JPH0783814B2 - エアコンディショナ用脱臭フィルタ - Google Patents

エアコンディショナ用脱臭フィルタ

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JPH0783814B2
JPH0783814B2 JP3091673A JP9167391A JPH0783814B2 JP H0783814 B2 JPH0783814 B2 JP H0783814B2 JP 3091673 A JP3091673 A JP 3091673A JP 9167391 A JP9167391 A JP 9167391A JP H0783814 B2 JPH0783814 B2 JP H0783814B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエアコンディショナ用脱
臭フィルタに関し、より具体的には圧力損失の低く且つ
防黴性能を備えたこの種フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエアコンディショナには粗目の除
塵フィルタしか装着されていないのが一般的であり、同
フィルタの圧力損失は0.1 −0.2 mmAq(エア流速1m/
sec における測定値、以下同じ)程度であった。これに
対して近年たばこの煙り、花粉等のサブミクロン粒子を
除去する要望が強くなったことから、圧力損失2−3mm
Aq程度の高密度のフィルタがオプショナルに使用される
ようになった。しかし上記高密度のフィルタの使用は、
圧力損失が大きいことから、これに起因して、風量が低
下する、或いは騒音が大きくなる等の問題が生じた。そ
こでこの問題に対応する為、電気集塵機や、エレクトレ
ット繊維(半永久的に分極されたポリオレフィン系繊
維、特公昭56-47299等に開示される)を用いたフィルタ
等の、低圧力損失の除塵機構が用いられるようになっ
た。
【0003】上記低圧力損失の除塵機構はしかし、本来
的に脱臭を目的とするものではない為、その脱臭能力は
低い。
【0004】他方、活性炭が接着されたフィルタは従来
より種々のタイプのものが提案されている。例えば、
1)特公昭59-19727、特開昭53-64675、実開昭57-11972
4 等には、微粉状活性炭を抄紙段階で紙に混抄させ、ハ
ニカム或いは片段ボール積層状に成形したフィルタが開
示される。2)特開昭58-175560 、特開昭63-88014、実
開昭62-79522等には、繊維状活性炭をハニカム状に成形
したフィルタが開示される。3)特開昭57-48325、特開
昭59-142843 、特開昭59-227704 等には、粉末活性炭と
バインダとの混合物を押出して格子状またはハニカム状
とし、これを焼成して活性化したフィルタが開示され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記1のフィルタは、
活性炭の使用量が上げられず、また紙の表面で有効に脱
臭に寄与している活性炭が少なく、脱臭効果が低い。上
記2のフィルタは、繊維状活性炭が高価で大量に使え
ず、また繊維状活性炭は吸着速度は高いが脱着も速く、
直ぐにフィルタからに臭気が漏れてくるという欠点があ
る。上記3のフィルタは、脱臭効果は高いがフィルタ自
体が高価であり、また成形時に歪みが生じるので広い面
積に使用できない。従って、エアコンディショナに使用
するのに適当な脱臭フィルタは見出だすことができな
い。
【0006】本発明はかかる観点に基づいてなされたも
のであり、上記除塵機構と併用若しくは単独で使用で
き、且つ低圧力損失(1.0 mmAq以下、望ましくは0.5 mm
Aq以下)で、煙草の臭い等の室内臭気を脱臭できるエア
コンディショナ用の脱臭フィルタを提供することを目的
