JPH0787919B2 - 限定水域での溶存酸素量改良方法およびその装置ならびにこれを用いた魚巣構造体 - Google Patents

限定水域での溶存酸素量改良方法およびその装置ならびにこれを用いた魚巣構造体

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JPH0787919B2
JPH0787919B2 JP29302089A JP29302089A JPH0787919B2 JP H0787919 B2 JPH0787919 B2 JP H0787919B2 JP 29302089 A JP29302089 A JP 29302089A JP 29302089 A JP29302089 A JP 29302089A JP H0787919 B2 JPH0787919 B2 JP H0787919B2
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猛 児玉
勝佳 見並
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、所定の限定水域内での溶存酸素量を高め、当
該水域での溶存酸素量の改良方法およびこれを用いた魚
巣構造体に関する。
[従来の技術] 近年の水質汚濁により、河川,湖,海は溶存酸素量(D
O)が低下し、その生態系が破壊されているところが多
い。このため、所定水域に散気装置を設置し、この散気
装置から少なくともO2を含む気体を噴出しエアレーショ
ンを行う提案がなされている。
第8図にはこの従来技術が示され、浄化の対象となる限
定水域100の底部に散気装置10を設置し、O2を含む気体
を噴出しエアレーションを行う。このエアレーションで
発生する気泡の浮力により、矢印110で示す湧昇流が発
生し、この湧昇流と共に上昇するO2が水に溶け、その溶
存酸素量を高める。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、この従来技術は、水域100内における溶存酸素
量をある程度高めることはできるが、溶存酸素量の増加
した水は短時間で周囲に拡散し、希釈化されてしまう。
特に、このような従来技術では、前記水域100内に矢印
Aで示す流れがあると、エアレーションによって発生し
た溶昇流110そのものが流れAの方向に流れてしまうた
め、溶存酸素量が高められた水の拡散希釈がより早いス
ピードで進行してしまう。
従って、この従来技術を所定水域での浄化や、養魚場,
海洋牧場等の魚巣内での溶存酸素量の改良に用いようと
しても、生態系の維持活性化のために必要とされる溶存
酸素量を十分確保することができないという問題があっ
た。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、所定の限定水域での溶存酸素量を
高めることができる溶存酸素量改良方法を提供すること
にある。
さらに、本発明の他の目的は、魚巣空間を構成する限定
水域内において、所定の生態系の維持,活性化のため必
要されるに十分な溶存酸素量を得ることができる魚巣構
造体を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 前記目的を達成するため、本発明の方法は、散気装置を
用い少なくともO2を含む気体を噴出し、所定の限定水域
の下方から上方に向けた湧昇流を形成するとともに、 前記少なくとも前記限定水域で発生させる湧昇流の形成
に必要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係
数を有する多孔質カーテンを用いて形成された湧昇流拡
散防止用の隔壁を施設し、湧昇流の上昇力を利用し、限
定水域内において湧昇流が自然に上方から下方に向けた
旋回流となる流れを形成し、限定水域内での溶存酸素量
を高めることを特徴とするものである。
また、本発明の溶存酸素量改良装置は、所定の限定水域
に向け、少なくとも02を含む気体を噴出し、下方から上
方に湧昇流を形成する散気装置と、 少なくとも前記限定水域で発生させる湧昇流の形成に必
要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数を
有する多孔質カーテンを用いて形成された湧昇流拡散防
止用の隔壁と、 を含み、所定の限定水域内での溶存酸素量を高めること
を特徴とするものである。
また、前記他の目的を達成するため、本発明の魚巣構造
体は、 魚巣空間の限定水域に向け、少なくともO2を含む気体を
