JPH0783804A - ハンダ付け性試験装置 - Google Patents

ハンダ付け性試験装置

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JPH0783804A
JPH0783804A JP25638493A JP25638493A JPH0783804A JP H0783804 A JPH0783804 A JP H0783804A JP 25638493 A JP25638493 A JP 25638493A JP 25638493 A JP25638493 A JP 25638493A JP H0783804 A JPH0783804 A JP H0783804A
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健一 冨塚
Kinjiro Takayama
金次郎 高山
Tamiji Masatoki
民治 政時
Harutoshi Tanaka
治年 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロギャップが容易に所定値に調整され
ると共に、所定温度への加熱が、迅速にかつ高精度で行
なわれ得るようにした、ハンダ付け性試験装置を提供す
ること。 【構成】 部品保持手段12を支持する外力検出手段1
1と、この部品保持手段の下方にて部品接着部材13を
上下動可能に支持する支持部材14と、この支持部材の
下方に配設された加熱手段17と、を備えている、ハン
ダ付け性試験装置10において、部品保持手段に保持さ
れた電子部品等の試験片と部品接着部材の接触を検出す
る接触検出部20が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リフローハンダ付け等
において、電子部品等の被ハンダ付け物をクリームハン
ダでハンダ付けする際の、被ハンダ付け物のハンダ付け
性の良否を判断するためのハンダ付け性試験装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば溶融したハンダの電子部品
に対するハンダ付け性を測定する装置としては、一般的
に確定したものがある。
【0003】しかしながら、ソルダーペーストを使用し
たハンダ付けの場合、ソルダーペースト自体が、あまり
安定性のある製品ではないため、保存状態等によって、
特性が変化してしまうことがある。
【0004】このため、実際にハンダ付け実装を行なう
前に、ソルダーペーストに対する部品のハンダ付け性を
試験して、ハンダ付け不良等の発生を抑止する必要があ
る。
【0005】このようなハンダ付け性試験装置は、例え
ば本出願人による特開平05−072153号に開示さ
れている。このハンダ付け性試験装置は、図9に示すよ
うに構成されている。
【0006】図3において、ハンダ付け性試験装置1
は、外力検出手段としてのロードセル2と、部品保持手
段3と、部品載置台4a,支持台4bを有するベースス
テージ4と、このベースステージ4を水平方向に移動さ
せる水平移動手段5と、このベースステージ4を垂直方
向に移動させる垂直移動手段6と、上記支持台4b上に
載置されたテストプリント基板を加熱するための加熱手
段7とから構成されている。
【0007】このような構成のハンダ付け性試験装置1
によれば、先づ部品載置台4a上に、測定対象となるチ
ップ部品,QFP部品等の電子部品8を載置すると共
に、支持台4b上に、部品接着部材であるテストプリン
ト基板9を載置する。そして、このテストプリント基板
9の上面には、クリームハンダ9aが印刷されている。
【0008】尚、部品載置台4aは、マイクロエレベー
タ4cによって、高さ調整されるようになっている。こ
の場合、テストプリント基板9の厚さを考慮して、部品
載置台4aの上面が、このテストプリント基板9の上面
より、所望の、例えば数十ミクロンオーダーのギャッ
プ、所謂マイクロギャップδだけ高くなるように調整さ
れる。
【0009】続いて、垂直移動手段6を動作させて、ベ
ースステージ4を上昇させ、部品保持手段3のエアピン
セット3aの下面に、部品載置台4a上の電子部品8を
当接させる。さらに、ベースステージ4を上昇させる
と、電子部品8がエアピンセット3aを押し上げること
になり、このベースステージ4が上方ストッパ4dに当
接した位置で、このベースステージ4の垂直移動が停止