とする。
【0007】また、従来の活性炭を基体に接着する為の
粘着剤には、それ自信の変質を防止する目的の防腐剤し
か使用されていない。従って、これをエアコンディショ
ナ用の脱臭フィルタに利用した場合には、梅雨時期等、
高湿度の季節にエアコンディショナの不使用期間が長く
なると、フィルタに黴が発生する虞がある。フィルタに
黴が発生すると、次に使用した時に、異臭が感じられた
り、胞子が飛散したりする原因となる。またフィルタ交
換時にフィルタ上に黴が顕著に認められることは、外観
上からも好ましくない。
【0008】更にまた、上記粘着剤としては、アクリル
系等の可燃性高分子ポリマーが用いられている。しか
し、家電製品は、より安全性を確保する為に、使用部品
を可能な限り難燃化する必要が生じており、その規制も
年々厳しくなっている。
【0009】従って本発明はまた、この種フィルタにお
いて発黴の防止、難燃性の向上を達成することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
本発明にあっては、格子状のフィルタ基体と、粘着剤に
よりフィルタ基体に接着されたガス吸着剤粒子とからな
るエアコンディショナ用脱臭フィルタであって、上記粘
着剤に難燃剤が添加されていることを特徴とする。
【0011】望ましい態様において、上記難燃剤がハロ
ゲン系難燃剤と無機系難燃剤とを含む。また、上記粘着
剤に防黴剤が添加されている。
【0012】
【作用】上記構成により本発明に係る脱臭フィルタによ
れば、上記エア流速条件において1.0 mmAq以下の圧力損
失を達成することが可能となる。また本脱臭フィルタの
脱臭効果は脱臭フィルタとしての一般的条件に適うもの
となり、脱臭効果の継続性はエアコンディショナに対し
て使用されるフィルタとしての条件に適うものとなる。
しかも、フィルタの発黴の防止、難燃性の向上が達成さ
れる。
【0013】
【実施例】[構造及び材質]図1は本発明に係る脱臭フ
ィルタ10の一実施例を示す平面図である。このフィルタ
は、格子状のフィルタ基体12と、フィルタ基体12に接着
されたガス吸着剤粒子14とからなる。
【0014】本発明に係る脱臭フィルタ10は開口率(図
1の紙面に対して平行な平面における)が約50−約80%
で、この値は後述する種々の条件に従う結果として得ら
れる。またフィルタ10の厚さ(図1の紙面に対して垂直
な方向)は15mm以下で望ましくは約3mm以上となってい
る。本フィルタ10は、図1図示の如くガス吸着剤粒子14
の寸法が比較的大きく、またフィルタ10の厚さが小さい
点で、従来のフィルタと異なる。これらの特徴は、エア
コンディショナ用の脱臭フィルタとして、低圧力損失、
適当な脱臭能力、長寿命等の条件を満たす為の鍵とな
る。
【0015】基体12は、紙、アルミ、プラスチック等の
薄肉の材料からなる。紙を材料として用いる場合は、フ
ェノール樹脂等を含浸させて強度を補強することもでき
る。また基体12には不燃化処理を施すこともできる。基
体12の厚さは実質的に本フィルタ10の厚さとなるから、
約15mm以下で望ましくは3mm以上となる。この厚さは、
本フィルタ10が最終的に図2図示の如くエアコンディシ
ョナの筐体内に収納されることから決定される。
【0016】図示実施例において、基体12の格子のパタ
ーン形状は6角形のいわゆるハニカム状となっている
が、このパターン形状は、例えば矩形、3角形等いかな
る形状とすることもできる。但し、格子の1つのセル16
の平面積(図1の紙面に対して平行な平面における)は
約0.20−約0.35cm2 となる。この数値は、ガス吸着剤粒
子14を支持する為の区画壁18の密度を実質的に意味する
こととなる。この数値の選択理由は後述する。
【0017】ガス吸着剤粒子14は活性炭からなるが、添
