JPH0785A - 電動リール - Google Patents

電動リール

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JPH0785A
JPH0785A JP14447293A JP14447293A JPH0785A JP H0785 A JPH0785 A JP H0785A JP 14447293 A JP14447293 A JP 14447293A JP 14447293 A JP14447293 A JP 14447293A JP H0785 A JPH0785 A JP H0785A
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electric
electric motor
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希土類磁石を固定子に採用することによっ
て、電動モータの釣り上げ馬力の向上と、構造のコンパ
クト化を図る点にある。 【構成】 スプールを駆動回転する電動モータ6が、コ
イル21を備えた回転子22と、この回転子22に磁気
を作用させる永久磁石23とで構成するとともに、この
永久磁石23を希土類元素で構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はケース内に、回転子と、
この回転子に磁気を作用させる永久磁石と、前記回転子
が外嵌固定されて一体回転する出力軸を備えた電動モー
タを、リール本体に相対回転不能に配置して、前記出力
軸に連結される動力伝達装置を介して、前記リール本体
内に配置されたスプールを回転駆動するよう構成した電
動リールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電動リールに用いられる電動モー
タとしては、フェライト製の永久磁石が用いられてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種フェライト製モ
ータは、比較的容易で安価に入手できるので、釣り用電
動リールに採用されてきたのであるが、現在の電動リー
ルでは、巻線の太さと巻き数を最適化していても、その
モータのサイズで実現可能な性能の範囲のほぼ限界に達
している。一方、電動リールを使用するに際しては、仕
掛けの巻上げ速度を速くすることが望まれている。これ
は、餌のついてない仕掛けを巻き上げる際の時間を短縮
し、その分仕掛けの投入回数を増やすという、いわゆる
「手返しを早くする」必要性から生まれた要望である。
従来のフェライト製モータを用いて巻上げ速度を速くす
るためには、前述したようにモータ自体の性能向上が望
めないのであるから、一回り大きなサイズのモータを採
用するか、モータに供給する電圧を上げてやる必要があ
るが、モータの大型化はリール自体の大型化を招き、昇
圧は別途回路の設置が必要で、やはり回路部の大型化や
複雑化は避けられない。更に、これらの方法は、どちら
もモータを流れる電流値を増加させるものであるから、
発熱量の増大とバッテリーの早期消耗という欠点が回避
できないのである。本第1発明の目的は、装置の大型化
や消費電力の増加を招来することなく、巻上げ速度の速
い電動リールを提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本第1発明による特徴構
成は、回転子と、この回転子に磁気を作用させる永久磁
石と、前記回転子が外嵌固定されて一体回転する出力軸
を備えた電動モータを、リール本体に相対回転不能に配
置して、前記出力軸に連結される動力伝達装置を介し
て、前記リール本体内に配置されたスプールを回転駆動
するよう構成したものにおいて、前記永久磁石に希土類
元素を含有する強磁性体、或いは、同等の最大エネルギ
ー積を有する強磁性体が用いられている点にあり、その
作用、及び、効果は次の通りである。
【0005】
【作用】つまり、希土類元素を含有する、或いは、同等
の最大エネルギー積を有する強磁性体を永久磁石に使用
することによって、同じサイズのフェライト製磁石に比
べて磁力を強力にすることができる。
【0006】
【発明の効果】したがって、モータの大型化や消費電力
