JP7327871B2 - 高温集塵セラミックフィルターエレメント - Google Patents

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Description

本発明は、煤塵を含み常温から高温までの温度域を有する排ガスの集塵用の高温集塵セラミックフィルターエレメントに関する。
下水汚泥焼却炉や工業用炉などから排出される高温の排ガスには、スス、未燃物などの粒子状物質からなる煤塵が含まれている。そのため、該高温の排ガスを処理するろ過集塵装置内には、該煤塵の除塵用の高温集塵セラミックフィルターエレメント(以下、フィルターエレメントとも称する)が取り付けられている。このフィルターエレメントの形状には様々なタイプが提案されており、例えば平面状、曲面状、又はろ過面積を広くするためジグザグ状に折り畳んだ形状、さらには両端が開口した円筒型や一端が開口し他端が封止された有底円筒状のいわゆるキャンドル型が提案されている。
上記のフィルターエレメントには、できるだけ小さな圧力損失で所望の除塵性能を発揮することが要求されるほか、高温の排ガスに連続的に暴露されるので約500℃以上の耐熱性が要求される。また、ろ過集塵装置の規模や方式、煤塵の種類や粒度によって要求される仕様が異なることがあるため、様々な除塵性能や圧力損失の上限値等に柔軟に対応できるように高い設計自由度を有していることが好ましい。さらには、取り扱いが容易になるように軽量で高強度であること、及び目詰まりが生じにくく長期間に亘って使用できること、すなわち長寿命であることが望ましい。
1次側(熱面側又は集塵面側とも称する)から2次側(冷面側とも称する)に高温の排ガスを透過させることで除塵を行う高温集塵セラミックフィルターエレメントは、通常は該冷面側からブロワーなどを引いて排ガスを吸引することで該集塵面側に煤塵を捕集する。そのため、時間の経過と共に集塵面側に煤塵が堆積していき、ある程度時間が経過すると圧力損失が大きくなりすぎて除塵性能が低下する。そこで、定期的に冷面側からパルスエアー(洗浄用高圧空気)を導入することで、フィルターエレメントに通常とは逆方向(すなわち、2次側から1次側の方向)にエアーを流し、これにより集塵面側に堆積した煤塵を払い落すいわゆる逆洗が一般的に行われる。
上記の逆洗により圧力損失がほぼ元に戻るので、除塵性能をある程度回復させることができる。しかしながら、長期間に亘って使用しているうちに上記の逆洗では回復が困難な程度の目詰まりが生じ、これに伴い圧力損失が徐々に増大することがある。この場合は、圧力損失が高くなりすぎて例えば上記の吸引側のブロワーで排ガスを吸引することができなくなった時点でフィルターを新しいものと交換することが一般的に行われている。従って、フィルターエレメントは、できるだけ上記の目詰まりが生じにくいものが望ましい。
また、上記の交換に用いる新たなフィルターエレメントが、輸送時や設置時のハンドリングにより破損しない強度を有することが望まれる。さらに、近年はろ過集塵装置を小型化する傾向があり、これに合わせてキャンドル型フィルターの場合は軸方向の長さを長くしたり、隣接するフィルター同士の間隔を狭くしたりすることが行われている。その結果、地震等の揺れによりこれら隣接するフィルターが互いに接触しやすくなっており、その場合でも容易に破損しない程度の強度や構造が求められている。
上記のキャンドル型や円筒型のフィルターエレメントの製造方法としては、例えば特許文献1に開示されているような湿式成形法や、特許文献2に開示されているような射出成形法が知られている。なお、湿式成形法とは、無機繊維、無機バインダー、及び水を所定の配合割合で混合して得たスラリーを脱水成形して所定の形状の成形体を作製する方法であり、射出成形法とは、上記と同様に調製した無機繊維を含むスラリーを射出して成形体を成形する方法である。
しかしながら、従来のセラミックフィルターは強度不足で破損しやすいため、特許文献3に開示されているように、セラミックフィルターに保護装着用部材を取り付けることで、破損してもある程度は操業を継続できるようにする技術が提案されている。このように保護装着用部材を設けることでセラミックフィルターを補強することが可能になるものの、該部材の取り付けに手間とコストがかかるので、上記のような保護装着用部材を用いることなくセラミックフィルター自体を高強度にするか、又は加圧等により応力がかかったときにある程度変形しても破断にまでは至らない構造にするのが好ましい。
このようなセラミックフィルター自体の高強度化の技術として、特許文献4には、セラミック繊維からなる基材と、その表面に形成したフィルター層とから構成されるセラミックフィルターにおいて、ムライト質の長繊維を用いてフィラメントワインディング法により製織した後、アルミナゾル及びシリカゾルを含浸させて焼成することで基材を形成する方法が開示されており、これにより主としてムライトからなる結合部により結合固化されたセラミックフィルターエレメントの基材が得られると記載されている。
