JPH0781700A - ロケット発射装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 迅速かつ安全に組立て発射できるロケット発
射装置を得る。 【構成】 ランチャ台車１０、同ランチャ台車上の一端
部に下端が俯仰自在に結合され前面にガイドレールを持
つとともに背面に俯仰手段を有するブーム１、同ブーム
の下端部の前面両側に上面が直角に取付けられる左右の
ロケット支持台３０、同ロケット支持台上に鉛直に向け
配置される複数のジャッキ６、ブームの前方かつロケッ
ト支持台の下方に配置される作業床１２、ブームの前方
で作業床上を前後方向移動可能に配置されるとともに幅
がロケット支持台間の内側寸法よりも短いロケット組立
台１７、同組立台上に配置される支持リング５を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ロケットの組立及び発
射を行うロケット発射装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のロケット発射装置を図５〜図９に
より説明する。

【０００３】図５にて、ランチャ台車１０の一端部にブ
ーム１の下端が俯仰軸１１周りに回転可能に取付けられ
る。ブーム１の背面側には俯仰シリンダ８が配置され、
タイロッド７とレバー９に連結されている。タイロッド
７の一端はブームの背面に、レバー９の一端はランチャ
台車１０上の固定台２０にピン結合されている。

【０００４】またブーム１の下端部の前部には図６に示
すように、ロケット支持台３０が平行リンク機構４によ
り、ブーム１の両側に前後移動可能に取付けられてい
る。ロケット支持台３０の上には複数のジャッキ６が配
置され、その上に支持リング５が配置されている。

【０００５】さらにブーム１の前面左右には中央部が切
り欠かれたガイドレール２が取付けられている。

【０００６】以上において、ロケットの組立の際には、
図６に示すように、ロケット支持台３０をブーム１の前
方に突き出して、支持リング５上に各ロケットセグメン
ト１３を搭載して組立てていた。ロケット支持台３０を
ブーム１の前方に突き出すのは、各ロケットセグメント
１３をフランジ部１４で接続するため（結合ボルト１５
を締付けるため）に、作業者がロケットセグメント１３
（ロケット支持リング５）とブーム１の間に入れるよう
隙間Ａを確保するためである。

【０００７】組立を終了した各ロケットセグメント１３
は、ブーム１側に平行リンク機構４を利用して引き寄せ
られる。引き寄せられた状態を図７に示す。このとき、
ロケットの中央のフック１６がガイドレール２の切り欠
き部に、下端部のフック１６がガイドレール２の下方に
くる。次に、図８に示すように、支持リング５とロケッ
トセグメント１３の全体がロケット支持台３０に設けら
れたジャッキ６により、上昇させられる。このとき、図
９に示すように、ブーム１に取付けられたロケット発射
時の滑走用のガイドレール２にロケット側フック１６が
かみ合う。

【０００８】ガイドレール２にフック１６をかみ合すの
は、この種のロケットはランチャ台車１０を発射方位角
まで旋回させた後に、ブーム１を前方に倒し（俯仰さ
せ）て、上下角を設定して発射する斜角発射方式のため
である。

【０００９】俯仰作動は、俯仰シリンダ８が伸びると、
ブーム１はタイロッド７とレバー９を介して前方に倒
れ、縮むと後方に倒れることによる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置では、
各ロケットセグメントから組立てられたロケットをブー
ム側に引き寄せる作業が発生する。すなわち、ロケット
が直立した状態で水平移動させられる。ロケットが小型
の場合はこの方法でも問題ないが、ロケットが大型化す
る場合においては、重量も増し、長さも長くなり特に危
険である。具体的な問題点を挙げると、重量物（１００
ton 以上）の移動であり、直立で移動させることより、
不安定で倒れる危険がある、揺れやすくロケットの破損
の恐れがあるなどである。

【００１１】この種のロケットでは、内部に火薬が充填
されているために、火工品の取扱い上からも、ロケット
本体を極力動かさないようにして組立てるのが、賢明な
方法と言える。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため次の手段を講ずる。

【００１３】すなわち、ロケット発射装置として、ラン
チャ台車と、同ランチャ台車上の一端部に下端が俯仰自
在に結合され前面にガイドレールを持つとともに背面に
俯仰手段を有するブームと、同ブームの下端部の前面両
側に上面が直角に取付けられる左右のロケット支持台
と、同ロケット支持台上に鉛直に向け配置される複数の
ジャッキと、上記ブームの前方かつ上記ロケット支持台
の下方に配置される作業床と、上記ブームの前方で上記
作業床上を前後方向移動可能に配置されるとともに幅が
上記左右のロケット支持台間の内側寸法よりも短いロケ
ット組立台と、同組立台上に配置される支持リングとを
設ける。