の増加を招来することなく、電動リールの巻上げ速度を
速くすることができる。また、上記した基本的効果に加
えて、次のような効果も奏することができる。 (イ) 図11に示すように、トルクに対する回転数変
動が少ないところから、負荷がかかった場合にも、巻上
げ速度が低下しない良さがあり、回転数が殆ど零に近い
状態での停動トルク1760g−cm(図11における
回転数を示す実線が横軸と交差する点)が、従来のフェ
ライトモータの停動トルク900g−cm(図11にお
ける回転数を示す点線が横軸と交差する点)の約2倍あ
り、巻上げ開始作動が円滑になる。更に、伝達手段の減
速比を従来より小に設定して、より高速な巻上げ速度を
実現することが可能である。 (ロ) 減速比を、巻上げ負荷と巻上げ速度が従来と同
等になるように、従来より大に設定した場合、電流値を
抑えることができ、消費電力の少ない電動リールを構成
できる。 (ハ) 図11において、点線で従来フェライトモータ
の電流値及び実線で希土類採用モータの電流値を示して
いるが、同じ値の電流を流した場合の巻上げ速度が従来
モータと同じになるように減速比を設定した場合、より
巻上げ負荷の大きな強力な電動リールとすることがで
き、ブレーカーの設定を従来と同じにしながら最大巻上
げ負荷を大きくできる。 本第2発明の目的は、第1発明の目的に加えて、製造工
程上等において有利に行えるものを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本第2発明による特徴構
成は、スプールを駆動回転する電動モータが、コイルを
備えた回転子と、この回転子に磁気を作用させる永久磁
石と、前記回転子と一体回転する出力軸とを備えて構成
されるとともに、この永久磁石に希土類元素を含有する
強磁性体、或いは、同等の最大エネルギー積を有する強
磁性体が用いられているものであって、前記永久磁石
が、前記回転子の回転軸芯と同軸芯状の筒状に成形され
ている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りであ
る。
【0008】
【作用】つまり、希土類元素を含有する強磁性体、或い
は、同等の最大エネルギー積を有する強磁性体を永久磁
石に使用することによって、フェライトに比べて磁力を
強力にすることができるとともに、永久磁石を単一の部
品で構成でき、周方向に一連に繋がった筒状であるから
其だけ強度の向上を図ることができ、筒状永久磁石の厚
みを薄くできる。
【0009】
【発明の効果】したがって、第1発明の効果に加えて次
のような効果を奏することができる。永久磁石を単一部
品で構成できるので、製作時の取扱いも容易であり、部
品点数も少なくなり、製作が容易であるとともに、永久
磁石の薄肉化によって回転子をその分大径化でき、モー
タ馬力の向上も図ることができる。また、複数個の磁石
を組み付ける際に見られる磁石同志の接触に起因する割
れ・欠け等を未然に回避できる効果もある。本第3発明
の目的は、第1発明の目的に加えて、コンパクトな電動
リールを提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本第3発明による特徴構
成は、回転子と、この回転子に磁気を作用させる永久磁
石と、前記回転子が外嵌固定されて一体回転する出力軸
を備えた電動モータを、リール本体に相対回転不能に配
置して、前記出力軸に連結される動力伝達装置を介し
て、前記リール本体内に配置されたスプールを回転駆動
するよう構成し、前記永久磁石に希土類元素を含有する
強磁性体、或いは、同等の最大エネルギー積を有する強
磁性体が用いられている電動リールにおいて、前記電動
モータがスプール内に位置している点にあり、その作
用、及び、効果は次の通りである。
【0011】
【作用】つまり、リールの構成に不可欠な構成部品であ
るスプールの占める内部空間にモータを位置させるの
で、新たにモータを配置する為のスペースを確保する必
要がない。また、従来と同等の出力を得るに、従来より
小径のモータが採用できるので、スプール糸巻き部の胴
径を小さくでき、糸巻き量を増大させたり、よりコンパ
クトな電動リールを構成することが可能である。更に、
モータに採用された永久磁石をスプール内に位置させる
ので、スプールでモータ設置位置に侵入する湿分を抑え