また、特許文献5には、積層したブランケット状セラミックファイバーをシリカゾル等のバインダーに含浸させた後、乾燥することで平板状の繊維質成形体を作製する技術が提案されている。この繊維質成形体は湿式成形品と比べてかさ比重が小さくて軽量であり、繊維の絡みが多いのでたわみ性に優れ、バインダーにより表面が適当な硬さを有するため、炉内において物体が当たっても損傷しにくく、耐熱衝撃性にも優れると記載されている。さらに特許文献6には、セラミックファイバーブランケットにシリカゾル等を無機接着剤として塗布してロール表面に巻回積層し、これにより円筒状にした成型品が提案されている。
特開2002―045627号公報 特表2005―523154号公報 特開2018―015682号公報 特開2001―046818号公報 特開平3―257079号公報 特開昭53―081518号公報
しかしながら、上記の湿式成形や射出成形による成形方法では、繊維を均一に分散するために解繊する必要がある。この解繊では繊維が折れて繊維長が短くなるため、繊維の絡みが少なくなって強度が不足することがあった。その対策として、繊維の配合割合を多くしたり、無機粒子や無機バインダーの配合割合を多くしたりする等の対処法があり、これにより強度を向上させることが可能になるが、その際、気孔率が小さくなる問題が生じることがあった。逆に、要求される除塵性能と圧力損失を優先させると、耐久試験や耐震試験において強度不足により破損することがあった。
また、特許文献4の技術は圧力損失が大きくなりすぎて、所望の除塵性能と圧力損失の条件を短期間で満たさなくなることがあった。さらに特許文献5及び6の技術は断熱材を用途にしているため、表面の硬さや強度及び耐熱衝撃性が優先されており、よって高温集塵セラミックフィルターエレメントの用途としては、圧力損失が高くなりすぎて適していないと考えられる。
上記のように、セラミックフィルターエレメントには繰り返しかかる熱応力や振動等で容易に破断することのない強度や構造が求められている。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、常温から高温までの温度域において耐熱衝撃性を有し、輸送時や設置時のハンドリング性に優れ、運転時の振動や地震の揺れに耐える強度や構造を有し、様々な仕様に対応して除塵性能や圧力損失を変更できる設計の自由度を有する高温集塵用のセラミックフィルターエレメントを提供することを目的としている。
本発明者は、上記の種々の要件のうち、繰り返しかかる熱応力や振動等で容易に破断することがなく、低圧力損失を実現するには、セラミック繊維同士の絡みを多くすることが望ましいと考えて鋭意研究を重ねたところ、繊維同士の絡みが多いマット状の集積体、又はこれをニードリング処理したニードルブランケットをフィルターエレメントの基材として用いることで、上記要件を満たす高温集塵用のセラミックフィルターエレメントが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る高温集塵セラミックフィルターエレメントは、1種以上の耐熱性無機繊維をマット状に成形した集積体、若しくは該集積体をニードリング処理したニードルブランケット、又はこれらの両方を基材として用いたセラミックフィルターエレメントであって、無機バインダーとフィラーとからなる表面処理層を有し、かさ密度が250~600kg/mであり、前記フィラーは、メジアン径D50が2~10μmの少なくともアルミナ又はムライトからなる無機粒子と、アルミナ繊維、ムライト繊維、シリカ・アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、及び生体溶解性繊維からなる群のうちの1種以上の無機繊維とからなることを特徴とする。
本発明によれば、常温から1000℃程度の高温までの温度域において耐熱衝撃性を有し、輸送時や設置時のハンドリング性に優れ、運転時や地震時の揺れに対する強度を有し、除塵性能や圧力損失をある程度変更できる設計自由度を有する高温集塵セラミックフィルターエレメントを提供することができる。
本発明の実施形態に係る高温集塵用のフィルターエレメントの形状の具体例である平板形状(a)及び曲板形状(b)の斜視図である。 本発明の実施形態に係る高温集塵用のフィルターエレメントの形状の他の具体例であるジグザグ形状の斜視図である。 本発明の実施形態に係る高温集塵用のフィルターエレメントのさらに他の具体例である円筒型(a)及び角筒型(b)の斜視図である。 本発明の実施形態に係る高温集塵用のフィルターエレメントのさらに他の具体例であるキャンドル型の斜視図(a)及び縦断面図(b)である。
