JPH078136A - 人工藻礁 - Google Patents
人工藻礁Info
- Publication number
- JPH078136A JPH078136A JP5157456A JP15745693A JPH078136A JP H078136 A JPH078136 A JP H078136A JP 5157456 A JP5157456 A JP 5157456A JP 15745693 A JP15745693 A JP 15745693A JP H078136 A JPH078136 A JP H078136A
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- JP
- Japan
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- concrete
- asphalt
- algae
- artificial
- reef
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- Pending
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Artificial Fish Reefs (AREA)
- Cultivation Of Seaweed (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コンクリート製人工藻礁からのアルカリの溶
出を防止するとともに藻類が成育するのに好適な条件を
与える。 【構成】 空洞の内部を含むコンクリート構造物の表面
に硫黄含有率が1.5〜8%のアスファルトを塗布す
る。
出を防止するとともに藻類が成育するのに好適な条件を
与える。 【構成】 空洞の内部を含むコンクリート構造物の表面
に硫黄含有率が1.5〜8%のアスファルトを塗布す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート製人工藻
礁に関するものであり、さらに詳しく述べるならば人工
魚礁や、あるいは河川・海岸の堤防、消波用ブロック等
の護岸用コンクリート構造物(以下これらを「人工藻
礁」と称する)に関するものである。特に、アスファル
トを塗布してその表面を覆い、コンクリート中のアルカ
リ成分が水中に溶出するのを抑制して水中生物の着生し
やすい条件にするとともにアスファルト自体の作用によ
り藻類をはじめとする水棲生物の着生をたすけて育成す
る人工藻礁に関するものである。本発明においては、必
須成分としてのアスファルト中に含有されるする硫黄成
分、窒素成分および更に添加される鉱石中の鉄分の内の
一成分以上の栄養分の働き、さらに添加した鉄鉱石など
の粉粒が骨材となって塗膜の表面を粗化するとともに表
面の見かけの硬度を高めて耐久性を向上させる働きによ
り藻類などを育成する。なお、本発明は、塩化ビニー
ル、ポリエチレン、などの樹脂材料を用いた構造物に
も、これらの材料に対するアスファルトの塗布性の良好
な特性から適用でき、その表面に藻類が着生して人工藻
礁とすることができる。
礁に関するものであり、さらに詳しく述べるならば人工
魚礁や、あるいは河川・海岸の堤防、消波用ブロック等
の護岸用コンクリート構造物(以下これらを「人工藻
礁」と称する)に関するものである。特に、アスファル
トを塗布してその表面を覆い、コンクリート中のアルカ
リ成分が水中に溶出するのを抑制して水中生物の着生し
やすい条件にするとともにアスファルト自体の作用によ
り藻類をはじめとする水棲生物の着生をたすけて育成す
る人工藻礁に関するものである。本発明においては、必
須成分としてのアスファルト中に含有されるする硫黄成
分、窒素成分および更に添加される鉱石中の鉄分の内の
一成分以上の栄養分の働き、さらに添加した鉄鉱石など
の粉粒が骨材となって塗膜の表面を粗化するとともに表
面の見かけの硬度を高めて耐久性を向上させる働きによ
り藻類などを育成する。なお、本発明は、塩化ビニー
ル、ポリエチレン、などの樹脂材料を用いた構造物に
も、これらの材料に対するアスファルトの塗布性の良好
な特性から適用でき、その表面に藻類が着生して人工藻
礁とすることができる。
【0002】
【従来の技術】一般にコンクリート構造物はその製作時
の表面のpHは11〜13と高い値を示すが、通常の河
川水のpHは6〜7であり、海水のpHは7.7〜8.
4であることから、水中に棲息する生物は、このコンク
リート構造物の表面に着生することができない状況にあ
る。従来、新たに製作され水中に設置されたコンクリー
ト製の人工魚礁、および河川・海岸の護岸用堤防、消波
用ブロック、等のコンクリート構造物は、そのコンクリ
ート表面のアルカリ度が海水又は河川水に比べて高いた
めに水棲生物が着生できず、言わばコンクリート砂漠の
状況を呈している。もっともコンクリートのあく抜きな
どが行われることもあるが、これとても根本的解決策で
はないので、全国的に沿岸地域において、いわゆる磯焼
け現象が起こって沿岸漁業にとって深刻な問題となりつ
つある。
の表面のpHは11〜13と高い値を示すが、通常の河
川水のpHは6〜7であり、海水のpHは7.7〜8.
