JPH078726A

JPH078726A - セラミックフィルタ

Info

Publication number: JPH078726A
Application number: JP17204793A
Authority: JP
Inventors: Kazuichi Watanabe; 和一渡辺; Toshiyuki Nashimoto; 俊行梨本
Original assignee: Nittetsu Mining Co Ltd
Current assignee: Nittetsu Mining Co Ltd
Priority date: 1993-06-21
Filing date: 1993-06-21
Publication date: 1995-01-13

Abstract

(57)【要約】【目的】成形性に優れて濾過面積を増やすことができ、
かつ可撓性に優れる丈夫で軽量なセラミックフィルタを
提供する。【構成】本発明のセラミックフィルタの素材１０は、通
気性を有するシート状に成形されたセラミック繊維１２
からなる母材１１と、この母材１１の一方の側の表面に
設けられた粒子間に微細気孔１７を有するセラミック粒
子層１５とからなる。前記母材１１は長短のセラミック
繊維１２が互いに絡み合って可撓性に富むともに極めて
軽量かつ丈夫で成形性に優れたものとなる。そして、こ
の母材１１の一方の側の表面に設けられたセラミック粒
子層１５の微細気孔１７が濾過作用を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はフィルタに関し、更に詳
しくは、各種プラントから排出されるガス等の気体に含
まれている塵埃を濾過するのに好適なセラミックフィル
タの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、各種の分野においてフィルタが使
用されており、中でも各種生産工場において煤塵等を濾
過して公害等を防止する目的で使用されているものも多
い。このフィルタの中でも耐温度性能の高いセラミック
フィルタは、例えば焼却炉における煤塵の捕集や、化学
・鉄鋼・窯業等の分野における高温ガスからの製品回収
に使用されてきている。特に最近においては、例えば５
００℃以上もの高温にも耐える集塵装置が望まれてい
る。そして、このような高温雰囲気で使用される集塵装
置用のフィルタとしてセラミックフィルタが用いられて
いるが、このセラミックフィルタは耐熱性に優れている
のみならず、塩酸ガスや亜硫酸ガスに対しても耐蝕性が
あることから、様々なタイプのものが開発されている。
例えば、実開昭６２−１９０６１９号公報には、セラミ
ック粉粒を溶融接合してなる気孔率３５〜６０％の筒状
体に、軸方向の屈曲が連続的に成形されたセラミックフ
ィルタが記載されている。また、特公昭６３−２４７３
０号公報には、セラミック原料粉末に粘結剤焼結助剤な
どを混合し、ドクターブレード法でもって成形し、所望
の大きさに切断した複数のセラミック生シート間に一定
方向に有機質線状体を配列した後、上記セラミック生シ
ート同士を圧着する行程を経た後、１４００〜１６００
℃の高温酸化雰囲気中にて焼結する行程よりなるセラミ
ックフィルタの製造方法が記載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、フィルタ１
個あたりの表面積、すなわち濾過面積を大きくすること
により集塵能力を向上させてフィルタを小型化すること
ができるものである。したがってフィルタの素材は、表
面積を増加させるために例えば蛇腹状に成形できるなど
成形性に優れたものであることが望ましい。しかし、上
述した従来のセラミックフィルタは、重くて脆いセラミ
ック粒子の焼結体を素材としているから、複雑な形状に
成形するのは難しく、その表面積を増加させて小型化す
ることが困難であった。さらに、セラミック焼結体から
なる従来のセラミックフィルタは可撓性が無いことか
ら、例えば所定の形状に形成されたものにフィルタの内
側から高圧エアを供給して、フィルタ外周面に付着した
塵埃をふるい落とすような逆洗作業を行う場合におい
て、逆洗用空気の圧力を高める必要があり、又、逆洗に
よる再生能力が劣っている。一方、強度的に高いセラミ
ックフィルタにおいてはフィルタ部分の肉厚が厚くなる
ために、重量が嵩み取扱い性が低下するだけでなく、セ
ラミック素材を多く必要としコスト面においても問題を
抱えていた。

【０００４】そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなさ
れたもので、従来のセラミックフィルタが持つ上記の欠
点を解消することができるセラミックフィルタを提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、通
気性を有するシート状に成形されたセラミック繊維から
なる母材と、この母材の一方の側の表面に設けられた粒
子間に微細気孔を有するセラミック粒子層とからなるこ
とを特徴とするセラミックフィルタによって達成され
る。