以下、本発明に係る高温集塵セラミックフィルターエレメントの実施形態について詳細に説明する。この本発明の実施形態の高温集塵セラミックフィルターエレメントは、その基材に、1種以上の耐熱性無機繊維をマット状に成形した集積体(以降、マット状集積体とも称する)、若しくは該マット状集積体をニードリング処理したニードルブランケット、又はこれらの両方を用いている。該耐熱性無機繊維は、耐熱温度500℃以上1600℃以下の無機繊維であり、例えばアルミナ繊維、ムライト繊維、シリカ・アルミナ繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ・マグネシア・カルシア系繊維等の生体溶解性繊維等を挙げることができる。なお、耐熱温度T℃とは、最高使用温度T℃と称することもあり、雰囲気温度T℃で24時間加熱したときの加熱線収縮率が4.0%以下の場合をいう。
上記耐熱性無機繊維は、平均繊維径が2~15μmであるのが好ましく、4~10μmであるのがより好ましい。この平均繊維径が2μm未満では、最終的に成形したフィルターエレメントの圧力損失が大きくなりすぎるおそれがあり、逆にこの平均繊維径が15μmを超えると、靭性が損なわれやすくなるので最終的に成形したフィルターエレメントの耐熱衝撃性が悪化するおそれがある。また、上記耐熱性無機繊維は、平均繊維長が1000μm以上であるのが好ましく、3000μm以上であるのがより好ましい。さらに上記耐熱性無機繊維は、かさ密度が30~160kg/mであるのが好ましく、80~130kg/mであるのがより好ましい。
なお、上記の平均繊維長とは、測定対象となる繊維群を電子顕微鏡で撮影し、得られた画像上の任意の100本の繊維に対して、それらの長手方向の端から端までの直線距離を計測し、それらを算術平均して求めたものである。一方、上記の平均繊維径とは、測定対象となる繊維群を電子顕微鏡で撮影し、得られた画像上の任意の200本の繊維に対して、それらの任意の部分の幅を計測し、それらを算術平均して求めたものである。
本発明の実施形態のフィルターエレメントは、その基材に、上記の耐熱性無機繊維をマット状に成形した集積体を使用してもよいし、該マット状集積体をニードリング処理したいわゆるニードルブランケットを使用してもよいし、1層以上のマット状集積体及び1層以上のニードルブランケットを積層して使用してもよい。なお、ニードリング処理とは、無機繊維からなるマット状の集積体に対して、その少なくとも一方の面(処理面)からニードルパンチ機の複数の針状体を繰り返し打ち込むことで繊維同士を交絡させるいわゆる針刺し処理のことである。
上記のニードリング処理においては、ニードリング密度として定義される針状体が打ち込まれる処理面の1cmあたりの打込み数が5~200打であるのが好ましく、10~100打であるのがより好ましい。このニードルリング密度が5打/cm未満では、ニードルブランケットからなる基材の厚みの均一性が低下し、最終的にフィルターエレメントの形態に成形したときのろ過厚さが不均一になるおそれがある。逆に、このニードリング密度が200打/cmを超えると、耐熱性無機繊維を折損したり、小さな曲率を有する形状に基材を加工できにくくなったりする等の問題が生じるおそれがある。
上記のマット状集積体には、例えば、アルミナ繊維ではデンカ株式会社製のアルセン(登録商標)、ムライト繊維では株式会社ITM製のファイバーマックス(登録商標)、ガラス繊維では日本グラスファイバー工業株式会社製のMNA(商品名)、シリカ繊維では日本グラスファイバー工業株式会社製のMSS(商品名)、シリカ・アルミナ繊維ではイソライト工業株式会社製のイソウール(商品名)、シリカ・マグネシア・カルシア系繊維等の生体溶解性繊維ではイソライト工業株式会社製のイソウールBSSR1300(商品名)などを好適に使用することができる。
一方、上記のニードルブランケットにも市販のものを用いてもよく、例えば、アルミナ繊維ではデンカ株式会社製のアルセン(登録商標)、ムライト繊維では株式会社ITM製のファイバーマックス(登録商標)、ガラス繊維では日本グラスファイバー工業株式会社製のMNA(商品名)、シリカ繊維では日本グラスファイバー工業株式会社製のMSS(商品名)、シリカ・アルミナ繊維ではイソライト工業株式会社製のイソウール(商品名)、シリカ・マグネシア・カルシア系繊維等の生体溶解性繊維ではイソライト工業株式会社製のイソウールBSSR1300(商品名)などを好適に使用することができる。
上記の基材としてのマット状集積体又はニードルブランケットは、フィルターエレメントとして用いる際に1次側となる表面部に無機バインダーとフィラーとからなる表面処理層が形成されている。表面処理層を構成するこれら無機バインダーとフィラーとの配合割合は、質量基準で70:30~90:10の範囲内にあるのが好ましい。上記の無機バインダーには、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾル又はそれらの2種以上の混合物を用いるのが好ましい。一方、上記のフィラーには、上記の耐熱性無機繊維からなるニードリング処理された集積体のうち、表面部の繊維間の空隙を部分的に埋めて適正な気孔径にすることが可能な充填材が用いられる。