噴出し下方から下方に向けた湧昇流を形成する散気装置
と、 少なくとも前記限定水域で発生させる湧昇流の形成に必
要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数を
有する多孔質カーテンにより形成され、湧昇流の上昇力
を利用し湧昇流が自然に上方から下方に向けた旋回流と
なる流れを形成する湧昇流各散防止用の隔壁と、 を含み、魚巣空間の限定水域内での溶存酸素量を高める
ことを特徴とするものである。
[作 用] まず、本発明では散気装置を用いて所定の限定水域へ向
け少なくともO2を含む気体を噴出するエアレーションを
行い、限定水域の下方から上方に向けた湧昇流を形成す
る。これにより、湧昇流と共に上昇するO2が水に溶融
し、限定水域内への溶存酸素量を高める。
さらに、本発明では、この限定水域に湧昇流拡散防止用
の隔壁を敷設し、湧昇流の上昇力を利用して、湧昇流が
自然に上方から下方へ向けた旋回流となる流れを形成す
る。
この場合、隔壁が透水性を有する多孔質カーテンにて形
成されているため、多孔質カーテンに向かって流れてく
る水の何割かは、このカーテンを通過することとなり、
カーテン自体に作用する圧力が小さくなって、その機械
的強度およびこれを支持する部材の強度を小さくするこ
とが可能となる。また、前記カーテンを湧昇流の形成に
必要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数
を有するものとしているため、湧昇流を確実に形成する
ことが可能である。
このようにして、本発明によれば限定水域内において、
エアレーションによって発生した湧昇流が自然に上方か
ら下方へ向けた旋回流となる流れが形成され、溶存酸素
量の増加した水が周囲へ拡散希釈されない。従って、こ
の限定水域内での溶存酸素量を生態系の維持,活性化の
ために必要な量まで増加し、これと同時に当該水域の浄
化をも行うことができる。
特に、このような溶存酸素改良方法を、魚巣空間を形成
する限定水域に用いることにより、魚巣空間内に生態系
の維持,活性化のために必要な十分な溶存酸素量を確保
することができ、従って本発明は例えば湾内,湖,河川
内における養魚場,海洋牧場等の魚巣構造体が極めて好
適なものとなる。
さらに、本発明では魚巣空間内において十分な溶存酸素
量を確保できるため、この魚巣空間内に光合成の促進に
十分な条件を併せて設定してやれば、植物を繁茂させて
魚類の餌を確保し、食物連鎖を促すことができ、当該水
域内における生態系の維持,活性化をより効果的な行う
ことができる。
このような光合成の促進を行うためには、例えば光ファ
イバーの一端から自然光または光源光を入射し、その他
端側よりその光を魚巣空間の所定部位に出射するよう魚
巣構造体を形成することが好ましい。
さらに、この光ファイバーの他端側を植物性プランクト
ン培養器等に挿通し、この培養器を用いて魚巣空間内に
おけるプランクトンの繁殖を促進させることも好まし
い。
[実施例] 次に、本発明の好適な実施例を図面に基づき詳細に説明
する。
第1実施例 第2図には、本発明が適用された海洋牧場の一例が示さ
れ、その海洋牧場は、ます目状の魚巣空間200を有する
複数の魚巣構造体20−1,20−2,…を整列配置して形成さ
れている。
第1図には、前記魚巣構造体20の断面概略図が示され、
第3図にはその平面概略図が示されている。
実施例の魚巣構造体20は、魚巣空間20の底部中央に設け
られた複数の散気装置10と、魚巣空間200の周囲に敷設
された湧昇流拡散防止用の隔壁14とを含む。
前記散気装置10は、隣接する他の魚巣構造体20の散気装
置とエアダクト12を介して互いに連通され、O2を含む気
体、例えば空気を噴出するエアレーション動作を行う。
このとき発生する多数の気泡の上昇力により、魚巣空間
200にはその下方から上方に向けた湧昇流110が発生し、
多数の気泡に含まれるO2が湧昇流内に溶融することによ
りその溶存酸素量が増加する。
また、実施例のように水面近くに敷設される拡散防止用
の隔壁14を、透水性のない材質を用いて形成すると、隔
壁自体が水の流れに対し十分な強度をもつよう形成する
必要がある。このため、本実施例ではこの隔壁14が、透
水性を有する多孔質カーテン22を用いて形成されてい
る。これにより、この多孔質カーテン22に向かって流れ
てくる水の何割かは、このカーテン22を透過するため、
カーテン22に自体に作用する圧力が小さくなり、その機