される。同時に、この部品保持手段3のシリンダ3bが
減圧され、エアピンセット3aが電子部品8を吸着保持
することになる。
【0010】この状態から、ベースステージ4が下降さ
れると、エアピンセット3aは、電子部品8を保持し続
けている。ここで、ロードセル2がゼロ調整される。
【0011】その後、水平移動手段5により、ベースス
テージ4が図面にて右方に移動される。これにより、支
持台4bが、部品保持手段3のエアピンセット3aの下
方に位置されることになる。
【0012】そして、再び垂直移動手段6により、ベー
スステージ4を上方ストッパ4dに当接するまで上昇さ
せると、電子部品8の下面が、テストプリント基板9上
のクリームハンダ9aに接触する。この際、部品載置台
4aの高さが、このテストプリント基板9の上面よりδ
だけ高く設定されていることから、電子部品8は、この
プリント基板9に対して、δのギャップ間隔にて正確に
位置決めされ、クリームハンダ9a内に所定の浸漬深さ
だけ進入することになる。
【0013】この状態から、加熱手段7によって、この
テストプリント基板9を加熱する。これにより、このク
リームハンダ9aの熱的挙動が発生して、電子部品8に
対する浮力,濡れ力等の力が作用し、この力が、ロード
セル2によって、電気信号として出力される。ここで、
このロードセル2の出力の時間的変化は、例えば図10
に示すように、得られる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成されたハンダ付け性試験装置1においては、マ
イクロギャップの調整は、テストプリント基板9の厚さ
や、電子部品8の長さに対応して、マイクロエレベータ
4cを調整することにより行われる。従って、電子部品
8やテストプリント基板9が交換された場合、一定量の
マイクロギャップδを得るために、その都度マイクロエ
レベータ4cを調整しなければならず、操作が面倒であ
るという問題があった。
【0015】また、加熱手段7は、所謂雰囲気加熱であ
ることから、テストプリント基板9の温度が不安定であ
ると共に、大熱容量の加熱を行なう場合、所定温度への
加熱を迅速に行なうことができず、また高精度の温度設
定が困難であるという問題があった。
【0016】尚、加熱手段としては、例えば熱板を押し
当てる方法,赤外線投光による加熱,高周波誘導加熱,
熱風加熱等の方法が考えられる。しかしながら、熱板の
押し当てによる加熱方法は、熱伝達性に5乃至10℃程
度の遅れが生じてしまい、温度ムラが発生しやすいとい
う問題があった。
【0017】また、赤外線投光による加熱は、ハロゲン
ランプ等の局所加熱手段を使用したとしても、温度分布
の不均一となり、温度制御の精度を高くすることが困難
であり、さらに温度上昇速度もあまり高くすることがで
きないという問題があった。さらに、高周波誘導加熱
は、装置のコストが高くなってしまうという問題があっ
た。また、熱風加熱は、温度分布が不均一になってしま
うと共に、温度上昇速度もあまり高くすることができな
いという欠点があった。
【0018】本発明は、以上の点に鑑み、マイクロギャ
ップが容易に所定値に調整されると共に、所定温度への
加熱が、迅速にかつ高精度で行なわれ得るようにした、
ハンダ付け性試験装置を提供することを目的としてい
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、部品保持手段を支持する外力検出手段と、この部
品保持手段の下方にて部品接着部材を上下動可能に支持
する支持部材と、この支持部材の下方に配設された加熱
手段と、を備えている、ハンダ付け性試験装置におい
て、上記部品保持手段に保持された電子部品と部品接着
部材の接触を検出する接触検出部が備えられている、ハ
ンダ付け性試験装置により、達成される。
【0020】本発明によるハンダ付け性試験装置は、好
ましくは、前記接触検出手段が、外力検出手段からの出
力信号に基づいて、部品保持手段に保持された試験片と
部品接着部材の接触を検出するように構成される。
【0021】本発明によるハンダ付け性試験装置は、好
ましくは、前記外力検出手段による圧力測定値を記録す
るための記録装置が備えられている。
【0022】本発明によるハンダ付け性試験装置は、好
ましくは、前記部品接着部材の温度を検出するための温
度センサが備えられていて、この温度センサによる温度
