JPH0786028B2 - 発熱機能付容器 - Google Patents

発熱機能付容器

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JPH0786028B2
JPH0786028B2 JP62142204A JP14220487A JPH0786028B2 JP H0786028 B2 JPH0786028 B2 JP H0786028B2 JP 62142204 A JP62142204 A JP 62142204A JP 14220487 A JP14220487 A JP 14220487A JP H0786028 B2 JPH0786028 B2 JP H0786028B2
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heated
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俊一 佐藤
智司 砂川
利明 岡本
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、酒、コーヒー、ミルク、スープなどの液体飲
食物や、水、油などの液体を自己加熱する発熱機能付容
器に関するものである。
<従来の技術> 容器に収容された液体などを、発熱剤によつて加熱する
方法は従来よりよく知られている。一般には、生石灰の
水和反応や金属粉の酸化反応や燃焼反応を利用して飲食
物などを加熱するものである。
例えば、実開昭60−70235号公報や実開昭60−94130号公
報には容器の内部に発熱剤収納室を設けて、この発熱剤
収納室に生石灰と水袋を入れ、水袋を破ることにより発
熱反応を開始させ加熱させる方法が紹介されている。し
かしながら、この方法では被加熱体収容容器の体積にた
いして発熱剤収納室の体積が大きいため、熱効率が悪
い。十分な加熱を期待すれば容器全体が大きくなるし、
又空炊きの危険性も増加してくる。
なぜならば、液体飲食物などを容器に封入する場合に
は、容器内部に空間が生じるのが普通であり、容器がお
かれた条件によつては、発熱剤がこの空間部を加熱し容
器内部の圧力を上昇せしめ、容器の破壊にまで及ぶこと
がある。
これは、欧州特許第0180375号明細書に紹介された装置
についても同様である。このものは被加熱体収容容器の
外周に生石灰と水袋を入れた発熱剤収納室を設けたもの
で熱効率は更に悪く、発熱剤収納室の外周の断熱が不十
分だと火傷を負う恐れがある。
以上の発明に使用されている発熱剤は生石灰であるが、
生石灰を使用すると加熱が終了するのにやや時間がかか
るという不便さと生石灰が加熱後に膨張して容器全体が
変形するという問題もかかえている。
次に、米国特許第4506654号明細書には被加熱物収容容
器の底に自己燃焼性発熱剤を平面的に装着して加熱する
方法が紹介されている。しかしながら、このような装置
では容器が倒立または横転した状態で加熱すると空炊き
の恐れがある。又、高温に達した発熱剤の一部が被加熱
物とは反対の方向に拡散されるため熱効率はやや低下す
る。
他の方法として、特開昭56−64971号公報には過硫酸ア
ンモニウムとマンガン粉末から成る発熱剤に水を加える
ことにより発熱させる容器が紹介されているが、本装置
も発熱剤収納室の体積が大きくなり生石灰の場合と同様
な問題がある。又、特公昭27−582号公報、実公昭58−2
4119号公報には、金属筒に四三酸化鉛、ケイ素鉄を主成
分とした加熱剤を内蔵した加熱装置が紹介されている。
しかし、かかる加熱剤は単位重量当りの発熱量が比較的
小さく、又、燃焼反応後に一酸化鉛などの有害物を生成
することがあるので、安全性の点からも飲食物の加熱組
成物として十分とはいえない。
以上のように、発熱剤を用いた加熱装置は、発熱剤の選
択と容器の設計の間に密接な関係があり、従来の装置
は、何らかの欠点を有するものが殆どであつた。
<解決しようとする問題点> 本発明は、上述のごとき問題に鑑み、発熱剤が発生した