このような充填材としては、具体的にはアルミナ及びムライトのうち少なくとも一方からなるメジアン径D50が2~10μmの無機粒子と、上記の集積体の素材としても用いることが可能な耐熱温度が500℃以上1600℃以下の耐熱性無機繊維、すなわち、アルミナ繊維、ムライト繊維、シリカ・アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、及び生体溶解性繊維からなる群のうちの1種以上とを用いるのが好ましい。上記フィラーを構成するこれら無機粒子と耐熱性無機繊維との配合割合は、質量基準で70:30~90:10の範囲内にあるのが好ましい。上記のフィラーとして用いる無機粒子のメジアン径D50が2μm未満では、上記繊維間の空隙を埋めた時に形成される気孔径が小さくなり過ぎてフィルターエレメントとして用いた時に圧力損失が大きくなるので好ましくない。逆にこの無機粒子のメジアン径D50が10μmより大きいと、適正な大きさの気孔径を超えた過大な気孔径の割合が増えるので好ましくない。なお、メジアン径D50とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により求めた体積基準の粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
このように、無機バインダーとフィラーとを用いてニードリング処理された積層体を表面処理することで、部分的に緻密な層が形成されるので高強度や耐食性向上等の特性が得られるうえ、適正な気孔径を形成することが可能になる。例えば、ニードルブランケットでは、その気孔径が50~800μm程度と広範囲にばらついているが、上記のように無機バインダーとフィラーとを用いて表面処理することで、50~100μm程度の適正な気孔径を形成することが可能になる。この場合、無機バインダーや無機粒子だけで適正な気孔径に調整するのは容易でない。なお、上記の気孔径は「JIS R1665 ファインセラミックスの水銀圧入法による成形体気孔径分布試験方法」によって測定したものである。
上記の表面処理層の形成方法としては、例えば上記のニードルブランケットを所定の形状に成形した後、そこに上記無機バインダーとフィラーとの混合物に水を加えて調製したスラリーを含浸させる方法でもよいし、上記のニードルブランケットに先ず上記無機バインダーに水を加えて調製したスラリーを含浸しながら所定の形状に成形し、これを乾燥した後、再度上記無機バインダーとフィラーとの混合物に水を加えて調製したスラリーを含浸させる方法でもかまわない。
上記の含浸させる方法には特に限定はなく、上記1次側の表面部にハケなどを用いて塗布してもよいし、該表面部にスプレー等により塗布してもよいし、該スラリーを調製した容器に該表面部を浸漬してもよい。その際、上記の無機バインダーやフィラーを含んだスラリーの固形分濃度は、最終的に作製するフィルターエレメントの所望のかさ密度、厚さ、硬度、曲げ強さ、耐熱衝撃性等の諸特性を実現するために適宜設定される所定の含浸量又はスラリー乾燥後に残留する所定の固形分量を得るため、一般的には20~50質量%が好ましい。このスラリーの固形分濃度が20質量%未満では、所望の含浸量が得られにくくなるおそれがあり、逆に50質量%を超えると粘度が高くなりすぎて含浸しにくくなり、含浸むらになったり、上記諸物性が悪化したりするおそれがある。
上記のスラリーを含浸させた後は、フィルターエレメントとして用いるとき1次側となる面側、すなわち高温の排ガスが流入する面側から乾燥する。これにより、高温集塵フィルターエレメントとして用いるときに、煤塵を含む高温の排ガスが接触する1次側に表面処理層(被覆層)が形成される。上記の乾燥は、一般的に雰囲気温度90~130℃で5~10時間程度保持する乾燥条件が好ましい。上記の温度が90℃未満では十分に乾燥されなくなるおそれがあり、逆に130℃を超えると基材の表層部で急激な水分の蒸発が起こり、これにより発生した蒸気の表面側への移行に伴って固形分が表面近傍に集中し、厚み方向での含浸むらが生じるおそれがある。また、乾燥時間が5時間未満では十分に乾燥されなくなるおそれがあり、逆に10時間を超えても乾燥により得られる効果はほとんど変わらないので不経済になる。
上記の乾燥処理後は、ろ過集塵装置への設置前に、必要に応じて該基材を焼成処理する。その際の焼成条件としては、雰囲気温度500~1000℃で0.3時間以上保持するのが好ましく、0.5時間以上保持するのがより好ましい。なお、上記のろ過集塵装置への設置前の焼成処理に代えて、該ろ過集塵装置への設置直後に、操業開始段階の高温の排ガスにより基材を焼成処理してもよい。上記のように焼成処理することで無機バインダーの強度が発現される。なお、上記の表面処理層の厚みは0.4~1.0mm程度が好ましく、この厚みから上記1次側の表面の1cmあたりに必要な上記スラリーの量を求めることができる。