測定値が、上記記録装置に記録される構成となってい
る。
【0023】また、前記接触検出手段は、試験片と部品
接着部材とが当接することによって、これらが導通する
ことにより、試験片と部品接着部材との接触を検出する
構成とすることができる。
【0024】
【作用】上記構成によれば、接触検出部が、部品接着部
材と電子部品等の試験片との接触を検出するまで、部品
接着部材を上昇させた後、この部品接着部材を所定量だ
け、相対的に下降させることにより、試験片と部品接着
部材との間に、一定量の間隙が形成されるので、例えば
試験片の寸法等に対応して、その都度調整を行なう必要
がなく、所定のマイクロギャップが形成される。
【0025】ここで、加熱は、その直下に配設された加
熱手段によって直接的にまたは間接的に行なわれるの
で、比較的熱容量が大きい場合であっても、所定温度へ
の加熱が迅速にかつ正確に行なわれ得ることになると共
に、部品接着部材,試験片及びソルダーペーストが、均
一に加熱されることになる。
【0026】上記接触検出手段が、外力検出手段からの
出力信号に基づいて、部品保持手段に保持された試験片
と部品接着部材の接触を検出するようになっている場合
には、この接触が、外力検出手段を利用して、その出力
信号を電気的に処理するだけの簡単な構成により、検出
されることになる。
【0027】また、上記外力検出手段による圧力測定値
を記録するための記録装置が備えられている場合には、
検出した圧力変化が、視覚的に観察されることになる。
かくして、圧力変化曲線が容易に把握されることにな
る。
【0028】部品接着部材の温度を検出するための温度
センサが備えられていて、この温度センサによる温度測
定値が、上記記録装置に記録される場合には、温度変化
曲線も同時に、視覚的に観察されるので、より一層ハン
ダ付け性の良否が容易に行なわれ得ることになる。
【0029】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図1乃至図
2を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる
実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0030】図1は、本発明によるハンダ付け性試験装
置の第1の実施例を示している。図において、ハンダ付
け性試験装置10は、外力検出手段としてのロードセル
11と、部品保持手段12と、部品接着手段としてのマ
イクロポット13を保持する支持台14と、この支持台
14を垂直方向に移動させる駆動装置15と、この駆動
装置を制御するための制御装置16と、この支持台14
の下方に配設されたヒータ17と、このヒータ17を所
定温度に加熱するための温度制御装置18とを有してい
る。
【0031】上記ロードセル11は、固定部材11aを
介して固定保持されている。さらに、このロードセル1
1の出力信号は、記録装置19に入力されることによ
り、圧力変化が記録されるようになっている。また、こ
のロードセル11の出力信号は、タッチセンサ回路20
に入力されている。これにより、ロードセル11の負荷
がゼロになったとき、制御装置16に制御信号が出力さ
れるようになっている。
【0032】この部品保持手段12は、ハンダ濡れ性試
験金属片21または電子部品を保持するようになってい
る。
【0033】また、マイクロポット13には、スキージ
ングによって、一定量のクリームハンダが搭載される。
【0034】上記温度制御装置18は、マイクロポット
13に備えられた温度センサ(図示せず)からの検出温
度に基づいて、ヒーター17への通電を制御することに
より、マイクロポット13内のクリームハンダ22を、
一定温度に保持し得るようになっている。
【0035】本実施例によるハンダ付け性試験装置10
は、以上のように構成されており、先づ部品保持手段1
2にハンダ濡れ性試験金属片21を保持させると共に、
マイクロポット13内に、一定量のクリームハンダ22
を搭載して、支持台14上にセットする。
【0036】この状態から、駆動装置15を動作させ
て、この支持台14を上方に移動させる。これにより、
この支持台14の移動中に、上記金属片21の下端が、
マイクロポット13内のソルダーペースト試料22を貫
通してマイクロポット13の表面に当接すると、図2
(A)に示すように、ロードセル11により検出される
