JPH07830B2 - 金属材料の表面被覆法 - Google Patents

金属材料の表面被覆法

Info

Publication number
JPH07830B2
JPH07830B2 JP15593585A JP15593585A JPH07830B2 JP H07830 B2 JPH07830 B2 JP H07830B2 JP 15593585 A JP15593585 A JP 15593585A JP 15593585 A JP15593585 A JP 15593585A JP H07830 B2 JPH07830 B2 JP H07830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
oxide
metal material
coating
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15593585A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6217169A (ja
Inventor
祐治 福田
Original Assignee
バブコツク日立株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バブコツク日立株式会社 filed Critical バブコツク日立株式会社
Priority to JP15593585A priority Critical patent/JPH07830B2/ja
Publication of JPS6217169A publication Critical patent/JPS6217169A/ja
Publication of JPH07830B2 publication Critical patent/JPH07830B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C8/02Pretreatment of the material to be coated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C26/00Coating not provided for in groups C23C2/00 - C23C24/00
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F19/00Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers
    • F28F19/02Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings
    • F28F19/06Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings of metal

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、金属材料の表面に密着性が良く、気孔が少な
くて緻密で、かつ皮膜を構成する金属酸化物粒子間の結
合力の高い、耐エロージョン性ならびに耐熱性に優れた
金属酸化物皮膜を形成させる方法に関するものである。
〔発明の背景〕
石炭、または重油と石炭との混合物を燃料として燃焼さ
せるボイラにおいては、石炭中に含まれる灰分がフライ
アッシュとなって燃焼ガスの流れに乗って飛散する際
に、ボイラ内に設置されている伝熱管群に衝突し、その
伝熱管の表面を摩耗、減肉する現象、すなわち、アッシ
ュエロージョンが生じることはよく知られている。この
アッシュエロージョン現象は、主に1次過熱器や節炭器
が設けられているボイラ燃焼室壁面付近の燃焼ガス流が
集中したり、あるいは偏流して燃焼ガスの流れが速くな
る部位において特に問題となっている。
アッシュエロージョンによる伝熱管の摩耗、減肉速度
は、石炭の燃焼によって生じる燃焼ガス中の灰分組成、
形状、大きさ、ボイラ伝熱管の温度、材質(通常は炭素
鋼または低合金鋼が使用される)および燃焼ガス流速な
どによって異なるが、甚だしい場合には年間の減肉量が
数mmに達する例もあり、ボイラの運転上重大な問題とな
っている。このような、アッシュエロージョンによる伝
熱管の減肉を防止する一つの方法として、伝熱管の外側
に耐摩耗性に優れた材料からなるプロテクタを設ける方
式がある。この方式によると、プロテクタと伝熱管の間
に空隙が生じ、伝熱管の熱吸収を著しく低下させること
になり、伝熱管が広範囲にわたってアッシュエロージョ
ンを起こすような場合に、このプロテクタを用いると伝
熱管群の熱交換効率が悪くなり、技術的にも経済的にも
問題が生じる。また、伝熱管のアッシュエロージョンに
よる減肉を防止する他の方法として、伝熱管の外管を耐
摩耗性の良い金属材料となし、内管を通常の伝熱管材料
とした2重管を使用する方式があるが、2重管は非常に
高価であり、これを大量に用いると伝熱管群の材料費が
著しく高くなり、結果としてボイラの設備コストが上昇
するという問題が発生する。そして、上述のプロテクタ