4であることから、水中に棲息する生物は、このコンク
リート構造物の表面に着生することができない状況にあ
る。従来、新たに製作され水中に設置されたコンクリー
ト製の人工魚礁、および河川・海岸の護岸用堤防、消波
用ブロック、等のコンクリート構造物は、そのコンクリ
ート表面のアルカリ度が海水又は河川水に比べて高いた
めに水棲生物が着生できず、言わばコンクリート砂漠の
状況を呈している。もっともコンクリートのあく抜きな
どが行われることもあるが、これとても根本的解決策で
はないので、全国的に沿岸地域において、いわゆる磯焼
け現象が起こって沿岸漁業にとって深刻な問題となりつ
つある。
【0003】この問題を解決する方法として、現在まで
に種々提案がなされている。例えば特公昭59−415
27号では、人工藻礁とするコンクリート構造物の表面
に硫酸第一鉄ないし硫酸第二鉄の結晶を埋め込み、表面
にそれらの浸透層を形成させることによって、コンクリ
ートのアルカリ成分を中和するともに鉄分を栄養素とし
て供給しようとするものである。また、特公昭63−4
1527号では、前記の特公昭59−41527号の方
法に加えて、水溶性樹脂と界面活性剤よりなる浸透剤を
使用している。また、特開昭61−289825号で
は、pHが海水と近いと謂われる副生フェライトをセメ
ント、アスファルト、樹脂などの粘結剤でスラリーとし
てコンクリート構造物の表面に塗布し、あるいは板状に
固めたものを組合わせて構造物とし、またはコンクリー
ト構造物の表面に貼り付けて人工礁としている。
に種々提案がなされている。例えば特公昭59−415
27号では、人工藻礁とするコンクリート構造物の表面
に硫酸第一鉄ないし硫酸第二鉄の結晶を埋め込み、表面
にそれらの浸透層を形成させることによって、コンクリ
ートのアルカリ成分を中和するともに鉄分を栄養素とし
て供給しようとするものである。また、特公昭63−4
1527号では、前記の特公昭59−41527号の方
法に加えて、水溶性樹脂と界面活性剤よりなる浸透剤を
使用している。また、特開昭61−289825号で
は、pHが海水と近いと謂われる副生フェライトをセメ
ント、アスファルト、樹脂などの粘結剤でスラリーとし
てコンクリート構造物の表面に塗布し、あるいは板状に
固めたものを組合わせて構造物とし、またはコンクリー
ト構造物の表面に貼り付けて人工礁としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭59−
41527号の提案による方法は、主剤である硫酸第一
鉄等の結晶が水溶性であることから構造物を水中に浸漬
設置した時に、それらの薬剤が容易に溶解し水中に速や
かに逸散して損失することと、コンクリート中に結晶を
埋め込むための複雑な加工工程を要するために、総合的
にコストが高くなる。さらに、部分的に埋め込まれた硫
酸第一鉄等は、埋込部分で水に溶解しても周囲のコンク
リートに含まれるアルカリ成分と反応生成して水酸化鉄
を生じ、これがコンクリート表面に被膜をつくって覆
い、広範囲に硫酸第一鉄等が浸透拡散するのを阻害する
おそれがある。また主剤に含まれる硫酸イオンは塩素イ
オンなどと比較して海生生物に対する生体適合性が良く
ないと言われており、水棲生物の育成の点でも問題点を
持っている。
41527号の提案による方法は、主剤である硫酸第一
鉄等の結晶が水溶性であることから構造物を水中に浸漬
設置した時に、それらの薬剤が容易に溶解し水中に速や
かに逸散して損失することと、コンクリート中に結晶を
埋め込むための複雑な加工工程を要するために、総合的
にコストが高くなる。さらに、部分的に埋め込まれた硫
酸第一鉄等は、埋込部分で水に溶解しても周囲のコンク
リートに含まれるアルカリ成分と反応生成して水酸化鉄
を生じ、これがコンクリート表面に被膜をつくって覆
い、広範囲に硫酸第一鉄等が浸透拡散するのを阻害する
おそれがある。また主剤に含まれる硫酸イオンは塩素イ
オンなどと比較して海生生物に対する生体適合性が良く
ないと言われており、水棲生物の育成の点でも問題点を
持っている。
【0005】また、副生フェライトと粘結剤を用いた人
工礁の提案においては、副生フェライトは(イ)外力へ
の抵抗、(ロ)高強度、(ハ)早期強度発現、(ニ)海
水との親和性、(ホ)沈降場所の磁力による確認などの