上記のフィルターエレメントの形状は、ろ過集塵装置に合わせて様々な形状に成形することができ、例えば図1に示すような(a)平板状若しくは(b)曲板状、又はろ過面積をより広くするため、図2に示すようなジグザグ状に折り畳んだ形状、さらには図3に示すような(a)円筒型や(b)角筒型、図4に示すようなキャンドル型に成形することができる。なお、図1~4には、フィルターエレメントFの1次側となる面に表面処理層Sを形成した例が示されているが、この表面処理層Sが形成される面は、図1~4に示されている面とは反対側の面に形成してもよい。例えば、図3(a)では円筒状フィルターエレメントの外周側に表面処理層Sが設けられているが、これに限定されるものではなく、内周側に表面処理層を設けてもよい。この場合は該内周側が1次側となり、円筒形フィルターエレメントの内側から外側に向って降温の排ガスが透過することになる。
上記の焼成処理により、かさ密度250~600kg/m、3点曲げ試験による破断が生じにくく、タイプCデュロメータによる硬度45以上、圧力損失100~500Paのフィルターエレメントを作製することができる。上記の圧力損失の値は、従来の湿式成形により作製したフィルターエレメントとほぼ同じ圧力損失の値を有しており、除塵性能においてもほぼ同等の性能を実現することができる。また、上記のかさ密度と硬度であれば、常温から1000℃程度の高温の温度域で用いても耐熱衝撃性に優れ、輸送時や設置時のハンドリング性に優れ、運転時の振動や地震を想定した耐震試験において容易に損傷しないようにすることができる。
なお、上記の本発明の実施形態の高温集塵フィルターエレメントのかさ密度及び圧力損失等は、該フィルターエレメントの使用環境、煤塵の種類、所望の除塵性能や圧力損失の値等を考慮して、圧縮して成形体を形成するときのプレス圧、アルミナゾルやシリカゾル等の無機バインダーの種類の選択及びその含浸量、含浸回数等を適宜変えることで調整することができる。具体的には、かさ密度を高めたいときは成形体の形成時のプレス圧を高めればよく、曲げ特性を高めたいときはニードリング密度を高めればよく、硬度を高めたいときは含浸量や含浸回数を増やすことで表面処理層の厚みを厚くすればよく、圧力損失を下げたいときは平均繊維径がより大きな耐熱性無機繊維が多く含まれるようにすればよく、気孔径のサイズを小さくしたいときはフィラーを構成する無機粒子の配合割合を増やせばよい。
様々な耐熱性無機繊維を用いて下記に示す実施例及び比較例の高温集塵フィルターエレメントを作製し、それらの各々に対して、かさ密度、曲げ特性、硬度、耐熱衝撃性、圧力損失、除塵性能、及び除塵の耐久性について評価した。これら特性の評価は、下記の方法に基づいて行った。
(かさ密度)
高温集塵フィルターエレメントの寸法を測定して算出した体積でその質量を除算することで求めた。このかさ密度が250~600kg/mの範囲内のものを「良」と評価した。
(曲げ特性)
高温集塵フィルターエレメントを長さ150mm×幅50mm×厚さ25mmに加工し、スパン100mmで支持したときの中央を載荷することによる3点曲げ試験により求めた。この方法で破断しないものを「良」と評価した。
(硬度)
高温集塵フィルターエレメントの1次側の硬度をJIS K7312に準拠してタイプCデュロメータにより測定し、45以上のものを「良」と評価した。なお、デュロメータとは、測定対象物の表面に計器の加圧面を当接させることで、該加圧面から突出する押針の突出方向に付勢するスプリングの力と該測定対象物の弾性力とをバランスさせ、その際指針が指示する0-100の範囲内の目盛りを読みとることで硬度を測定する計器である。
(耐熱衝撃性)
高温集塵フィルターエレメントを雰囲気温度1000℃に加熱した加熱炉に装入して15分間保持した後、取り出して常温空気雰囲気で15分間自然冷却させ、その後再び加熱炉に装入して同じ条件で15分間保持した後、取り出して常温空気雰囲気で15分間自然冷却をした。この加熱と冷却のサイクルを合計10サイクル繰り返したときの外観変化を目視で観察し、損傷ない場合に耐熱衝撃性は「良」と評価した。
(圧力損失)
室温の空気をろ過速度1m/minで高温集塵フィルターエレメントに流しながら、その1次側の圧力と2次側の圧力の圧力差を、静圧ピトー管を用いて測定した。この圧力差が100~500Paのものを「良」と評価した。
(除塵性能)
高温集塵フィルターエレメントをろ過集塵装置に取り付け、室温の空気をろ過速度1m/minで高温集塵フィルターエレメントに流し、圧力0.25MPaの逆洗エアーを打ち込み間隔10秒(バルブ開放時間0.5秒)に設定して6時間運転を行った。その際、1時間おきに5gの試験用ダスト投入した。6時間経過後、捕集したダストの質量を供給したダストの全質量で除算して得た割合が95%以上のものを「良」と評価した。
(除塵の耐久性)
上記除塵性能試験での測定開始時の圧力損失の値をPとし、6時間後の圧力損失の値をPとしたとき、P/Pが0.6以上のものを「良」と評価した。
[実施例1]
耐熱性無機繊維としてシリカ・マグネシア・カルシア系の生体溶解性繊維質からなるイソライト工業株式会社製のかさ密度100kg/m、厚さ12.5mmのニードルブランケット(BSSR)の一方の面に、日産化学株式会社製の固形分濃度40質量%のシリカゾルのスラリー(スノーテックス40)を、フィルターエレメントとして用いるときの1次側に厚み0.4mmの硬化剤の層が形成されるように、スプレー法により含浸させた。