方式または2重管方式にすることによって、灰分の高い
低品位の石炭を燃料に使用するボイラにおける伝熱管、
あるいは燃焼ガス流速が非常に速い箇所に使用する伝熱
管のある程度の減肉速度の軽減をはかることはできる
が、アッシュエロージョン防止の恒久的な対策とはなり
得ないという欠点がある。また、ボイラ伝熱管の場合に
おいては、伝熱管の材料温度が最高で600℃と高温下で
使用されるために、耐摩耗性の他に耐熱性が要求される
ことになる。
上記のプロテクタ方式あるいは2重管方式に比べ、比較
的に安価でアッシュエロージョン防止に適した方法とし
て、ボイラ伝熱管の表面に耐摩耗性ならびに耐熱性に優
れた材料を溶射して皮膜を形成させる方法がある。この
アッシュエロージョン防止に適用できる耐熱、耐摩耗性
の溶射材料は、(1)Fe-Cr系あるいはNi-Cr系などの合
金系の材料、(2)WC-Co系、Cr3C2‐NiCr系などのサー
メット系の材料、および(3)アルミナ、ジルコニアな
どの金属酸化物系の材料の3種に大別される。
上記(1)の合金系の溶射材料を用いる例として、クロ
ム鋼またはニッケルクロム鋼をボイラ管壁に溶射肉盛
し、さらにその上にAlを溶射した後、Alの融点以上に加
熱して、溶射肉盛層に形成されている空気孔にAlを浸透
させ、溶射肉盛層とボイラ管壁との接着性の向上をはか
る方法が提案されている(特公昭49-32174)。しかし、
この方法によると耐熱性ならびに耐食性は比較的改善さ
れるが、溶射肉盛層が合金であるために、上記のサーメ
ット系材料(2)あるいは金属酸化物系の材料(3)に
比べて軟らかく耐エロージョン性が良くなく、かつ金属
酸化物系の材料と比較して耐熱性に劣るという欠点があ
った。
ボイラ伝熱管の耐エロージョン性ならびに耐熱性を向上
させるのに最適な溶射材料である金属酸化物系の材料の
溶射被覆法としては、火炎溶射法およびプラズマ溶射法
があるが、上記した金属酸化物系の粉末は高融点材料で
あるために、火炎溶射法では被覆される母材との密着性
が良くなく、かつ皮膜を構成する金属酸化物粒子相互の
結合力が弱く、強固な皮膜が形成できないという問題が
あった。また、プラズマ溶射法は、10000℃を超える超
高温のプラズマアークを噴流にし、その中に溶射粉末を
送り込み溶融させて高速で噴出して溶射皮膜を形成させ
る方法であるために、セラミックスなどの高融点材料の
溶射には適しているが、プラズマ溶射時に被覆される母
材の温度が120〜200℃程度であるため、溶射した粉末は
母材表面で瞬時に再凝固するので、凝固した酸化物粒子
の粒子間に空隙(気孔)が生じ易く、溶射皮膜中に数%
の気孔が生じるのは避けられない。したがって、燃焼ガ
ス流速が速く、フライアッシュの衝突力の強い個所のボ
イラ伝熱管にプラズマ溶射法を適用しても、溶射皮膜を
構成する金属酸化物の粒子間にかなりの空隙(気孔)が
発生し、その粒子間の結合力が弱くなるために、上記フ
ライアッシュの衝突時に皮膜が剥離されてしまい、十分
な耐摩耗性ならびに耐熱性を示さなくなるという欠点が
あった。
この溶射皮膜を構成する金属酸化物粒子の粒子間の結合
力を向上させるには、溶射速度を極めて大きくする必要
があり、そのために溶射装置が大型になって非常に高価
となり、その上大電力を必要とするので、実機における
広範囲のボイラ伝熱管の表面被覆に適用するためには、
特に経済性の面において問題が生じる。また、溶射する
金属酸化物と溶射される母材金属との熱膨張係数の差が
大きい場合には、プラズマ溶射皮膜の場合であっても、
皮膜形成中または溶射の起動停止の熱サイクル時におい
て、形成された皮膜は容易に剥離されてしまう。これを
防止するためには、金属酸化物を溶射する前に、母材金
属とほぼ同じ熱膨張係数を有する材料を結合材として溶
射しておき、その後に金属酸化物と上記結合材との混合
割合を変えながら溶射被覆を行なわねばならず、溶射操
作が非常に複雑になると同時に、作業性が極めて悪くな
るという欠点があった。
(発明の目的〕 本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、金
属材料の表面に、密着性が良く、気孔が少なくて緻密
で、かつ皮膜を構成する金属酸化物粒子間の結合力の高
い、耐エロージョン性ならびに耐熱性に優れた金属酸化
物皮膜を容易に形成させる方法を提供するにある。
〔発明の概要〕
本発明は、耐エロージョン性、耐熱性被覆を施す金属材
料の表面に、(1)まず、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金などの皮膜を形成させ、(2)次に、上記
(1)の皮膜の上に、アルミニウムまたはアルミニウム
合金などに、耐摩耗性、耐熱性を有する酸化アルミニウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化チタンまたは酸化クロム、
もしくはそれらを主成分とする金属酸化物などを混合し
た混合層を形成させた後に、(3)還元性雰囲気または
不活性雰囲気中で加熱して、被覆される金属材料と、上
記(1)のアルミニウムまたはアルミニウム合金皮膜と