圧力は、A点にある。
【0037】ここで、更に駆動装置15を動作させる
と、ロードセル11の荷重は、支持台14及びマイクロ
ポット13によって支持されることになる。従って、ロ
ードセル11の圧力は、徐々に減少して、図2(A)の
B点で、圧力変化がなくなる。このB点が、タッチセン
サ回路20によって、検出されて、その検出信号が、制
御装置16に入力される。
【0038】これにより、駆動装置15が停止される。
この際、ロードセルは、金属片21の下端が、マイクロ
ポット13内のクリームハンダ22を押し退けるための
必要な圧力、所謂初期圧力を検出することになる。そし
て、この初期圧力は、記録装置19によって記録され
る。
【0039】続いて、駆動装置15を所定時間だけ動作
させることにより、マイクロギャップδの分だけ、例え
ば数十μm乃至数百μmだけ、支持台14を下降させ
る。これにより、この金属片21の下端とマイクロポッ
ト13の表面との間には、図示のように、マイクロギャ
ップδが形成されることになる。この際、金属片をマイ
クロポット13の表面から引き離すために要する圧力、
所謂初期圧力の減少圧力(図2(A)のC点からD点)
が、ロードセル11により検出され、記録装置19に記
録される。
【0040】この場合、上記マイクロギャップδは、ク
リームハンダ22の厚さ以内であり、さらに好ましく
は、クリームハンダの量,金属片21のクリームハンダ
22への接触面積,金属片21とマイクロポット13の
熱容量,温度調整装置18の設定温度等に基づいて、選
定される。
【0041】その後、図2(B)のb点にて、ヒーター
17を動作させて、マイクロポット13,クリームハン
ダ22そして金属片21を加熱する。かくして、このマ
イクロポット13上に搭載されたクリームハンダ22
は、設定温度まで加熱され、溶解される。
【0042】その際、ロードセル11は、上記初期圧力
及び減少圧力の差分が作用した状態にある。尚、ロード
セル11は、この時点で、上記差分にてゼロリセットさ
れると共に、感度が例えば数100倍に切換えられる。
かくして、このクリームハンダ22が溶解する過程に
て、図2(B)のb点に示すように、金属片21との間
に発生する浮力,濡れ力等の力が発生する。これらの力
の変化が、圧力変化として、ロードセル11によって検
出され、電気信号として出力されて、記録装置19にて
記録される。
【0043】このようにしてロードセル11で検出され
る圧力変化(図2(A)参照)と、温度センサで検出さ
れるマイクロポット13の温度変化(図2(B))によ
れば、以下の状態を示している。
【0044】即ち、先づ図2(A)の圧力変化において
は、A点からB点は、駆動装置15を動作させて支持台
14を上昇させて、前以て一定量のクリームハンダ22
を載置したマイクロポット13を金属片21に押し付け
る際に、金属片21が、クリームハンダ22に接触(A
点)してから、マイクロポット13に接触するまでの時
間を示す。
【0045】C点からD点は、駆動装置15を逆方向に
動作させて、マイクロポット13を金属片21から所定
のマイクロギャップδだけ引き離すまでの時間を示す。
D点からE点は、ヒーター17の加熱によって、クリー
ムハンダ22がマイクロポット13を介して加熱され、
溶融を開始するまでの時間を示す。E点からF点は、ク
リームハンダ22の溶融開始から金属片21の電極部2
1aに対する濡れが発生するまでの時間、F点からG点
は、濡れ発生から、完了までの時間をそれぞれ示してい
る。
【0046】ここで、圧力変化は、A点からB点では、
初期圧力を示し、C点からD点では、減少圧力を示して
いる。さらに、圧力変化は、E点からF点では、残留圧
力が作用している状態での、溶融したクリームハンダ2
2による金属片21の浮力を示している。F点からG点
では、金属片21の電極部21aに対するクリームハン
ダ22の濡れ力による浮力減少から、平衡状態までの圧
力変化が示されている。
【0047】また、図2(B)の温度変化においては、
a点における加熱開始、b点におけるクリームハンダ溶
融開始、c点における設定温度到達が示されている。
【0048】このようにして記録装置19で得られた圧
力変化及び温度変化に基づいて、圧力変化曲線のD点及
びG点,温度変化曲線のa点及びc点を読み取ることに
より、D点からG点のトータル時間と、ac間のトータ
ル時間,トータル温度が求められる。そして、これらの
