JPH0785826A - X線管装置 - Google Patents

X線管装置

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JPH0785826A
JPH0785826A JP25363393A JP25363393A JPH0785826A JP H0785826 A JPH0785826 A JP H0785826A JP 25363393 A JP25363393 A JP 25363393A JP 25363393 A JP25363393 A JP 25363393A JP H0785826 A JPH0785826 A JP H0785826A
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JP
Japan
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beryllium
ray
anode
ray tube
tube device
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JP25363393A
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English (en)
Inventor
Mototatsu Doi
元達 土肥
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】X線透過性の良好なベリリウム板111,11
2をX線放射窓11に用いたX線管装置において、陽極
1の輻射熱と二次電子により、ベリリウム板が過熱さ
れ、かつ真空と大気圧との差圧による曲げ力によりベリ
リウム板が変形したり、破損するのを防止する。 【構成】X線を取り出すX線放射窓11に、相互間を真
空状態にした2枚以上のベリリウム板111,112、
を重ねる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高電圧,大電流で、発
熱量が多く、使用頻度の高い医用のX線診断装置用に好
適なX線管装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線管装置において、X線は、陰極で発
生させた熱電子を陰極と陽極間に印加した高電圧で加速
し、陽極に衝突させて得られるが、その雰囲気は10-5
torr以下の真空でなければならない。そのため、陰極,
陽極は高真空を維持する外囲器の中に収められ、また、
外囲器は、通常、ガラス又は金属で構成されている。
【0003】ところで近年、X線診断装置が高性能化
し、例えばX線CT装置は高精細化、高スループット化
が進み、循環器X線装置はIVR対応により、X線管装
置には高出力化、大容量化、高輝度化がますます要求さ
れている。特に、ボリュームスキャン(スパイラルスキ
ャン)を行うX線CT装置のX線管装置においてはその
要求がある。
【0004】このような要求に対しては、外囲器の中央
部分を金属で構成し、X線放射窓にベリリウム板を用い
たX線管装置が好適であり、そのようなX線管装置が広
く使われている。それは、外囲器の中央部分の金属の高
い耐熱性と高い機械的強度がX線管装置の高出力化、大
容量化を可能とし、また、X線放射窓に用いたベリリウ
ム板の良好なX線透過性が高精細化に役立つからであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱電子が陽極に衝突し
てX線に変換されるのは、陽極として最も効率のよいタ
ングステンを用いた場合でも熱電子エネルギの約1%で
あり、99%は熱に変わる。そのため、陽極温度は平均
で1000゜Cまで上昇する。この陽極の熱は、まず輻
射で外囲器に伝達され、そして外囲器の表面と外囲器が
浸せきしている絶縁油との間で熱伝達され、最終的に絶
縁油から大気に放熱される。
【0006】その際、上記外囲器は陽極の輻射熱を受け
て100〜200゜Cまで昇温する。外囲器の温度は絶
縁油との熱伝達率で決まる。更に、陽極の焦点面近傍で
は二次電子線が外囲器に入射して、ベリリウム板を加熱
する。
【0007】その結果、ベリリウム板は周囲の外囲器よ
り更に高温となり、様々な弊害を生む。すなわち、ベリ
リウムは他の金属同様、高温では機械的強度が低く、外
囲器の内側と外側の圧力差約1気圧によりクリープが生
じ、最悪の場合、クラックが入る。機械的強度の低下
は、その厚さを厚くすることにより対応でき、2倍の厚
さにすると応力は1/4に低下できる。しかし、厚さを
厚くするとベリリウム板の内側と外側との温度差が大き
くなり、熱応力によりクリープを助長することがある。
【0008】また絶縁油は、高温で活性となっているベ
リリウム板に接するとスラッジを作り易く、ベリリウム
板の高温部分ほどスラッジが堆積する。スラッジが堆積
すると、絶縁油との熱伝達率が悪くなり、更に温度を高
めるなどの問題点があった。
【0009】特開平4−315752号公報では、輻射
熱と二次電子をベリリウムに入射させないようにシール
ドをベリリウム窓に設けている発明が開示されている。
しかしこの発明は、X線照射野が狭い場合には有効であ
るが、広い照射野を必要とする場合には不向きであっ
た。
【0010】本発明の目的は、温度上昇による熱応力で
のベリリウム板の破損が防止でき、X線照射野を大きく
し、大電流で高出力のX線を発生させても長期間にわた
って使用可能となるX線管装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、陰極と陽極
を真空排気した外囲器の中に収納してなり、前記陰極か