熱を効率よく容器内の被加熱体に伝達することができ、
しかも容器の外側の温度上昇を防止して、容器をいかな
る状態で加熱しても空炊きによる容器の破裂などのおそ
れのない安全な発熱機能付容器を提供することを目的と
するものである。
又、被加熱体を収容する容器の体積に比べ発熱剤収納室
の体積を小さくして収容体積効率を向上させ、結果的に
コンパクトに形成できるとともに、加熱に要する時間が
短く、しかも燃焼後に有害物を生成することがなく衛生
面に優れ、かつ経時変化することのない飲食品の加熱用
としてふさわしい発熱機能付容器を提供することも目的
とするものである。
<問題点を解決するための手段> 上記目的を達成するため、本発明の発熱機能付容器は、
被加熱体収容容器と、該被加熱体収容容器の内部に向か
って突出して設けられた金属製の発熱剤収納室と、該発
熱剤収納室の奥部に収納された自己燃焼性発熱剤と、こ
の自己燃焼性発熱剤に隣接して設けられた断熱層と、該
断熱層を貫通させて設けた着火手段とを有し、かつ上記
自己燃焼性発熱剤が、上記被加熱体収容容器がいかなる
状態に置かれても、上記自己燃焼性発熱剤が収納されて
いる部位外面が被加熱体に包み込まれるように位置して
いる。
さらに、本発明の発熱機能付容器について重要なこと
は、発熱剤の単位体積当たりの発熱量が大きく、被加熱
物収納容器に対する発熱剤の占める体積が小さいことで
ある。
本発明の発熱組成物は自己燃焼性発熱剤であつて、空気
中の酸素を必要とせず、密閉された状態であつても、適
当な着火装置を用いれば燃焼して発熱反応を起こす。す
なわち、本発明の自己燃焼性発熱剤は酸素供給剤と可燃
剤との混合物からなるものである。
本発明の発熱剤収納室の外面は、被加熱体を収納する容
器がいかなる状態におかれても被加熱体と接している。
いかなる状態とは、通常容器が正立または倒立、又ある
場合には横転した状態をさしている。しかしながら、さ
らに好ましい条件としては、仮に容器が傾斜された状態
におかれたとしても被加熱体と接していることである。
従つて、発熱剤が収納されている部位外面は、被加熱体
に包み込まれた状態を確保できるので、熱伝達効率がよ
く、しかも空炊きになることはありえない。
次に図面に従つて本発明を詳細に説明する。
第1、2、3図に示される本発明の実施例は被加熱体と
して酒、コーヒー、スープなどを収容する被加熱体収容
容器1と、この収容容器1の底部中央から内側に突出し
て一体に形成した円筒状の発熱剤収納室2を有する。
この発熱剤収納室2の高さは、発熱剤収納室2の発熱部
が被加熱体収容容器1のほぼ中心部に位置するよう被加
熱体収容容器1の高さの半分よりやや高めに設定される
ことが望ましい。また、発熱剤収納室2の直径は被加熱
体収容容器1の直径の1/5〜2/3程度である。
被加熱体収容容器1の上端は被加熱体3を収容したあと
蓋4で覆われる。この蓋4には開口を形成するための引
つ張り金具5が設けられている。
発熱剤収容室2の最奥部には自己燃焼性発熱剤6が収容
され、これに隣接して断熱層7が設けられる。この断熱
層7外側にはスポンジ8を介して金属蓋9が圧入されて
いる。
発熱剤収容室2の壁面には断熱層7、スポンジ8、金属
蓋9を貫通し、一端部が自己燃焼性発熱剤6に接し他端
部が金属蓋9から露出した燃焼線10が設けられている。
尚、発熱剤収納室2の開口部にはシート11が貼られ、発
熱剤6が空気中の水分を吸収するのを防止している。こ
のシート11に替え、樹脂性のキヤツプを開口部にかん装
してもよい。
上記構成において、被加熱体3の上面と蓋4との間には
空間12が存在する。また、第3図に示すように被加熱体
収容容器1を横転させた状態では、被加熱体3の上面と
被加熱体収容容器1の側壁との間に空間12が存在するこ
とになる。しかしながら、この被加熱体収容容器1の正
立、横転または倒立状態で、マツチやライターによつて
燃焼線10に着火し、自己燃焼性発熱剤6の発熱反応を起
こさせても、自己燃焼性発熱剤6が収容されている部位
外面すなわち伝熱面は、断熱層7の存在により被加熱体
