JPH0781345A - 車両懸架装置 - Google Patents

車両懸架装置

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JPH0781345A
JPH0781345A JP22429993A JP22429993A JPH0781345A JP H0781345 A JPH0781345 A JP H0781345A JP 22429993 A JP22429993 A JP 22429993A JP 22429993 A JP22429993 A JP 22429993A JP H0781345 A JPH0781345 A JP H0781345A
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JP
Japan
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signal
control
damping characteristic
shock absorber
sprung vertical
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JP22429993A
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English (en)
Inventor
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際のばね上上下速度に対する制御信号の位
相ずれに基づいて発生する車両の乗り心地の悪化を防止
することができる車両懸架装置の提供。 【構成】 ばね上上下速度検出手段cで検出されたばね
上上下速度信号を処理することによって周波数依存性を
持たせた制御信号を得るための信号処理回路dと、ばね
上上下速度検出手段cで検出されたばね上上下速度信号
が所定の不感帯しきい値を越えている時は、信号処理回
路dで処理された制御信号に基づいて、ショックアブソ
ーバbを最適の減衰特性に制御すべく減衰特性変更手段
aに切り換え信号を出力する基本制御部eを有する減衰
特性制御手段fと、減衰特性制御手段fに設けられ、ば
ね上上下速度検出手段cで検出されたばね上上下速度信
号が所定の不感帯しきい値未満である時は、ショックア
ブソーバの減衰特性をソフト特性に補正制御する補正制
御部gと、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰特性を最適制御する車両の懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ショックアブソーバの減衰特性制
御を行う車両懸架装置としては、例えば、特表平4−5
00191号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来の車両懸架装置は、ばね上上下加
速度センサで検出されたばね上上下加速度信号をフィル
タ処理して得られたばね上上下速度(絶対車体速度)信
号を、さらに、周波数依存性の伝達特性(カットオフ周
波数)を有するフィルタで処理して得られた制御信号に
基づいて、ショックアブソーバの減衰特性制御を行なう
ようにしたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来装置にあっては、上述のように、ばね上上下加速度
信号からばね上上下速度(絶対車体速度)信号を求める
ためのフィルタ処理、及び、ばね上上下速度(絶対車体
速度)信号から周波数依存性の伝達特性(カットオフ周
波数)を有する制御信号を求めるためのフィルタ処理を
行なうことによって、実際のばね上上下速度の位相と制
御信号の位相とが、所定の周波数でしか一致しなくな
り、このため、所定の周波数以外の周波数領域である時
には位相ずれした制御信号に基づいてショックアブソー
バの減衰特性可変制御が行なわれるため、特に、実際の
ばね上上下速度に対し制御信号の位相が遅れる高周波領
域側である時には、遅れ時間だけ余分な減衰力を発生さ
せ、これにより、車両の乗り心地を悪化させるという問
題点があった。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、実際のばね上上下速度に対する制御信
号の位相ずれに基づいて発生する車両の乗り心地の悪化
を防止することができる車両懸架装置を提供することを
目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の車両懸架装置は、図1のクレーム対応図
に示すように、車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
特性変更手段aにより減衰特性を変更可能なショックア
ブソーバbと、ばね上上下速度を検出するばね上上下速
度検出手段cと、ばね上上下速度検出手段cで検出され
たばね上上下速度信号を処理することによって周波数依
存性を持たせた制御信号を得るための信号処理回路d