トータル時間,トータル温度と、実際のリフローハンダ
付けの実施条件との比較が行なわれる。
【0049】これにより、実施条件のプレヒート後の実
質的なリフロー加熱条件下の加熱時間よりもD点からG
点のトータル時間が長い場合には、当該クリームハンダ
を使用した被ハンダ付け物のリフローハンダ付けは、ハ
ンダ付け性が悪いと判断される。
【0050】他方、ac間のトータル時間が、前記実施
条件の加熱時間よりも長い場合には、本試験装置10の
加熱条件が適切ではないと判断される。この場合、試験
装置10のヒーター17の加熱速度を速くする必要があ
る。
【0051】好ましくは、試験装置10におけるac間
のトータル時間と、実質的な加熱条件下での加熱時間と
を一致させるように、当該試験装置10の温度制御装置
18に、昇温時間を設定する機能が設けられる。
【0052】尚、上述した実施例において、圧力変化曲
線から読み取られたD点からG点のトータル時間と、実
質的なリフロー加熱条件との差異を、図示しない制御回
路等によって算出することにより、ハンダ付け性の判断
が自動的に行なわれ得るようにすることも可能である。
また、算出された差異に基づいて、この差異が所定値以
上である場合に、ランプを点灯させる等の表示が行なわ
れるようしてもよい。
【0053】このように、上述の実施例によれば、所定
量のマイクロギャップは、試験片の下端を、一旦、部品
接着部材の上面に当接させた後、所定量だけ、部品接着
部材を相対的に下降させることにより、形成される。従
って、使用する部品接着部材の厚さや、試験片の寸法等
に関係なく、簡単な操作によって、所定量のマイクロギ
ャップが形成されることになる。また、クリームハンダ
の加熱がヒーターによって直接的にまたは間接的に行な
われることから、加熱が迅速にかつ正確に行なわれ得
る。
【0054】また、部品保持手段に保持された試験片の
下端に対して、部品接着部材を支持する支持台を上昇さ
せ、この試験片と部品接着部材の接触が、ロードセルの
検出出力に基づいて検出されたとき、この部品接着部材
の上昇を停止させ、かつこの部品接着部材が所定量だけ
下降されることにより、使用する部品接着部材,試験片
等の寸法を考慮することなく、この試験片の下端と部品
接着部材の上面との間には、所定量のマイクロギャップ
が形成されることになる。
【0055】図2は、本発明によるハンダ付け性試験装
置の第2の実施例を示している。図において、ハンダ付
け性試験装置30は、外力検出手段としての電子天秤3
1と、部品保持手段としてのチャック32と、部品接着
手段としてのマイクロルツボ33を有しており、このマ
イクロルツボ33にはクリーム半田等の試験試料34が
収容されるようになっている。このチャック32には、
ハンダ濡れ性試験金属片21または電子部品を保持する
ようになっている。
【0056】上記マイクロルツボ33は例えば図示する
ように例えばラック部材にステー状の接続部36を介し
て接続され、このラック部材は、駆動機構35のピニオ
ンと歯合されている。これにより、マイクロルツボ33
は、図において上下に移動するようになっている。ま
た、このマイクロルツボ33の温度は温度変換手段39
によって電気信号に変換されて出力されるようになって
いる。
【0057】さらに、チャック32,マイクロルツボ3
3,接続部材36は導電材料で形成されており、導電性
を有する試験片38が後述するようにマイクロルツボ3
3の底面に接触した場合に、この接触による導通を導電
タッチセンサ41で検出できるようになっている。この
導電タッチセンサ41の検出信号は、駆動機構35の動
力源42に与えられるようになっている。
【0058】さらに、このハンダ付け性試験装置30
は、部品接着手段としてのマイクロルツボ33の図にお
いて下方に加熱手段45を備えている。この実施例の場
合、加熱手段45は、例えば溶融ハンダ46aを収容す
るハンダバス(浸漬加熱バス)46と、このハンダバス
46を上下に昇降駆動する駆動手段47と、温度センサ
48bの検出温度に基づいてハンダバス46内の溶融ハ
ンダをヒータ48aにより所定温度に加熱する温度制御
手段48とを備えている。
【0059】本発明の第2の実施例は、以上のように構
成されており、先づ部品保持手段32にハンダ濡れ性試
験金属片38を保持させると共に、マイクロルツボ33
内に、一定量のクリームハンダ34を収容する。