3に組み込まれた状態を確保できるので空炊きになるこ
とはありえない。
より好ましい条件としては、被加熱体3と接している発
熱剤収納室部位の伝熱面の上端が、被加熱体収容容器1
がいかなる状態にあろうとも、被加熱体の液面より1cm
以上隔てられた状態にあることである。
次に第4図に示す本発明の実施例は第1図の実施例と略
略同じであり、同一部位には同一符号を付して異なる点
を主に説明する。
すなわち、自己燃焼性発熱剤6に隣接する断熱層7Aの外
側にアルミニウム製金属蓋9Aとリングワツシヤ9Bを圧入
し、かつ蓋4Aも圧入したことである。
また、導火線10Aを断熱層7Aの中央を貫通して設け、発
熱剤収納室2の開口部に導火線10Aを保持するとともに
発熱剤6が空気中の水分を吸収するのを防止するキヤツ
プ11Aが設けられている。
次に、第5図に示す本発明の実施例について説明する。
この実施例は第1図の実施例と同じく鉄製の被加熱体収
容容器1を用いた例である。該被加熱体収容容器1とこ
の被加熱体収容容器1の底部中央から内側に突出して別
体に形成した円筒状の発熱剤収納室2を有する。蓋4は
プルトツプ式であり引つ張り金具5を有し、手で容易に
開封できる。
自己燃焼性発熱剤6と発熱剤収納室2の底部との間には
無機不活性層14が装填され、発熱剤部位と被加熱体3と
の隣接面積を少なくして、煮沸音を低下させる措置がと
られている。また、発熱剤6と断熱層7との間には、両
者が混合するのを防止するために貫通孔を有する仕切板
13が装着されている。
尚、燃焼線10は断熱層7の中央部を貫通して一端部は発
熱剤6に挿入され、他端はスポンジ8、金属蓋9を貫通
して露出している。
この実施例においても、マツチやライターで燃焼線10に
着火し発熱剤6の発熱反応に生じさせるが、発熱部が被
加熱体3の中心部に存在することから空炊きの危険がな
い。
以上の構造を有する本発明の発熱機能付容器に用いる自
己燃焼性発熱剤6は、空気中の酸素を必要としない物で
密封された状態であつても着火により燃焼して発熱反応
を起こす。すなわち、酸素供給剤と可燃剤との混合物か
らなる。本発明に用いる自己燃焼性発熱剤が、本発明の
条件を満足するためには、発熱剤の占める容積が小さい
ことが重要であり、単位体積当たりの発熱量は少なくと
も300cal/C.C.以上であることが好ましい。また、発熱
剤が溶融して外部に流出したり、有害なガスを発生した
りするものは好ましくない。
自己燃焼性発熱剤として選ばれるものは、酸素供給剤と
しては、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、四三
酸化鉛、過酸化バリウム、臭素酸塩、塩素酸塩等であ
り、可燃剤としては鉄、ケイ素、ケイ素鉄、アルミニウ
ム、マグネシウム、銅等の金属粉末である。酸素供給剤
は、一般に市販されている工業用グレードでもよく、粒
度は20メツシユより小さいものがよく、100〜350メツシ
ユのものが取扱い性及び反応性の点からより好ましい。
可燃剤の粒度は60メツシユより小さいものがよく、100
〜350メツシユのものが取扱性及び反応性の点でより好
ましい。
尚、自己燃焼性発熱剤の燃焼反応をコントロールするた
めに、アルミナ、フエライト、ケイ砂、ケイソウ土等の
高温で水分やガスを放出しない無機不活性物を加えるこ
ともできる。
被加熱体が飲食物である場合に最も好ましい自己燃焼性
発熱剤は過マンガン酸カリウムと金属粉末を組み合わせ
たもの、もしくはそれに無機不活性物を加えたものであ
る。これらのものは、発熱反応を起こす前と反応後にお
いて毒性がきわめて小さく、単位体積当たりの発熱量も
他と比べて大きく有毒なガスも発生しない。
特に鉄粉末は、反応が比較的緩慢であり、発熱量のコン
トロールが容易であるばかりでなく、他の金属に比べて
熱伝導がやや悪いため、自己燃焼性発熱剤が燃焼後も蓄
積して徐々に被加熱体を加熱するので、飲食品の加熱に
適している。
配合比率は過マンガン酸カリウムが鉄粉末に対し10〜90