と、ばね上上下速度検出手段cで検出されたばね上上下
速度信号が所定の不感帯しきい値を越えている時は、信
号処理回路dで処理された制御信号に基づいて、ショッ
クアブソーバbを最適の減衰特性に制御すべく減衰特性
変更手段aに切り換え信号を出力する基本制御部eを有
する減衰特性制御手段fと、該減衰特性制御手段fに設
けられ、ばね上上下速度検出手段cで検出されたばね上
上下速度信号が所定の不感帯しきい値未満である時は、
ショックアブソーバの減衰特性をソフト特性に補正制御
する補正制御部gと、を備えている手段とした。
【0007】
【作用】本発明の車両懸架装置では、上述のように構成
されるので、ばね上上下速度検出手段cで検出されたば
ね上上下速度信号が所定の不感帯しきい値を越えている
時は、減衰特性をハード側で可変制御する必要があるた
め、基本制御部eにおいて、信号処理回路dで処理され
た制御信号に基づいて、ショックアブソーバbを最適の
減衰特性に制御すべく減衰特性変更手段aに切り換え信
号が出力されるもので、これにより、車両の乗り心地と
操縦安定性を確保することができる。
【0008】また、ばね上上下速度検出手段cで検出さ
れたばね上上下速度信号が所定の不感帯しきい値未満で
ある時は、減衰特性をソフト側に制御する必要があるた
め、その時の制御信号の値の如何に係らず、補正制御部
gにおいて、ショックアブソーバの減衰特性をソフト特
性に補正制御する処理が行なわれる。従って、この時、
実際のばね上上下速度に対し制御信号の位相がずれてい
ても、制御信号に基づく余分な減衰力の発生が阻止され
るため、位相ずれによる車両の乗り心地悪化が防止され
る。
【0009】
【実施例】本発明実施例を図面に基づいて説明する。ま
ず、構成について説明する。
【0010】図2は、本発明実施例の車両懸架装置を示
す構成説明図であり、車体と4つの車輪との間に介在さ
れて、4つのショックアブソーバSA1 ,SA2 ,SA
3 ,SA4 (尚、ショックアブソーバを説明するにあた
り、これら4つをまとめて指す場合、及びこれらの共通
の構成を説明する時にはただ単にSAと表示する。)が
設けられている。そして、各ショックアブソーバSAの
近傍位置の車体には、上下方向の加速度を検出する上下
加速度センサ(以後、上下Gセンサという)1が設けら
れている。また、運転席の近傍位置には、各上下Gセン
サ1からの信号を入力して、各ショックアブソーバSA
のパルスモータ3に駆動制御信号を出力するコントロー
ルユニット4が設けられている。
【0011】図3は、上記構成を示すシステムブロック
図であって、コントロールユニット4は、インタフェー
ス回路4a,CPU4b,駆動回路4cを備え、前記イ
ンタフェース回路4aには、上述の各上下Gセンサ1か
らの信号が入力される。尚、前記インタフェース回路4
a内には、図14に示すように、4つで1組のフィルタ
回路が各上下Gセンサ1ごとに設けられている。即ち、
LPF1は、各上下Gセンサ1から送られるばね上上下
加速度信号Gの中から高周波域(30Hz以上)のノイズを
除去するためのローパスフィルタであり、LPF2は、
ローパスフィルタLPF1を通過したばね上上下加速度
信号Gを積分してばね上上下速度信号VR に変換するた
めのカットオフ周波数0.1Hz のローパスフィルタであっ
て、この両フィルタLPF1,LPF2及び前記上下G
センサ1で、請求の範囲のばね上上下速度検出手段を構
成させている。また、HPF1は、カットオフ周波数1.
0Hz のハイパスフィルタで、LPF3は、カットオフ周
波数1.5Hz のローパスフィルタであり、両フィルタでば
ね上共振周波数を含むように周波数依存性を持たせた制
御信号VF を得るためのバンドパスフィルタ(請求の範
囲の信号処理回路)を構成させている。
【0012】次に、図4は、ショックアブソーバSAの
構成を示す断面図であって、このショックアブソーバS
Aは、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部
室Bとに画成したピストン31と、シリンダ30の外周
にリザーバ室32を形成した外筒33と、下部室Bとリ
ザーバ室32とを画成したベース34と、ピストン31
に連結されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイ
ド部材35と、外筒33と車体との間に介在されたサス
ペンションスプリング36と、バンパラバー37とを備
えている。
【0013】次に、図5は前記ピストン31の部分を示
す拡大断面図であって、この図に示すように、ピストン
31には、貫通孔31a,31bが形成されていると共
に、各貫通孔31a,31bをそれぞれ開閉する圧側減
衰バルブ20及び伸側減衰バルブ12が設けられてい
る。また、ピストンロッド7の先端に螺合されたバウン
ドストッパ41には、ピストン31を貫通したスタッド
38が螺合して固定されていて、このスタッド38に
は、貫通孔31a,31bをバイパスして上部室Aと下
部室Bとを連通する流路(後述の伸側第2流路E,伸側
第3流路F,バイパス流路G,圧側第2流路J)を形成