を相互拡散させて、固溶体もしくは金属間化合物などの
生成により強固な合金層を形成させると同時に、上記
(1)の皮膜ならびに(2)の混合層に生じた気孔中に
アルミニウムまたはその合金を浸透させて緻密な皮膜と
なし、(4)さらに引き続き酸化性の雰囲気中におい
て、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の融点以下
の温度で加熱して、残存するアルミニウムもしくはアル
ミニウム合金成分を酸化物の形に変化させることによっ
て、被覆される金属材料との密着性が良く、緻密で、か
つ皮膜を構成する金属酸化物粒子間の結合力の高い、耐
エロージョン性ならびに耐熱性に優れた皮膜を形成させ
ることを基本とするものである。
本発明において、耐エロージョン性および耐熱性皮膜を
形成させる金属材料としては、アルミニウムもしくはア
ルミニウム合金と反応して、固溶体または金属間化合物
を形成する元素、例えばFe、Cr、Ni、Co、Mn、Ti、Cuな
どの元素を含む金属材料であればよく、また、これらの
元素は、被覆される金属材料の表面に形成させるアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金皮膜中に含まれていても
よい。
そして本発明において、アルミニウムまたはアルミニウ
ム合金との混合層を形成させる金属酸化物は、Al2O3、Ti
O2、ZrO2またはCr2O3などの酸化物、もしくはそれらの酸
化物を主成分とする耐摩耗性、耐熱性を有する金属酸化
物であればよく、特にその成分組成を限定するものでは
ない。
〔発明の実施例〕
以下に本発明の一実施例を挙げ、図面を参照しながらさ
らに具体的に説明する。
第1図(a)、(b)、(c)および(d)は、本発明
による耐熱、耐エロージョン性皮膜を金属材料表面に形
成させる方法の一例を段階的に示す説明図である。
市販の炭素鋼1の表面をショットブラスト処理した後、
アセチレンガスによる火炎溶射法により、金属アルミニ
ウムを0.2mm厚さに溶射してアルミニウム層2を形成さ
せた〔第1図(a)〕。次に、アルミニウム層2の上
に、酸化アルミニウムと金属アルミニウムとの混合比を
10:1とした混合物を、アセチレンガスによる火炎溶射法
で溶射し、厚さ約0.3mmの酸化アルミニウムと金属アル
ミニウムとの混合層3を形成させた〔第1図(b)〕。
その後、上記のアルミニウム層2および混合層3を形成
させた炭素鋼1を、熱処理炉に挿入し、水素ガスを通し
ながら約900℃で5時間熱処理し、アルミニウム層2と
炭素鋼1との間に、アルミニウムと鉄との合金層4を形
成させた〔第1図(c)〕。次に、熱処理炉の雰囲気を
酸化性となし、約600℃で5時間加熱して、酸化アルミ
ニウムと金属アルミニウムとの混合層3内のアルミニウ
ムを酸化して、酸化アルミニウムの単一層5に変化させ
た〔第1図(d)〕。
以上のプロセスによって作製した本発明による耐熱、耐
エロージョン性皮膜の気孔率(%)、密着性および耐摩
耗性の試験結果を第1表に示す。なお、皮膜の気孔率
(%)は、光学顕微鏡により皮膜断面の気孔数を測定し
た。皮膜の密着性は、皮膜に繰返しの急熱、急冷(500
℃に加熱、20℃に冷却および700℃に加熱、20℃冷却)
を行ない、皮膜が剥離するまでの回数を測定した。ま
た、皮膜の耐摩耗性は、100μm前後の粒径のSiO2を20m
/sの流速の空気中に加え、各皮膜に2時間吹き付けて、
その前後の重量変化を測定することによって求めた。
第1表に示すごとく、本発明の実施例に基づいて作製し
た皮膜は、気孔率が1〜3%と極めて低く、非常に緻密
な皮膜が形成されていることを示している。また、皮膜
と母材の炭素鋼との密着性は500℃、700℃のいずれの加
熱、急冷試験においても、10回で剥離せず極めて良好な
密着性を示しており、皮膜の耐摩耗性は、炭素鋼100に
対して7という優れた値を示し、耐エロージョン性は格
段に向上していることがわかる。
以上実施例において示したごとく、本発明の方法により
形成した皮膜が母材の金属に対して優れた密着性を示す
理由は、還元性雰囲気である水素ガス中で熱処理を行な
うことによって、アルミニウム層2と炭素鋼1との間に
相互拡散が生じ、FeAl3の金属間化合物またはFe-Alの固
溶体が、アルミニウム層2と炭素鋼1との境界に形成さ
れ、強固なアルミニウムと鉄の合金層4が形成されるか
らである。また、耐熱、耐エロージョン性皮膜を形成す
る母材の金属材料としては、アルミニウムと金属間化合
物または固溶体を形成するFe、Cr、Ni、Co、Mn、Ti、Cu
などの元素を含む合金であれば密着性の良い皮膜を形成
させることができる。
本実施例においてはアルミニウムをアセチレンガスによ
る火炎溶射法で溶射しているが、皮膜を形成させる金属
材料との熱膨張率が大きく異なる場合には、その熱膨張
率の差が小さいアルミニウムを主成分とする合金を溶射
することによって、皮膜の密着性をより向上させること
ができる。また、本実施例においてはアルミニウムの溶
射被覆法として、アセチレンガス火炎溶射法を用いてい
るが、蒸着法、浸漬めっき法、電気めっき法などによっ
ても良好な密着性を有する皮膜を形成させることができ