着活性炭等他のタイプのものを使用することも可能であ
る。また石油ストーブ等室内のCO発生源に対処する
為、COを接触酸化処理できる触媒を脱臭剤と併用する
ことができる。この触媒としては、水分があっても死活
しない金/酸化物触媒(特開昭60-238148 等で開示され
る)が望ましい。
【0018】ガス吸着剤粒子14の寸法は約20−約60メッ
シュ、基体12の平面単位面積当りのガス吸着剤粒子14の
使用量は約400 −約2000g/m2 である。この数値の選
択理由は後述する。
【0019】ガス吸着剤粒子14を基体12に接着する為の
バインダは、粒子の脱落を防止する為に粘着剤が使用さ
れることが望ましい。上記バインダは、フィルタ製造時
に、ブランク基体に供された後に乾燥され、粘性が高め
られる。上記乾燥作業により溶媒の匂いが飛び、活性炭
が溶媒の匂いを吸着しなくなる。
【0020】望ましくは、本フィルタ10は、ガス吸着剤
粒子14の粒径よりも目の細かな不織布、紙等で形成され
た通気性カバー(図示せず)により覆って使用するよう
にする。この通気性カバーにはまた不燃化処理、防黴、
防菌処理を施すことが望ましい。 [使用態様]図2は本フィルタ10をエアコンディショナ
の室内機30の筐体32内に組込んだ状態を示す側面図であ
る。図中矢印はエアの流れ方向を示す。本フィルタ10
は、通常用いられている除塵フィルタ34に続いて、エア
の導入通路に配設される。本フィルタ10を通過して脱臭
されたエアは、熱交換器36で加熱若しくは冷却され、送
風機40の作用により室内に供給される。本フィルタ10は
また、エアの導入通路の代わりに、熱交換器36後のエア
の排出通路に配設することも可能である。なお図中符号
38は露受け皿である。 [製造方法]図3は本フィルタ10の製造工程の一例を示
す図である。先ず基体供給機52から所定の厚さのブラン
ク基体が供給され、バインダ浸漬部54において、粘着剤
が全体に塗布される。次にブランク基体は10分間程度乾
燥機56に掛けられ、バインダに所定の粘性が付与される
と共に、バインダの溶剤の匂いが飛ばされる。乾燥後、
ブランク基体は吸着剤添着部62に送込まれる。
【0021】他方、吸着剤添着部62に対しては、吸着剤
供給機58から所定サイズの吸着剤が供給され、ブランク
基体表面にバインダを介して接着される。次に、基体や
吸着剤に不完全に付着している余分な吸着剤は払落とし
部64で除去される。そして上記吸着剤が十分に基体に接
着した後、切断機66により1次製品の基体が所望の寸法
に切断され、最終製品フィルタ10が完成となる。またそ
の後必要に応じ、包装部68でフィルタ10の両面或いは片
面に通気性カバーを積層させてもよい。 [本脱臭フィルタの脱臭機能試験の方法]脱臭フィルタ
の圧力損失の測定は、内寸10×10cm、長さ220cm の角形
透明アクリル製風胴を用い、この中央部に脱臭フィルタ
を装着して行った。フィルタの通過風速は1.0 m/sec
とし、フィルタ前後の静圧差を測定した。
【0022】また脱臭効果を確認する為の官能試験に関
しては次の通りである。先ず容積が17m3 のステンレス
鋼製チャンバ内において、2本の市販の煙草を自然燃焼
させた。15分後にチャンバ内の扇風機を作動させ、内部
を均一な状態にした後、市販の空気清浄機のフィルタ装
着部に本脱臭フィルタを取付けて運転を行った。フィル
タの開口部は0.065 m2 、処理風量は3.9 m3 /min で
ある。空気清浄機運転開始30分後に、チャンバ内の空気
を無臭の10リットル容量プラスチックバッグに捕集し、
官能試験に供した。官能試験は予め嗅覚異常者を除外し
た15名により行われた。
【0023】またCO濃度の低減効果に関しては次の通
りである。先ず上記官能試験と同一のチャンバ内を、C
