JPH0786060B2 - 段ボール製造機における原紙掛けの自動耳合わせ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、段ボール製造機における原紙掛けの自動耳合
わせ装置に関する。

「従来の技術」 一般に、段ボール製造機は、例えば片面シートを製造す
る場合に、段成形した中芯紙にライナー紙及びバックラ
イナー紙を貼着するが、この場合、ロール状の原紙所謂
原紙ロールの幅が総て同一のものであること限らず、こ
のためある特定の幅の段ボールシートを製造する際に、
その製品幅より多少大きな幅の原紙ロールを使用してお
り、従って各原紙ロールの何れかの一方の端を揃えて繰
り出す必要がある。一方、第７図及び第８図に示す如
く、製造すべき段ボールの種類の変更、所謂オーダー換
えなどにより各原紙ロール１をミルロールスタンドＡに
チャッキングさせる際に、まず油圧シリンダ４によりア
ーム５を介しメインシャフト６を回動させて、チャッキ
ングアーム2,3を下方に向け揺動させ、各ローリングセ
ンサー7,8の先端に有するセンサーが原紙ロール１の紙
管９の管孔を検出すると、左右で一対のチャッキングア
ーム2,3が油圧シリンダ10,11によりメインシャフト６に
沿って閉じ動作をして紙管９の各端部を食え込み、次に
油圧シリンダ４によりチャッキングアーム2,3が上方に
向けて揺動して、繰り出しが可能に準備されるようにな
っている。

「発明が解決しようとする問題点」 しかし、上記原紙ロール１は、第９図に示す如く、紙管
９の管孔や形状の相違などによってチャッキングアーム
2,3にチャッキングさせる度毎にローリングセンター7,8
への食わえ込み状態が異なり、チャッキングアーム2,3
に特定した基準位置Soから原紙ロール１の端面までの距
離がNm1〜Nm2と変化して一定しない。一方、第６図に示
す如く、油圧ユニット12側に位置する原紙ロール１の端
面を駆動側端面DSとし、操作盤13側に位置する原紙ロー
ル１の端面を操作側端面OSとすれば、通常各原紙ロール
１は、それぞれ繰り出し方向のマシンセンターMcからの
目標とする距離に操作側端面OSを一致させて耳合わせを
しているが、従来方式では、各原紙ロール１の操作側端
面OSの位置合わせ所謂原紙掛けの耳合わせを行うのに、
第７図に示す如く、ミルロールスタンドＡが据え付けら
れた床面などにスケール14を取付けておき、該スケール
14を据用して、作業員自身の目で、原紙ロール１の繰り
出し搬送の中心となるマシンセンターMcから所望する製
品の公称原紙幅Nsの1/2の距離の位置に各原紙ロール１
の操作側端面OSが一致するように手動で油圧シリンダ1
0,11を動作され、これによりチャッキングアーム2,3を
メインシャフト６に沿って移動させて耳合わせを行って
いるのが現状である。このため、原紙掛けの耳合わせに
際して、作業員の労力を必要とするばかりが、作業員自
身の熟練した技量を必要として耳合わせ作業が煩瑣でか
つ作業時間も多く費やす結果、作業能率が極めて悪いと
いった問題があった。

そこで、本発明は、上記事情に鑑み、原紙掛けの耳合わ
せを自動化し、作業員の労力と耳合わせ時間を削減し、
稼働効率の向上を図り得る段ボール製造機における原紙
掛けの自動耳合わせ装置を提供することを目的とする。

「発明が解決しようとする手段」 本発明は、上記目的を達成するために、左右で一対でか
つ複数対のチャッキングアームにチャッキングさせた複
数の原紙ロールからそれぞれ繰り出して段ボールを製造
する段ボール製造機において、上記各対をなすチャッキ
ングアームのうちのそれぞれ一方のチャッキグアームの
上記原紙ロールの繰り出し方向と直交する方向の位置を
検出する位置センサーと、上記一方のチャッキングアー
ムに固定され、該一方のチャッキングアームとチャッキ
ングされた原紙ロールの端面との間の距離を検出する距
離センサーと、上記位置センサー及び距離センサーから
の検出信号に基づき、各原紙ロールの一方の端面をそれ
ぞれ一致させるべく上記一対のチャッキングアームを原
紙ロールの繰り出し方向と直交する方向に移動制御でき
る制御手段と、を備えてなる段ボール製造機における原
紙掛けの自動耳合わせ装置を特徴とするものである。