る。
本実施例において、アルミニウムと鉄の合金層4を形成
させるための熱処理雰囲気として、水素ガスを用いた
が、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であっても
有効である。また、熱処理温度もアルミニウムまたはア
ルミニウム合金と被覆される金属材料とが合金化される
温度以上であれば良く、この温度は被覆される金属材料
の種類によって異なり、特に限定するものではない。
次に、酸化アルミニウムと金属アルミニウムの混合層3
の気孔率の減少と酸化アルミニウム粒子間の結合力が向
上する理由は、本実施例における水素ガス中での熱処理
(900℃×5時間)によって、アルミニウム(融点660
℃)が再溶融し、上記混合層3中の気孔中に浸透し、気
孔率が著しく減少すると同時に、再溶融したアルミニウ
ムを介して酸化アルミニウム粒子は強固に結合されるか
らである。以上の処理で、皮膜の密着性ならびに酸化ア
ルミニウム粒子間の結合力は増強されるが、上記混合層
3中には金属アルミニウムが残存しているために、皮膜
の耐エロージョン性および耐熱性は十分であるとは言え
ない。そこで、次に酸化性の雰囲気中で熱処理(600℃
×5時間)を行ない、残存するアルミニウムを酸化して
上記混合層3を酸化アルミニウムの単一層5に変化させ
て、耐エロージョン性ならびに耐熱性を有する皮膜を形
成させるものである。この酸化雰囲気中での熱処理は、
低温ではアルミニウムの酸化速度が遅く、十分な酸化ア
ルミニウムの形成が困難であるので、アルミニウムの酸
化速度が時間に対して直線的に変化する500℃以上にす
ることが望ましく、一方、アルミニウムの融点である60
0℃以上に加熱すると、アルミニウムの酸化が急激に進
行し、皮膜の劣化を起こす恐れがあるので、加熱の上限
はアルミニウムの融点直下の650℃とすることが望まし
い。
本実施例においては混合層3を、酸化アルミニウムと金
属アルミニウムの混合物としているが、還元性または不
活性雰囲気中での熱処理において再溶融する混合層3中
のアルミニウムは、他の耐エロージョン性、耐熱性の良
い酸化物、例えば酸化クロム、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウムなどに対してもぬれ性が良く、強固な金属酸化物
粒子間の結合力を得ることができるので、本発明の方法
に利用することができる。また、アルミニウムと金属酸
化物形成元素との合金、例えば酸化クロムに対しては、
アルミニウムとクロムとの合金を使用しても本発明の目
的を達成することができる。
本発明における金属酸化物と、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金との混合割合は、金属酸化物粒子の大きさ
が比較的大きい場合には、アルミニウムまたはその合金
の含有量を大きくする必要があるが、通常の場合、金属
酸化物の粒径は10μm前後であるので、金属酸化物に対
して数%程度添加すればよい。また、金属酸化物と、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金との混合物を、アセ
チレンガスの火炎溶射法で溶射する場合に、混合層3中
の気孔率は10%程度、プラズマによる溶射の場合には、
気孔率が5%程度の気孔が生じるので、その封孔処理と
して、アルミニウムまたはその合金を、粉末またはイオ
ンとして含む溶液を、溶射後塗布して含浸させた後、上
記の熱処理を施すことによって、本発明の皮膜の特性を
より向上させることも可能である。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したごとく、本発明の金属材料の表面被
覆法によれば、従来の溶射方法と比較して、被覆される
金属材料に対する密着性が良く、金属酸化物層の気孔が
少なく緻密で、かつ皮膜を構成する金属酸化物粒子間の
結合力が極めて大きい耐エロージョン性および耐熱性に
優れた皮膜を容易に形成することができるので、これを
ボイラ伝熱管に適用した場合には、その耐用年数を飛躍
的に向上させることができる。
さらに、本発明の方法はアルミニウムと固溶体または金
属間化合物を形成する元素を含む金属材料の表面被覆に
も適用できるので、上記ボイラ伝熱管に限らず他の耐摩
耗性、耐熱性を必要とする分野においても広く応用する
ことができ、工業上の利用価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、(b)、(c)および(d)は本発明の
実施例における耐エロージョン性ならびに耐熱性皮膜を
形成する工程を段階的に示す説明図である。 1……炭素鋼、2……アルミニウム層 3……酸化アルミニウムと金属アルミニウムの混合層 4……アルミニウムと鉄の合金層 5……酸化アルミニウムの単一層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被覆を施す金属材料の表面に、アルミニウ
    ムもしくはアルミニウム合金の皮膜を形成させ、さらに
    上記皮膜の上に、アルミニウムもしくはアルミニウム合