ることができる。
【0012】
【発明の効果】したがって、第1発明の効果に加えて、
リール本体に新たなモータを配置するスペースを確保す
る必要がなく、リール本体をコンパクトにすることがで
きる。さらに、従来のフェライトモータ採用の電動リー
ルより糸巻き量を増加させて、より深い棚にまで仕掛を
降ろすことのできる電動リールが、コンパクトさを損な
うことなく提供できる。また、モータ内の永久磁石に対
する湿分の影響を少なくし、モータの品質の劣化を長期
に亘って防ぐことができる。本第4発明の目的は、第3
発明の目的をより顕著に達成した電動リールを提供する
点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本第4発明による特徴構
成は、前述の第3発明の特徴構成に加えて、動力伝達装
置を、スプール内に位置する太陽ギヤを含む遊星減速機
構で構成している点にあり、その作用、及び、効果は次
の通りである。
【0014】
【作用】つまり、動力伝達装置を、スプール内に位置す
る、太陽ギヤを含む減速ギヤ機構で構成することによっ
て、リール本体に新たな動力伝達装置を配置するスペー
スを確保する必要がなく、リール本体をコンパクト化で
きる。
【0015】
【発明の効果】したがって、第3発明の効果をより顕著
なものとすることができる。さらに、遊星減速機構を用
いれば、モータからスプールへの減速比を、太陽ギヤと
遊星ギヤのギヤ比と、遊星ギヤを軸支したキャリヤの段
数と、遊星ギヤと内歯ギヤのギヤ比によって、装置の大
きさをあまり変えずに広範囲に設定できるという利点を
持つ。これによって、減速比を小さくすれば巻上げ速度
の速い電動リールが、減速比を大きくすれば巻上げ力の
大きな電動リールが、リール本体をコンパクトに保持し
つつ実現できるのである。本第5発明の目的は、第1発
明の目的に加えて、モータ出力の増大に対応した出力軸
構成を採るものを提供する点にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本第5発明による特徴構
成は、前述の第1発明の特徴構成に加えて、出力軸の、
回転子が外嵌固定されている部分の軸径が、動力伝達装
置に連結されている出力部の軸径より大径に形成されて
いる点にあり点にあり、その作用、及び、効果は次の通
りである。
【0017】
【作用】つまり、出力軸の電動モータのコア等を取り付
ける部分を大径にして、軸応力の向上を図り、コアと出
力軸のスベリを防ぐと同時に、電動モータからスプール
へ動力を伝達する動力伝達装置に連結される部分を小径
にして、動力伝達装置のサイズに軸径の影響を与えない
ようにすることができる。
【0018】
【発明の効果】したがって、モータ出力の増大に伴っ
て、出力軸の軸応力を向上させ、コアと出力軸のスベリ
を防ぎながら、動力伝達装置の大型化を招来せずにす
む。さらに、本第5発明は、第4発明の構成を採用する
ことにより、次の効果も得られる。すなわち、巻上げ力
の大きな電動リールを構成するのに、減速比を大きくす
るのに太陽ギヤの歯数を少なくすると、歯底径が小さく
なるため、出力軸が大径のままではギヤの強度が十分で
なくなるという欠点を解決できる。本第6発明の目的
は、第1発明の目的に加えて、より糸巻き量の多い電動
リールを提供する点にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本第6発明による特徴構
成は、前述の第1発明の特徴構成に加えて、電動モータ
がスプール外部に位置している点にあり、その作用、及
び、効果は次の通りである。
【0020】
【作用】つまり、スプール外部に位置しているので、ス
プールの糸巻部胴径の設定には何の制約もない。
【0021】
【発明の効果】したがって、スプールの糸巻部胴径を強
度の許す限り小径に設定して、糸巻き部の体積を増加さ
せることで、より糸巻き量の多い電動リールを構成する
ことができる。また、モータをモータに対する整備がや
りやすい位置に配置することもできる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2及び図3に示すように、リール本体を構成す
る左右のサイドボデイ1,1の間にレベルワインド機構
L、糸を巻き取るスプール2夫々を前後位置に配置する
