JPH0784716B2 - アルカリパルプ廃液から苛性ソ−ダを回収する方法 - Google Patents

アルカリパルプ廃液から苛性ソ−ダを回収する方法

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JPH0784716B2 JP61203886A JP20388686A JPH0784716B2 JP H0784716 B2 JPH0784716 B2 JP H0784716B2 JP 61203886 A JP61203886 A JP 61203886A JP 20388686 A JP20388686 A JP 20388686A JP H0784716 B2 JPH0784716 B2 JP H0784716B2
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C11/00Regeneration of pulp liquors or effluent waste waters
    • D21C11/0085Introduction of auxiliary substances into the regenerating system in order to improve the performance of certain steps of the latter, the presence of these substances being confined to the regeneration cycle
    • D21C11/0092Substances modifying the evaporation, combustion, or thermal decomposition processes of black liquor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、木材繊維のアルカリ蒸解、洗浄および必要に
応じて漂白段階からなる工程から排出される黒液と称さ
れる実質的に硫黄化合物を含まないアルカリ性廃液か
ら、苛性ソーダを回収する方法に関する。
更に詳しく云うと、本発明においては、木材繊維のアル
カリ蒸解により得られる液、例えば、実質的に苛性ソー
ダを主たる蒸解薬品として、これにアントラキノン及び
その誘導体、アントラセン誘導体、脂肪族又は芳香族ア
ミン類、脂肪族アルコール類、酸素、過酸化水素および
オゾン、窒素酸化物類およびこれらのナトリウム塩類を
単独もしくは併用添加して蒸解して得られる液や、その
蒸解によつて得られたパルプの洗浄液及び必要に応じて
そのパルプをアルカリ・酸素漂白、アルカリ・過酸化水
素漂白およびオゾン・アルカリ漂白による漂白廃液など
の実質的に硫黄化合物を含まないアルカリ性廃液を黒液
と称し、本発明はこれらの黒液から苛性ソーダを回収す
る方法に関する。
〔従来の技術〕 従来行なわれている木材繊維のアルカリ蒸解法であるク
ラフト蒸解法(以下、KP法という)の蒸解廃液であるKP
黒液には、蒸解薬品として使用する苛性ソーダおよび硫
化ソーダに由来するソーダ分と硫黄化合物が含まれてい
る。この黒液から蒸解薬品を回収する方法は、KP黒液を
濃縮し還元性雰囲気で燃焼して水に溶解した後、生石灰
を添加して、苛性ソーダおよび硫化ソーダを含む蒸解白
液として回収している。このKP法は、パルプ品質および
蒸解薬品の回収法がほぼ完成されているが、硫黄化合物
による悪臭の発生と、生石灰を回収するため、多大な熱
エネルギーを必要とする欠点がある。
これらの欠点を解決する方法の1つとして、硫黄化合物
を使用しない蒸解法であるソーダ蒸解法(以下AP法とい
う)がある。このAP黒液から蒸解薬品を回収する方法と
して、AP黒液を濃縮し、酸化鉄と共に酸化燃焼させ、そ
の酸化燃焼生成物を水で加水分解して苛性ソーダを含む
蒸解白液として回収する方法(特公昭51-12724号公報)
があり、この方法では、硫黄化合物による悪臭の発生も
なく、生石灰を回収するための多大な熱エネルギーも必
要とせず、また装置の腐食性等の問題も少ない。
この薬品回収方法は、酸化鉄による直接苛性化法と称せ
られる方法であるが、実用化のための開発が世界各国で
行なわれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
苛性化剤として酸化鉄を使用する直接苛性化法(以下、
直接苛性化法という)は前述の如く種々なる利点を有す
る苛性ソーダ等の回収法であるが、この方法をパルプ製
造工程で実際に適用可能にするためには下記の如き解決
を要する問題点が存在する。
(1)第1図に示すようにAP黒液の粘度がKP黒液の粘度
に比べて著しく高いこと(なお第1図においては従来法
AP黒液、従来法KP黒液のほか、後述する本発明法AP黒液
の粘度も併せて示してある) (2)黒液を燃焼させる燃焼炉(炉本体内部中及びその
煙道中に廃熱ボイラを付設した炉を含めて、以下単に燃
焼炉という) の型式によつて、以下の如き問題点を有する。
燃焼炉の型式としては、流動床炉、固定床炉、高速流動
層炉がある。流動床炉とは通常の流動床炉を言うが、当
方法に於ける固定床炉とは、炉底の構造として揺動式、
移床式ストーカ及び固定式火格子を有する炉を呼称す
る。又、高速流動層炉は、大部分の粒子が燃焼ガスと共
に高速(5〜8m/S)で搬送されると共に燃焼ガスから分
離した粒子を再び燃焼炉に戻す循環系を構成してガス中
の粒子濃度が高い状態で燃焼させる炉を言う。
(i)固定床炉、高速流動層炉においては燃焼反応条件
の確保の固難性に伴う問題点 (ii)流動床炉においては、酸化鉄の微粉化に伴う問題
点 (3)酸化鉄や木材チツプ中に含まれる無機不純物(A
l,Cl,S1等)が工程中に蓄積することによる問題点 以下、前記(1)〜(3)各項の問題点について詳述す
る。
(1)直接苛性化法は、木材パルプ製造用薬品、特に苛
性ソーダの回収法であるが、同時に燃焼炉で燃焼エネル
ギーを蒸気として回収するため、黒液自体をより高濃度
まで濃縮して燃焼させて熱回収率を向上させる必要があ
る。
しかしながら、一般的に黒液は濃度が増加すると、粘度
が急激に上昇し、水蒸気圧が低下し、黒液の沸点が急激
に上昇するという問題があつた。そしてさらに、AP法で
ある直接苛性化技術はKP法の製造装置をそのまま使用す
ることが可能であるため優れた化学パルプの製造方法と
して期待されているが、実用化する上での問題点の1つ
に前記第1図に示すようにAP黒液の粘度がKP黒液のそれ
に比較して黒液固形分濃度(以下、黒液濃度という)が
同一でも約10倍も高くなつていることである。
黒液の粘度が高いと流動性が悪化しエバポレータでの黒
液の濃縮性が低下するばかりでなく、黒液の輸送性が低
下しかつ燃焼炉でののバーナからの噴霧性も悪化するた
め、黒液の燃焼性も低下し黒液の燃焼性が低下すると還
元雰囲気となり酸化第二鉄(Fe2O3)が還元されて反応
性の乏しい四三酸化鉄(Fe3O4)や酸化第一鉄(FeO)に
なり苛性ソーダの回収率の指標である苛性化率が低下す
る原因となる。
また前記の如く黒液を固形化すると、第2図に示すごと
くAP黒液は著しく吸湿性を有し固形化黒液をバンカー等
に貯蔵すると吸湿して粘着性を示し、移送及びハンドリ
ングを困難にするという問題もある。(なお第2図上部
印が炭酸ガス未吸収のAP黒液の吸湿率を示し、 ▲印は本発明方法による炭酸ガス処理黒液の指示pHにお
ける吸湿率を示す) 従つてAP黒液がKP黒液より10倍も黒液粘度が高いこと
は、実用化上の大きなマイナスとなつている。
(2)燃焼炉の型式としては流動床炉、固定床炉および
高速流動層炉の単独又は組み合せたものがある。