【0060】この状態から、駆動装置35の駆動源42
を動作させて、マイクロルツボ33を上昇させる。この
マイクロルツボ33の移動中に、上記金属片38の下端
が、マイクロルツボ33のソルダーペースト試料34を
貫通してマイクロルツボ33の底面に当接する。これに
より、金属片38,マイクロルツボ33,接続部材36
は導通するので導電タッチセンサ41に信号が入り、上
記金属片38がマイクロルツボ33の底面に接触したこ
とが正確に検出される。
【0061】この導電タッチセンサ41は、上記接触を
検出すると、駆動部35に信号を送り、駆動源42はこ
の信号を受けてピニオンを逆転させる。この場合、駆動
源42は予め定められた回転数だけピニオンを回転させ
るので、図4に示すように上記金属片38とマイクロル
ツボ33の底面との間には、一定のマイクロギャップが
形成される。
【0062】この状態で、図3に示す駆動手段47を駆
動させてハンダバス46を上昇させて図4に示すように
マイクロルツボ33の外面が溶融ハンダ46a内に浸漬
されるようにする。そして、この溶融ハンダ46aを加
熱手段45により所定温度に加熱することにより、マイ
クロルツボ33内のソルダーペースト試料34が急速に
溶ける。
【0063】かくして、この溶けたソルダーペースト試
料34と金属片38との間に働くぬれ力を電子天秤31
によって荷重検出することにより、正確なぬれ力を計測
することができる。
【0064】図4に示すマイクロギャップを正確に形成
する手段として、さらに、図5に示すような構成が考え
られる。図5は、図3のハンダ付け性試験装置とことな
る構成を中心に図示しており、図3と同様の符号を付し
た箇所は共通の構成となっている。図において、ハンダ
付け性試験装置50には、マイクロルツボ33の上方
で、かつチャック32よりも下に、レーザ光等を照射す
る発光部51と、この発光部51と対向して受光部52
とが配置されている。
【0065】受光部52は、レベル測定器53と接続さ
れている。このレベル測定器53は、マイクロルツボ3
3を上下動させる駆動手段35と接続されている。した
がって、発光部51から照射されたレーザ光が受光部5
2に到る光路L上に金属片38の先端が位置することに
より、この金属片38の先端の位置(金属片38の長
さ)をレベル測定器53が正確に検出して、その検出信
号を駆動手段35に与える。
【0066】駆動手段35は、レベル測定器53からの
検出信号を受けて、金属片38の先端の正確な位置を
得、この位置に対して、所定のギャップ(マイクロギャ
ップ)を形成し得るように、所定距離マイクロルツボ3
5を上昇させる。
【0067】尚、電子天秤31を上下に昇降させる昇降
手段37を設けて、レベル測定器53からの検出信号を
鎖線に示すように、この昇降手段37側に与えるように
してもよい。この場合は、マイクロルツボ33は、駆動
手段35により予め定められた位置に正確に移動させて
おき、この基準位置となるマイクロルツボ33の底面に
対して所定のマイクロギャップを形成できるように、昇
降手段37を駆動する。この際、目標位置にレーザ光の
光路Lを合わせておき、レベル測定器53からの信号を
モニタしながら昇降手段37を駆動して、金属片38を
移動させ、金属片38の先端がこの光路Lに達したこと
を検出することになる。図6は上記図3のハンダ付け性
試験装置30における試験結果を一例として記録したも
のである。この場合、金属片38は直径0.4mmの銅
線をエメリーペーパー処理したものを用いている。この
場合、低融点金属の融点から加熱を開始して30秒で摂
氏250度に到達している。マイクロルツボ33内のソ
ルダーペースト試料は0.2CCとし、金属片38の試
料内浸漬深さ1mmで、データをとったものである。
【0068】図7は、図2に示すような、長くて細い金
属片を試験片として保持するために好適なチャック装置
の具体例を示している。このチャック装置60は、ホル
ダー61と、このホルダー61に対して基端側がビス止
めされている板バネ62とを備えている。このホルダー
61の先端側には、円錐形の拡径部63が設けられてお
り、この拡径部63の中心には貫通孔64が形成されて
いる。
【0069】この貫通孔64の内径は、試験片としての
細い長尺の金属片38の外径より僅かに大きく形成され
ている。そして、拡径部63内部の貫通孔64の周囲6
5は断熱材が施されている。すなわち、この断熱部65