【００１４】

【作用】上記手段において、（１）組立て前の工程、
（２）組立て工程、（３）発射位置へのセット工程、
（４）発射工程につき、順次説明する。

【００１５】（１）組立て前の工程 ブームを鉛直にした状態で、ロケット組立て台が、ブー
ムの前、すなわち左右のロケット支持台の間まで作業床
上で移動され、そこに固定される。この状態でロケット
支持台のジャッキが下降される。このときジャッキ上の
支持リングも下降するが、途中で支持リングはロケット
組立台に支持される。さらにジャッキは下降される。ブ
ームに固定されたロケット支持台が、ブームに付随して
傾斜してもジャッキが支持リングに干渉しない位置まで
下降される。

【００１６】俯仰手段によりブームが所定角後方に傾斜
される。この状態でブームと支持リング（組立てられる
ロケットセグメント）間に作業隙間が確保される。

【００１７】（２）組立て工程 ロケット組立台で支持された支持リングの上にロケット
セグメントが順次搭載される。そしてフランジ部が結合
ボルトで締めつけられ、ロケットが組立てられる。

【００１８】（３）発射位置へのセット工程 俯仰手段によりブームが鉛直に移動される。ロケット支
持台に取付けられたジャッキが上昇される。ジャッキは
上昇途中で支持リングに接触し、以後は支持リングを上
昇させる。支持リングに搭載されたロケットも上昇する
ので、このときロケットのフックはガイドレールにかみ
合う。

【００１９】ロケット組立の用を終えたロケット組立台
はランチャ台車の旋回に干渉しないように、作業床上で
前方へ移動される。

【００２０】（４）発射工程 このようにして組立てられブームにセットされたロケッ
トは、ランチャ台車の旋回及びブームの俯仰により、そ
れぞれ発射方位角、上下角（俯仰角）が設定され、発射
される。

【００２１】以上のように、ロケット支持リング上で、
従来と同様にロケットは迅速に組立てられる。そして移
動することなく安全にブームにセットされる。

【００２２】

【実施例】本発明の一実施例を図１〜図４により説明す
る。なお、従来例で説明した部分は、同一の番号をつけ
説明を省略し、この発明に関する部分を主体に説明す
る。

【００２３】図１にてランチャ台車１０の一端部にブー
ム１の下端が俯仰軸１１周りに俯仰自在に取付けられ
る。ブーム１の背面側には俯仰シリンダ８が配置され、
タイロッド７とレバー９に連結されている。タイロッド
７の一端はブームの背面に、レバー９の一端はランチャ
台車１０上の固定台２０にピン結合されている。

【００２４】俯仰シリンダ８、タイロッド、レバー９、
固定台２０が俯仰手段である。

【００２５】ブーム１の下端部の両側には、左右のロケ
ット支持台３が、その上面をブーム１の前面に直角に取
付けられる。支持台３の上部には軸を鉛直に向けた複数
のジャッキ６が取付けられている。

【００２６】作業床１２はブーム１の前方で、かつロケ
ット支持台３の下方に、すなわちランチャ台車１０の上
面とほぼ同レベルに配置される。また作業床１２上に、
ロケット組立て台１７が配置される。ロケット組立て台
１７の幅は、図２に示すように左右の支持台３間の内側
寸法よりも短い。そして、作業床１２上をブーム１の前
方で、前後に移動できる。また組立て台１７上には支持
リング５が配置される。

【００２７】さらにサービスタワー１８には、作業床１
２の上方に適度な間隔で組立て作業床１２ａが取付けら
れている。

【００２８】以上において、（１）組立て前の工程、
（２）組立て工程、（３）発射位置へのセット工程、
（４）発射工程につき順次説明する。

【００２９】（１）組立て前の工程 ブーム１を鉛直にした状態で、ロケット組立て台１７
が、ブーム１の前、すなわち左右のロケット支持台３の
間まで、作業床上で移動され、そこに固定される。この
状態でロケット支持台３のジャッキ６が下降される。こ
のとき、ジャッキ６上の支持リング５も下降するが、途
中で支持リング５はロケット組立台１７に支持される。
ジャッキ６は更に下降される。ブーム１に固定されたロ
ケット支持台３がブーム１に付随して傾斜しても、ジャ
ッキ６が支持リング５に干渉しない位置まで下降される
（図１、図２参照）。

【００３０】俯仰シリンダ８が引っ込み、タイロッド７
を介してブーム１が後方に傾斜される。この状態でズー
ム１と支持リング５間に、図１に示す隙間Ａが確保され
る。

【００３１】（２）組立て工程 ロケット組立台１７で支持された支持リング５の上に、
ロケットセグメント１３が順次搭載される。そしてフラ
ンジ部１４が結合ボルト１５で締めつけられ、ロケット
が組立てられる。

【００３２】（３）発射位置へのセット工程 俯仰シリンダ８が押し出され、ブーム１が鉛直にされ
る。ブーム１が引き起こされ、ロケットがロケット組立
台１７上で鉛直に支持された状態を図２及び図３に示
す。