流動床炉法は炉内に於ける媒体の攪拌、混合が良好で酸
化状態に於ける炉内滞留時間も例えば0.1〜2時間と長
くとれるため、中心部までの反応時間を長く要する0.5
〜2mmφのような大粒径の鉄鉱石も使用可能な優れた方
式である。しかしながら鉄鉱石は次第に微粉化して炉外
へ排出されるので(粒状酸化鉄は1回炉内を通過すると
20〜50%が粉化する)そのままではついには流動化の維
持が不可能になる。
固定床炉法は、流動床炉に較べると媒体の流動化エネル
ギー及び媒体の粉化に伴なう造粒エネルギーが不要であ
るという特徴がある。しかしながら一般に黒液と酸化鉄
による鉄酸ソーダ生成反応は黒液の乾燥(固化)→燃焼
→反応という段階を経由するため、固定床炉では黒液と
微粉酸化鉄を予混合後、蒸気又は空気により炉内へ噴霧
して微粒化させ、炉の空塔部を落下中に浮遊燃焼させ炉
底で反応を完結させる必要がある。そのため浮遊燃焼が
完全でないと、燃焼せずに落下し、炉底で火炎を発して
燃焼するいわゆる焔燃焼状態になり、そのような状態に
なると反応雰囲気が還元状態になり、苛性化率が低く又
生成物は塊状をなし、以後の移送を困難にするという問
題がある。又逆に噴霧粒径が小さすぎると落下時に炉外
への飛散量が増大する欠点や燃焼が速く進みすぎるため
炉底の温度が低下し、反応が完結しないという問題が発
生する。そのため微粒化のための最適粒径を決定しその
粒径を維持しなければならないという技術的な面倒さが
ある。
高速流動層炉は上記の固定床炉と異なり微粉酸化鉄を予
混合せずに炉内へ投入し、酸化鉄および鉄酸ソーダを高
速で循環させて燃焼反応を行うもので、循環使用により
Fe/Naモル比の低減および燃焼炉の小型化が可能であ
り、又酸化鉄の循環エネルギーが必要であるとしても造
粒操作を必要としない等の特徴がある。
しかしながら前記の如く炉内滞留時間が非常に短かいた
め反応の完結が不充分となり苛性化率が低下するという
問題点を有する。
(3)直接苛性化法によつて得られる白液はAl,S1,Cl,C
a等の(Na以外の)無機不純物が多量に含まれるためこ
れを除去しなければならない。
即ち通常のKP法でも木材チツプ、工程で使用する水、苛
性化剤であるCaOに由来する無機不純物が工程内へ混入
されるが、この内Mg,Ca,Mn等の不溶性不純物は、苛性化
工程に於けるドレツグス、グリツドと呼ばれる沈澱物と
して分離除去され、又Cl等の溶解性物質は炉外へ排出さ
れて集塵、分離されたり、燃焼炉系統から揮散によつて
一定量維持され系内においてバランスする。
これに対して直接苛性化法では木材チツプ、水の他に酸
化鉄源として一般的に用いられる鉄鉱石中の不純物、特
にAl,S1等が溶出してくる上に、更に通常、KP法に存在
するような排出個所がないか、又は減少するため、この
ままでは系内に不純物の蓄積量が増大する。Al,S1が系
内に蓄積すると蒸解釜、エバポレータにスケールが生
じ、熱効率を著しく悪化させ、ついには工程の運転が不
可能になるばかりでなく、Clが増大するとボイラに於け
る高温腐食を助長するためボイラ効率を低下させるとい
う不具合をもたらす。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決すべく研究し、前記直
接苛性化に伴う問題点を全て解決しうる方法を完成し
た。
すなわち本発明は、木材繊維のアルカリ蒸解、洗浄およ
び必要に応じて漂白段階よりなる工程より排出される黒
液と称される実質的に硫黄化合物を含まないアルカリ性
廃液から苛性ソーダを回収する方法において、 (a)上記黒液をそのまま又は濃縮後、該黒液に炭酸ガ
ス含有ガスを添加して該黒液のpHを9.5〜12.5(黒液濃
度40%、80℃)に調整する工程 (b)上記黒液をそのまま固形分濃度50〜95%に濃縮す
る工程 (c)燃焼炉内に上記炭酸ガス処理濃縮黒液、酸素およ
び酸化鉄を添加して燃焼させ、有機物の燃焼、無機ソー
ダ分の炭酸ソーダ化および炭酸ソーダの鉄酸ソーダ化を
行わせる工程 (d)上記生成物を加水分解し、苛性ソーダを回収する
と共に再生酸化鉄は上記(c)工程に循環させる工程よ
りなるアルカリパルプ廃液から苛性ソーダを回収する方
法である。
〔構成の説明〕
以下、本発明の構成(a)〜(d)について詳述する。
(a)工程について 本発明でいう炭酸ガス含有ガスとは、炭酸ガス自体ばか
りでなく、炭酸ガスを含有する黒液の燃焼炉からの燃焼
排ガス、および系統の全く異なる他のプロセス例えば有
機物の燃焼排ガスのような炭酸ガス含有ガス(以下、単
に炭酸ガスという)を意味する。
黒液の炭酸ガス処理は、黒液の粘度および吸湿性の低減
更に燃焼性の向上のために行うものである。すなわち黒
液の炭酸ガスの処理度合によつて黒液のpHは徐々に低下
し、特定範囲のpHにおいて粘度が低下し(第3図参
照)、それによつて黒液の濃縮性が改良され、更に黒液
を濃縮固化させた場合、その固化物の吸湿性が低減され
ているので、(第2図参照)黒液の燃焼炉でのバーナか
らの噴霧性を良好にする効果をもたらす。この結果、従
来の直接苛性化法における黒液の粘度上昇による不具合
は完全に解決することができる。
またAP黒液はもともとKP黒液に比べて着火温度が高い欠
点があるが、炭酸ガス処理してpHを低下させたAP黒液は
着火温度が低下するため燃焼性を改善することができ
る。
黒液の燃焼炉の燃焼排ガスや他のプロセスからの燃焼排
ガスを、黒液に添加する炭酸ガスの供給源として利用す
ることは、本発明がコスト的に非常に安価なものとなる
利点がある。
炭酸ガスを添加する黒液濃度としては、特に制限はない
が、黒液の濃縮工程のどの濃度段階において炭酸ガスを
添加しても、それ以降の黒液の濃縮性および燃焼性に効
果をもたらす。炭酸ガスを添加する黒液濃度が高いほど
黒液処理量が減少するが、余り高濃度の黒液では黒液粘
度が増加するため、炭酸ガスの黒液への吸収性が悪化し
炭酸ガスの添加効率上良くない。また、黒液濃度が低い
ほど黒液処理量が増大するが、黒液粘度が低いため黒液
への炭酸ガスの吸収性が向上する。黒液に炭酸ガスを添
加する具体的な黒液濃度としては、20%〜75%であり、
より望ましくは40%〜65%があげられる。
炭酸ガスを添加する黒液温度についても、特に制限はな
いが、通常は、20℃〜100℃であり、より望ましくは40
℃〜90℃である。
本発明において、黒液に炭酸ガスを添加して黒液の濃縮
性の改良が期待できる黒液のpHは、pHを黒液濃度40%に
おける80℃のpH(以下、pHは、特にことわらない限り黒
液濃度40%、80℃のpHとする)で表示すると、第3図か
ら明らかなように粘度測定温度80℃の下で黒液濃度80%
の点でpH9.5〜12.5の領域であり、特に好ましいのはpH1
0〜12の領域である。pH9.5未満になるまで炭酸ガスを吸
収させるとAP黒液中に固体物質が多量に析出してくるた
め、逆に見掛の粘度が上昇し、したがつてpH9.5以下で
操業することは好ましくなく、またpH12.5以上では黒液
の粘度低下が不十分である。
又、炭酸ガス処理黒液は、前記第2図に示したように吸
湿性が著しく減少し、黒液を固形化して粉砕後の貯蔵性
を改善し、燃焼炉での燃焼性を良好にする効果をもたら
す。
次に、本発明において使用するに適した炭酸ガスの吸収
装置について概説する。
炭酸ガスの吸収装置としては、各種の気液接触装置、ま
たはガス吸収装置を用いることが可能である。即ち、公
知のぬれ壁塔、充填塔、泡鐘塔、多孔板塔、スプレー
塔、スクラバ、気液攪拌槽等が使用可能であり、特に中
濃度黒液と炭酸ガスとの具体的な接触反応装置として
は、従来法で使用されていたカスケードエバポレータの
使用が、又特に高濃度黒液と炭酸ガスとの具体的な接触
反応装置としては、間接加熱式の回転デイスクにより濃