と共に、右側のサイドボデイ1の外部にドラグ操作具
3、スプール2駆動用のハンドル4夫々を備え、左右の
サイドボデイ1,1の上部同士の間に亘って制御ケース
5を備えて釣り用リールを構成する。スプール2の内部
に電動モータ6、遊星減速機構P夫々を内装し、この遊
星減速機構Pの筒状軸7には右側のサイドボデイ1の内
部に立設した軸体8を挿通してあり、この軸体8には、
筒状軸7の端部と係脱自在なクラッチ部材9を外嵌して
いる。右側のサイドボデイ1に立設した支軸10と同軸
上に遊転支承したハンドル軸11に対して、前記ドラグ
操作具3を螺合させると共に、前記ハンドル4を固設し
てあり、このハンドル軸11の内端側にはドラグ機構1
2、及び、ラチェット機構Rを備えている。
【0023】そして、ハンドル4を巻取り方向に回動操
作した場合には、ハンドル4の回動力がドラグ機構12
の出力ギヤ12Aを介してクラッチ部材9の入力ギヤ9
Aに伝わるとともに、筒状軸7、遊星減速機構P夫々を
介してスプール2に伝わり、スプール2を回転させる。
ドラグ機構12は、ドラグ操作具3の回転操作によっ
て、その内部の摩擦板同士の圧接力を調節して、スプー
ル2の糸繰り出し方向への逆回転を規制する機能を有す
るとともに、ラチェット機構Rは、ラチェットホイール
13と、ラチェット爪14と、このラチェット爪14の
姿勢を切換操作する切換レバー15とで成り、次のよう
な機能を有する。つまり、ラチェット爪14をラチェッ
トホイール13に咬合可能な姿勢に設定しておくと、ハ
ンドル4の巻取り方向のみの回動操作が可能であるとと
もに逆転方向への回転が不能となり、電動モータ6によ
る巻取り方向へのスプール2の駆動が可能となり、ラチ
ェット爪14をラチェットホイール13から離間する姿
勢に設定すると、スプール2の自由転動が可能になると
同時に、電動モータ6による巻取方向へのスプール2の
駆動が不能となる。つまり、遊星減速機構Pは、電動モ
ータ6の出力軸6Aに取り付けた第1太陽ギヤ16と、
これに咬合する第1遊星ギヤ17と、第1遊星ギヤ17
を軸支したキャリヤ18と、このキャリヤ18のボスに
形成した第2太陽ギヤ19と、これに咬合すべく筒状軸
7に軸支してある第2遊星ギヤ20とで成る。第1、第
2遊星ギヤ17,20はスプール2の内歯ギヤ部2Aに
咬合し、第2遊星ギヤ20を軸支してキャリヤとして前
記筒状軸7を形成することによって、この遊星減速機構
Pでは、前記ラチェット機構Rが機能し、筒状軸7の繰
出し方向への回転が阻止されている状態 (ハンドル4の
巻取り方向への回転操作が行われている状態も含む) で
電動モータ6の駆動力によりスプール2を巻取り方向に
回転できるように構成されている。因みに、遊星減速機
構Pの減速比率は1/40程度に減速比を増して設定さ
れており、従来の減速比率1/30程度に比してさらに
強力な巻上げを可能にしている。従来は、巻上げ速度の
低下を招くことになるので、このような低い減速比率1
/40は採用できなかった。
【0024】次に、電動モータ6の構成について説明す
る。図1、及び、図4、図5に示すように、コイル21
を備えた回転子22と、この回転子22に磁気を作用さ
せる永久磁石23と、前記回転子22と一体回転する出
力軸6Aとを備えて構成されるとともに、この永久磁石
23に希土類元素を含有する強磁性体を用いて、電動モ
ータ6を構成する。回転子22を、コイル21を備えた
コア26で構成するとともに、出力軸6Aに回転板25
を一体固着し、この回転板25より連結用ピン25Aを
突設するとともに、コア26の対応する側面に連結用ピ
ン25Aに対する穴26Aと出力軸6Aに対する貫通孔
26Bとを形成し、連結用ピン25Aを連結用穴26A
に圧入することによって、出力軸6Aとコア26とを一
体化している。図5に示すように、出力軸6Aはコア2
6に圧入される部分の径が大径で、このコア26部分よ
り突出する部分においては小径になっている。これは、
コア26に圧入される部分としては、希土類磁石の採用
によるモータ馬力の増大によって、コア26と出力軸6
Aとの圧入部分に滑りが生じるのを回避する為に大径化
する必要があるが、前記した突出する部分においては、
遊星減速機構Pを支持する必要があり、これらの遊星減
速機構Pはスプール径等の制約をうけるところから大径