は、断熱材料,例えばテフロン(登録商標),デルリン
(登録商標)等の樹脂材料や適宜のセラミック材料等で
形成されている。また、好ましくは、板バネ62もこれ
らの材料でコーティングされることにより、断熱処理さ
れている。
【0070】これにより、試験片38は、図7(A)に
示すように、チャック装置60の拡径部63の貫通孔6
4に挿通されることにより、その向きが正しく案内され
て位置決めされる。さらに、この試験片38の端部を板
バネ62によって挟むことによって、試験片38はチャ
ック装置60により確実に保持されることになる。
【0071】しかも、チャック装置60の金属片38と
接触する領域の一部もしくは全部が断熱材料で形成され
ているから、試験試料としてのハンダの熱が金属片38
を介してチャック装置60側に逃げることがない。この
ため、このチャック装置60を例えば図3のハンダ付け
性試験装置30に装着して、ハンダのねれ性試験をする
場合には、試験開始から短時間で熱平衡に達し、正確な
試験結果が得られる。
【0072】次に、図1および図3のハンダ付け性試験
装置の他の使用例について説明する。上述の実施例で
は、例えばクリームハンダのハンダ付け性に関して、そ
のぬれ力の測定を中心に説明したが、これらの装置は、
ハンダの粘着力を測定する場合にも使用できる。
【0073】すなわち、リフロー炉を使用したリフロー
ソルダリングにあっては、実装基板等のランド上にソル
ダーペーストを施し、これに実装すべきチップ部品等を
載置した状態で、リフロー炉まで運ばれる。この間、チ
ップ部品は実装基板上で、ソルダーペーストの粘着力に
より保持されている。
【0074】したがって、ソルダーペーストの粘着力は
どの程度であるかは、リフローソルダリングを行うにあ
たって有用な情報となる。このような試験の実施方法に
ついて、例えば本発明の第2の実施例のハンダ付け性試
験装置30を用いる場合について説明する。先づ部品保
持手段32に金属片38を保持させると共に、マイクロ
ルツボ33内に、一定量のクリームハンダ34を収容す
る。
【0075】この状態から、駆動装置35の駆動源42
を動作させて、マイクロルツボ33を上昇させる。この
マイクロルツボ33の移動中に、上記金属片38の下端
が、マイクロルツボ33のソルダーペースト試料34を
貫通してマイクロルツボ33の底面に当接する。これに
より、金属片38,マイクロルツボ33,接続部材36
は導通するので導電タッチセンサ41に信号が入り、上
記金属片38がマイクロルツボ33の底面に接触したこ
とが正確に検出される。
【0076】この導電タッチセンサ41は、上記接触を
検出すると、駆動部35に信号を送り、駆動源42はこ
の信号を受けてピニオンを逆転させる。この場合、駆動
源42は予め定められた回転数だけピニオンを回転させ
るので、図4に示すように上記金属片38とマイクロル
ツボ33の底面との間には、一定のマイクロギャップが
形成される。
【0077】ハンダのねれ性試験の場合は、この状態
で、図3に示す駆動手段47を駆動させてハンダバス4
6を上昇させ、図4に示すようにマイクロルツボ33の
外面が溶融ハンダ46a内に浸漬されるようにするので
あるが、粘着力試験の場合は、ハンダバス46を用いな
い。
【0078】金属片38が、マイクロルツボ33内のク
リームハンダと接触した状態から、駆動装置35の駆動
源42を逆転させて、金属片38とマイクロルツボ33
の底面との距離を相対的にゆっくりと離間させる。
【0079】これにより、金属片38の先端に付着した
ハンダペーストが、マイクロルツボ33底面に塗られた
ハンダペースト34とのあいだで、いわば糸を引くよう
にして切れる瞬間の荷重を電子天秤31で計測する。か
くして、図8に示されているように、A,B2種類のク
ームハンダについて、上記粘着力を荷重に換算した試験
結果を得ることができる。
【0080】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、マ
イクロギャップが容易に所定値に調整でき、しかも、所
定温度への加熱が、迅速にかつ高精度で行なえるように
した、ハンダ付け性試験装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるハンダ付け性試験装置の第1の実
施例を示す概略図である。
【図2】図1のハンダ付け性試験装置により検出される