縮するデイスクエバポレータの黒液槽の黒液面の下部お
よび/又は上部から、炭酸ガスを導入する装置が適して
いる。
(b)工程について 炭酸ガス処理黒液の濃縮は燃焼炉で燃焼エネルギーを蒸
気として回収する際に熱回収率を向上させるために行う
ものであるが、蒸解工程、洗浄工程等から排出される黒
液濃度15〜20%から50〜70%程度までは通常の薄膜流下
型蒸発装置や直接接触式エバポレータ等の多重効果用缶
で濃縮される。しかしながら更に濃度70〜95%程度では
炭酸ガス処理黒液とても粘度がかなり高いので前記の間
接加熱式の回転デイスクにより濃縮するデイスクエバポ
レータを使用することが好適である。デイスクエバポレ
ータは円筒状の内部のシヤフトに中空の回転円盤(デイ
スク)を多数個設置し、円筒の両端に炭酸ガス処理黒液
の供給口、抜出口を設け、回転する円盤内に高温蒸気を
通し、円筒内の炭酸ガス処理黒液を高濃度に濃縮する装
置であるが、更に回転デイスクの表面の近くに、デイス
ク表面に付着した炭酸ガス処理黒液を掻き落とすスクレ
ーパを設置させることにより、濃縮性を向上させること
が好ましい。
濃縮は通常、大気圧下のデイスクエバポレータ内で行う
が、炭酸ガス処理黒液が高温、加圧下で粘度が低下する
ことを利用して、デイスクエバポレータを加圧状態で使
用し濃縮性の改善を画ることも極めて好ましい態様であ
る。
炭酸ガス処理黒液の濃縮固形化は、完全固形化したもの
を0.5〜5mm程度の大きさに細粒化後燃焼炉に供給するた
めに行うものである。この濃縮固形化の好ましい態様と
しては下記のもがあげられる。
(イ)固形分濃度85%以上の濃度まで濃縮した炭酸ガス
処理黒液を加圧状態でノズルより薄膜状に噴き出し半固
形状シートを形成させることによつて冷却効果を高め、
かつ完全固化後の破砕を容易にする。
(ロ)前記(イ)の方法において酸化鉄粉末を、半固形
状シートの片面もしくは両面に散布して酸化鉄粉末を付
着もしくは圧着させ、次の(c)工程に寄与させる。
(ハ)前記(イ)の方法においてノズルより薄膜状に炭
酸ガス処理高濃度黒液を噴出させる際に複数のノズルも
しくはスリツトを用い、かつそれらにより形成される層
間にそれぞれ酸化鉄粉末を散布し、その後圧着すること
によつて固形状炭酸ガス処理黒液と酸化鉄が交互に層を
なす多層構造のシートを形成し、次の(c)工程に寄与
させる。
(ニ)前記(イ)の方法においてノズルを揺動させる
か、もしくは炭酸ガス処理黒液シート搬送速度の制御に
よつて一枚の炭酸ガス処理黒液シートを搬送しながら折
り畳むようにして形成し、かつその時生ずるシートの重
なり面に酸化鉄粉末を散布し、次の(c)工程に寄与さ
せる。
(ホ)前記(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の方法に
おいて、半固形状炭酸ガス処理黒液シートに散布する酸
化鉄粉末を高温(望ましくは120〜200℃)にして半固形
状炭酸ガス処理黒液シートと酸化鉄粉末の混合をよくす
る。
上記各実施態様で添加する酸化鉄は、後述するように炉
内で酸化鉄中のFeと黒液中のNaのモル比が、1.2〜1.8に
なるように調整されるので1.2〜1.8を上限として種々の
割合で添加するのがよい。
又、炭酸ガス処理黒液の固形化手段としては円筒面を内
部から冷却するシリンダー上で炭酸ガス処理黒液を固化
し、破砕機で細片化する方法もあるが、スチールベルト
上で冷却固化しピンクラツシヤーで細粒化する方法も好
適である。
(c)工程について この工程では有機物の燃焼、無機ソーダ分の炭酸ソーダ
化および炭酸ソーダの鉄酸ソーダ化を行うものである。
そのため炭酸ガス処理濃縮黒液および酸化鉄を燃焼炉内
へ供給し、燃焼反応を行わせるが、燃焼炉への両者の供
給形態としては、大別して (イ)炭酸ガス処理濃縮黒液と酸化鉄を、予じめ混合し
た後供給する方法(予混合法) (ロ)炭酸ガス処理濃縮黒液と酸化鉄を、予混合せず別
々に供給する方法(別吹き法) の二つの方法がある。
燃焼炉内の鉄酸ソーダ生成反応は固液反応であり、酸化
鉄とナトリウムが密に接触する必要があるため、酸化鉄
粒径が細かい程あるいは予じめ両者の接触を良好にして
おくほど反応速度は速い。従つて微粉酸化鉄を予混合し
た炭酸ガス処理濃縮黒液は極めて短時間に反応しかつ炉
外への飛散が防止できる粒径に維持し得る利点も有し、
後述するように反応時間に制約のある固定床炉法では好
適な条件となる。
予混合法は上述したように反応時間の短縮化という点か
らは有利であるが、予混合装置および予混合エネルギー
を必要とし、一方別吹き法は上記装置およびエネルギー
は不用であるが、反応性を高めるため攪拌を必要とする
ので、これらの供給手段は酸化鉄の粒径、燃焼炉の型式
等により適宜選択すべきである。
前記液状及び固形化状炭酸ガス処理濃縮黒液は前記酸化
鉄と共に前記いずれかの手段で燃焼炉へ供給され燃焼反
応を行うが、燃焼反応に影響する要因として酸化鉄の
性状(種類、純度、粒径)燃焼反応条件(温度、時
間、Fe/Naモル比)燃焼炉の型式と運転条件反応生
成物の炉外への取出し法などの因子がある。
以下、これらについて詳述する。
酸化鉄の性状 酸化鉄源としては、ベンガラ、鉄鉱石があり、経済性か
ら安価な鉄鉱石が好適であり、中でも鉄鉱石中に含有さ
れる無機不純物(Al,S1等)による濃縮工程におけるス
ケールトラブル等を回避するため、無機不純物含有量の
少ない(酸化鉄の含有率として92〜99%)スペリオル湖
床型の赤鉄鉱が好ましい。鉄鉱石の粒径については一般
に、粒径を小さくすると反応の速度が増大し、Fe/Naモ
ル比を低減できるが、流動床炉を使用する場合には、ベ
ッドの維持が困難になるほか、炉外への飛散量の増加、
苛性化工程での脱水性不良等の悪影響がある。逆に粒径
の大きな鉄鉱石ではFe/Naモル比の増大に伴ない鉄鉱石
使用量が増加するが、加水分解後の再生酸化鉄の脱水度
が良好になるメリツトがある。従つて適用燃焼炉の型式
等に応じて最適粒径を決定すべきであるが通常は0.01〜
3mmφが望ましい。
炭酸ガス処理濃縮黒液に混合使用する酸化鉄は、燃焼炉
出口及び集塵機で排出、捕集して再使用することもでき
る。
燃焼反応条件 鉄酸ソーダ生成反応温度は、反応速度論上からは高温ほ
ど望ましい。鉄酸ソーダの単体融点は1300℃であるが未
反応酸化鉄との混合比(モル比)1.4で、1100℃に共融
点をもつ。融点以上では、鉄酸ソーダは粘着性を示し流
動床炉での流動状態を阻害しシンタリングの原因とな
る。又1100℃を越えると加水分解しがたい物質の生成量
も増大することから、900〜1100℃、好ましくは950〜10
50℃の温度範囲で燃焼反応させるのが好ましい。酸化鉄
と前記炭酸ガス処理濃縮黒液中のナトリウムのモル比Fe
/Naは鉄酸ソーダ生成反応上からは高モル比程有効であ
るが、酸化鉄補給量が増加すること、及び循環使用する
酸化鉄は後述する如く乾燥後炉へ再投入することもある
ので高モル比ほど附着水分の乾燥に要する熱エネルギー
が増大するため、Fe/Naモル比を余り高くすることは好
ましくない。従つてFe/Naモル比は燃焼炉の型式、酸化
鉄粒径によるが通常は1.2〜1.8の範囲で行うのがよい。
燃焼炉の形式と運転条件 燃焼炉が固定床炉の場合には、炭酸ガス処理濃縮黒液と
微粉酸化鉄とを予混合し、ノズルより固定床炉内に微粒
状(粒径20〜1000μ、好ましくは50〜500μ)に噴霧
し、炉内で浮遊燃焼させ炉底ストーカ上で反応を完結さ
せるように運転するのがよい。
反応は900〜1000℃の反応温度、5〜20分の反応時間を
必要とし、炉底ストーカ上で反転、移動しながら酸化雰
囲気で反応を行う。このストーカ形式としては揺動階段
式あるいはチエーングレート式のいずれでもよい。