化をはかることはできない理由からである。
【0025】永久磁石23は、焼結ネオジウム・鉄・ホ
ウ素系磁石であり、これをリング状に形成して、図5に
示すように、周方向における相対向する面に着磁してあ
る。着磁角度は105°〜120°である。そして、そ
の磁石は、最大エネルギー積(BH)MAX が64〜80
KJ/m3 (8〜10MGOe )を示し、従来のフェラ
イト磁石の23〜28KJ/m3 (2.9〜3.5MG
e )に比べて磁気性能の向上を見せている。しかも、
永久磁石23としてリング状に形成しているので、リン
グの厚み自体を薄くし、その薄くした分だけコア26径
を大きくして、モータ馬力を高めている。前記したリン
グ状の磁石は同一仕様で作られた二つの磁石を軸芯を一
致させた状態で突き合わせて接着固定して作られてい
る。図11に示すように、この希土類磁石23を使用し
た電動モータの性能は、点線で示すフェライト磁石を使
用した従来の電動モータに比べて性能の向上を見せてい
ることがわかる。つまり、トルクの上昇につれても回転
数の低下が少なく、また、電流の上昇が少ない。
【0026】図1に示すように、永久磁石23として希
土類磁石を利用して磁束密度の向上を図っているので、
その磁束密度向上による漏れ磁束が増えることを、回転
子22、コア26等を収納するモータケース24を鉄等
の磁性体で形成して、その鉄製モータケース24で抑制
する構成を採っている。鉄製モータケース24の外側に
鉄等の磁性体を巻回して、漏れ磁束を抑制するフラック
スリング27としている。このフラックスリング27の
厚みとしては、0.5mm〜2mm以上に設定する。漏れ磁
束対策としては、上記したものに止まらず、電動モータ
6を収納しているスプール2の内周面にもフラックスリ
ング34を取り付けて、対処している。実施する場合に
は、何れか一方のフラックスリング27,34を設ける
だけでもよい。
【0027】電動モータ6に対する信号線取り出し部を
形成する、エンドリング24Aをモータケース24の一
側端に形成するとともに、このエンドリング24Aを金
属製にしてある。これによって、永久磁石23として希
土類磁石を採用したことによるモータ馬力の向上に伴う
発熱量の増大に対処する為に、放熱特性を向上させるこ
とができる。このエンドリング24Aの更に側方にモー
タホルダー28を連結して、このモータホルダー28内
に出力軸6Aを支持する軸受29及びワンウエイベアリ
ング30を保持している。このモータホルダー28にお
けるエンドリング24Aに対する取り付け位置とは反対
側の一端にネジ部28Aを形成し、このネジ部28Aを
左サイドボデイ1の内側壁に貫通させて、このネジ部2
8Aをその内側壁に固定する。このモータホルダー28
の中間端面と左サイドボデイ1の内側壁との間に吸振材
31を挟み込んである。一方、スプール2におけるモー
タホルダー28取り付け側とは反対側端面に側枠32を
取り付け、この側枠32にボス部32Aを一体形成し、
ボス部32Aを右サイドボデイ1に軸受で支持して、ス
プール2を回転可能に支持している。この側枠32とス
プール2の端面との間に吸振材33を挟み込んである。
但し、この吸振材33は事情が許せば特に設けなくても
よい。したがって、永久磁石23として希土類磁石を採
用したことによるモータ馬力の向上に伴うモータ振動の
増大があるが、両吸振材31,33を取り付けることに
よって、その振動を抑えることができる。そして更に、
モータホルダー28とエンドリング24Aとの間に吸振
材56を挟み込んで、モータ振動を抑制する構成を採っ
ている。また、必ずしも、吸振材31,56を設ける必
要はなく、何れか一方のみでもよい。
【0028】図6、及び、図7に示すように、制御ケー
ス5にはマイクロプロセッサで成る制御装置57(制御
手段の一例)が内装されると共に、スプール2から繰り
出された釣り糸52の長さを報知する液晶ディスプレイ
47、及び、電動モータ6の過電流検出手段35・・夫々
が備えられ、このディスプレイ47に釣り糸52の繰出
し長を報知する動作は、スプール2のギヤ部2Bに咬合
するホイール36に埋設したマグネット37の磁気の作
用を受ける一対のセンサ38,38からの信号を制御装
置57がカウントすると共に、このカウント値に対応し
て予め記憶したデータに基づいて求めた正確な数値が出