械的強度およびこれを支持する部材の強度を小さくする
ことができる。
特に、このような多孔質カーテン22は、水の流れが存在
する水域に水域に魚巣構造体を形成する場合に極めて好
適なものであり、要求される透水性も、限定水域100で
発生させた湧昇流110が旋回流120を形成することを防げ
ない程度であるならば、必要に応じて任意のものを用い
ることができる。
また、前記多孔質カーテン22は、魚巣空間200の水面か
ら所定深さまでの範囲を限定水域100とし、この限定水
域100の周囲を正方形状に囲むよう敷設されている。そ
して、このカーテン22は、その姿勢を垂直状態に保つよ
う、上端が海面上に敷設されたフロート24に取り付け固
定され、その中央部および下端部が、海底に固定された
ワイヤー26により支持されている。
これにおいて、前記多孔質カーテン22としては、所定の
透水係数を有し、しかも耐久性,耐寒性,耐薬品性,耐
候性等各種性質に優れた材質のシートを用いることが好
ましく、実施例では高強度のポリエステル系合性繊維を
使用している。このとき前記透水係数は、魚巣構造体20
が使用される環境によって適宜選定することが好まし
く、実施例では1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SEC程
度の透水係数をもったポリエステル系合成繊維を用いて
いる。
このようにして、限定水域100の周囲を多孔質カーテン2
2で覆うことにより、湧昇流110の上昇力を利用し、湧昇
流110が自然に上方から下方に向けた旋回流120となる流
れを形成することができ、溶存酸素量を高めた水の周囲
への拡散希釈を防止することができる。
従って、本発明の魚巣構造体を用いてエアレーションを
行うことにより、魚巣空間200内における溶存酸素量
を、生態系の維持,活性化のために必要な値以上まで十
分高めることができ、しかも溶存酸素量の増加により魚
巣空間200内を浄化することができる。
なお、この魚巣空間200内において湧昇流110が自然に旋
回流120を形成するためには、限定水域100をどのような
大きさに設定するかが重要な問題となる。この限定水域
100の大きさは、散気装置10のエアレーション能力や、
水深Hおよびその他各種の条件により設定されるが、実
施例では一辺が1.0〜1.5Hの大きさに設定されている。
また、実施例のように複数の魚巣構造体20を組合せて海
洋牧場等を形成する場合には、多孔質カーテン22の下端
部と海底との間の隙間を設け、魚が各魚巣構造体20の魚
巣空間200内を自由に回遊できるように形成することが
好ましい。また、本発明の海洋牧場以外に、例えば所望
の水域の浄化を用いる場合でも、このように周囲の水域
から溶存酸素量が改善された魚巣空間200へ自由に魚が
出入りするよう形成すれば、当該水域付近における生態
系の回復をより速やかに行うこともできる。
また、実施例では海面に近い所に限定水域100を設定
し、この水域への溶存酸素量を高めている。従って、海
面から入射する自然光により、この領域への光合成が促
進され、光合成植物の繁茂の結果、食物連鎖を促すこと
ができるので汚濁物質の除去を効果的に行うことがで
き、かつ、好気性微生物を繁殖できるので水質浄化をも
行うことができる。
第2実施例 次に本発明の好適な第2実施例を図面に基づき説明す
る。
第4図には、本発明が適用された人口魚礁の好適な一例
が示されている。
実施例の人口魚礁は、複数の魚巣構造体20を海底に整列
配置し、各魚巣構造体20内に魚の生活空間的要素を確保
するに十分な魚巣空間200を形成している。
第5図には、前記魚巣構造体20のの概略断面図、第6図
にはその概略説明図が示されている。
実施例の魚巣構造体20は、魚巣空間200を隔壁14で覆う
ように形成されており、実施例の隔壁14は、魚巣空間の
側部を囲むように形成された筒状部30と、その筒状部30
を上方を上下方向に所定の傾斜をつけて覆う天井部32と
から構成されている。
前記筒状部30は、第6図に示すようにその断面が筒状を
四角形となるように形成され、しかも、魚が自由に出入
りできるよう複数の窓34が形成されている。
そして、この魚巣空間200の底部中央には、散気装置10
が設けられ、エアレーション動作を行うことにより魚巣
空間20の底部から上方に向けた湧昇流110を形成すると
共に、この魚巣空間200を囲む隔壁12によりこの湧昇流1
10が旋回流120となるような流れを形成している。
これにより、本実施例の魚巣構造体20によっても、その