重量パーセントの範囲で混合されうるが、好ましくは過
マンガン酸カリウムと鉄粉末との2成分で組成する場合
は、過マンガン酸カリウムが30〜50重量パーセントであ
る。但し、後述する無機不活性物を添加した3成分の場
合には、過マンガン酸カリウムは50〜70重量パーセント
が好ましい。
また、酸素供給剤として過マンガン酸カリウム、金属粉
末として鉄粉及びケイ素鉄またはケイ素粉末で発熱剤を
組成することもできる。この場合、過マンガン酸カリウ
ム25〜85重量パーセント、鉄粉末15〜75重量パーセント
に外割で0.05〜5重量パーセントになるようにケイ素ま
たはケイ素鉄粉末を加えたものは発熱量が向上するので
被加熱体を高温に加熱する場合に好都合である。但し、
この場合においても過マンガン酸カリウムが鉄粉末に対
し25〜40重量パーセントが燃焼時に溶融しないので容器
から溶融物が流出する心配がなく好ましい配合である。
本発明に用いるケイ素またはケイ素鉄粉末の粒度は100
メツシユよりも小さいものであればよく好ましくは200
〜350メツシユをパスした程度のものが反応性に優れて
いるので好ましい。
本発明に用いる自己燃焼性発熱剤の製造方法は、酸素供
給剤と可燃剤を均一に混合するだけでよい。尚、混合機
は強い衝撃や摩擦を伴わなければ特に限定するものでは
ない。
本発明に用いる自己燃焼性発熱剤のうち、過マンガン酸
カリウムと鉄粉末の混合物に少量のケイ素またはケイ素
鉄粉末を加えたものは非常に大きな発熱量を有するの
で、発熱剤収納室の大きさを変えることなく、種々の温
度まで加熱することができる。
本発明に用いる自己燃焼性発熱剤はさらに無機不活性物
を加えることができる。無機不活性物は、自己燃焼性発
熱剤の燃焼速度や燃焼温度をコントロールするのに便利
がよい。無機不活性物は、岩粉、ガラス粉、アルミナ、
フエライト、ケイ砂等高温で水分やガスを放出しないも
のが望ましい。無機不活性物は、自己燃焼性発熱剤に対
して外割で50重量パーセントまで加えることができる。
発熱剤収納室2の開口部に向けて、自己燃焼性発熱剤6
の次に収納されている断熱層7は不燃性で断熱性の優れ
た材料によつて構成される。さらに好ましい条件として
は、自己燃焼性発熱剤の栓としての役割を果たし自己燃
焼性発熱剤が燃焼時に発するガス類のフイルターとなる
材料である。
自己燃焼性発熱剤6の燃焼時の温度は1000℃以上にも達
するので、断熱効果を期待するには無機多孔体が適して
いる。無機の多孔体が用いられたとしても、1000℃以上
に達した自己燃焼性発熱剤から断熱するためには、少な
くとも1〜1.5cm以上の層厚が必要である。また、無機
の多孔体は通気性もよくフイルターとしての機能を持ち
合わせており、例えば発熱剤に吸収されている水分が発
生する水蒸気や、金属類の蒸気をろ過することができ
る。
断熱層7を形成する無機の多孔体の例としては、岩石粉
末、火山灰、ガラス粉、またはこれらの発泡体などが用
いられる。特に好ましいものとしては、岩石を発泡させ
たバーミキユライト、パーライトである。これらは断熱
性、通気性に優れているばかりでなく、圧填したときに
適度の反発力と成型性を有し、作業性が優れている。
自己燃焼性発熱剤6を着火する燃焼線10としては火薬類
として使われる導火線10Aを用いることもできる。しか
しながら、より好ましい燃焼線10としては、繊維の束に
自然性燃焼剤を含浸させたものがよい。これは燃焼時の
発煙を少なくしたものである。繊維として炭素繊維やス
テンレス、銅、アルミニウムなどの金属繊維が用いら
れ、繊維の束を構成する一本一本の線の断面積が1×10
-2mm2/本以下であり、少なくとも50本以上10000本程度
の線の束であれば十分である。好ましい例としては、10
ミクロン径のステンレスフアイバーが1000本束になつた
ものか8ミクロン径のカーボンフアイバーが6000本束に
なつたものである。また、撚り数としては、200回転/m
以下であり、特に無撚〜数十回転/mのものが好ましい。
自然性燃焼剤としては、金属粉と金属酸化物、金属過酸