【０００６】

【作用】本発明のセラミックフィルタの、通気性を有す
るシート状に成形されたセラミック繊維からなる母材
は、長短のセラミック繊維が互いに絡み合って可撓性に
富むと共に極めて軽量かつ丈夫であるので、様々な形状
にするにも容易であり成形性に優れている。そして、こ
の母材の一方の側の表面に設けられた粒子間に微細気孔
を有するセラミック粒子層が濾過作用を行い、この濾過
作用のあるセラミック粒子層が前記セラミック繊維から
なる母材に担持されているので、耐熱性、耐腐触性、耐
久性が高い。

【０００７】

【実施例】本発明のセラミックフィルタの１実施例を、
添付した図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図１
は本発明のセラミックフィルタの断面を模式的に示す説
明図、図２は本発明の筒状のセラミックフィルタを示す
斜視図、図３は図２に示すセラミックフィルタの断面
図、図４は同じく箱状に成形したセラミックフィルタを
示す斜視図、図５は図４に示すセラミックフィルタの断
面図である。

【０００８】本実施例のセラミックフィルタは、図１に
示すように、通気性を有するシート状に成形されたセラ
ミック繊維からなる母材１１と、この母材１１の一方の
側の表面に設けられた粒子間に微細気孔１７を有するセ
ラミック粒子層１５とからなるフィルタ素材１０から成
形されている。前記母材１１は、例えばシリカ（ＳｉＯ
2）等のセラミック材料からなる直径２〜６ミクロンの
繊維を漉き上げることにより、厚さ０．５〜５ミリのシ
ート状としたもので、長短のセラミック繊維が互いに絡
み合うことにより可撓性に優れるともに極めて軽量かつ
丈夫なものとなっている。また、前記セラミック粒子層
１５は、セラミック質と有機質の混合物を前記母材１１
の表面に吹き付け等の方法によりコーティングするとと
もに、乾燥後に５００〜１０００℃の温度で焼結させて
有機物を消失させることにより、セラミック粒子１６の
間に微細な気孔１７を形成したものである。濾過作用は
このセラミック粒子層１５により行われる。また、前記
微細気孔１７の径が母材の目より細かいので母材１１は
目詰まりを起こすことがない。また、従来のフィルタの
ように、例えばフィルタの使用状態にセットしてからそ
の表面に塵埃を付着させた一次粒子層の形成が不要であ
るので、フィルタ使用開始時に要する時間を短縮するこ
とができるようにされている。

【０００９】そして、シート状とされた前記母材１１を
折り曲げたり蛇腹状に折り畳んだりして適宜形状に成形
した後、その表面に前記セラミック粒子層１５を設ける
ことにより、表面積の大きいフィルタに成形することが
できる。そして、逆洗作業時には前記母材１１が撓むか
ら、フィルタ２１の外表面に付着した塵埃を容易にふる
い落とすことができる。一方、前記セラミック粒子層１
５の内部に前記母材１１表面のセラミック繊維が取り込
まれているから、母材１１が撓んでも、両者が互いに分
離することがない。また、その重量は、４００〜１１０
０g/m²と超軽量で、従来のセラミック焼結体からなるフ
ィルタに比較して１／１０程度の重量である。さらに、
濾過性能は、濾過速度に対する圧力損失で評価して従来
のセラミックフィルタと同等である。なお、母材１１と
してセラミック繊維からなる前記シートを複数枚重ねて
用いることとしても良い。

【００１０】次に、上述のフィルタ素材１０を用いて成
形されたセラミックフィルタの具体例を説明する。図２
に示すフィルタ組立体２０は、上述のフィルタ素材１０
を用いて筒型のフィルタとしたもので、セラミックフィ
ルタ２１と、このセラミックフィルタ２１の下方の開口
をふさぐ封止部材２３、およびこのフィルタ２０を集塵
装置に取り付けるための取り付け部材２５を有してい
る。

【００１１】前記フィルタ２１は、上述のフィルタ素材
１０から、図３に断面図として示すように壁面に蛇腹状
の屈曲部２２を備えた筒状に成形したものである。これ
により、このフィルタ２１の表面積は従来の円筒状のフ
ィルタに対して２〜３倍に増やされている。そして、こ
の筒状のフィルタ２１の一方の開口はやはりセラミック
製の前記封止部材２３により封止されている。また、こ
の筒状のフィルタ２１の反対側の開口には、このフィル
タ組立体２０を集塵装置に固定する取り付け部材２５が
設けられている。この取り付け部材２５は貫通孔２５ａ
を有する円筒状の部材で、その外周面にはネジ２６が刻
設されて、集塵装置のフィルタ支持部分にねじ込むこと
により取り付けられるようにされている。そして、この
フィルタ組立体２０の周囲に供給された塵埃を有するガ
スは、前記セラミックフィルタ２１により濾過されると
ともに、前記貫通孔２５ａを通って外部に排出するよう
にされている。