「実施例」 以下に、本発明に係る段ボール製造機における原紙掛け
の自動耳合わせ装置の一実施例を図面に基づき説明す
る。まず、自動耳合わせ装置について説明すれば、第１
図はミルロールスタンドＡの構成を示し、図中第７図及
び第８図と同一部分は同一符号を付して説明する。上記
チャッキングアーム2,3のうち操作側のチャッキングア
ーム３を駆動する油圧シリンダ11に上記位置センサーと
してパルスジェネレータ15を付設する。パルスジェネレ
ータ15は、油圧シリンダ11によりチャッキングアーム３
がメインシャフト６に沿って原紙ロール１の繰り出し方
向と直交する方向に移動する距離に応じてパスルを出力
するようになっている。上記操作側のチャッキングアー
ム３は、操作盤13側に近いものを称しており、油圧ユニ
ット12側に近いものを駆動側のチャッキングアーム２と
称し、更にチャッキングアーム2,3の移動方向も操作盤1
3に向かう方向を操作側とし、又油圧ユニット12に向か
う方向を駆動側と称する。操作側のチャッキングアーム
３を原紙ロール１の操作側端面OSと対向する面には、第
１図及び第２図に示す如く、ブラケット16cを介して上
記距離センサーとしてレーザー光アナログセンサー16を
付設する。レーザー光アナログセンサー16は、原紙ロー
ル１の操作側端面OSに向けて放射し、斯る操作側端面OS
からの反射光を受光する位置の変化、原紙ロール１の操
作側端面OSとの間の距離を計測するものである。該レー
ザー光アナログセンサー16からの検出信号は、レーザー
光アナログセンサー16からある特定の距離だけ離れた位
置をセンサー測定基準位置Ncとし、チャッキングアーム
2,3にチャッキングされた原紙ロール１の操作側端面OS
がセンサー測定基準位置Ncからずれた距離（補正値Nm）
に応じてアナログ信号を出力するものである。この場
合、レーザー光アナログセンサー16の検出信号は、原紙
ロール１の操作側端面OSがセンサー測定基準位置Ncから
油圧ユニット12の方向に向かう駆動側方向へのずれをプ
ラス極性のアナログ信号（＋）Nmとし、逆に操作盤13の
方向に向う操作側方向へのずれをマイナス極性のアナロ
グ信号（−）Nmとして設定してある。又、操作盤13に
は、対を為すチャッキングアーム2,3毎に位置制御ユニ
ット17を設けておく。上記パルスジェネレータ15は、第
３図に示す如く、位置制御ユニット17に検出信号を提供
するようになっている。位置制御ユニット17は、アナロ
グリレーユニット18の動作を制御するようになってい
る。アナログリレーユニット18に主制御シーケンサー19
が介在され、該主制御シーケンサー19はアナログリレー
ユニット18の動作を総合的に監視するもので、アナログ
ユニット18の動作の開始指令や停止指令を発し、又アナ
ログリレーユニット18の動作状態などの情報を受けるよ
うになっている。主制御シーケンサー19はチャッキング
アーム2,3の動作制御のみならず、段ボール製造機全体
の動作を制御するものである。上記レーザー光アナログ
センサー16は、センサーコンローラ20に接続されて、該
センサーコントローラ20からアナログリレーユニット18
に原紙ロール１の操作側端面OSの距離又は位置に関する
情報を供与して制御動作させるが、その制御動作の構成
は、第４図に示す如くなっている。センサーコントロー
ラ20は第２図に示す如く操作側のチャッキングアーム３
の内部に設けてある。位置制御ユニット17は、第４図に
示す如く、レーザー光アナログセンサー16にアンプ21を
介してA/D変換器（アナログ−ディジタル変換器）22が
接続されて、該A/D変換器22で２×（±）Nm（駆動側に
おいても同一の補正値Nmと想定して２倍する）のディジ
タル信号を得て、データバスを介し演算器23に供与する
ようになっている。更に、上記パルスジェネレータ15
は、バイナリーカウンター24に接続しておき、バイナリ
ーカウンター24でレーザー光アナログセンサー16の移動
位置を、つまりチャッキングアーム３の移動位置を計数
し、データバスを介して該計数値（チャッキングアーム
３の移動位置）Npを演算器25に供与する。演算器25で
は、計数値Npから上記センサー測定基準位置Ncの２倍の
定数（駆動側においても同一のセンサー測定基準位置Nc
と想定して２倍する）を減算し、該減算値を上記演算器
23に供与して、２×（±）Nmとの演算値（原紙幅現在
値）Ｎを求める。演算器23の演算値（原紙幅現在値）Ｎ
は、ディスプレイ装置26で表示させると共に、比較器27
に供与する。比較器27では、演算値Ｎと予め設定された
公称原紙幅Nsと比較し、比較結果に応じてシリンダ駆動
回路28を介してアナログリレーユニット18のソレノイド
29の動作を制御し、これによりバルブ30の開閉動作を経
て上記油圧シリンダ11の動作を制御するものである。上
記公称原紙幅Nsは、製造すべき段ボールシートの幅を示
し、予め主制御シーケンサー19に設定しておく値であ
る。