化物、金属酸化物塩類または無機ハロゲン酸塩類から選
ばれた少なくとも1種類との組合わせを用いたものであ
る。金属粉としては、ケイ素、ケイ素鉄、アルミニウム
等が用いられ、金属酸化物として四三酸化鉛等が、金属
過酸化物としては過酸化バリウム等が、金属酸化物塩類
としてはクロム酸鉛等が、無機ハロゲン酸塩類として
は、過塩素酸カリウム等が用いられる。特に四三酸化塩
とケイ素鉄の組合わせが燃焼性の点で好ましい。
また、繊維の束に含浸させる自然性燃焼剤は、繊維の束
の内側にまで含浸するように200メツシユパスの粒度の
ものが好ましい。バインダーとして硝化綿を用いると薬
こぼれがなく燃焼伝播性からも好ましい。
尚、燃焼線10によつて自己燃焼性発熱剤6を着火するか
わりに電気的な点火法によつてもよい。これは、電線の
先端に小さな抵抗線をつけたヒーターを自己燃焼性発熱
剤6の中に埋め込み電線を露出させておき乾電池のよう
な電気エネルギーによつて着火させるものである。
しかしながら、本発明では自己燃焼性発熱剤6の中に金
属粉が用いられており、ヒーターの間で金属粉が通電し
て発熱しなくなる恐れがあるので、好ましくはヒーター
部を絶縁被覆しておくか、またはヒーター部をマツチの
ような着火剤で被覆すれば着火は確実になる。
本発明の自己燃焼性発熱剤収納室を除く被加熱体収容容
器は、実質的に被加熱体3を収容しうるもので、被加熱
体の温度が80〜90℃に達しても、軟化して変形したり、
破損したりしない材質のものであれば、金属、紙、プラ
スチツク、またはそれらの複合材料などであつてよく特
に限定されるものではない。
また、発熱剤収納室2は熱伝導性が優れ、加工し易い金
属が用いられる。具体的な例としては、アルミニウム、
ステンレス、銅、鉄などが好ましい。
<効果> 本発明の発熱機能付容器は、 1. 熱効率が優れている。
2. 加熱終了時間が短い。
3. 容器がコンパクトである。
4. 経時変化がない。
5. 安全に加熱できる。
等の効果を有する。
<実施例> 以下、実施例により本発明を詳述する。
実施例1 第1図に示す構造の外径65mmφ、長さ85mmのアルミニウ
ム製容器1の内部に向かつて突出した内径35mmφ、長さ
50mmのアルミニウム製発熱剤収納室2の奥部に、200メ
ツシユパスの過マンガン酸カリウム10gと200メツシユパ
スの鉄粉15gの混合物からなる自己燃焼性発熱剤6を収
納し、その手前に断熱材7としてパーミキユライト7gを
圧填し、その手前にウレタンスポンジ8を収納し、外周
部を一部切欠いた金属蓋9が収納され、径7μの繊維を
6000本集合させた炭素繊維に平均粒径30μのケイ素鉄と
平均粒径3μの四三酸化鉛が重量比で3:7の割合で混合
された混合物を硝化綿で付着せしめてなる燃焼線10を発
熱剤収納室2の開口部から金属蓋9の切欠部を通して自
己燃焼性発熱剤6の層に達するまで設けてなる発熱剤収
納室2に、日本酒200C.C.を詰めた。発熱剤収納室2に
おける各部位の層厚は、発熱剤6が10mm、断熱層7が30
mmである。また、日本酒200C.C.を詰めたときの空間部1
2は第1図の状態で層厚約10mmである。発熱剤収納室2
の開口部を上にして、すなわち容器をさかさまにしてマ
ツチで燃焼線10の一端を着火したところ、10℃の日本酒
が着火3分後に40℃に達した。この自己燃焼性発熱剤6
の燃焼熱は、320cal/gで、熱効率は75%であつた。
実施例2 実施例1と同じ条件の発熱機能付容器1を第3図の如く
横にして、マツチを用いて燃焼線10の一端を着火したと
ころ、10℃の日本酒が着火3分後に40℃に達し、容器が
高温になり変形、破損することもなかつた。
実施例3 実施例1における容器と同一構造の容器1を用いて、20
0メツシユパスの過マンガン酸カリウム15gと200メツシ
ユパスの鉄粉22.5gの混合物を発熱剤収納室2の奥部に
圧填収納した。
発熱剤収納室における各部位の層厚は発熱剤6が15mm
で、その他の条件は実施例1と同じである。被加熱体3
としては、コーヒー200C.C.を収容した。ついで発熱剤