燃焼炉が高速流動層炉の場合には、該炉に反応補完装置
を追設し、炭酸ガス処理濃縮黒液と微粉酸化鉄を別々に
高速流動層炉内に供給し、炉底の空気投入口から供給さ
れる空気により高速流動層炉内を高速に流動させながら
燃焼させ、該炉から排出する反応または未反応酸化鉄粒
子および未燃焼炭素粒子をサイクロンにより捕集して、
その下部の反応補完装置に落下させ、該補完装置内で反
応を完結させるように運転するのが好ましい。
高速流動層炉では空塔速度が5〜10m/sという高速であ
り、反応上から極めて制約された条件となる。そのため
着火温度を低めた炭酸ガス処理黒液を供給して燃焼反応
時間の確保を計るが、さらに酸化鉄と鉄酸ソーダの混合
物の循環量を増大する方法(循環比を上げる方法)を採
用すると共に高速流動層炉外に反応補完装置を設置し、
これにサイクロンによつて捕集された高温粒子を投入
し、かつ該装置に空気を供給して一定時間高温高酸素雰
囲気に保つて高温粒子中の未燃有機物を完全に燃え切ら
せるように操作するのがよい。
上記反応補完装置としては流動床型の他、移動層型があ
る。このうち移動層型は粒子循環系の降下管中に搬送空
気を送入し、移動層を形成させ反応補完装置としての機
能をもたせたものである。
燃焼炉が流動床炉の場合には、炭酸ガス処理濃縮黒液お
よび酸化鉄を炉内へ供給し、一方炉出口の微粉酸化鉄に
ついてはそのまゝ又は加水分解した後、炭酸ガス処理濃
縮黒液をバインダーとして造粒したものを流動媒体とし
ての作用を兼ねさせて炉内へ供給し、流動床炉内で反応
を完結するように運転するのが好ましい。
この流動床炉においては酸化鉄粒子の粉化対策が必要と
なるが、この対策としては微粉酸化鉄を少量の炭酸ガス
処理濃縮黒液と混合し炉外で造粒装置により造粒する方
法(炉外造粒法)、炭酸ガス処理濃縮黒液と酸化鉄を別
々に供給する際、酸化鉄以外の耐磨耗性の優れた流動媒
体(電鋳アルミナ、マグネシア)を使用する方法(流動
媒体法)及び炭酸ソーダの粘着性を利用して炉内で造粒
する方法(炉内造粒法)などが適用される。
一般に造粒法には、転動法、圧縮法、押出法などがある
が、前記炭酸ガス処理濃縮黒液をバインダーとして微粉
酸化鉄を造粒する手段としては下記の理由により圧縮法
が好ましい。
即ち転動法、押出法では造粒時に水分を多く添加しなけ
ればならないため、炉内へ投入時に蒸発エネルギーの損
失があり、更に転動法では粒径が大きくなるので反応に
長時間を要することになつて余分な流動エネルギーを必
要とするばかりでなく、生成造粒物が球状になるため反
応表面積が小さくなり、そのためによる反応時間も長く
なる欠点を有する。
これに対して、圧縮法によつて圧縮成形する場合には水
分が少なくて済み、上記のような蒸発エネルギーの損失
が少ないばかりでなく、圧縮成形したものを破砕したも
のは、球状に限らず不定形となり、かつポーラスな表面
積の大きな造粒物となるので反応上も有利になる。
更に、炭酸ガス処理黒液を5〜15重量%(50%濃度換
算)にすると、成型時に形状がくずれず、炉内での燃焼
性が優れ、ポーラスな表面積の大きな造粒物が多量に製
造することが可能である。
圧縮造粒法としては表面水分(105℃以下で揮散する水
分)5%以下に乾燥した微粉状再生酸化鉄および炭酸ガ
ス処理した約50%濃度黒液を5〜15重量%および後述の
如く篩別、分級された0.5mmφ以下の造粒物のリターン
分25〜30%を混練機で混練し、コンパクタ(圧縮機)で
薄片状に圧縮、成型後、解砕機で5mmφ以下に解砕して
篩分機で分級し0.5mmφ以下の微粉状物25〜30%は再度
前記の如く混練機へ戻し、0.5〜5mmφの造粒物は流動床
炉へ供給する手段を採ることが好ましい。
0.5mmφ以下の造粒物をリターンして混練機へ戻して再
造粒することにより、均一な粒径の維持が可能となると
共に、反応性が乏しく炉外へキヤリーオーバーされてし
まう微粉酸化鉄を減少させることになり、しかも反応性
が優れた強固な造粒物が得られる効果を奏する。
反応生成物の炉外への取出し法 燃焼炉で生成する鉄酸ソーダは溶融していない固体状で
あり、従来KP法における溶融スメルトと異なり保有する
熱エネルギーを熱交換器により熱交換させて容易に回収
して抜出物を取出すことが可能である。抜出物質の取出
し温度は、回収ボイラの熱バランスに応じて80〜300℃
に低下させる。
上記熱交換器としては流動床クーラ、ガスエヤーヒータ
を使用し、燃焼用空気で熱交換する方法、水冷式熱交換
器を使用し、給水加熱を行う方法がある。
(d)工程について 前記固体燃焼反応生成物を水溶液中に投入して苛性ソー
ダ溶液と含水酸化鉄とに加水分解する。加水分解反応を
行う水溶液としては酸化ソーダ濃度換算で10〜150g/l、
望ましくは50〜150g/lの苛性ソーダ水溶液を使用するこ
とにより、得られる苛性ソーダ溶液濃度を200〜300g/l
の高濃度苛性ソーダ溶液(以下白液と称する)を取得す
るようにするのがよい。その高濃度苛性ソーダ溶液を蒸
解に使用するので、結果的に蒸解工程から排出する黒液
濃度は上昇し、黒液濃縮に要する蒸気量を低減させるこ
とが可能となる。
上記加水分解反応は60〜100℃、10〜60分好ましくは70
〜80℃、15〜30分で容易に迅速に進行する。
次に、上述のようにして得られた高濃度苛性ソーダ溶液
(酸化ソーダ換算で200〜300g/l)と、含水酸化鉄とを
分解する。
加水分解により再び回収される酸化鉄は、含水酸化鉄と
未反応の酸化鉄との混合物である。(以下含水酸化鉄と
称する) 含水酸化鉄は、苛性ソーダ溶液から脱水分離後に15〜25
%の表面水分(105℃における乾燥操作における測定
値)を有しており、これをさらに400〜500℃に乾燥する
と5〜15%の内部水分を遊離して酸化鉄に戻る物質であ
る。
含水酸化鉄の脱水度を向上させると炉内へ投入される水
分が減少しボイラ効率を向上し得るので脱水度は高いほ
ど望ましい。
又、苛性ソーダ濃度を高くするため、操業工程の水バラ
ンスを考慮すると含水酸化鉄に附着する苛性ソーダ等の
Na分を洗浄するための水量は現状KP苛性化工程の必要水
量に較べると著しく制限される。従つて含水酸化鉄の脱
水度、洗浄度を共に高くして全体として使用水量を抑制
することが重要である。
以上のことから含水酸化鉄の附着Naに由来するFe/Naモ
ル比を削減しこの工程で循環使用する酸化鉄量を減少さ
せ、炉内へ持ち込まれる水分を少くすることが前記Naの
洗浄度を高めることと共に重要な操作であつて、このこ
とはひいては燃焼時の燃焼炉効率を高くし得ることに連
がる。
苛性ソーダ溶液と含水酸化鉄との分離、脱水及び含水酸
化鉄の洗浄には種々の方法が適用され得るが以上の要求
を満たす方式を検討した結果、水平式ベルトフイルタが
特に好ましい装置であることが判明した。
脱水、分離した含水酸化鉄は、循環再使用のため炉内へ
投入されるが、炉内への持ち込み水分を減少しボイラ効
率を向上させるため附着水分(表面水分)を乾燥し内部
水分(105℃以上で揮散する水分)5〜15%の含水酸化
鉄にする。上記乾燥法としては、チユーブ式ドライヤに
よる蒸気乾燥や煙道ガスが保有する熱エネルギーを利用
する乾燥法が適用される。
白液中の不純物の除去法としては、 マグネシウム化合物によるAl,S1等の沈降、分離によ
る除去 炉出鉄酸ソーダおよび又は、煙道捕集物の冷水抽出に
よるCl等の分離、除去 高純度の酸化鉄を投入すると共に、循環使用する酸化
鉄(鉄鉱石)を系外へ一定量、パージすることによる不
溶性不純物の除去 白液の一部を他工程(漂白工程等)で使用することに
よる白液中不純物濃度の減少、 などの方法が有効であり、上記各方法を組み合わせ適用
することにより不純物を除去し、現状KP法のそれと同等