次に、段ボール製造機のにおける原紙掛けの自動耳合わ
せ方法を第５図に戻づき説明する。まず、原紙ロール１
をチャッキングアーム2,3にチャッキングさせた後に、
ステップ１でパルスジェネレータ15によりレーザー光ア
ナログセンサー16の位置、つまり操作側のチャッキング
アーム３の位置（端面位置）Npと、レーザー光アナログ
センサー16により上記センサー測定基準位置Ncからのず
れ、つまり補正値Nmを計測する。上記位置Npは、原紙ロ
ール１から繰り出されて段ボールが製造される際のマシ
ンセンターMcと操作側のチャッキングアール３の現在位
置との間の２倍の距離になるように設定してある。次
に、ステップ２で操作側のチャッキングアーム３の位置
Npからセンサー測定基準位置Ncと補正値Nmとの演算値の
２倍の値を減算して原紙幅現在値Ｎを求める。即ち、ス
テップ２では、Ｎ＝Np−２（Nc＋Nm）を演算する。Nmの
値は、原紙ロール１の操作側端面OSがセンサー測定基準
位置Ncより駆動側に位置するとプラスの極性となり、又
操作側に位置するとマイナスの極性となることは上述の
通りである。上記原紙幅現在値Ｎは、実際の原紙ロール
１の幅を示すものでなく、原紙ロール１が第６図に二点
鎖線で示す如く位置しているものとすると、マシンセン
ターMcと原紙ロール１の操作側端面OSとの間の２倍の距
離を示すものである。ステップ３では、ステップ２で演
算した原紙幅現在値Ｎと公称原紙幅Nsとを比較する。ス
テップ３での比較結果がNs＞Ｎである時は、ステップ４
に進んでチャッキング状態の間隔を保持したままでチャ
ッキングアーム2,3の両者を操作側に移動させるべく制
御信号を得て、ステップ５でソレノイド29の動作を制御
し、ステップ３に戻って比較結果がNs＝Ｎになるまでス
テップ３乃至ステップ５を繰り返す。一方、ステップ３
での比較結果がNs＜Ｎである時は、ステップ６に進ん
で、チャッキング状態の間隔を保持したままでチャッキ
ングアーム2,3の両者を駆動側に移動させるべく制御信
号を得て、ステップ７でソレノイド29の動作を制御し、
ステップ３に戻って比較結果がNs＝Ｎになるまでステッ
プ3,ステップ６及びステップ７を繰り返す。ステップ３
での比較結果がNs＝Ｎになった時は、ステップ８に進ん
でENDとなり、耳合わせが完了する。耳合わせが完了す
ると、第６図に示す如く、各ミルロールスタンドにおい
て、それぞれの原紙ロール1a〜1cの操作側端面OSは、マ
シンセンターMcからNs/2の距離の位置に位置合わせされ
て、つまり公称原紙幅Nsに位置決め設定されて、段ボー
ル製造のために繰り出される。上記の如き自動耳合わせ
は、段ボール製造時の運転中においても適時実施され
る。尚、本発明は、第３図に示す如く、操作側のチャッ
キングアーム３の移動の原点を設定する原点センサーを
設け、パルスジェネレータ15によるチャッキングアーム
３の位置を原点からの距離として割り出すこともでき、
原点センサーによる原点は、上記マシンセンターMcのみ
ならず、その他の位置に自由に設定できる。又、実際の
原紙ロールの幅を計測する紙幅計測装置を設け、該紙幅
計測装置の計測値を位置制御ユニット17に供与させるこ
とも可能である。つまり、上記公称原紙幅Nsは、通常所
望する製品のシート幅であればよいので、実際の原紙ロ
ールの幅より大きい値には設定しないため、仮りに実際
の原紙ロール１の幅より大きい時は、紙幅計測装置によ
る検出信号で稼働停止や警報を発生させるなどの制御を
する。センサーコントローラ20から主制御シーケンサー
19に上記補正値Nmなどの情報を供与してミルロールスタ
ンドＡ全体の動作の制御を監視させることも可能であ
る。