O濃度が100 ppm となるように調整した。次に上記官能
試験と同一の空気清浄機及び条件下において本脱臭フィ
ルタを使用し、CO濃度の減衰を測定した。使用測定器
は、ガステック製CM2510である。 [本脱臭フィルタの条件の検討]基体12の格子のセルサ
イズ、ガス吸着剤粒子14の寸法及びその使用量等の条件
は以下の通りに検討した。 a.格子のセルサイズ 図5は格子のセルサイズの変化に基づく活性炭担持量と
圧力損失との関係を示すグラフである。実験に使用され
たフィルタは図3図示の本発明に係る工程により製造さ
れた。基体12は全て図4に示すようなハニカム状の格子
構造をなし、厚さは5mmである。格子のセルサイズとい
う用語はここでは図4中の「l」を指示する。またガス
吸着剤として活性炭が使用された。
【0024】図5のグラフ中、曲線aは活性炭粒子寸法
が32−60メッシュのフィルタ、曲線bは活性炭粒子寸法
が20−42メッシュのフィルタに関する結果を示す。また
直線Dは圧力損失一次限界(0.5 mmAq)線、直線Lは圧
力損失の二次限界線(1.0 mmAq)を示す。
【0025】図5のグラフ中、各プロット記号が指示す
るところは下記の通りである。
【0026】 「×」…セルサイズ3/8 in(セル平面積約0.8 cm2 ) 「△」…セルサイズ1/4 in(セル平面積約0.35cm2 ) 「○」…セルサイズ3/16 in (セル平面積約0.2 cm2) 「□」…セルサイズ1/8 in(セル平面積約0.09cm2 ) 同図から分かるように、「□」で示されるセルサイズ1/
8 inの基板では、圧力損失が二次限界線Lをも越えてし
まう。他方「×」で示されるセルサイズ3/8 inの基板で
は、十分な活性炭担持量が得られない。従って、基板格
子のセルサイズは約1/4 −約3/16inの範囲が適当とな
る。前述の如く格子の形状はハニカム状に限定される必
要はない為、上記サイズをセル平面積で表すと、この範
囲は約0.2−約0.35cm2 となる。 b.ガス吸着剤の粒子寸法と使用量 図6は活性炭の粒子寸法の変化に基づく活性炭担持量と
圧力損失との関係を示すグラフである。実験に使用され
たフィルタは図3図示の本発明に係る工程により製造さ
れた。基体12は全て図4に示すようなハニカム状の格子
構造をなす。
【0027】図6のグラフ中、曲線cはセルサイズ3/16
in(セル平面積約0.2 cm2 )で厚さ5mmの基板のフィル
タ、曲線dはセルサイズ1/4 in(セル平面積約0.35c
m2 )で厚さ5mmの基板のフィルタ、曲線eはセルサイ
ズ3/16 in (セル平面積約 0.2cm2 )で厚さ10mmの基
板のフィルタ、曲線fはセルサイズ1/4 in(セル平面積
約0.35cm2 )で厚さ10mmの基板のフィルタに関する結果
を示す。また直線Dは圧力損失一次限界(0.5 mmAq)
線、直線Lは圧力損失の二次限界線(1.0 mmAq)を示
す。
【0028】図6のグラフ中、各プロット記号が指示す
るところは下記の通りである。
【0029】「×」…粒子寸法 60 −100 メッシュ 「△」…粒子寸法 32 − 60 メッシュ 「○」…粒子寸法 20 − 42 メッシュ 「□」…粒子寸法 6 − 10 メッシュ 同図から分かるように、「□」で示される6−10メッシ
ュの活性炭では、圧力損失が二次限界線Lをも遥かに越
えてしまう。他方「×」で示される 60 −100メッシュ
の活性炭では、十分な活性炭担持量が得られない。従っ
て、活性炭の粒子寸法は約20−60メッシュの範囲が適当
となる。
【0030】また図6は、基板の全面に活性炭が接着さ
れた状態における、各条件での基体平面単位面積当りの
活性炭の担持量(即ち使用量)が示される。この使用量
の範囲を、フィルタの厚さ15mmまで考慮した場合、上記