又はそれ以下の不純物レベルに維持し、白液の循環使用
を可能にした。
上記の方法におけるマグネシウム化合物としては、酸
化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトがあ
り、これら単独又は組み合わせて使用することが可能で
あるが、上記の内では、その効果からは酸化マグネシウ
ムが好ましく、又価格及び活性化のための焼成温度、使
用条件からはドロマイトが有利である。
上記の冷水抽出法では、Cl等は冷水に溶解するが、鉄
酸ソーダの加水分解は低温では進行せずかつ、少量存在
する炭酸ソーダの溶解度が小さいことを利用してCl等の
抽出分離除去を行うものである。
上記の不活性不純物(Mg,Mn,S1等)の除去法は、従来
法(KP法)では、ドレツグス又はグリツドとして系外へ
パージしていたものであるが、この方法においては循環
する酸化鉄と共に一定量系外へ排出する。酸化鉄として
は、特に生成白液の清澄槽中に沈降してくる0.1〜50μ
φ程度の微粉酸化鉄を排出することが望ましい。
更に上記の方法は、漂白工程にはアルカリ抽出段があ
り、現状(KP法)でもその廃水は系外へ排出しているの
で、アルカリ抽出工程に生成白液を供給し蒸解用に補給
苛性ソーダを使用することにより、白液中の不純物濃度
を低下させるものである。
さて上記の如く、加水分解後、脱水、分離、洗浄した含
水酸化鉄は前記(c)工程に循環再使用されるが、これ
ら酸化鉄の循環形態としては種々の方法がある。それら
は大別すると 燃焼炉の排出場所(炉底、サイクロン、電気集塵機)に
よる酸化鉄粒径の相違 乾燥後のものかあるいは、乾燥工程を経ないまゝのもの
か、 酸化鉄の再投入場所(エバポレータ、エバポレータ出口
の炭酸ガス処理濃縮黒液タンク、燃焼炉より出るスメル
ト中) により区分される。
上記各組み合わせにより種々の酸化鉄の循環形態が可能
であるが、それらの内、好適なものを酸化鉄の再投入場
所により区分すると、 エバポレータ前、又はエバポレータ中に投入するには、
混合性、反応性、移送性により主として微粉酸化鉄を用
い、エバポレータ多重缶での蒸発による熱効率の向上を
意図して、酸化鉄を脱水後、乾燥工程を経ないでそのま
ま投入する。
エバポレータ出口で混合する場合には、酸化鉄を乾燥後
混合する。
このほか燃焼炉からの生成物は、炉底から排出される粒
状、微粉状、又は造粒物の鉄酸ソーダ以外に、サイクロ
ンや煙道ガスから電気集塵機によつて捕集される粒径の
小なる(0.1〜300μφ)微粉酸化鉄があり、特に粒径の
細かな(0.1〜50μφ)捕集物は、加水分解せずに、そ
のままか造粒工程又は固形化工程を経て、炉内へ投入す
る方法も有用である。
又本発明者等は酸化鉄は循環再使用しても鉄酸ソーダ生
成反応及び加水分解反応は変化なく行われ反応面からも
くり返し使用可能であることを確認している。従つて補
給用酸化鉄は塊状物を生じないことと相まつて0.5〜2
%(系内使用鉄鉱石重量当り)と極めて少量で済むこと
をも確認している。
〔作用〕
1)AP黒液はもともとKP黒液に比べて着火温度が高いが
炭酸ガス処理してpHを低下させたAP黒液は着火温度が低
下するため、燃焼性を向上させることができる。
2)炭酸ガス処理黒液のpH(黒液濃度40%、温度80℃)
を9.5〜12.5に調整すると、第3図に示したように粘度
が低下し、その結果黒液の流動性、濃縮性が向上し、燃
焼炉への高濃度黒液の噴霧が可能となるため、黒液の燃
焼性の改善につながる。
3)炭酸ガス処理黒液は未処理黒液と比較して強固な被
膜を形成する性質が非常に少ない。燃焼炉として流動床
炉を使用する場合、炭酸ガス処理黒液と微粉酸化鉄粒子
と混合し、流動床炉で燃焼、焼成しても焼成物の表面に
は強固な黒液被膜によるち密な表層が形成されることな
く、焼き締めが起こりにくく、ポーラスな成形物となつ
ている。
この状態を第4図に示す。第4図(a)は従来法の炭酸
ガス処理しない黒液1′と微粉酸化鉄2の状態、同図
(b)は本発明の炭酸ガス処理黒液1と微粉酸化鉄の状
態を示す。
このため、成形物内部に黒液の燃焼によつて生成する炭
酸ソーダの浸透が十分であり、更に酸素の供給も十分に
行なわれるので、酸素不足により生ずる反応性が乏しい
四三酸化鉄の形になる傾向が少なく、苛性化率が向上す
る。
4)さらに炭酸ガス処理黒液は粘度が低下するので流動
性が良くなり、バーナの噴霧性も改善されるため燃焼性
が良好になり、固定床炉および高速流動層炉においては
燃焼反応時間に制約があるため、好都合である。即ち固
定床炉では液滴が炉内を落下時に短時間に燃焼を完結し
酸化鉄の周囲が還元雰囲気から酸化雰囲気に変り、反応
時間もより確保し易くなり苛性化率も高くなる。又燃焼
性が良好になり酸化雰囲気で反応が進行すると塊状の生
成物は生ぜず、微粉状又は粒状になる。従つて炉外への
取出しが容易になり熱回収も簡単に行える。さらに加水
分解後再生、回収した酸化鉄も塊状でないので循環再使
用が可能である。
5)又、前記の如く炭酸ガス処理濃縮黒液をバインダー
としてコンパクタで圧縮造粒した粒子は粉化率も少なく
脱水性が良好になるため、不純物除去時に一定量パージ
される酸化鉄に附着して系外へ排出されるナトリウム損
失量を減少させることも可能になる。
6)マグネシウム化合物による苛性化白液中の不純物の
除去作用は酸化マグネシウムまたはドロマイト等を苛性
化白液に添加するとマグネシウム化合物粒子の表層から
水和反応が開始し、水酸マグネシウムが生成する際表面
に活性なマグネシウムハイドレート層を形成する。この
活性表面はゼータ電位が+11.0mV(純水中)とプラスに
荷電しているため、マイナスに荷電しているアルミン酸
イオンおよびケイ酸イオン等が活性表面に電気化学的に
吸着され、苛性化白液中のAl,S1等が吸着除去されるも
のと推定される。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて例示的に説明す
る。ただしこの実施例に記載されている構成機器の配置
などは、とくに限定的な記載がない限りは、それらのみ
に限定されるものではない。
(実施例1) 第5図に於いて、木材チツプaを後述する清澄白液bで
蒸解釜1で蒸解してパルプcを得た後、該蒸解釜1より
排出したAP黒液dは薄膜液下型低濃度エバポレータ2に
より黒液濃度65%に濃縮される。この黒液dに後述の流
動床炉Aから排出された炭酸ガス含有排ガスe1(後述の
集塵機10から取出された排ガス)の一部e2を吸収装置18
へ導入しpH11.0に調整し、粘度を低下させそのまま次工
程であるデイスクエバポレータ3で黒液濃度90%に濃縮
し、黒液固化機4へ移送する。図示するように炭酸ガス
含有排ガスe2は直接デイスクエバポレータ3に導入し、
pHの調整と濃縮を同時に行つてもよい。この黒液固化機
4としては前記炭酸ガス処理黒液を前述したようなスチ
ールベルト上へ排出し、80℃に冷却、固化後、5mmφ程
度に細粒化して、流動床炉Aへ供給する。
流動床炉Aへ導入した前記固化黒液fは、供給槽7より
の酸化鉄(Fe/Naモル比=1.5)gと炉A内で後述の熱交
換器15で予熱され風箱5より供給される空気h2で流動床
を形成されつつ接触して燃焼し、黒液中の有機物および
水分は炭酸ガスおよび水蒸気となつて炉外へ排出させ、
黒液中のナトリウム分は、粒状酸化鉄と950℃で反応し
て粒状の鉄酸ソーダになる。
生成した鉄酸ソーダの内、粒径の大きな粒状生成物1は
流動床炉Aの炉底より、又粒径の小さな微粉状生成物j
は、ボイラ本体8、サイクロン9及び、集塵機10で捕集
される。一方、集塵機10からの排ガスe1のうちの1部は
前述した黒液処理用排ガスe2とし、又一部は後述する乾
燥用ガスe3として使用される。上記の粒状生成物1およ