(A)圧力変化曲線及び(B)温度変化曲線である。
【図3】本発明によるハンダ付け性試験装置の第2の実
施例を示す概略図である。
【図4】図3の装置によりマイクロギャップを形成した
状態を示す要部概略図である。
【図5】図3の装置の変形例を示す要部概略図である。
【図6】図3の試験装置による記録結果の一例を示す図
である。
【図7】図3の装置に適用されるチャック装置の構成を
示す(A)正面一部断面図,(B)側面図,(C)底面
図である。
【図8】図1及び図3の装置によりハンダの粘着力を検
出したようすを示す図である。
【図9】従来のハンダ付け試験装置の一例を示す概略図
である。
【図10】図9の装置によるロードセル出力と各現象と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
10, ハンダ付け性試験装置 11 ロードセル 12 部品保持手段 13 マイクロポット 14 支持台 15 駆動装置 16 制御装置 17 ヒーター 18 温度制御装置 19 記録装置 20 タッチセンサ回路 21 金属片 22 クリームハンダ 30 ハンダ付け性試験装置 33 マイクロルツボ 35 駆動装置 39 温度変換装置 41 導電タッチセンサ41 45 加熱装置 46 ハンダバス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 政時 民治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 田中 治年 東京都墨田区横川2丁目20番11号 タルチ ン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品保持手段を支持する外力検出手段
    と、この部品保持手段の下方にて部品接着部材を上下動
    可能に支持する支持部材と、この支持部材の下方に配設
    された加熱手段と、を備えている、ハンダ付け性試験装
    置において、 上記部品保持手段に保持された電子部品等の試験片と部
    品接着部材の接触を検出する接触検出部が備えられてい
    ることを特徴とする、ハンダ付け性試験装置。
  2. 【請求項2】 前記接触検出手段が、外力検出手段から
    の出力信号に基づいて、部品保持手段に保持された試験
    片と部品接着部材の接触を検出する構成としたことを特
    徴とする、請求項1に記載のハンダ付け性試験装置。
  3. 【請求項3】 前記外力検出手段による圧力測定値を記
    録するための記録装置が備えられていることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載のハンダ付け性試験装置。
  4. 【請求項4】 前記部品接着部材の温度を検出するため
    の温度センサが備えられていて、この温度センサによる
    温度測定値が、上記記録装置に記録される構成としたこ
    とを特徴とする、請求項1ないし3の何れかに記載のハ
    ンダ付け性試験装置。
  5. 【請求項5】 前記接触検出手段は、試験片と部品接着
    部材とが当接することによって、これらが導通すること
    により、試験片と部品接着部材との接触を検出する構成
    としたことを特徴とする、請求項1に記載のハンダ付け
    性試験装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106112297A (zh) * 2016-07-26 2016-11-16 四川然新材料科技有限公司 一种用于可焊性测试的便于调整焊料的结构
CN106112301A (zh) * 2016-07-26 2016-11-16 四川然新材料科技有限公司 一种可焊性测试焊料调整装置
CN106181102A (zh) * 2016-07-26 2016-12-07 四川然新材料科技有限公司 一种便于调整焊料位置的可焊性测试测力工装
CN106216869A (zh) * 2016-07-26 2016-12-14 四川然新材料科技有限公司 一种用于可焊性测试仪的测力工装
CN106271171A (zh) * 2016-07-26 2017-01-04 四川然新材料科技有限公司 一种用于测试可焊性的测力结构

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