魚巣空間200を限定水域100とし、この魚巣空間200内の
溶存酸素量を十分に高めることができる。
また、実施例のように魚巣空間200を形成した場合に
は、エアレーションにより発生した空気を魚巣空間から
逃してやる必要がある。このため前記天井部32の頂部に
エア抜き用のホース36の一端を取付け、このホース36の
他端を海面上に浮かんだフロート38に取付け固定してい
る。これにより、エアレーションにより発生した余分な
空気は、このホース36を介し大気中に放出することがで
きる。
また、前記ホース36の所定箇所に脱臭装置を設けること
が好ましく、これにより、水中を通過した空気に臭気が
付着した場合でもこれを確実に脱臭することができる。
また、このように海底付近に魚礁を構成した場合には光
合成植物が繁殖しにくいという問題がある。
すなわち、魚巣空間200内における溶存酸素量を高める
ことに加え、魚の飼料効果を促進することも魚巣として
の条件として必要であり、特に汚染の著しい水域では魚
の餌を確保することが生息状況を満足する上でもっとも
困難な課題となっている。
本実施例の人工魚礁の利点としては、前述したような一
般的な魚巣としての要点である溶存酸素量を確保するこ
とに加えて、このような魚の飼料効果を確保し生態系を
回復し得る点にある。
汚染水域において生態系を回復するには、食物連鎖をさ
せる必要がある。
食物連鎖は、下記のような生産者,消費者,還元者から
なるサイクルである。
そして、特に重要なのは、生産者である光合成植物の存
在であり、さらにこの光合成に必要な条件(光,炭酸ガ
ス,温度,栄養塩基)である。このうち、汚染水域では
光を確保することが絶対条件となっている。
そこで、本実施例では海面上にフロート50等を用いて集
光装置40を設置し、この集光装置40によって太陽光を集
光し、このうち植物の育成に必要な可視光を光ファイバ
ー42の一端に入射させている。この光ファイバー42は、
魚巣構造体20まで光を伝送し、付着藻類培養ロッド44お
よび植物性プランクトン培養器46の内部に光を出射す
る。
前記培養ロッド44は、白濁色の液密構造であって、内部
に空気が充填された筒形状となっている。
同様に、前記植物性プランクトン培養器46は、白濁色の
液密構造であって内部に空気が充填されている。
そして、前記光ファイバー42から培養ロッド44および培
養器46に光を照射することにより、内部の空気によって
拡散した光がこのロッド44および培養器46の白濁色によ
り比較的穏やかな光として出射されることになる。そし
て、この光量を植物の光合成に最適なものとすることに
より、各ロッド44の外面全域には付着性藻類が繁殖し、
培養器が60の外壁には浮遊性の植物性プランクトンが培
養されることになる。
特に、魚類の生活空間に配置された前記付着藻類培養ロ
ッド44は、その穏やかな光の照射によって魚類の集魚効
果を図ることができ、しかもこの種類の藻類を餌として
好む魚類は、これを食することで順次新たな付着藻類を
育成することが可能となる。
このようなプランクトン,植物は上述した植物連鎖の中
の生産者として作用するので、第1消費者である動物性
プランクトンを繁殖させ、この結果第2次消費者である
魚類の餌を確保することができる。
このように本発明では、たとえ汚染の著しい水域内であ
っても、この水域に光ファイバー42によって光を照射す
ることで生態系を回復することができ、特に海底のよう
に直接光が当らない場所であっても顕著な効果を奏する
ことができる。
第7図には、前記集光装置40の具体的な構成が示され、
この集光装置40は湾曲アーム52に支持された多数のフレ
ネルレンズ54を配置し、この湾曲アーム52に対して前記
フレネルレンズ54を図示しないモータによって揺動自在
としてる。また、湾曲アーム52の支点軸52aが図示しな
いモータによって回転可能となっていて、この結果、フ
レネルレンズ54を太陽光の照射方向に向けることが可能
となっている。
各フレネルレンズ54の光集束位置には、前記光ファイバ
ー42(第7図では図示せず)の一端が配置され、フレネ
ルレンズ54によって集光された光を入射するようになっ
ている。なお、前記フレネルレンズ54は、太陽光が該レ
ンズを通過したときに、その波長によって屈折率が相違
するようになっている。そして、この光ファイバー42の
一端側の位置は、可視光線が焦点を結ぶ位置に設定さ
れ、他の波長の光例えば紫外線,赤外線は光ファイバー
42の一端に入射しないようになっている。
この集光装置40は、上述したように太陽の位置に追従す