利点をもつことが謳われており、コンクリートからのア
ルカリ溶出防止の効果は(イ)、(ロ)、(ハ)による
と思われる。すると、合成樹脂を粘結剤とした場合、コ
ンクリート表面が合成樹脂塗膜によって被覆される結
果、アルカリ成分の溶出をより効果的に抑止できること
となるが、添加した無機質微粉末である副生フェライト
は合成樹脂塗膜中にほとんど埋没しその効果(ニ)、
(ホ)をあらわさない。また、重合硬化性の合成樹脂を
使用すると、混合容器中で硬化した樹脂は再使用できな
い。
工礁の提案においては、副生フェライトは(イ)外力へ
の抵抗、(ロ)高強度、(ハ)早期強度発現、(ニ)海
水との親和性、(ホ)沈降場所の磁力による確認などの
利点をもつことが謳われており、コンクリートからのア
ルカリ溶出防止の効果は(イ)、(ロ)、(ハ)による
と思われる。すると、合成樹脂を粘結剤とした場合、コ
ンクリート表面が合成樹脂塗膜によって被覆される結
果、アルカリ成分の溶出をより効果的に抑止できること
となるが、添加した無機質微粉末である副生フェライト
は合成樹脂塗膜中にほとんど埋没しその効果(ニ)、
(ホ)をあらわさない。また、重合硬化性の合成樹脂を
使用すると、混合容器中で硬化した樹脂は再使用できな
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の問題を解決するた
めに、本発明は、コンクリート構造物の表面にアスファ
ルトを利用することに着目した。ここで、アスファルト
自体は前掲特開昭61−289825号公報において粘
結剤として使用することが公知であるが、特定のアスフ
ァルトをコンクリート構造物の表面に溶融塗布すること
により被覆すると、アルカリ成分の溶出を抑制するとと
もに、アスファルトが含有する硫黄成分、窒素成分等、
並びにあらかじめ添加することがある鉄鉱石の鉄成分を
栄養として働かせることにより、水中生物の着生しやす
い条件をもつ人工藻礁を提供できることが見出された。
めに、本発明は、コンクリート構造物の表面にアスファ
ルトを利用することに着目した。ここで、アスファルト
自体は前掲特開昭61−289825号公報において粘
結剤として使用することが公知であるが、特定のアスフ
ァルトをコンクリート構造物の表面に溶融塗布すること
により被覆すると、アルカリ成分の溶出を抑制するとと
もに、アスファルトが含有する硫黄成分、窒素成分等、
並びにあらかじめ添加することがある鉄鉱石の鉄成分を
栄養として働かせることにより、水中生物の着生しやす
い条件をもつ人工藻礁を提供できることが見出された。
【0007】したがって、本発明の第一は、硫黄化合物
を添加して又はしないで成る硫黄分含有率が1.5〜8
wt%のアスファルトをコンクリート構造物の表面全面
に塗布したことを特徴とする人工藻礁であり、また本発
明の第二は、金属精錬において副生する鉱石の精錬滓お
よび鉄鉱石から選択された少なくとも1種からなる粉粒
をさらに添加したことを特徴とする人工藻礁である。
を添加して又はしないで成る硫黄分含有率が1.5〜8
wt%のアスファルトをコンクリート構造物の表面全面
に塗布したことを特徴とする人工藻礁であり、また本発
明の第二は、金属精錬において副生する鉱石の精錬滓お
よび鉄鉱石から選択された少なくとも1種からなる粉粒
をさらに添加したことを特徴とする人工藻礁である。
【0008】本発明の第一で使用されるアスファルトは
高S原油から製造されるものであるか、あるいはチオ尿
素などの硫黄化合物を添加することにより、硫黄含有量
を1.5〜8wt%にしたものである。アスファルト
は、(イ)毒性がない、(ロ)コンクリート表面を被覆
してアルカリ分を溶出させない、(ハ)硫黄、窒素その
他の成分が藻類などの顕著な育成効果をもつとの性状を
本発明においては利用している。ここで硫黄の含有量が
1.5wt%未満であるとこれらの効果がなく、8wt
%を超えても効果の著しい増加が見られない。好ましい
硫黄含有量は2〜8%である。アスファルトの塗布厚さ
は0.5〜2mmであることが好ましく、空洞部分を含
む表面に塗布材を刷毛塗り、またはスプレーガンで塗布
する。
高S原油から製造されるものであるか、あるいはチオ尿
素などの硫黄化合物を添加することにより、硫黄含有量
を1.5〜8wt%にしたものである。アスファルト