活性炭の粒子寸法の範囲における使用量は約2000g/m
2 以下と考えられる。また同使用量は、脱臭効果を考慮
した場合、少なくとも約400 g/m2 必要となる。この
値は約3mmの厚さの基板における使用量に対応する。
【0031】また図6から、上記本発明に係る活性炭の
粒子寸法の範囲において、基板の厚さの変化により圧力
損失は大きな影響を受けないことが分かる。
【0032】活性炭の寸法とセルサイズとの関係による
脱臭フィルタの機能評価は図7に示される通りである。
同図中斜線で示される部分が本発明に係るフィルタの条
件範囲となる。 [例及び脱臭機能試験結果]空気清浄機を設置しなかっ
た場合と、本発明の条件範囲内のフィルタA、B、C、
D、Eを取付けた空気清浄機を用いた場合とについて、
脱臭効果の比較を前記官能試験により行った結果を第2
表に示す。同表中の数値は、6段階臭気強度法(第1表
参照)に基づく。下記比較結果から、1%の危険率で有
意差が認められ、本発明に係るフィルタA−Eの脱臭に
対する有効性が証明された。
【0033】またフィルタEについては、上記CO濃度
低減試験も合わせて行われた。その結果、図8に示され
るように、フィルタEのCO濃度低減に対する有効性が
証明された。図8中、曲線hはフィルタEを取付けた場
合、曲線iはフィルタを取付けなかった場合の結果を示
す。
【0034】使用したフィルタの製造条件は次の通りで
ある。 a.フィルタA、B セルサイズ3/16in(セル平面積約0.2 cm2 )、厚さ5mm
の紙製ハニカムコアを手で展張後、市販のエマルジョン
系粘着剤(綜研化学製SKダインE−3008B)の槽中に
入れて粘着剤を塗布した。乾燥機に入れて100 ℃で2時
間かけて乾燥し、重量を測定したところ、粘着剤の塗布
量は1300g/m2 であった。これに市販の活性炭(クラ
レケミカル製GG)の、2種類の粒度(20−42メッシ
ュ、32−60メッシュ)のものを添着させた。粒度20−42
メッシュの活性炭を添着したものをフィルタA、粒度32
−60メッシュの活性炭を添着したものをフィルタBとし
た。フィルタA、Bの活性炭使用量は夫々790 、600 g
/m2 、圧力損失は夫々0.43、0.23mmAqであった。 b.フィルタC、D セルサイズ1/4in (セル平面積約0.35cm2 )、厚さ10mm
の展張済みのアルミニウム製ハニカムコアを、市販の溶
剤系粘着剤(綜研化学製SKダインE−1200)の槽中に
入れて粘着剤を塗布した。乾燥機に入れて120 ℃で3時
間かけて乾燥し、重量を測定したところ、粘着剤の塗布
量は500 g/m2 であった。これに市販の活性炭(クラ
レケミカル製GG)の、2種類の粒度(20−42メッシ
ュ、32−60メッシュ)のものを添着させた。粒度20−42
メッシュの活性炭を添着したものをフィルタC、粒度32
−60メッシュの活性炭を添着したものをフィルタDとし
た。フィルタC、Dの活性炭使用量は夫々1300、1000g
/m2 、圧力損失は夫々0.32、0.13mmAqであった。 c.フィルタE セルサイズ3/16in(セル平面積約0.2 cm2 )、厚さ10mm
の展張済みのアルミニウム製ハニカムコアを、市販の溶
剤系粘着剤(綜研化学製SKダインE−1200)の槽中に
入れて粘着剤を塗布した。乾燥機に入れて100 ℃で2時
間かけて乾燥し、重量を測定したところ、粘着剤の塗布
量は600 g/m2 であった。これに夫々粒度20−42メッ
シュの市販の活性炭(クラレケミカル製GG)と、金/
酸化物触媒(東洋CCI製)とを体積比で8:2の割合
で添着させた。活性炭の使用量は約1200g/m2 、圧力
損失は0.59mmAqであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 表2に示すように、フィルタA〜Eにおいて、明らかな