【００１２】すなわち、本実施例１のフィルタ組立体２
０は壁面に蛇腹状の屈曲部２２を備えた筒状に成形した
から、その表面積が従来の円筒状のフィルタに対して２
〜３倍に増やされて、フィルタの単位設置面積当たりの
集塵能力が大幅に向上する。さらに、前記フィルタ組立
体２０は上述のように極めて軽量であるから、従来のセ
ラミックフィルタのように下方から支持する支持装置が
不要で、集塵装置の内部に吊り下げるように取り付ける
ことができる。これにより、本実施例１のフィルタ組立
体２０を取り付ける集塵装置の構造を簡単なものにする
ことができる。また、本実施例１のフィルタ組立体２０
は筒型とされているので、取り扱いが容易であるから、
集塵装置への脱着作業を容易に行うことができると共
に、集塵装置の容器の断面形状に合わせた配置でコンパ
クトに取付けることができる。

【００１３】本実施例２のフィルタ組立体３０は、図４
に示すような箱形とされている。そして、そのフィルタ
３１は、図５に断面図として示すように、上述のフィル
タ素材１０のシート状母材１１を蛇腹状に折り曲げて構
成した壁面３２を互いに向かい合わせるとともに、その
両端末を側壁３３で連結し、その後にセラミック粒子層
をその外表面に形成したものである。そして、その取り
付け枠３５の四隅に設けられた取り付け孔３６を用いて
集塵装置に取り付けるようにされている。すなわち、本
実施例２のフィルタ組立体３０は、箱形に成形されて大
容量の集塵装置に適したものとすることができる。本発
明のセラミックフィルタを用いたフィルタ組立体の形状
等の構成は上記実施例に限定されるものでなく種々変更
可能である。

【００１４】

【発明の効果】本発明のセラミックフィルタは、通気性
を有するシート状に成形されたセラミック繊維からなる
母材と、この母材の一方の側の表面に設けられた粒子間
に微細気孔を有するセラミック粒子層とから成形したの
で、以下のような優れた効果を得ることができた。すな
わち、本発明のセラミックフィルタは、その母材が可撓
性に富むともに極めて軽量かつ丈夫で成形性に優れたも
のとなるから様々な形状に容易に成形でき、表面積の大
きい、すなわち濾過面積の大きいフィルタを成形でき
る。これにより、セラミックフィルタを小型にして、集
塵装置におけるフィルタの設置面積を小さくすることが
できる。さらに、本発明のセラミックフィルタは可撓性
に優れているので、より高圧の空気を用いる逆洗作業を
行う必要なしに逆洗再生能力を向上することができる。
又、軽量かつ十分な強度を有することから取扱い時の破
損の問題も解消され、取り付けられた装置のメンテナン
ス性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のセラミックフィルタの断面を模式的に
示す説明図である。

【図２】本発明のセラミックフィルタから成形した筒状
のフィルタ組立体を示す斜視図である。

【図３】図２に示すセラミックフィルタの断面図であ
る。

【図４】本発明のセラミックフィルタから成形した箱状
のフィルタの組立体示す斜視図である。

【図５】図４に示すセラミックフィルタの断面図であ
る。

【符号の説明】

１０フィルタ素材１１母材１２セラミック繊維１５セラミック粒子層１６セラミック粒子１７微細気孔２０筒状フィルタ組立体２１セラミックフィルタ２２屈曲部２３封止部材２５取り付け部材２６ネジ３０箱状フィルタ組立体３１セラミックフィルタ３２屈曲部３３側壁３５取り付け枠３６取り付け孔

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】通気性を有するシート状に成形されたセ
ラミック繊維からなる母材と、この母材の一方の側の表
面に設けられた粒子間に微細気孔を有するセラミック粒
子層とからなることを特徴とするセラミックフィルタ。
【請求項２】蛇腹状の屈曲部を備えて筒状に成形され
ていることを特徴とする請求項１に記載のセラミックフ
ィルタ。
【請求項３】蛇腹状の屈曲部を備えて箱状に成形され
ていることを特徴とする請求項１に記載のセラミックフ
ィルタ。