ら発射された熱電子を前記陽極に衝突させることにより
X線を生じせしめるX線管装置において、X線を取り出
すX線放射窓に、相互間を真空状態にした2枚以上のベ
リリウム板を重ねて用いることにより達成される。
【0012】
【作用】2枚以上、例えば2枚のベリリウム板のうち内
側、すなわち真空雰囲気に対向するものは陽極(ターゲ
ット)の輻射熱と二次電子線を受けて温度が上昇する。
しかし、外側のベリリウム板との隙間は真空であり、内
側のベリリウム板には熱膨張差に応じた引張り、あるい
は圧縮の応力しか生じない。このため、従来装置のX線
放射窓材(1枚のベリリウム板)のように、外圧による
曲げモーメントや内面と外面との温度差による曲げ応力
が発生しないので変形することはない。
【0013】また、外側のベリリウム板には、内側のベ
リリウム板からの微弱な輻射熱しか作用しないため、温
度は殆ど上昇せず、絶縁油温より数十度高くなるだけで
ある。このため、ベリリウム板の機械的強度の低下は僅
かで、薄いベリリウム板でも約1気圧の外圧を支持でき
る。
【0014】以上により、温度上昇による熱応力でのベ
リリウム板の破損が防止でき、またX線照射野を大きく
でき、大電流で高出力のX線を発生させても長期間にわ
たって使用可能となるX線管装置が実現できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明が適用された回転陽極X線管装置
の一例を示す縦断面図、図2は図1中のX線放射窓部分
の拡大断面図である。
【0016】図示X線管装置は、熱電子を発生する陰極
2、熱電子を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)
1、陽極1を回転させるロータ3、及び回転軸4に取り
付けられロータ3を回転自在に支持する玉軸受5、玉軸
受5を収納するハウジング6が真空外囲器8の中に高真
空の状態で封入されている。この場合、真空外囲器8
は、両端側がガラスで、中央部分がステンレスで構成さ
れている。
【0017】真空外囲器8の陽極側ガラス外周にはステ
ータ7があり、この真空外囲器8は、X線管共々ハウベ
と呼ぶ容器9内に収納され、容器9内には冷却と電気絶
縁のため絶縁油10が封入されている。
【0018】真空外囲器8には、X線を外部に取り出す
ためのX線放射窓11が設けられている。ここでは、X
線放射窓11は2枚のベリリウム板111,112を僅
かの隙間をもって重ねた状態で窓枠113に銀ろう付け
されてなる。この場合、2枚のベリリウム板111,1
12相互間の前記隙間は真空状態にされている。114
は銀ろう材である。
【0019】また、2枚のベリリウム板111,112
相互間の前記隙間には、それら2枚のベリリウム板11
1,112を窓枠113にろう付けするのに用いられる
ろう材、ここでは銀ろう材114以上の融点をもち、か
つその銀ろう材114とのぬれ性が良好な物質、例えば
モリブデン線115をそれらベリリウム板111,11
2の外周に沿って配置されている。モリブデン線115
を用いたこのような構成は、ベリリウム板111,11
2の窓枠113へのろう付け時、ベリリウム板111,
112相互間の前記隙間を真空状態にするためのもの
で、詳細は後述する。
【0020】以上の構成の回転陽極X線管装置におい
て、ステータ(コイル)7に通電することにより陽極
(ターゲット)1がロータ3と共に回転すると、陰極2
と陽極1との間に高電圧が印加され、陰極2の中に配置
されたフィラメント(図示せず)にて発生した電子を加
速して陽極1に高速で衝突させると、図中の矢印イ方向
にX線が発生する。
【0021】この際、陽極1の平均温度は約1000゜
Cになり、この熱は真空外囲器8に輻射にて伝熱され
る。真空外囲器8に入射した熱は絶縁油10に熱伝達さ
れ、真空外囲器8は約200゜Cで熱的に平衡する。
【0022】陽極1に衝突した電子は二次電子を発生
し、その多くがX線放射窓11に衝突する。そのエネル
ギは陰極2から陽極1に衝突する熱電子エネルギの1〜
2割程度で、X線放射窓11は周囲の真空外囲器8より
最高で200゜Cまで昇温する。
【0023】X線放射窓11に用いられるベリリウム板
111,112の降伏強さは400゜Cでは室温の約半
分になる。そのため、図4に示す従来構造(X線放射窓
11に、1枚のベリリウム板411を用いたもの)で
は、真空外囲器8内側の真空雰囲気と外側の絶縁油10
との圧力1.1気圧の差圧と、熱応力の相乗作用により
ベリリウム板411が真空外囲器8内側に凹み、最悪の
場合、亀裂が生じることがあった。
【0024】本発明装置では、真空雰囲気側のベリリウ
ム板111には差圧が作用せず、しかもベリリウム板1
11の内面111aと外面111bの温度差がないた
め、ベリリウム板111を曲げる力は作用せず、従来装
置におけるような問題は生じない。また、絶縁油10側
のベリリウム板112には僅かな熱しか伝わらないた
め、殆ど絶縁油温に等しく、ベリリウム板112に機械
的強度の低下はない。そのため、1.1気圧の差圧を受
けても変形しない。
【0025】なお、図3は前記ベリリウム板111,1
12の窓枠113へのろう付け時における、ろう付け部
分の変化をその部分を拡大して示す図で、銀ろうが溶け
る前の図3(a)に示す状態では、モリブデン線115
とベリリウム板111,112間には数10μmの隙間
がある。また、モリブデン線115の両端間には0.3
mmの開口部31がある。
【0026】ろう付け装置(図示せず)内で、真空排気
されると、ベリリウム板111と112及びモリブデン
線115で囲まれた空間も真空となる。ろう付け時の真
空圧力は10-5torr以下が望ましい。