収納室2の開口部を下にして、すなわち容器の正立状態
で燃焼線10の一端にマツチで着火したところ、10℃のコ
ーヒーは3分後に56℃に達した。
実施例4 実施例1における容器と同一構造の容器を用い、自己燃
焼性発熱剤6を200メツシユパス過マンガン酸カリウム1
5gと200メツシユパス鉄粉22.5gと200メツシユパスケイ
素鉄粉0.75gからなる混合物とし、被加熱体3として、
コンソメスープ200C.C.を詰めた。発熱剤収納室2にお
ける各部位の層厚は、発熱剤6が15mmであり、他の条件
は実施例1と同じである。発熱剤収納室2の開口部を上
にして、マツチで燃焼線10の一端を着火したところ、10
℃のコンソメスープは3分後に65℃に達した。この自己
燃焼性発熱剤の燃焼熱は350cal/gであり、これより熱効
率は82.5%であつた。
実施例5 スチール製円筒状収容容器(65mmφ×85mm)に発熱剤収
納室(35mmφ×50mm)を備えた第1図に示す如き構造の
容器に日本酒200mlを詰め、発熱剤として200メツシユパ
スの過マンガン酸カリウム10g、200メツシユパスの鉄粉
15g、200メツシユパスのケイ砂3gの混合物を用いた。燃
焼線は、延時導火線として用いられるもので、平均粒径
3μの四三酸鉛と平均粒径30μのケイ素鉄からなる混合
物を芯薬とし、ガラスフアイバーなどで巻いたものであ
る。また、断熱層にはパーライトを用い、断熱層の蓋は
アルミニウムのキヤツプである。他の条件は実施例1と
同じである。
燃焼線の一端をマツチで着火したところ、10℃の日本酒
は3分後に43℃に達し、容器類に特に異常は認められな
かつた。
実施例6 スチール製円筒状収容容器(53mmφ×95mm)に発熱剤収
納室(20mmφ×70mm)を備えた第4図に示す如き構造の
収容容器に、コンソメスープを160C.C.詰めておき、発
熱剤として過マンガン酸カリウム(250メツシユ)20g、
鉄粉(350メツシユ)12g、ケイ素鉄(200メツシユ)1
g、岩粉(250メツシユ)5gの混合物を入れる。断熱層に
は無機スポンジを用い、ブリキ板とスプリングワツシヤ
ーで蓋をした。燃焼線は、ステンレスフアイバー(12ミ
クロン径の細線を1500本束にしたもの)に平均粒径3μ
の四三酸化鉛と平均粒径30μのケイ素鉄からなる混合物
を硝化綿をバインダーとして含浸させたものである。燃
焼線の一端にマツチで着火したところ、コンソメスープ
は20℃のものが3分後に85℃にまで上昇した。
実施例7 容量を大きくした第5図に示す如き容器を用いて評価し
た。容器の径を65mmφ、高さを110mmとし、発熱剤収納
室の径を25mmφ、高さを75mmとする。容器の側壁はスチ
ールとし、上蓋及び発熱剤収納室を備えた底蓋はアルミ
ニウムである。発熱剤収納室の奥部に不活性物層として
パーライトを0.5gを収納圧填し、次いで200メツシユパ
スの過マンガン酸カリウム15gと200メツシユパスの鉄粉
23gからなる混合物を収納し、中央に孔のあるブリキ板
を入れ、燃焼線を挿入する。次いでバーミキユライト5g
を圧填し、無機スポンジと金属蓋で蓋をする。金属蓋に
は、中央部に孔が設けてあり燃焼線の端面が露出してい
る。
被加熱体としては、日本酒300mlをつめた。
発熱剤収納室における各部位の層厚は、最奥部のパーラ
イト層が2mm、発熱剤が29mm、断熱層が31mmである。ま
た、日本酒300C.C.を収容したときの空間部は第5図の
状態で約8mmである。
発熱剤収納室の開口部を下にして、すなわち容器の正立
状態でマツチにより燃焼線の端綿に着火したところ、10
℃の日本酒は3分後に42℃に達した。
この自己燃焼性発熱剤の燃焼熱は320cal/gであり、これ
より熱効率は80%であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す正立状態の容器の断面
図、第2図は平面図、第3図は横転状態の容器の断面
図、第4図、第5図は本発明の他の実施例を示す断面図
である。 1……被加熱体収容容器、2……発熱剤収納室、3……