は、(イ)毒性がない、(ロ)コンクリート表面を被覆
してアルカリ分を溶出させない、(ハ)硫黄、窒素その
他の成分が藻類などの顕著な育成効果をもつとの性状を
本発明においては利用している。ここで硫黄の含有量が
1.5wt%未満であるとこれらの効果がなく、8wt
%を超えても効果の著しい増加が見られない。好ましい
硫黄含有量は2〜8%である。アスファルトの塗布厚さ
は0.5〜2mmであることが好ましく、空洞部分を含
む表面に塗布材を刷毛塗り、またはスプレーガンで塗布
する。
【0009】次に、本発明の第二で使用される精錬滓、
鉄鉱石などは含有する鉄分により藻類の育成効果をさら
に高めるとともにアスファルト表面を粗化して藻類の着
生を促進する。これら精錬滓及び鉄鉱石は硫黄含有のも
の、例えば硫化鉄鉱などを使用することができる。精錬
滓などは好ましくは粒径が2mm以下の粉粒として10
〜50wt%アスファルトに添加する。
鉄鉱石などは含有する鉄分により藻類の育成効果をさら
に高めるとともにアスファルト表面を粗化して藻類の着
生を促進する。これら精錬滓及び鉄鉱石は硫黄含有のも
の、例えば硫化鉄鉱などを使用することができる。精錬
滓などは好ましくは粒径が2mm以下の粉粒として10
〜50wt%アスファルトに添加する。
【0010】
【作用】本発明によって人工藻礁を製作するには、複雑
な工程を必要とせず、施工が容易である。一般に粘結剤
として使用されるアスファルトは比較的安価な材料であ
り、多くの構造材料に対して付着性も良く、熱可塑性で
あることから混合容器等に残留・付着したものを繰り返
し利用出来るなどの面でコストを低くできる特長があ
る。さらにアスファルトが含有する窒素成分、硫黄成分
やその他の成分が藻類の成育を顕著に促進する。また場
合により添加される鉄鉱石など中の鉄分が藻類の栄養と
して働き、藻類の成育を促進する。また鉄鉱石は、金属
精錬の副生品を有効活用することにより比較的安価な材
料を使用できることも本発明の特長である。
な工程を必要とせず、施工が容易である。一般に粘結剤
として使用されるアスファルトは比較的安価な材料であ
り、多くの構造材料に対して付着性も良く、熱可塑性で
あることから混合容器等に残留・付着したものを繰り返
し利用出来るなどの面でコストを低くできる特長があ
る。さらにアスファルトが含有する窒素成分、硫黄成分
やその他の成分が藻類の成育を顕著に促進する。また場
合により添加される鉄鉱石など中の鉄分が藻類の栄養と
して働き、藻類の成育を促進する。また鉄鉱石は、金属
精錬の副生品を有効活用することにより比較的安価な材
料を使用できることも本発明の特長である。
【0011】
実施例1 本発明の実施例1を、図1および図2に基づいて説明す
る。図1は、厚さ:120mm,高さ:190mm,長
さ:390mmの寸法を有する空洞をもつコンクリート
ブロックを示す。アスファルトは、カフジ原油より造ら
れた硫黄含有量が5.9%のストレート・アスファルト
を使用し、これを加熱溶融した中へ粒径2mm以下にな
るように粉砕した鉄精鉱(FeOとして約30wt%含
有)をアスファルトに対して20wt%添加し、混合攪
拌してスラリーとしたものをコンクリート表面(空洞内
部を含む)全面に塗布し、平均厚さ1mmの塗膜を形成
した。
る。図1は、厚さ:120mm,高さ:190mm,長
さ:390mmの寸法を有する空洞をもつコンクリート
ブロックを示す。アスファルトは、カフジ原油より造ら
れた硫黄含有量が5.9%のストレート・アスファルト
を使用し、これを加熱溶融した中へ粒径2mm以下にな
るように粉砕した鉄精鉱(FeOとして約30wt%含
有)をアスファルトに対して20wt%添加し、混合攪
拌してスラリーとしたものをコンクリート表面(空洞内
部を含む)全面に塗布し、平均厚さ1mmの塗膜を形成
した。
【0012】図2は、図1の空洞コンクリートブロック
1に本発明の塗布剤を塗布したものを、海中に貫通した
空洞を多数有する構造に底板3の上に積み上げて設置し
て人工藻礁としたものを示す。ただし図では上段2列だ
けが魚が通過する空洞部を有するものとして示されてい
る。さらに空洞コンクリートブロック1は内部に日光が
充分照射されるように上部を開放している。この人工藻
礁の設置は12月に行い、1ケ月毎にその一部を陸上に