力されるようになっている。電動モータ6の過電流検出
手段35について説明する。図7に示すように、制御ト
ランジスタ39の接地側に電圧降下用の抵抗40とA/
D変換器41を設けて、電動モータ6の過電流検出手段
35を構成する。この過電流検出手段35によって過電
流を検出し、スプール2の回転が巻上げ状態にない場合
には、根掛かりしたものとして、電動モータ6への電流
供給を停止する。実際の制御は図8の制御フローで示す
ように、速度設定スイッチで速度設定を行って、電動モ
ータ6を駆動し、この電動モータ6の駆動電流を過電流
検出手段35で監視しながら、駆動電流が設定値以上
で、スプール2の回転速度が低下(実質的には停止)し
た場合には、モータ6への電流供給を停止する。これに
よって、電子ブレーカ方式のものに比べて電流の急激な
上昇に対応でき、竿を傷める前にモータ6をソフトウエ
ア手法によって停止させることができる。
【0029】以上のような構成になる電動リールを中通
し竿51に取り付ける場合について説明する。図6に示
すように、スプール2から出た糸52は糸挿入口51A
より竿51内に入っていくが、その場合にリールの取り
付け位置と糸挿入口51Aとを離して設けることができ
ないので、スプール2を出た糸52は糸挿入口51Aに
向けてその方向を急激に変更することになり、レベルワ
インド機構Lのガイド枠53に擦れる為に、早期に損傷
する虞れがある。そこで、図6に示すように、ガイド枠
53の前方にガイドピン54を設け、このガイドピン5
4にベアリング等の遊転輪体54Aを外嵌して、糸52
とガイド枠53との相対摩擦を軽減する。更に、リール
においては、その前後脚取り付け部55,55を段違い
に形成して、竿51に取り付けた状態で、レベルワイン
ド機構Lのガイド枠53が糸挿入口51Aに向かうよう
にな構成とする。
【0030】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に例
えば、次のように構成することも可能である。 (イ) 電動モータ6を設置する位置としては次に示す
ように外付け型のものでもよい。図9及び図10に示す
ように、両サイドボデイ1,1の手前側端を連結する状
態で横向きのモータケース42を架設するとともに、こ
のモータケース42を前後に分割して、手前側の空間内
に電動モータ6及び他の空間内に制御装置57を収めて
ある。モータケース42の外周面に、放熱用のフィン4
2Aを形成し、モータ収納室の内周面にフラックスリン
グ43を装着するとともに、制御装置57を収めてある
収納室のモータ収納室側内面にフラックスプレート44
を装着して、漏れ磁束及びノイズに対する対策を施して
ある。 (ロ) 遊星減速機構Pにおける一段当たりの遊星ギヤ
17等を3個であったものから4〜5個に増加する。こ
れによって、遊星減速機構P全体としての振れが少なく
なり、遊星ギヤ17等の一個当たりの受持ち荷重を小さ
くできる。したがって、希土類磁石を採用したことによ
るモータ馬力の増大にも対応でき、遊星ギヤ17等を樹
脂化することも可能である。 (ハ) 電動モータ6の出力軸6Aを支持する軸受とし
ては、モータホルダー28内に位置する軸受29と筒状
軸7に位置する軸受45とあり、これらは焼結軸受を使
用しているが、電動モータ6自身の高速化(例えば、2
万回転以上)を図るべく、磁気軸受に切り換えてもよ
い。これによって、電動モータ6の高速化を図ることが
できるとともに、減速比を大きくして駆動出力の減少を
抑制しながら最終段の出力回転数の低下を招来すること
がない。 (ニ) 図7に示すように、サイドケース1,1内に内
部電源としての内部電池46を備えており、液晶デイス
プレイ47と記憶手段48のバックアップ電源として利
用する構成をとるものにおいて、外部電源49との連係
について次のように制御する。 外部電源49が接続されると、液晶デイスプレイ4
7で表示を開始する。 その状態で制御ケース5に設けたメインスイッチ5
0を操作すると、電動モータ6が作動する。 外部電源49が接続されないで、メインスイッチ5
0を操作すると、液晶デイスプレイ47のみが作動す
る。 この状態で再度メインスイッチ50を操作しても電
動モータ6は作動せず、電源が接続されてないことを知