び微粉状生成物jの全部又は1部は、熱交換器15によ
り、燃焼用空気h1で熱交換し、冷却され抽出槽11へ送ら
れる。熱交換器15で加熱された予熱空気h2は前述のよう
に流動化ガスとして使用される。
抽出槽11では後述する低濃度(酸化ソーダ換算濃度で10
0g/l)の苛性ソーダ溶液である弱液k中で温度70〜80
℃、反応時間30分なる条件で、鉄酸ソーダが加水分解さ
れ、苛性ソーダ溶液および含水酸化鉄が生成する。
苛性ソーダ溶液および含水酸化鉄スラリーは水平ベルト
フイルタ17で脱水され、酸化鉄と分解された苛性ソーダ
が酸化ソーダ換算濃度200g/lの白液lとして清澄槽16へ
移送される。
脱水された酸化鉄は水平ベルトフイルタ17上を移動する
につれて少量の清水mでカウンターカレント洗浄され、
表面水分20%に脱水された含水酸化鉄nとなり乾燥機13
へ送られる。図において乾燥機13の熱源として炭酸ガス
含有排ガスe1の一部e3を使用している例を示している。
洗浄工程で得られた弱液kは抽出槽11へ戻され前記の如
く加水分解に供される。なお図中、e4は黒液処理、乾燥
処理に使用された後の使用済排ガスを示す。
白液lは清澄槽16で微粉酸化鉄pを沈降分離し、清澄槽
16の白液lは白液貯槽12へ送られ、更にこゝでマグネシ
ウム化合物qなどの添加により不純物rを除去する。一
方、清澄槽16で沈降した微粉酸化鉄pは造粒機6へ送ら
れるか、不純物除去のため1部が系外へ排出される。
水平ベルトフイルタ17で分離された含水酸化鉄nは、乾
燥機13中で排ガスe3で内部水分5%に乾燥される。乾燥
酸化鉄の内、粒状酸化鉄sは供給槽7へ送られ、一方、
微粉酸化鉄tは造粒機6へ送られ、前記清澄槽16に於け
る微粉酸化鉄p及び後述する冷水抽出機14で処理された
微粉状生成物uと共に炭酸ガス処理黒液d′と混合され
造粒機6で圧縮造粒し造粒酸化鉄vとして供給槽7へ送
られる。
一方炉A外へ排出し捕集された微粉状生成物jは前記の
如く、一部は苛性化工程である抽出槽11へ送られるが、
他の1部、特にボイラ本体8、サイクロン9、集塵機10
からのダストの如き粒径の小さな(10〜50μφ)主とし
て酸化鉄よりなる微粉状生成物jは、抽出槽11を経ずに
冷水抽出機14でCl等の不純物wが除去され直接造粒機6
へ送られる。
又、供給槽7へは前記の如く乾燥機13からの粒状酸化鉄
sおよび造粒機6からの造粒酸化鉄vの他に補給用粒状
酸化鉄x(1〜2重量%)が供給され、この供給槽7か
ら酸化鉄は流動床炉Aへ送られる。
白液貯槽12では、白液にマグネシウム化合物の添加によ
りAl,S1などの不純物rが沈降、分離された後、白液の
1部は漂白工程(図示省略)へ送られ、残部は蒸解釜1
へ供給される。
(実施例2) 第6図に固定床炉においてデイスクエバポレータで濃縮
した炭酸ガス処理液状黒液(濃度70%)を燃焼反応を行
う例を示した。
第6図において、第5図と同一部分には同一符号を付し
た。固化機及び乾燥機は必ずしも必要ではないので、こ
こでは固化機及び乾燥機を配設しない例を示す。又、特
に微粉酸化鉄を造粒する必要もないので造粒機も配設し
ていない。それ以外の装置の配列は第5図と略同様であ
る。
水平ベルトフイルタ17で脱水分離した含水酸化鉄nは乾
燥工程を経ずにそのまま供給槽7へ送られ、白液の清澄
槽16で沈降分離した微粉酸化鉄pおよび補給酸化鉄xと
共に低濃度エバポレータ2よりの黒液と予混合され、デ
イスクエバポレータ3で炭酸ガス含有排ガスe2を添加し
て濃縮され、固定床炉Bへ供給される。
固定床炉Bにおいては炉内で浮遊燃焼を行いストーカ5
上で反応を完結させる。
固定床炉Bの一例を第7図に示す。第7図において固定
床炉Bは、蒸発水管1、火炉2、水壁煙道3、過熱器4
等によつて構成されており、炭酸ガス処理黒液と酸化鉄
の混合液(Fe/Naモル比=1.2)は、ノズル6より50〜50
0μφの微粉状になつて噴射され、噴射された混合液粒
は火炉2で乾燥→乾留→揮発分燃焼→チヤー燃焼等の過
程を浮遊燃焼の形態で完了し、燃焼生成物は火炉2の下
部のストーカ5の上に堆積し、火炉2からの燃焼放射熱
を受け、温度約900〜1000℃、時間約5〜20分という鉄
酸ナトリウムへの生成条件を履歴した後に、ストーカ5
より炉外へ排出され次工程(第5図及び第6図の加水分
解工程である抽出槽11)へ送られる。この場合、混合液
粒を浮遊燃焼させるとともに、鉄酸ナトリウム生成条件
に保持することが肝要である。
なお第7図において、7は炭酸ガス処理黒液d′と酸化
鉄の混合槽、8はサイクロン、pは混合槽の混合液の供
給ポンプである。
その他は実施例1と同じである。
(実施例3) こゝでは固定床炉Bにおいては炭酸ガス処理黒液と酸化
鉄の混合液を固化機で固形化して燃焼反応を行う場合の
実施例を示す。この場合全工程のフローは第6図に、第
5図の黒液固化機4及びそれに関連する装置を付加した
ものになる。
固定床炉Bで炭酸ガス処理黒液d′と酸化鉄の混合固化
物を燃焼させる例を第8図によつて説明する。
固定床炉Bは既設の回収ボイラ1の炉底部を改造し、炉
底部にストーカ5を追設したものである。
酸化鉄(Fe/Naモル比≒1.2)を含有し1〜5mmφ程度に
細片化された炭酸ガス処理黒液の固型化物は、固型物ホ
ツパ9よりその底部に設けられたロータリフイーダ10を
介して流量調整されつつ排出される。排出された固型化
物はブロワ11よりの圧空気により、気流輸送にて副燃焼
炉2へ供給される。副燃焼炉2は高さを充分に取り、炉
2の上部より気流にて供給された固形化物が気化、着
火、燃焼のプロセスを良好に行うように容積をもたせて
ある。炉2の頂部には起動用バーナ8が設置され、起動
時に炉の昇温に用いられる。
燃焼用空気は押込みフアン12によつて供給されるが、一
般に副燃焼炉2頂部、同炉2中間部及びストーカ5下の
風箱4より供給される。この3種類の空気量の調整によ
り、ボイラ1入口ガス温度、ストーカ5上のチヤー(鉄
酸ソーダ)13の層温度の制御を行うと同時にNOxの抑制
等を行う。
ストーカ3上で900〜1000℃、5〜20分という燃焼条件
を経たチヤー13は鉄酸ソーダへ変化される。鉄酸ソーダ
は一般的には微粉状のものであるが、焼成の進み具合に
よつては脆い塊状となる。このような場合には炉下部出
口に設けたクラツシヤ3により塊状物と粗破砕する。
製品としての鉄酸ソーダの粉体は炉最下部に設けられた
コンベヤ6に至り、鉄酸ソーダホツパ7へ貯留される。
これは後続する苛粒化工程にて処理される。
その他のフローは実施例1と同じである。
(実施例4) 反応補完装置として流動床型反応補完装置10を設置した
高速流動層炉cよりなる燃焼炉においてデイスクエバポ
レータで濃縮した炭酸ガス処理黒液(濃度70%)の燃焼
反応を行う場合の実施例を第9図に示す。
この実施例においては、例えば第5図における水平ベル
トフイルタ17で脱水分離した含水酸化鉄nは乾燥機13で
乾燥され供給槽7に送られるが、この例では第6図にお
けるような供給槽7での炭酸ガス処理黒液d′と含水酸
化鉄nとの予混合はなされずに夫々が投入口2及び3よ
り別々に高速流動層炉cの本体1に供給される。
高速流動層炉本体1の炉底の空気投入口4から供給され
る空気によりこれらの両者は高温の該炉本体1で燃焼
し、同時に炭酸ガス処理濃縮黒液中のアルカリは酸化鉄
粒子に捕捉され、一部は反応して鉄酸ソーダを生成す
る。反応及び未反応の酸化鉄粒子及び未燃焼有機物粒子
は、高速流動層炉本体1から排出し、サイクロン6によ
り捕集され下部の流動床型反応装置10に落下する。流動
床型反応装置10には空気投入口11から空気を投入して流
動床が形成されており、ここで高温かつ充分な酸素と接
触し未燃焼有機物の燃え切りと酸化鉄とアルカリの反応