【0027】真空雰囲気を維持した状態で昇温し、銀ろ
う材114が溶けると、そのぬれ表面張力でベリリウム
板111,112とモリブデン線115との隙間、及び
モリブデン線115の両端間の開口部31を塞ぐ。銀ろ
う材114は、モリブデン線115とベリリウム板11
1,112の接触位置で止まり、それより内方へは侵入
しないので、X線照射野が銀ろう材114で減少するこ
とはない。ろう付け完了後、冷却すると銀ろう材114
が凝固し、2枚のベリリウム板111,112相互間の
隙間は真空のまま維持される(図3(b))。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、X
線放射窓を2枚のベリリウム板で構成し、2枚のベリリ
ウム板は一定間隔で隔てられ、その空間は真空に保た
れ、内側のベリリウム板に輻射熱と2次電子を入射さ
せ、外側のベリリウム板に真空と大気圧との差圧を作用
させるので、温度上昇による熱応力と差圧の両者が1枚
のベリリウム板に作用することはなく、ベリリウム板の
破損が防止できる。そのため、X線照射野を大きくし、
大電流で高出力のX線を発生させても長期間にわたって
使用可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された回転陽極X線管装置の一例
を示す縦断面図である。
【図2】図1中のX線放射窓部分の拡大断面図である。
【図3】本発明装置におけるX線放射窓の窓枠へのベリ
リウム板ろう付け工程を示す断面図である。
【図4】従来装置のX線放射窓部分の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 陽極(ターゲット) 2 陰極 3 ロータ 4 回転軸 5 玉軸受 6 ハウジング 7 ステータ(コイル) 8 真空外囲器 9 容器 10 絶縁油 11 X線放射窓 111,112,411 ベリリウム板 113 窓枠 114 銀ろう材 115 モリブデン線 31 モリブデン線両端間開口部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極と陽極を真空排気した外囲器の中に収
    納してなり、前記陰極から発射された熱電子を前記陽極
    に衝突させることによりX線を生じせしめるX線管装置
    において、X線を取り出すX線放射窓に、相互間を真空
    状態にした2枚以上のベリリウム板を重ねて用いること
    を特徴とするX線管装置。
  2. 【請求項2】各ベリリウム板は窓枠にろう付けされてな
    り、各ベリリウム板相互間に、それらベリリウム板を前
    記窓枠にろう付けするのに用いるろう材以上の融点をも
    ち、かつそのろう材とのぬれ性が良好な物質をそれらベ
    リリウム板の外周に沿って配置してなる請求項1に記載
    のX線管装置。
JP25363393A 1993-09-17 1993-09-17 X線管装置 Pending JPH0785826A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25363393A JPH0785826A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 X線管装置

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JP25363393A JPH0785826A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 X線管装置

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JPH0785826A true JPH0785826A (ja) 1995-03-31

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ID=17254061

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JP25363393A Pending JPH0785826A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 X線管装置

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JP (1) JPH0785826A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0924742A2 (en) * 1997-12-19 1999-06-23 Picker International, Inc. Means for preventing excessive heating of an X-ray tube window

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0924742A2 (en) * 1997-12-19 1999-06-23 Picker International, Inc. Means for preventing excessive heating of an X-ray tube window
EP0924742A3 (en) * 1997-12-19 2000-01-05 Picker International, Inc. Means for preventing excessive heating of an X-ray tube window

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