上記にて含浸させたニードルブランケットを2層に重ねて厚さ20mmになるように均等に圧縮して平板状に成型した。この成型体を雰囲気温度105℃で8時間かけて乾燥処理した後、アルミナ粒子(メジアン径D50が2μm)とガラス繊維(平均繊維径10μm)とを質量基準で80:20の配合割合で調製した混合物からなるフィラー20質量部に対して80質量部の上記のシリカゾルを混合し、更に水を加えて固形分濃度10質量%に調製したスラリーをフィルターエレメントとして用いるときの1次側に厚み0.6mmの表面処理層が形成されるように、スプレー法により含浸させた。これを雰囲気温度105℃で8時間かけて乾燥処理した後、雰囲気温度730℃で0.5時間かけて焼成処理した。
得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度45、圧力損失200Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。さらに、逆洗では除去が困難な長期的な目詰まりの有無を確認するため、上記の除塵の耐久性の試験時間を6時間から2160時間に延長して同様に測定した。その結果、試験前の圧力損失の値をP、試験後の圧力損失の値をPとしたとき、P/Pが0.5であった。表面処理層を形成しない場合はP/Pが0.3であったので、表面処理層を形成することにより長期的な目詰まりが生じにくくなっていることが分かる。
[実施例2]
実施例1と同様にして含浸させたニードルブランケットを2層に代えて4層とし、以降は実施例1と同様に厚さ20mmに圧縮してからフィラーを塗布し、乾燥処理及び焼成処理を行った。得られた平板状の高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度600kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度70、圧力損失500Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は95%であり、除塵の耐久性は0.6であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例3]
ムライト繊維質からなる株式会社ITM社製のかさ密度100kg/m、厚さ12.5mmのニードルブランケット(ファイバーマックス)を耐熱性無機繊維に用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失180Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例4]
アルミナ粒子(メジアン径D50が10μm)とガラス繊維(平均繊維径10μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失100Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例5]
ムライト粒子(メジアン径D50が2μm)とガラス繊維(平均繊維径10μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失は200Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例6]
ムライト粒子(メジアン径D50が10μm)とガラス繊維(平均繊維径10μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失100Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例7]
アルミナ粒子(メジアン径D50が2μm)とアルミナ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例8]
アルミナ粒子(メジアン径D50が10μm)とアルミナ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例9]
ムライト粒子(メジアン径D50が2μm)とアルミナ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例10]
ムライト粒子(メジアン径D50が10μm)とアルミナ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例11]
アルミナ粒子(メジアン径D50が2μm)とムライト繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例12]
アルミナ粒子(メジアン径D50が10μm)とムライト繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例13]