臭気強度の低下が認められた。 [防黴性]下記の変更事項以外は、前記フィルタAと同
一条件で、フィルタF〜Iを形成し、フィルタの防黴性
について検討した。 a.フィルタF 粘着剤に、市販の溶媒溶解型防黴剤(北興産業製E50
A、主成分チアベンダゾール、溶媒DMSO)を粘着剤
に対する主成分の重量比で約0.4 %、及び、市販の水溶
解型防黴剤(北興産業製L100N、主成分不明)を粘
着剤に対する主成分の重量比で約0.2 %添加した。 b.フィルタG 粘着剤に、市販の水分散型防黴剤(吉富製薬製トミサイ
ドZ−50、主成分チンクピリチオン)を粘着剤に対す
る主成分の重量比で約0.15%、及び、市販の水溶解型防
黴剤(北興産業製L100N、主成分不明)を粘着剤に
対する主成分の重量比で約0.2 %添加した。 c.フィルタH 粘着剤に、市販の水分散型防黴剤(吉富製薬製トミサイ
ドZ−50、主成分チンクピリチオン)を粘着剤に対す
る主成分の重量比で約0.15%添加した。 d.フィルタI 粘着剤に、市販の水溶解型防黴剤(北興産業製L100
N、主成分不明)を粘着剤に対する主成分の重量比で約
0.2 %添加した。 [フィルタF、Gの脱臭性能の比較試験]フィルタF、
Gについて、「本脱臭フィルタの脱臭機能試験の方法」
の項で述べた方法に従って、脱臭性能の比較試験を行っ
た。試験結果を、前述の空気清浄機がない場合、及びフ
ィルタAの試験結果と共に表3に示す。
【0037】
【表3】 表3に示すように、溶媒溶解型防黴剤を使用したフィル
タFでは、脱臭機能の低下が認められ、これは製造過程
において、有機溶剤の臭気を活性炭が吸収する為と考え
られる。これに対して、水分散型防黴剤を使用したフィ
ルタGでは、防黴剤を添加していないフィルタAとほぼ
同等の優れた脱臭性能が得られた。即ち、溶媒溶解型防
黴剤は、本発明が対象としている脱臭フィルタに適用す
るのに不向きで、水分散型及び水溶解型の防黴剤の使用
が適当であることが判明した。 [発黴試験]フィルタA(防腐剤が粘着剤原液に対して
0.2 %添加された市販の粘着剤をそのまま使用)、並び
に上述の如く防黴処理したフィルタG、H、Iについ
て、発黴試験を行った。
【0038】発黴試験はIEC規格68-2-10 に準じる。
使用菌株は「Aspergillus niger 」及び「Aspergillus
terreus 」の2種類とした。接種胞子数は約107 個/
mlとし、3cm各に切断した脱臭フィルタに2mlの
胞子液をかけ、蓋付シャーレ中、30℃、90%RHの条件で
28日間培養して発黴性を観察した。発黴の基準を表4
に示す。なお、栄養源は添加しなかった。また試験結果
を表5に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】 表5に示すように、水分散型防黴剤のみを使用したフィ
ルタH、水溶解型防黴剤のみを使用したフィルタIの夫
々の防黴機能は、フィルタAに比べて幾分優れている。
しかし、特に、両防黴剤を併用したフィルタGの防黴機
能は、フィルタH、Iに比べて遥かに優れることが判明
した。なおここで、水分散型防黴剤は粘着剤の防黴化
に、水溶解型防黴剤は基体である紙の防黴化に夫々寄与
していると推察される。 [難燃性]下記の変更事項以外は、前記フィルタAと同
一条件で、フィルタJを形成し、フィルタの難燃性につ
いて検討した。 a.フィルタJ 粘着剤(市販品の状態では固形分50%)に、その固形分
に対して、ハロゲン系難燃剤(主成分不明)を重量比で
30%と、同量の無機系難燃剤(主成分三酸化アンチモ
ン)とを添加した。
【0041】ここで上記ハロゲン系難燃剤としては、テ
トラブロモビスフェノールA(TBA)、2,2-ビス(4-