するための連通孔39が形成されていて、この連通孔3
9内には前記流路の流路断面積を変更するための調整子
40が回動自在に設けられている。また、スタッド38
の外周部には、流体の流通の方向に応じて前記連通孔3
9で形成される流路側の流通を許容・遮断する伸側チェ
ックバルブ17と圧側チェックバルブ22とが設けられ
ている。尚、この調整子40は、前記パルスモータ3に
よりコントロールロッド70を介して回転されるように
なっている(図4参照)。また、スタッド38には、上
から順に第1ポート21,第2ポート13,第3ポート
18,第4ポート14,第5ポート16が形成されてい
る。
【0014】一方、調整子40は、中空部19が形成さ
れると共に、内外を連通する第1横孔24及び第2横孔
25が形成され、さらに、外周部に縦溝23が形成され
ている。
【0015】従って、前記上部室Aと下部室Bとの間に
は、伸行程で流体が流通可能な流路として、貫通孔31
bを通り伸側減衰バルブ12の内側を開弁して下部室B
に至る伸側第1流路Dと、第2ポート13,縦溝23,
第4ポート14を経由して伸側減衰バルブ12の外周側
を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、第2ポー
ト13,縦溝23,第5ポート16を経由して伸側チェ
ックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸側第3流路
Fと、第3ポート18,第2横孔25,中空部19を経
由して下部室Bに至るバイパス流路Gの4つの流路があ
る。また、圧行程で流体が流通可能な流路として、貫通
孔31aを通り圧側減衰バルブ20を開弁する圧側第1
流路Hと、中空部19,第1横孔24,第1ポート21
を経由し圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに
至る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25,第
3ポート18を経由して上部室Aに至るバイパス流路G
との3つの流路がある。
【0016】すなわち、ショックアブソーバSAは、調
整子40を回動させることにより、伸側・圧側のいずれ
とも図6に示すような特性で減衰特性を多段階に変更可
能に構成されている。つまり、図7に示すように、伸側
・圧側いずれもソフトとした状態(以後、ソフト領域S
Sという)から調整子40を反時計方向に回動させる
と、伸側のみ減衰特性を多段階に変更可能で圧側が低減
衰特性に固定の領域(以後、伸側ハード領域HSとい
う)となり、逆に、調整子40を時計方向に回動させる
と、圧側のみ減衰特性を多段階に変更可能で伸側が低減
衰特性に固定の領域(以後、圧側ハード領域SHとい
う)となる構造となっている。
【0017】ちなみに、図7において、調整子40を
,,のポジションに配置した時の、図5における
K−K断面,L−L断面及びM−M断面,N−N断面
を、それぞれ、図8,図9,図10に示し、また、各ポ
ジションの減衰力特性を図11,12,13に示してい
る。
【0018】次に、パルスモータ3の駆動を制御するコ
ントロールユニット4の全体の作動を、図15のフロー
チャートに基づいて説明する。尚、この制御は、各ショ
ックアブソーバSA毎に別個に行う。
【0019】まず、ステップ101では、各上下Gセン
サ1,1,1,1から得られるばね上上下加速度信号G
を両ローパスフィルタLPF1,LPF2で処理して各
車輪位置のばね上上下速度信号VR を求める処理を行
う。尚、この各ばね上上下速度信号VR は、方向判別符
号として、上方向の時には正の値で与えられ、また、下
方向の時には負の値で与えられる。
【0020】ステップ102では、ばね上上下速度信号
R を、カットオフ周波数1.0Hz のハイパスフィルタH
PF1と、カットオフ周波数1.5Hz のローパスフィルタ
LPF3とで構成されるバンドパスフィルタ(信号処理
回路)で、ばね上共振周波数を含むように周波数依存性
を持たせた制御信号VF を得るための信号処理を行な
う。
【0021】ステップ103では、ばね上上下速度信号
R が正の不感帯しきい値VR-DU以上であるか、また
は、負の不感帯しきい値VR-DL以下であるか否かを判定
し、YES(VR ≧VR-DU or VR ≦VR-DL)であれ
ばステップ104に進み、NOであればステップ108
に進む。
【0022】ステップ104では、制御信号VF が正の
不感帯しきい値VF-DU以上であるか否かを判定し、YE
Sであればステップ105に進み、ショックアブソーバ
SAを伸側ハード領域HSに制御すべく伸側の目標減衰
ポジションPT を次式(1) により求め、NOであればス
テップ106に進む。
【0023】 PT =(VF −VF-DU)α ・・・・・・・・・・・・(1) 尚、αは制御定数である。
【0024】ステップ106では、制御信号VF が負の
不感帯しきい値VF-DL以下であるか否かを判定し、YE
Sであればステップ107に進み、ショックアブソーバ