    金と金属酸化物とからなる混合層を形成させた後に、還
    元性雰囲気もしくは不活性雰囲気中で加熱して、上記金
    属材料と上記皮膜との相互拡散、ならびに上記皮膜およ
    び上記混合層の気孔中に上記アルミニウムもしくはアル
    ミニウム合金を浸透させる封孔熱処理を行ない、ついで
    酸化性雰囲気中で、アルミニウムもしくはアルミニウム
    合金の融点以下の温度で、上記皮膜ならびに混合層に残
    存するアルミニウムもしくはアルミニウム合金を酸化物
    にする酸化熱処理を行なうことを特徴とする金属材料の
    表面被覆法。
  2. 【請求項2】被覆を施す金属材料は、Fe、Cr、Ni、Co、
    Mn、Ti、Cuの内より選ばれる元素を少なくとも1種含有
    する合金であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の金属材料の表面被覆法。
  3. 【請求項3】アルミニウムもしくはアルミニウム合金と
    混合層を構成する金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸
    化ジルコニウム、酸化チタン、酸化クロムの内より選ば
    れる酸化物を少なくとも1種含有するか、もしくは上記
    酸化物を主成分とする金属酸化物であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の金属材料の表面被覆
    法。
  4. 【請求項4】アルミニウムもしくはアルミニウム合金の
    皮膜ならびにアルミニウムもしくはアルミニウム合金と
    金属酸化物とからなる混合層の形成は、溶射法、蒸着
    法、溶融浸漬めっき法、電気めっき法の内より選ばれる
    少なくとも一つの方法によることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項に記載の金属材料の表面被覆法。
  5. 【請求項5】酸化熱処理の温度範囲が500〜650℃である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の金属材
    料の表面被覆法。
JP15593585A 1985-07-17 1985-07-17 金属材料の表面被覆法 Expired - Lifetime JPH07830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15593585A JPH07830B2 (ja) 1985-07-17 1985-07-17 金属材料の表面被覆法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15593585A JPH07830B2 (ja) 1985-07-17 1985-07-17 金属材料の表面被覆法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6217169A JPS6217169A (ja) 1987-01-26
JPH07830B2 true JPH07830B2 (ja) 1995-01-11

Family

ID=15616727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15593585A Expired - Lifetime JPH07830B2 (ja) 1985-07-17 1985-07-17 金属材料の表面被覆法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07830B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2721625B2 (ja) * 1992-09-22 1998-03-04 株式会社クボタ 鋳鉄管受口部内面のアルミナ被膜ライニング方法
JP4644762B2 (ja) * 2005-11-01 2011-03-02 株式会社アドバンストシステムズジャパン スパイラル状接触子およびその製造方法
MY180753A (en) * 2005-12-21 2020-12-08 Exxonmobil Res & Eng Co Corrosion resistant material for reduced fouling, heat transfer component with improved corrosion and fouling resistance, and method for reducing fouling
US8201619B2 (en) 2005-12-21 2012-06-19 Exxonmobil Research & Engineering Company Corrosion resistant material for reduced fouling, a heat transfer component having reduced fouling and a method for reducing fouling in a refinery