が充分進められる。これら投入空気は燃焼ガスとともに
排ガス出口12から排出される。
流動床型反応装置10の流動床で燃焼、反応した粒子は流
動床を溢流し溢流管13を通つて循環粒子供給管14から再
び高速流動層炉本体1に戻される。これらの循環粒子は
高速流動層炉1の温度を均一に保ち、炭酸ガス処理濃縮
黒液を安定に燃焼させると共に該黒液の燃焼に際して該
黒液中のアルカリを酸化鉄粒子に捕捉するのに役立つ。
流動床型反応装置10の流動床から溢流する粒子の一部、
又は流動床型反応装置10の流動床から一部の粒子を反応
生成物として粒子排出装置15を用いて系外に排出する。
この粒子排出装置15はテーブル形ないしはロータリバル
ブ形等通常使用されるもので良い。粒子排出装置15から
循環系外に排出された粒子は粒子取出口16から苛性化等
の次の工程に送られる。
ところで流動床型反応装置10の温度はサイクロン6で捕
集される未燃焼有機物の燃焼と、流動床型反応装置10の
熱損失並びに苛性化反応熱のバランスで決まる。このう
ち、未燃焼有機物が不足するときは、溢流管17及び移送
管18によつて高速流動層炉1中の未燃焼有機物を移送量
調整用搬送ガス投入口19から投入される搬送ガス量を調
整して粒子移送量を制御することにより、流動床型反応
装置10の温度を適正に保つことができる。
結局、第9図における流動床型反応装置10は、高速流動
層炉本体1の反応補完装置として働くものである。その
他のフローは実施例1と同じである。
(実施例5) 別種の反応補完装置を設定した高速流動層炉cを用い、
デイスクエバポレータ3で濃度90%に濃縮し黒液固化機
4で酸化鉄と共に固形化した炭酸ガス処理黒液を燃焼反
応する実施例を第10図に示す。
炭酸ガス処理黒液を濃縮し、これを酸化鉄粒子とFe/Na
モル比が1.2によるように混合後、冷却、粉砕した固体
粒子(以下、これを固体燃料粒子という)を輸送管10を
通して気流搬送し、サイクロン11で固体燃料粉子を分離
しホツパ13に送入する。サイクロン11を通過する搬送用
空気は耐火壁構造の高速流動層炉本体1に投入口12から
投入される。
一方、ホツパ13の固体燃料粒子は、ロータリフイーダ14
で定量的に切出され、固体燃料粒子供給用空気投入口15
から投入される空気により燃料供給用ノズル16を通つて
高速流動層炉本体1に投入される。
なお、上記ノズル16は高温の高速流動層炉本体1と連結
するので、出口部分は水冷構造とし、かつ連結部分には
別途、固体燃料粒子が附着閉塞するのを防止するため附
着防止用空気17を投入する。
高速流動層炉本体1下部には燃焼用空気投入口7から燃
焼空気が風箱8、空気分散板9を通して該炉1に投入さ
れ、上述の固体燃料粒子を燃焼させる。
高速流動層炉本体1の燃焼温度は一般的に950〜1050℃
の間に、燃焼ガス流速は5〜8m/sに保たれる。
高速流動層炉1からの燃焼排ガスは該炉本体1の上部か
らサイクロン2に入り、排ガス中の固体粒子が分離さ
れ、粒子降下管3、及び該降下管3の底部と燃焼炉1と
結ぶ循環粒子供給径路4を通つて高速流動層炉本体1に
供給され、再び該炉本体1を上昇し循環系路を作る。粒
子降下管3は高速流動層炉1の反応補完装置として機能
する。
サイクロン2で固体粒子を分離した燃焼排ガスは、後流
の廃熱ボイラ18で顕熱を回収したのち、排出口19から後
流煙道に排出される。
降下管3を降下する循環粒子量は、降下管3下部に投入
される空気5及び駆動用空気6の量を調整することによ
り調整される。粒子循環量は、高速流動層炉本体1の燃
焼温度、酸化鉄粒径、鉱種等により異なる。
サイクロン2で捕捉された循環粒子の一部は、連結管21
を通して粒子冷却器20に導入される。導入量は駆動用空
気22の量によつて降下管3の圧力損失を一定に保つよう
に制御される。
粒子冷却器20には、流動用空気23が風箱24、分散板25を
通つて供給され、上述の導入粒子を流動化する。粒子冷
却器20には、また冷却水管26が設けられており、冷却水
供給口27から供給され排出口28から排出される冷却水
と、上述の流動用空気の双方によつて粒子が冷却され
る。冷却に使用された空気は配管29によつて煙道19に導
かれる。
粒子冷却器20は、一般的に温度250〜400℃、流動空気流
速は粒径によるが0.3〜1.0m/s範囲に保たれる。
上記温度に冷却された生成粒子は、溢流管30を通つて溢
流し、ホツパ31、排出装置32を通つて排出口33から後続
の苛性化工程に送られる。
その他は実施例4と同じである。
上記の実施例と比較するために下記のような比較例を設
定し、その結果を下表にまとめた。
比較例1;従来型の造粒機を使用し、炭酸ガス含有排ガス
e2をデイスクエバポレータへ供給しないこと以外は実施
例1に同じ。
比較例2;炭酸ガス含有排ガスe2をデイスクエバポレータ
へ供給せず、かつ浮遊燃焼せずに炉底での焔燃焼になつ
たこと以外は実施例2と同じ。
比較例3;反応補完装置を装置せず、かつデイスクエバポ
レータへ炭酸ガス含有排ガスe2を供給しないこと以外は
実施例3と同じ。
比較例4;デイスクエバポレータへ炭酸ガス含有排ガスe2
を供給しないこと以外は実施例4と同じ。
〔効果〕 (1)黒液に炭酸ガスを添加することによつて黒液の粘
度が低下するため黒液の流動性が向上し濃縮装置運転動
力が軽減されかつ黒液の濃縮性も改良される。
更に黒液の流動性が向上するため燃焼炉での黒液の噴霧
性が向上し更に高濃度の黒液の噴霧が可能になる。
又炭酸ガスを添加した黒液は着火温度が低下することゝ
相俟つて、燃焼性が改善されると共に黒液が凝集し、微
粒化するため、これをバインダーとして造粒された酸化
鉄造粒物は均一でポーラスな成型物となり鉄酸ソーダ生
成反応を良好にし、結果として苛性化率の高い高濃度白
液の製造を可能にする。
また本発明の炭酸ガス添加により黒液の吸湿性が改善さ
れ容易に黒液の固形化を可能にした。
(2)黒液を炭酸ガス処理し間接加熱式デイスクエバポ
レータにより従来法KP黒液より高濃度に濃縮した液状お
よび固形化黒液を燃焼炉で燃焼させうるので黒液エネル
ギーを有効に利用し熱回収効率を向上させることが可能
になる。
(3)流動床炉における酸化鉄の粉化に対して、0.5mm
以下の微粉状物を混練機へ戻すラインを設置したコンパ
クタで圧縮造粒を行うようにし、又固定床炉における燃
焼反応条件確保の困難さを炭酸ガス処理黒液と酸化鉄の
予混合物をノズルより噴霧し炉底への落下時に燃焼、反
応を行い炉底部ストーカ上で反応を完結させ炉外へ取出
すようにし、さらに高速流動床炉における反応時間不足
に対しては、酸化鉄の循環比を増大すると共に反応補完
装置を設置することによりいずれの型式の燃焼炉でも黒
液と酸化鉄との反応を十分行えるようにした。
(4)燃焼反応生成物を微粉状および又は粒状の固体と
して炉外へ取出すため、熱回収が有効に行い得る。
(5)苛性化率の高い(85〜95%)200〜300g/l(酸化
ソーダ換算)の苛性ソーダ水溶液(白液)が得られ、パ
ルプ製造時の黒液混入量を増大させ、結果として濃縮工
程での黒液濃度が上昇するため、濃縮用蒸気使用量を著
しく低減することが可能になる。
(6)白液中の不純物に有効な除去法を組み合わせ使用
することにより、不純物濃度を現状KP並又はそれ以下に
維持し白液の循環再使用を可能にする。
(7)回収、再生した微粉状および又は粒状酸化鉄をく
り返し再使用することにより、補給用酸化鉄が少量で済
む。
(8)前記直接苛性化法における濃縮、燃焼、加水分解
各工程での最適操作条件を把握しかつ各工程における諸
問題を全て具体的に解決することにより前記直接苛性化
法がシステムとして機能し、アルカリパルプ廃液から苛
性ソーダを回収する方法として適用可能にした。