「発明の効果」 以上の如く、本発明に係る段ボール製造機における原紙
掛けの自動耳合わせ装置によれば、複数の原紙ロールを
それぞれチャッキングアームにチャッキングさせた時
に、各原紙ロールの一端面の位置合わせ、所謂耳合わせ
を自動化し、かつ正確に耳端位置を合わせることがで
き、作業員の労力と耳合わせ時間を削減し、オーダー換
えなどの時に、原紙ロールを交換する時の作業時間も大
幅に低減できて稼働効率の向上を図り得て使用上頗る便
利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る段ボール製造機における原紙掛け
の自動耳合わせ装置の一実施例を示すミルロールスタン
ドの要部構成図、第２図は、第１図のミルロールスタン
ドの操作側チャッキングアームの位置Npとセンサー測定
基準位置Ncと補正値Nmとの関係を示す図、第３図は自動
耳合わせ装置の構成を示すブロック図、第４図は第３図
における位置制御ユニットの構成を示すブロック図、第
５図は自動耳合わせのフローチャート、第６図は耳合わ
せ時の各原紙ロールの関係を示す説明図、第７図は従来
の耳合わせを示すミルロールスタンドの平面図、第８図
は第７図の側面図、第９図はローリングセンターへの原
紙ロールの紙管の食わえ込み寸法が異なる状態を示す説
明図である。 1,1a〜1c……原紙ロール 2,3……チャッキングアーム ６……メインシャフト 7,8……ローリングセンター ９……紙管 10,11……油圧シリンダ 12……油圧ユニット 13……操作盤 15……パルスジェネレータ 16……レーザー光アナログセンサー 17……位置制御ユニット 18……アナログリレーユニット 19……主制御シーケンサー 20……センサーコントローラ Ａ……ミルロールスタンド Ｎ……原紙幅現在値 Np……操作側チャッキングアームの現在値 Nc……センサー測定基準位置 Nm……補正値

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−62007（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−97956（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−29935（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】左右で一対でかつ複数対のチャッキングア
   ームにチャッキングさせた複数の原紙ロールからそれぞ
   れ繰り出して段ボールを製造する段ボール製造機におい
   て、 上記各対をなすチャッキングアームのうちのそれぞれ一
   方のチャッキグアームの上記原紙ロールの繰り出し方向
   と直交する方向の位置を検出する位置センサーと、 上記一方のチャッキングアームに固定され、該一方のチ
   ャッキングアームとチャッキングされた原紙ロールの端
   面との間の距離を検出する距離センサーと、 上記位置センサー及び距離センサーからの検出信号に基
   づき、各原紙ロールの一方の端面をそれぞれ一致させる
   べく上記一対のチャッキングアームを原紙ロールの繰り
   出し方向と直交する方向に移動制御できる制御手段と、 を備えてなることを特徴とする段ボール製造機における
   原紙掛けの自動耳合わせ装置。