引き上げて藻類の着生の状況を調べた。海中設置後約3
ケ月でコンクリートの表面(ヘドロの堆積した部分を除
く)に藻類が着生し充分に成長した。藻類は、コンクリ
ートの空洞内部で良く成長することが確認された。ま
た、側面とともに底部も成長が良く、底部、空洞部とも
に天井に根を着生し、下向きに成長するのが確認され
た。また、空洞部に魚類が棲息しているのが確認され
た。
1に本発明の塗布剤を塗布したものを、海中に貫通した
空洞を多数有する構造に底板3の上に積み上げて設置し
て人工藻礁としたものを示す。ただし図では上段2列だ
けが魚が通過する空洞部を有するものとして示されてい
る。さらに空洞コンクリートブロック1は内部に日光が
充分照射されるように上部を開放している。この人工藻
礁の設置は12月に行い、1ケ月毎にその一部を陸上に
引き上げて藻類の着生の状況を調べた。海中設置後約3
ケ月でコンクリートの表面(ヘドロの堆積した部分を除
く)に藻類が着生し充分に成長した。藻類は、コンクリ
ートの空洞内部で良く成長することが確認された。ま
た、側面とともに底部も成長が良く、底部、空洞部とも
に天井に根を着生し、下向きに成長するのが確認され
た。また、空洞部に魚類が棲息しているのが確認され
た。
【0013】実施例2 実施例1の鉄精鉱の代わりに硫化鉄鉱を使用し、その他
の条件は実施例1と同じとして藻類の着生の状況を調べ
た。海中設置後、約3ケ月でコンクリートの表面(ヘド
ロの堆積した部分を除く)に藻類が着生し成長の最盛期
となり充分に成長した。藻類は、コンクリートの空洞内
部で良く成長することが確認された。また、側面ととも
に底部も成長が良く、底部、空洞部ともに天井に根を着
生し、下向きに成長するのが確認された。また、空洞部
に魚類が棲息しているのが確認された。
の条件は実施例1と同じとして藻類の着生の状況を調べ
た。海中設置後、約3ケ月でコンクリートの表面(ヘド
ロの堆積した部分を除く)に藻類が着生し成長の最盛期
となり充分に成長した。藻類は、コンクリートの空洞内
部で良く成長することが確認された。また、側面ととも
に底部も成長が良く、底部、空洞部ともに天井に根を着
生し、下向きに成長するのが確認された。また、空洞部
に魚類が棲息しているのが確認された。
【0014】実施例3 本発明の実施例3を、図1および図2に基づいて説明す
る。空洞コンクリートブロックの寸法は実施例1と同じ
であり、また人工藻礁の構造も実施例1と同じである。
アスファルトは、中国勝利原油より造られた硫黄含有量
が1.7%のストレート・アスファルトを使用し、これ
を加熱溶融した中へ粒径2mm以下になるように粉砕し
た硫化鉄鉱をアスファルトに対して20wt%添加し、
混合攪拌してスラリーとしたものをコンクリート表面
(空洞内部を含む)全面に塗布し、平均厚さ1mmの塗
膜を形成した。実施例1と同様に藻類の着生の状況を調
べたところ、海中設置後、約3ケ月でコンクリートの表
面(ヘドロの堆積した部分を除く)に藻類が着生し成長
の最盛期となり成長した。藻類は、コンクリートの空洞
内部で成長することが確認された。また、側面とともに
底部も成長し、底部、空洞部ともに天井に根を着生し、
下向きに成長するのが確認された。しかし、実施例2と
比較して藻類の着生が少なかった。
る。空洞コンクリートブロックの寸法は実施例1と同じ
であり、また人工藻礁の構造も実施例1と同じである。
アスファルトは、中国勝利原油より造られた硫黄含有量
が1.7%のストレート・アスファルトを使用し、これ
を加熱溶融した中へ粒径2mm以下になるように粉砕し
た硫化鉄鉱をアスファルトに対して20wt%添加し、
混合攪拌してスラリーとしたものをコンクリート表面
(空洞内部を含む)全面に塗布し、平均厚さ1mmの塗
膜を形成した。実施例1と同様に藻類の着生の状況を調
べたところ、海中設置後、約3ケ月でコンクリートの表
面(ヘドロの堆積した部分を除く)に藻類が着生し成長
の最盛期となり成長した。藻類は、コンクリートの空洞
内部で成長することが確認された。また、側面とともに
底部も成長し、底部、空洞部ともに天井に根を着生し、
下向きに成長するのが確認された。しかし、実施例2と
比較して藻類の着生が少なかった。
【0015】実施例4(比較試験) 実施例1と同じ空洞コンクリートブロックにアスファル