ムライト粒子(メジアン径D50が2μm)とムライト繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例14]
ムライト粒子(メジアン径D50が10μm)とムライト繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例15]
アルミナ粒子(メジアン径D50が2μm)とシリカ・アルミナ繊維(平均繊維径3μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例16]
アルミナ粒子(メジアン径D50が10μm)とシリカ・アルミナ繊維(平均繊維径3μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例17]
ムライト粒子(メジアン径D50が2μm)とシリカ・アルミナ繊維(平均繊維径3μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例18]
ムライト粒子(メジアン径D50が10μm)とシリカ・アルミナ繊維(平均繊維径3μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例19]
アルミナ粒子(メジアン径D50が2μm)とシリカ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例20]
アルミナ粒子(メジアン径D50が10μm)とシリカ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例21]
ムライト粒子(メジアン径D50が2μm)とシリカ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例22]
ムライト粒子(メジアン径D50が10μm)とシリカ繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例23]
アルミナ粒子(メジアン径D50が2μm)とシリカ・マグネシア・カルシア系の生体溶解性繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例24]
アルミナ粒子(メジアン径D50が10μm)とシリカ・マグネシア・カルシア系の生体溶解性繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例25]
ムライト粒子(メジアン径D50が2μm)とシリカ・マグネシア・カルシア系の生体溶解性繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失250Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例26]
ムライト粒子(メジアン径D50が10μm)とシリカ・マグネシア・カルシア系の生体溶解性繊維(平均繊維径4μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失150Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価も全て「良」であった。
[実施例27]
ニードルブランケットに代えてイソライト工業株式会社製のマット状集積体を用意し、このマット状集積体に、実施例1と同様にしてシリカゾルのスラリーを1次側に厚み0.4mmの硬化剤の層が形成されるように含浸させた。これを2層に重ねて厚さ20mmになるように均等に圧縮して平板状に成型し、雰囲気温度105℃で8時間かけて乾燥処理した。
以降は実施例1と同様にしてアルミナ粒子とガラス繊維との混合物からなるフィラー20質量部に対して80質量部のシリカゾルのスラリーを1次側に厚み0.6mmの表面処理層が形成されるように含浸させ、乾燥及び焼成して平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度60、圧力損失100Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.8であり、これらの評価でも全て「良」であった。
[実施例28]
実施例1と同様にして作製した含浸させたニードルブランケットと、実施例27と同様にして作製した含浸させたマット状集積体とをこの順で上下になるように1層ずつ重ねて厚さ20mmになるように均等に圧縮し、平板状に成形した。
以降は実施例1と同様にしてアルミナ粒子とガラス繊維との混合物からなるフィラー20質量部に対して80質量部のシリカゾルのスラリーを1次側に厚み0.6mmの表面処理層が形成されるように含浸させ、乾燥及び焼成して平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65、圧力損失110Paであり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、除塵の耐久性は0.7であり、これらの評価でも全て「良」であった。