被加熱体、4、4A……蓋、5……引つ張り金具、6……
自己燃焼性発熱剤、7、7A……断熱層、8……スポン
ジ、9、9A……金属蓋、9B……スプリングワツシヤー、
10……燃焼線、10A……導火線、11……シート、11A……
キヤツプ、12……空間部、13……仕切板、14……無機不
活性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−104138(JP,U) 実開 昭62−200580(JP,U) 実開 昭62−187265(JP,U) 特公 昭36−6991(JP,B1) 実公 昭62−22147(JP,Y2) 実公 平3−41616(JP,Y2)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加熱体収容容器と、該被加熱体収容容器
    の内部に向かって突出して設けられた金属製の発熱剤収
    納室と、該発熱剤収納室の奥部に収納された自己燃焼性
    発熱剤と、この自己燃焼性発熱剤に隣接して設けられた
    断熱層と、該断熱層を貫通させて設けた着火手段とを有
    し、かつ、上記自己燃焼性発熱剤が、上記被加熱体収容
    容器がいかなる状態に置かれても、上記自己燃焼性発熱
    剤が収納されている部位外面が被加熱体に包み込まれる
    ように位置していることを特徴とする発熱機能付容器。
  2. 【請求項2】自己燃焼性発熱剤の着火手段が、燃焼線に
    よることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の発熱
    機能付容器。
  3. 【請求項3】燃焼線が、繊維の束に自然性燃焼剤を含浸
    させたものであることを特徴とする特許請求の範囲第2
    項記載の発熱機能付容器。
  4. 【請求項4】繊維の束が、金属線または炭素繊維からな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の発熱機
    能付容器。
  5. 【請求項5】自然性燃焼剤が、金属粉と、金属酸化物、
    金属過酸化物、金属酸化物塩類および無機ハロゲン酸塩
    類から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする
    特許請求の範囲第3項記載の発熱機能付容器。
  6. 【請求項6】自己燃焼性発熱剤の着火手段が、電気的点
    火法でヒーターによる直接点火であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の発熱機能付容器。
  7. 【請求項7】ヒーターのまわりに点火剤を被覆したこと
    を特徴とする特許請求の範囲第6項記載の発熱機能付容
    器。
  8. 【請求項8】断熱層は、自己燃焼性発熱剤の露出面の全
    面を覆うように載置され、かつ通気性を有する断熱剤か
    らなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の発
    熱機能付容器。
  9. 【請求項9】通気性を有する断熱剤は、無機多孔性物質
    からなることを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の
    発熱機能付容器。
  10. 【請求項10】自己燃焼性発熱剤収納室を除く被加熱体
    収納容器が、金属、プラスチックおよび紙から選ばれた
    一つの材質からなることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の発熱機能付容器。
JP62142204A 1986-07-31 1987-06-09 発熱機能付容器 Expired - Lifetime JPH0786028B2 (ja)

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