る構造となっているが、その制御は内蔵する特許機構が
示す年月日時刻を基に太陽の位置を計算し、この結果に
基づきフレネルレンズ54を太陽の方向に移動するように
している。なお、透明ドームの中には太陽位置検出用光
センサ56が配置され、太陽の直射日光がでている場合に
はこのセンサー56によって正確な太陽の位置をとらえ、
フレネルレンズ54の移動位置を割込み制御するようにな
っている。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、前記実施例では、本発明を湾内等の海洋に設置
される魚巣構造体を例にとり説明したが、本発明はこれ
に限らず湖,河川等に設けられる魚単構造体としての適
用可能であることは言うまでもない。
また、本発明の溶存酸素量改良方法は、魚巣空間の溶存
酸素量の改良ばかりでなく、湾内や河川,湖等の汚濁水
域の浄化にも用いることができ、特に本発明の方法によ
って溶存酸素量が改良された限定水域に向け、例えば光
ファイバー等により自然光または光源光を出射すること
により、この水域への光合成を促進し、食物連鎖を促す
ことができるので、この面からも汚濁物質を除去しその
水質浄化を効果的に行うことができる。
また、前記実施例では、光ファイバー42によって導かれ
る光としては、太陽光を利用するものが自然エネルギー
を利用できる点で優れているが、本発明はこれに限ら
ず、光源光を利用するもの、あるいは太陽光,光源光を
切り替えて利用するものであってもよい。
また、図示せぬが、魚巣構造体に限らず、一般的な限定
水域での溶存酸素量改良装置とすることもでき、この場
合、所定の限定水域に向け、少なくともO2を含む気体を
噴出し、下方から上方に湧昇流を形成する散気装置と、 少なくとも前記限定水域で発生させる湧昇流の形成に必
要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数を
有する多孔質カーテンを用いて形成された湧昇流拡散防
止用の隔壁と、 を含み、所定の限定水域内での溶存酸素量を高めること
を特徴とした構成とするものである。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、所定の限定水域
内に向けO2を含む気体を噴出するエアレーションを行
い、限定水域の下方から上方に向けた湧昇流が、自然に
上方から下方に向けた旋回流となる流れを形成すること
ができる。このため、限定水域内の溶存酸素量を大幅に
高めることができ、当該水域の浄化、および生態系の維
持,活性化を行うことができる。この場合、隔壁が透水
性を有する多孔質カーテンにて形成されているため、多
孔質カーテンに向かって流れてくる水の何割かは、この
カーテンを通過することとなり、カーテン自体に作用す
る圧力が小さくなって、その機械的強度およびこれを支
持する部材の強度を小さくすることが可能となる。ま
た、前記カーテンを湧昇流の形成に必要な1.40×10-2cm
/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数を有するものとして
いるため、湧昇流を確実に形成することが可能である。
特に、本発明によれば、魚巣空間内の限定水域内におけ
る溶存酸素量を十分に高め、魚巣の必要条件としての生
活空間的要素を十分に満足させることができる。
さらに、本発明によれば、このような魚巣の必須要件と
しての生活空間的要素に加えて、光ファイバーによる光
供給を行うことにより、魚巣空間が光の届かない海底等
に設けられた場合でも、また汚濁が著しく水中に光が届
かないような水域であっても、光合成を促進でき、植物
の繁茂による飼料効果を高めることができ、さらに生態
系の回復により、食物連鎖を起すことにより水質の浄化
作用も促進することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図には、本発明の好適な第1実施例が示さ
れ、 第1図はその魚巣構造体の側断面概略説明図、 第2図は第1図の魚巣構造体を複数用いて形成された海
洋牧場の説明図、 第3図は第1図に示す魚巣構造体の表面概略説明図、 第4図〜第7図は、本発明の好適な第2実施例が示さ
れ、 第4図は複数の魚巣構造体を用いて海底に形成された人
口魚礁の説明図、 第5図はその魚巣構造体の側断面概略説明図、 第6図は魚巣構造体の平面概略説明図、 第7図は、第5図に示す魚巣構造体に用いられる集光装
置の説明図、 第8図は従来の溶存酸素量改良方法の一例を示す説明図