トを全く塗布しないで、海中に第2図に示す構造に積み
上げて設置し、人工藻礁とし、実施例1と同様に設置
し、1ケ月毎にその一部を陸上に引き上げて藻類の着生
の状況を調べた。海中設置後、約3ケ月までに藻類の着
生が確認されなかった。
トを全く塗布しないで、海中に第2図に示す構造に積み
上げて設置し、人工藻礁とし、実施例1と同様に設置
し、1ケ月毎にその一部を陸上に引き上げて藻類の着生
の状況を調べた。海中設置後、約3ケ月までに藻類の着
生が確認されなかった。
【0016】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の人
工藻礁は藻類をはじめ海生生物の成育を盛んにし、ひい
ては魚礁としての効果を充分発揮する。さらに、本発明
は実施において複雑な工程を要することなく、かつ安価
な材料を使用してコストの低い人工藻礁を製作できるの
で、沿岸漁業の現在の問題点を解消し、漁業の振興に役
立つものである。
工藻礁は藻類をはじめ海生生物の成育を盛んにし、ひい
ては魚礁としての効果を充分発揮する。さらに、本発明
は実施において複雑な工程を要することなく、かつ安価
な材料を使用してコストの低い人工藻礁を製作できるの
で、沿岸漁業の現在の問題点を解消し、漁業の振興に役
立つものである。
【図1】本発明の実施例において使用された空洞を有す
るコンクリートブロックの斜視図である。
るコンクリートブロックの斜視図である。
【図2】本発明の実施例において使用された人工藻礁の
構造を示す斜視図である。
構造を示す斜視図である。
1 空洞コンクリートブロック 2 開口部 3 底板
Claims (2)
- 【請求項1】 硫黄化合物を添加して又はしないで成る
硫黄分含有率が1.5〜8wt%のアスファルトをコン
クリート構造物表面に塗布したことを特徴とする人工藻
礁。 - 【請求項2】金属精錬において副生する鉱石の精錬滓お
よび鉄鉱石から選択された少なくとも1種からなる粉粒
を添加したことを特徴とする請求項1記載の人工藻礁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5157456A JPH078136A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 人工藻礁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5157456A JPH078136A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 人工藻礁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH078136A true JPH078136A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15650062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5157456A Pending JPH078136A (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | 人工藻礁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH078136A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100803169B1 (ko) * | 2006-10-04 | 2008-02-14 | 주식회사 삼성산업 | 유황콘크리트 패널이 조립된 인공어초 |
CN110199867A (zh) * | 2019-07-19 | 2019-09-06 | 山东省海洋生物研究院 | 一种鼠尾藻增殖藻礁系统及其使用方法 |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP5157456A patent/JPH078136A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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