある。

【符号の説明】

１ アパチャ電極体 ２ 絶縁性シート ４ 制御電極 ５ シールド電極 ６ アパチャ ８ 制御電圧印加回路 １４ トナー担持スリーブ １４ａ 絶縁コート ２２ 背面電極板 ２４ 直流電源

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯電したトナーの流れを制御する制御部
   を有するトナー流制御手段と、その制御手段にトナーを
   供給するトナー供給手段とを備え、 前記供給手段は、導電性が領域ごとに異なっているトナ
   ー担持体を備えていることを特徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】 少なくとも前記トナー担持体の、前記制
   御部に対応する部分が絶縁性であり、且つ前記トナ−を
   帯電させる部分が導電性であることを特徴とする請求項
   １に記載の画像形成装置。