らせる為に、アラームを作動させる。 の状態で外部電源49が接続されると、その儘の
状態が維持される。 の状態で外部電源49が接続されると、アラーム
が停止する。 外部電源49が接続されている状態では、内部電池
46は液晶デイスプレイ47へ電力供給しながら、外部
電源49より充電を受ける。 (ホ) 電動モータ6に用いられている永久磁石23と
しては、他の希土類であるサマリュウム・コバルト系を
用いてもよい。この希土類磁石は耐候性に優れていると
ころから、釣り用リールに使用されるものとして好適で
ある。 (へ) 希土類磁石としては、次のように形成されるも
のでもよい。希土類磁石粉を樹脂バインダで結合してリ
ング状に形成したもので、周方向に多極着磁してある。
磁石粉は、等方性のネオジウム・鉄・ホウ素系等が使用
可能である。 (ト) 永久磁石23としては、Mn−AL−C系の磁
石を使用してもよく、少なくともフェライト磁石の有す
る最大エネルギー積(BH)MAX略40KJ/m
3 (5MGOe )を越えるものであれば、希土類以外の
磁石でもよい。 (チ) 遊星減速機構Pの減速比率としては、1/40
以外の減速比率も採用でき、従来採用していた1/30
程度の減速比を1/20程度にその減速比を減らして設
定してもよい。このような設定値のもとでは高速巻上げ
が可能になるが、従来のフェライト製モータに1/20
程度の減速比率を採用すると、トルク不足になり巻き上
げ力が低下する為採用に至らなかった。一方、1/30
程度の減速比率は、巻上げ力及び巻上げ速度ともに向上
するので、採用可能である。
【0031】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】スプール内の電動モータを示す横断平面図
【図2】リールの右サイドボデイを示す横断平面図
【図3】リールの左サイドボデイを示す横断平面図
【図4】スプール内の電動モータを示す縦断側面図
【図5】コア及び永久磁石を示す分解斜視図
【図6】リールを中通し竿に取り付ける状態を示す縦断
側面図
【図7】制御ブロック図
【図8】根掛かり時に対する制御フロー図
【図9】外付け電動モータを示すリールの平面図
【図10】図9における縦断側面図
【図11】希土類磁石を採用したモータ(実線)とフェ
ライト磁石を採用したモータ(点線)との特性曲線を示
すグラフ
【符号の説明】
2 スプール 6 電動モータ 6A 出力軸 21 コイル 22 回転子 23 永久磁石 P 遊星減速機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子(22)と、この回転子(22)
    に磁気を作用させる永久磁石(23)と、前記回転子
    (22)が外嵌固定されて一体回転する出力軸(6A)
    を備えた電動モータ(6)を、リール本体に相対回転不
    能に配置して、前記出力軸(6A)に連結される動力伝
    達装置を介して、前記リール本体内に配置されたスプー
    ル(2)を回転駆動するよう構成した電動リールであっ
    て、 前記永久磁石(23)に希土類元素を含有する強磁性
    体、或いは、同等の最大エネルギー積を有する強磁性体
    が用いられている電動リール。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石(23)が、前記回転子
    (22)の回転軸芯と同軸芯状の筒状に成形されている
    請求項1記載の電動リール。
  3. 【請求項3】 前記電動モータ(6)が、前記スプール
    (2)内に位置している請求項1記載の電動リール。
  4. 【請求項4】 前記動力伝達装置を、前記スプール
    (2)内に位置する太陽ギヤを含む遊星減速機構(P)
    で構成してなる請求項3記載の電動リール。
  5. 【請求項5】 前記出力軸(6A)の、前記回転子(2
    2)が外嵌固定されている部分の軸径を、前記動力伝達
    装置に連結されている出力部の軸径よりも大径に形成し
    てある請求項1記載の電動リール。
  6. 【請求項6】 前記電動モータ(6)がスプール(2)
    外部に位置している請求項1記載の電動リール。
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