【図面の簡単な説明】
第1図はKP法黒液、AP法黒液の固形分濃度と粘度の関係
を示す図表。 第2図は炭酸ガス処理をしないAP法黒液、炭酸ガス処理
AP黒液の黒液濃度と吸湿率を示す図表。 第3図はAP法黒液のpHと粘度の関係を示す図表。 第4図は炭酸ガス処理しないAP法黒液と微粉酸化鉄との
接触の状態と炭酸ガス処理したAP法黒液と微粉酸化鉄と
の接触状態を示す模式図。 第5図は、流動床炉を使用した本発明の一実施例を示す
図。 第6図は、固定床炉を使用した本発明の一実施例を示す
図。 第7図及び第8図は、夫々本発明に適用しうる固定床炉
の構造を示す図。 第9図及び第10図は、夫々本発明に適用しうる反応補完
装置を追設した高速流動層炉の構造を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 999999999 株式会社荏原製作所 東京都大田区羽田旭町11番1号 (71)出願人 999999999 川崎重工業株式会社 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 (71)出願人 999999999 月島機械株式会社 東京都中央区佃2丁目17番15号 (71)出願人 999999999 バブコツク日立株式会社 東京都千代田区大手町2丁目6番2号 (72)発明者 岡野 昌生 神奈川県相模原市相模台2−24−7 (72)発明者 奈倉 道博 千葉県千葉市真砂5丁目2番3棟104号 (72)発明者 中野 達男 広島県呉市広町10121番地ノ1 (72)発明者 塚本 治夫 広島県呉市広町10121番地ノ1 (72)発明者 長谷川 啓司 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 永東 秀一 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 田苗 和茂 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 矢口 時也 東京都練馬区春日町5−21−37 (72)発明者 伊東 速水 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 永井 千秋 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 竹下 勇吉 大阪府大阪市此花区島屋町4丁目1番35号 川崎重工業株式会社大阪工場内 (72)発明者 小川 勝義 大阪府大阪市此花区島屋町4丁目1番35号 川崎重工業株式会社大阪工場内 (72)発明者 菊岡 一眞 神奈川県横浜市磯子区磯子町1丁目2番10 号 バブコツク日立株式会社横浜工場内 (72)発明者 岩橋 康二 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 徳永 喜久男 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 町田 収 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機械 株式会社内 (56)参考文献 特公 昭45−4401(JP,B1) 特公 昭43−19082(JP,B1) 特表 昭58−500719(JP,A)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木材繊維のアルカリ蒸解、洗浄および必要
    に応じて漂白段階よりなる工程より排出される黒液と称
    される実質的に硫黄化合物を含まないアルカリ性廃液か
    ら苛性ソーダを回収する方法において、 (a)上記黒液をそのまま又は濃縮後、該黒液に炭酸ガ
    ス含有ガスを添加して該黒液のpHを9.5〜12.5(黒液濃
    度40%、80℃)に調整する工程 (b)上記炭酸ガス処理黒液をそのまま固形分濃度50〜
    95%に濃縮する工程 (c)燃焼炉内に上記炭酸ガス処理濃縮黒液、酸素およ
    び酸化鉄を添加して燃焼させ、有機物の燃焼、無機ソー
    ダ分の炭酸ソーダ化および炭酸ソーダの鉄酸ソーダ化を
    行わせる工程 (d)上記生成物を加水分解し、苛性ソーダを回収する
    と共に再生酸化鉄は上記(c)工程に循環させる工程 よりなることを特徴とするアルカリパルプ廃液から苛性
    ソーダを回収する方法。
  2. 【請求項2】前記(a)工程においてpHを調整される黒
    液濃度が40〜65%である特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記炭酸ガス含有ガスが前記(c)工程よ
    りの排ガスおよび/又は他の燃焼炉の排ガスである特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】前記(b)工程で固形分濃度85%以上の濃
    度まで濃縮した炭酸ガス処理黒液を、加圧状態でノズル
    より薄膜状に噴出させ半固形状の炭酸ガス処理黒液シー
    トを形成して冷却し、完全固化後破砕し、前記(c)工
    程に供給する特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれか
    1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記(c)工程を行う燃焼炉として固定床
    炉を使用するに際し、炭酸ガス処理濃縮黒液と微粉酸化
    鉄とを予混合し、該予混合物をノズルより微粒子状に噴
    霧させて炉内で浮遊燃焼させ、炉底ストーカ上で反応を
    完結させる特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1
    項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記(c)工程を行う燃焼炉として反応補
    完装置を追設した高速流動層炉を使用するに際し、微粉
    酸化鉄と炭酸ガス処理濃縮黒液の反応を、これらの循環
    比を増大させると共に反応補完装置内で高温酸素雰囲気
    によって完結させる特許請求の範囲第1項〜第4項のい
    ずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記(c)工程を行う燃焼炉として流動床
    炉を使用するに際し、微粉酸化鉄を、炭酸ガス処理濃縮
    黒液をバインダーとして造粒した粒状物を流動媒体とし
    て使用する特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記(c)工程を行う燃焼炉として流動床
    炉を使用するに際し、流動床炉上部出口の微粉酸化鉄を
    そのまままたは加水分解後の再生微粉酸化鉄に炭酸ガス
    処理濃縮黒液を添加率5〜15重量%(50%濃度)で混練
    し、圧縮した後解砕し、0.5〜5mm径の造粒物は流動媒体
    として流動床炉へ供給し、0.5mm径以下のものは再度造
    粒原料として炭酸ガス処理濃縮黒液との混練工程に返送
    する前記特許請求の範囲第7項記載の方法。
  9. 【請求項9】前記(d)工程において、苛性ソーダ溶液
    および、再生酸化鉄の系外排出手段、マグネシウム化合
    物の添加手段及び鉄酸ソーダの冷却抽出手段により、苛
    性ソーダ溶液中の無機不純物を除去する特許請求の範囲
    第1項〜8項のいずれか1項に記載の方法。
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