ヒドロキシ-3,5- ジブロモフェニル)プロパン、ヘキサ
ブロモベンゼン(HBB)、トリス(2,3-ジブロモプロ
ピル)イソシアヌレート(TAIC−6B)、2,2-ビス
(4-ヒドロキシエトキシ-3,5- ジブロモフェニル)プロ
パン(TBA−EO)、デカブロモジフェニルオキサイ
ド(DBDPO)、及び含ハロゲンポリフォスフェート
等をあげることができる。
【0042】また上記無機系難燃剤としては、赤リン、
酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メ
タホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化マ
グネシウム等をあげることができる。
【0043】またリン系難燃剤を使用することも可能で
あり、この種の難燃剤としては、例えばリン酸アンモニ
ウム、トリクレジルホスフェート(TPC)等をあげる
ことができる。 [燃焼試験]フィルタA、Jについて燃焼試験を行っ
た。燃焼試験は、金網上に水平に保持したフィルタ試料
に60秒間火を当て、離した時のフィルタ試料の燃焼時間
を測定した。繰返し回数は5回とした。試験結果を表6
に示す。
【0044】
【表6】 表6に示すように、粘着剤にハロゲン系及び無機系の2
種の難燃剤を添加して作製したフィルタJは、市販のま
まの粘着剤で作製したフィルタAに比べて優れた難燃性
を示した。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、脱臭フィルタとしての
一般的な脱臭効果と、エアコンディショナに対して使用
されるフィルタとしての低圧力損失及び脱臭効果の継続
性とを適当に備えたエアコンディショナ用の脱臭フィル
タを提供することが可能となる。しかも、フィルタの発
黴の防止、難燃性の向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱臭フィルタの一実施例を示す平
面図。
【図2】本発明に係るフィルタをエアコンディショナの
室内機の筐体内に組込んだ状態を示す側面図。
【図3】本発明に係るフィルタの製造工程の一例を示す
図。
【図4】ハニカム状格子の構造を示す斜視図。
【図5】格子のセルサイズの変化に基づく活性炭担持量
と圧力損失との関係を示すグラフ。
【図6】活性炭の粒子寸法の変化に基づく活性炭担持量
と圧力損失との関係を示すグラフ。
【図7】活性炭の寸法とセルサイズとの関係による脱臭
フィルタの機能評価を示す図。
【図8】フィルタのCO濃度低減に関する実験結果を示
すグラフ。
【符号の説明】
10…脱臭フィルタ、12…基板、14…ガス吸着剤、16…セ
ル、30…エアコンディショナの室内機、34…除塵フィル
タ、36…熱交換器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】格子状のフィルタ基体と、粘着剤によりフ
    ィルタ基体の表面に接着されたガス吸着剤粒子とを具備
    上記基体の厚さ=約15mm以下、 上記基体の格子の1セルの平面積=約0.20−約0.35cm 2 上記ガス吸着剤粒子の寸法=約20−約60メッシュ、 上記基体平面単位面積当りのガス吸着剤粒子の使用量=約400 −約2000g/ 2 本フィルタの開口率=約50−約80%、 の上記各条件を全て満たし、且つ 上記粘着剤に難燃剤が
    添加されていることを特徴とするエアコンディショナ用
    脱臭フィルタ。
  2. 【請求項2】上記難燃剤がハロゲン系難燃剤と無機系難
    燃剤とを含む請求項1記載のフィルタ。
  3. 【請求項3】上記フィルタ基体が紙製である請求項1ま
    たは2記載のフィルタ。
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