US8349267B2 (en) 2007-10-05 2013-01-08 Exxonmobil Research And Engineering Company Crude oil pre-heat train with improved heat transfer
CN109396579A (zh) * 2018-11-14 2019-03-01 广东石油化工学院 一种FeAl金属间化合物抗垢涂层及制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6217169A (ja) 1987-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6355356B1 (en) Coating system for providing environmental protection to a metal substrate, and related processes
US4095003A (en) Duplex coating for thermal and corrosion protection
US4822689A (en) High volume fraction refractory oxide, thermal shock resistant coatings
Sidhu et al. Hot corrosion behaviour of HVOF-sprayed NiCrBSi coatings on Ni-and Fe-based superalloys in Na2SO4–60% V2O5 environment at 900 C
US5976695A (en) Thermally sprayable powder materials having an alloyed metal phase and a solid lubricant ceramic phase and abradable seal assemblies manufactured therefrom
US5518683A (en) High temperature anti-fretting wear coating combination
Sundararajan et al. Steam oxidation resistance of Ni-Cr thermal spray coatings on 9Cr-1Mo steel. Part 1: 80Ni-20Cr
WO1985004428A1 (en) Process for preparing high temperature materials
CA1238825A (en) Powder metal and/or refractory coated ferrous metal
Saladi et al. Effect of CeO 2 on cyclic hot-corrosion behavior of detonation-gun sprayed Cr 3 C 2-NiCr coatings on Ni-based superalloy
JPH07830B2 (ja) 金属材料の表面被覆法
JP2001503816A (ja) 内燃機関の被覆された耐摩耗性部品、特にピストンリングおよびそれらの製造方法
US5456950A (en) Molten zinc resistant alloy and its manufacturing method
Sundararajan et al. Steam oxidation resistance of two-layered Ni–Cr and Al APS coating for USC boiler applications
JPH09316622A (ja) ガスタービン部材及びその遮熱コーティング方法
EP0244458B1 (en) High volume fraction refractory oxide, thermal shock resistant coatings
JP3522590B2 (ja) 高硬度炭化物サーメット溶射皮膜被覆部材およびその製造方法
CN108611588A (zh) 一种耐高温氧化和抗硫、氯腐蚀的合金涂层及其制备方法
JPH0261051A (ja) 材料の表面被覆法及びその表面被覆法に用いる溶射材料
JPS63290254A (ja) 耐熱・耐摩耗性溶射被膜
CA2456764A1 (en) Furnace run length extension by fouling control
JPH0713291B2 (ja) 金属材料の耐摩耗処理方法
JP3917568B2 (ja) 耐熱・耐酸化性溶射皮膜被覆部材およびその製造方法
Gedwill et al. A new diffusion-inhibited oxidation-resistant coating for superalloys
Milan Shahana et al. High-Temperature Oxidation and Hot Corrosion of Thermal Spray Coatings