[比較例1]
ムライト繊維質からなる株式会社ITM社製のバルク(ファイバーマックス)を耐熱性無機繊維に用い、これに無機バインダーとしてのシリカゾルと有機バインダーと水とを混合してスラリーを調製した。得られたスラリーを外径90mmの成形型を用いて湿式成形することで、肉厚20mmのキャンドル型成型体を得た。この成型体を表面側から雰囲気温度105℃で8時間かけて乾燥処理した後、雰囲気温度730℃で0.5時間かけて焼成処理した。
得られたキャンドル型の高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/mで、圧力損失500Paであり、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は97%であり、除塵の耐久性は0.6であり、硬度が50であり、これら特性についてはいずれも評価が「良」であった。しかし、曲げ特性で破断が生じた。
[比較例2]
アルミナ粒子(メジアン径D50が12μm)とガラス繊維(平均繊維径10μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、硬度65、圧力損失100Paとなり、これらの評価はいずれも「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、これら評価も「良」であった。しかし、除塵の耐久性が0.5となり、評価基準を満たさなかった。
[比較例3]
アルミナ粒子(メジアン径D50が1μm)とガラス繊維(平均繊維径10μm)との混合物をフィラーに用いた以外は上記実施例1と同様にして平板状の高温集塵フィルターエレメントを作製した。得られた高温集塵フィルターエレメントは、かさ密度250kg/m、曲げ特性で破断がなく、硬度65であり、これらの評価は全て「良」であった。また、耐熱衝撃性は10サイクル後でも損傷がなく、除塵性能は99%であり、これらの評価も全て「良」であった。しかし、圧力損失が520Pa、除塵の耐久性が0.4となり、これらについては評価基準を満たさなかった。
F セラミックフィルターエレメント
S 表面処理層

Claims (6)

  1. 1種以上の耐熱性無機繊維をマット状に成形した集積体、若しくは該集積体をニードリング処理したニードルブランケット、又はこれらの両方を基材として用いたセラミックフィルターエレメントであって、無機バインダーとフィラーとからなる表面処理層を有し、かさ密度が250~600kg/mであり、
    前記フィラーは、メジアン径D50が2~10μmの少なくともアルミナ又はムライトからなる無機粒子と、アルミナ繊維、ムライト繊維、シリカ・アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、及び生体溶解性繊維からなる群のうちの1種以上の無機繊維とからなることを特徴とする高温集塵セラミックフィルターエレメント。
  2. 前記表面処理層は、JIS K7312に準拠してタイプCデュロメータにより測定した硬度が45以上であることを特徴とする、請求項1に記載の高温集塵セラミックフィルターエレメント。
  3. 前記耐熱性無機繊維は耐熱温度が500℃以上1600℃以下であって、アルミナ繊維、ムライト繊維、シリカ・アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、及び生体溶解性繊維からなる群のうちの1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高温集塵セラミックフィルターエレメント。
  4. 前記無機バインダーは、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾル又はそれらの2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項1~3のうちいずれか1項に記載の高温集塵セラミックフィルターエレメント。
  5. 前記セラミックフィルターエレメントは、前記ニードリング処理された基材が単層又は複層で平板状、曲板状、又はジグザグ状に折り畳んだ形状に成形されていることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか1項に記載の高温集塵セラミックフィルターエレメント。
  6. 前記セラミックフィルターエレメントは、前記ニードリング処理された基材が単層又は複層で円筒若しくは角筒の形状に成形されており、かつその軸方向の両端部が開放されているか、若しくは一端部が封止されていることを特徴とする、請求項1~のうちいずれか1項に記載の高温集塵セラミックフィルターエレメント。
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