【００３３】ロケット支持台３に取付けられたジャッキ
６が上昇される。ジャッキ６は上昇途中で支持リング５
に接触し、以後は支持リング５を上昇させる。支持リン
グ５に搭載されたロケットも上昇するので、このとき各
フック１６はガイドレール２にかみ合う。ロケットがロ
ケット支持台３で支持され、フック６がガイドレール２
にかみ合った状態を図４に示す。

【００３４】ロケット組立の用を終えたロケット組立台
１７は、ランチャ台車１０の旋回に干渉しないように、
前方へ移動される（図４参照）。

【００３５】（４）発射工程 このようにして組立てられたロケットは、ランチャ台車
１０の旋回及びブーム１の俯仰により、それぞれ発射方
位角、上下角（俯仰角）が設定され、発射される。

【００３６】以上のように、ロケット支持リング５上
で、従来と同様にロケットは迅速に組立てられる。そし
て移動することなく安全にブームにセットされる。

【００３７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明はブーム
下部に固定された左右のロケット支持台と、その間に移
動できるロケット組立台を用いた。このため大重量物で
あるロケットを組立て、その状態で水平移動をさせるこ
となくブームにセットできるので、次の効果が得られ
る。

【００３８】（１）不安定作業がなくなり、ロケットを
倒すというような重大な不具合を回避できる。

【００３９】（２）同様に、ロケットを破損させるよう
な不具合も回避できる。

【００４０】（３）不安定作業がなくなることにより、
ロケット組立作業の効率アップにつながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るロケット発射装置の側
面図である。

【図２】同実施例の正面部分図である。

【図３】同実施例の図２のＸ−Ｘ矢視図である。

【図４】同実施例の作用説明図である。

【図５】従来例のロケット発射装置の側面図である。

【図６】同従来例のブーム下部拡大図である。

【図７】同従来例の作用説明図である。

【図８】同従来例の作用説明図である。

【図９】同従来例の図８のＹ−Ｙ矢視図である。

【符号の説明】

１ ブーム ２ ガイドレール ３ 左右のロケット支持台 ４ 平行リンク機構 ５ 支持リング ６ ジャッキ ７ タイロッド ８ 俯仰シリンダ ９ レバー １０ ランチャ台車 １１ 俯仰軸 １２，１２ａ 作業床 １３ ロケットセグメント １４ フランジ部 １５ 結合ボルト １６ フック １７ ロケット組立台 １８ サービスタワー ３０ ロケット支持台

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成５年１０月５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１３】（１） ロケット発射装置として、ランチ
ャ台車と、同ランチャ台車に下端が俯仰自在に結合され
前面にガイドレールを持つとともに背面に俯仰手段を有
するブームと、同ブームの下部の前面両側に固定して取
付けられる左右のロケット支持台と、同ロケット支持台
上に上方に向け配置される複数のジャッキとを設ける。 （２） ロケット発射装置として、ランチャ台車と、同
ランチャ台車に下端が俯仰自在に結合され前面にガイド
レールを持つとともに背面に俯仰手段を有するブーム
と、同ブームの下部の前面両側に固定して取付けられる
左右のロケット支持台と、同ロケット支持台上に上方に
向け配置される複数のジャッキと、上記ブームの前方か
つ上記ロケット支持台の下方に配置される作業床と、上
記ブームの前方で上記作業床上を前後方向移動可能に配
置されるとともに幅が上記左右のロケット支持台間の内
側寸法よりも短いロケット組立台と、同組立台上に配置
され前記ロケット支持台間の内側寸法よりも径の大きい
支持リングとを設ける。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２４

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２４】俯仰シリンダ８、タイロッド７、レバー
９、固定台２０が俯仰手段である。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２５】ブーム１の下端部の両側には、左右のロケ
ット支持台３が、その上面をブーム１の長手方向に対し
垂直でブーム１の前面上に取付けられる。支持台３の上
部には軸を上方に向けた複数のジャッキ６が取付けられ
ている。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３０】俯仰シリンダ８が引っ込み、タイロッド７
を介してブーム１が後方に傾斜される。この状態でブー
ム１と支持リング５間に、図１に示す隙間Ａが確保され
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ランチャ台車と、同ランチャ台車上の一
   端部に下端が俯仰自在に結合され前面にガイドレールを
   持つとともに背面に俯仰手段を有するブームと、同ブー
   ムの下端部の前面両側に上面が直角に取付けられる左右
   のロケット支持台と、同ロケット支持台上に鉛直に向け
   配置される複数のジャッキと、上記ブームの前方かつ上
   記ロケット支持台の下方に配置される作業床と、上記ブ
   ームの前方で上記作業床上を前後方向移動可能に配置さ
   れるとともに幅が上記左右のロケット支持台間の内側寸
   法よりも短いロケット組立台と、同組立台上に配置され
   る支持リングとを備えてなることを特徴とするロケット
   発射装置。