である。 10……散気装置、14……隔壁、 20……魚巣構造体、22……多孔質カーテン、 30……筒状部、32……天井部、 42……光ファイバー、 44……付着藻類培養ロッド、 46……植物性プランクトン培養器、 100……限定水域、110……湧昇流、 120……旋回流、200……魚巣空間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 999999999 オルガノ株式会社 東京都文京区本郷5丁目5番16号 (71)出願人 999999999 日本ヘルス工業株式会社 東京都新宿区東五軒町3番25号 (72)発明者 里村 充 神奈川県藤沢市本鵠沼3―12―29 本鵠沼 ビラハイツ405 (72)発明者 高橋 義則 東京都江東区南砂1―10―11 (72)発明者 森 敬 東京都世田谷区上野毛3―16―3―501 (72)発明者 児玉 猛 神奈川県横須賀市馬堀町1―1 (72)発明者 見並 勝佳 千葉県船橋市海神北1―36 西船橋グリー ンハイツ3―303号 (72)発明者 横山 洋司 東京都江東区南砂2―3―1―740 (56)参考文献 特開 昭61−171597(JP,A) 特開 昭63−147599(JP,A) 実開 昭63−136796(JP,U) 実開 昭58−23698(JP,U)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】散気装置を用い少なくともO2を含む気体を
    噴出し、所定の限定水域の下方から上方に向けた湧昇流
    を形成すると共に、 少なくとも前記限定水域で発生させる湧昇流の形成に必
    要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数を
    有する多孔質カーテンを用いて形成された湧昇流拡散防
    止用の隔壁を施設し、 前記湧昇流の上昇力を利用し、限定水域内において湧昇
    流が自然に上方から下方に向けた旋回流となる流れを形
    成し、限定水域内での溶存酸素量を高めることを特徴と
    する限定水域での溶存酸素量改良方法。
  2. 【請求項2】所定の限定水域に向け、少なくとも02を含
    む気体を噴出し、下方から上方に湧昇流を形成する散気
    装置と、 少なくとも前記限定水域で発生させる湧昇流の形成に必
    要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数を
    有する多孔質カーテンを用いて形成された湧昇流拡散防
    止用の隔壁と、 を含み、所定の限定水域内での溶存酸素量を高めること
    を特徴とする限定水域での溶存酸素量改良装置。
  3. 【請求項3】魚巣空間の限定水域に向け、少なくともO2
    を含む気体を噴出し下方から下方に向けた湧昇流を形成
    する散気装置と、 少なくとも前記限定水域で発生させる湧昇流の形成に必
    要な1.40×10-2cm/SEC〜7.5×10-3cm/SECの透水係数を
    有する多孔質カーテンにより形成され、湧昇流の上昇力
    を利用し湧昇流が自然に上方から下方に向けた旋回流と
    なる流れを形成する湧昇流各散防止用の隔壁と、 を備える限定水域での溶存酸素量改良装置を含み、魚巣
    空間の限定水域内での溶存酸素量を高めることを特徴と
    する魚巣構造体。
  4. 【請求項4】請求項(3)において、 前記限定水域は、水域の深部に設定され、 前記隔壁は、 前記限定水域の側部を囲むよう形成された筒状部と、 この筒状部の上方を上下方向に所定の傾斜を付けて覆う
    天井部と、 を含み、 前記天井部と水面との間にエア抜き用のホースを設けた
    ことを特徴とする魚巣構造体。
  5. 【請求項5】請求項(3)または(4)において、 自然光または光源光を一端より入射し、前記魚巣空間の
    限定水域に、多端側よりその光を出射する光ファイバー
    を設けたことを特徴とする魚巣構造体。
  6. 【請求項6】請求項(5)において、 前記限定水域には、前記光ファイバーの多端側が挿入さ
    れた植物性プラクトン培養器が設けられたことを特徴と
    する魚巣構造体。
  7. 【請求項7】請求項(4)〜(6)のいずれかにおい
    て、 前記エア抜きホースに脱臭装置を設けたことを特徴とす
    る魚巣構造体。
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