SAを圧側ハード領域SHに制御すべく圧側の目標減衰
ポジションPC を次式(2) により求め、NOであればス
テップ108に進む。
【0025】 PC =(VF −VF-DL)α ・・・・・・・・・・・・(2) ステップ108では、ショックアブソーバSAをソフト
領域SSに制御すべく目標減衰ポジションPを0に設定
する。
【0026】ステップ109では、設定された目標減衰
ポジションへ向けてパルスモータ3を駆動する。
【0027】以上で一回の制御フローを終了し、以後は
以上のフローを繰り返す。
【0028】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、主にショックアブソーバSAの制御領域の切り
換え作動状態を図16のタイムチャートに基づいて説明
する。尚、このタイムチャートでは、制御信号VF の位
相がばね上上下速度信号VRの位相と完全に一致してい
る場合について説明する。
【0029】即ち、ばね上上下速度信号VR (制御信号
F )がこの図に示すように変化した場合、ばね上上下
速度信号VR が、正の不感帯しきい値VR-DUと負の不感
帯しきい値VR-DLの間の値である時は、ショックアブソ
ーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0030】また、ばね上上下速度信号VR が、正の不
感帯しきい値VR-DU以上(上向き)である時は、ショッ
クアブソーバSAを伸側ハード領域HSに制御する。
【0031】また、ばね上上下速度信号VR が、負の不
感帯しきい値VR-DL以下(下向き)である時は、ショッ
クアブソーバSAを圧側ハード領域SHに制御する。
【0032】また、図16のタイムチャートにおいて、
領域aは、ばね上上下速度信号VR(制御信号VF )が
負の値(下向き)から正の値(上向き)に逆転した状態
である、この時はまだ相対速度VS は負の値(ショック
アブソーバSAの行程は圧行程側)となっている領域で
あるため、この時は、制御信号VF の方向に基づいてシ
ョックアブソーバSAは伸側ハード領域HSに制御され
ており、従って、この領域ではその時のショックアブソ
ーバSAの行程である圧行程側がソフト特性となる。
【0033】また、領域bは、ばね上上下速度信号VR
が正の値(上向き)のままで、相対速度VS は負の値か
ら正の値(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)
に切り換わった領域であるため、この時は、制御信号V
F の方向に基づいてショックアブソーバSAは伸側ハー
ド領域HSに制御されており、かつ、ショックアブソー
バの行程も伸行程であり、従って、この領域ではその時
のショックアブソーバSAの行程である伸行程側が、制
御信号VF の値に比例したハード特性となる。
【0034】また、領域cは、ばね上上下速度信号VR
が正の値(上向き)から負の値(下向き)に逆転した状
態であるが、この時はまだ相対速度VS は正の値(ショ
ックアブソーバSAの行程は伸行程側)となっている領
域であるため、この時は、制御信号VF の方向に基づい
てショックアブソーバSAは圧側ハード領域SHに制御
されており、従って、この領域ではその時のショックア
ブソーバSAの行程である伸行程側がソフト特性とな
る。
【0035】また、領域dは、ばね上上下速度信号VR
が負の値(下向き)のままで、相対速度VS は正の値か
ら負の値(ショックアブソーバSAの行程は伸行程側)
になる領域であるため、この時は、制御信号VF の方向
に基づいてショックアブソーバSAは圧側ハード領域S
Hに制御されており、かつ、ショックアブソーバの行程
も圧行程であり、従って、この領域ではその時のショッ
クアブソーバSAの行程である圧行程側が、制御信号V
F の値に比例したハード特性となる。
【0036】以上のように、この実施例では、ばね上上
下速度信号VR とばね上・ばね下間の相対速度VS とが
同符号の時(領域b,領域d)は、その時のショックア
ブソーバSAの行程側をハード特性に制御し、異符号の
時(領域a,領域c)は、その時のショックアブソーバ
SAの行程側をソフト特性に制御するという、スカイフ
ック理論に基づいた減衰特性制御と同一の制御が、ばね
上・ばね下間相対速度を検出することなしに行なわれる
ことになる。そして、さらに、この実施例では、領域a
から領域b,及び領域cから領域dへ移行する時には、
パルスモータ3を駆動させることなしに減衰特性の切り
換えが行なわれることになる。
【0037】次に、コントロールユニット4の制御作動
のうち、実際のばね上上下速度(またはばね上上下速度
信号VR )に対し制御信号VF の位相がずれている場合
の作動を、図17及び図18のタイムチャートに基づい
て説明する。尚、両図においては、上から順に、実際の
ばね上上下速度,ばね上上下速度信号VR ,制御信号V
F ,目標減衰ポジションP(実線は実施例の制御結果,
点線は制御信号のみに不感帯を設けた場合の制御結果)
をそれぞれ示している。
【0038】まず、図17は、ばね上上下速度入力の周
波数が1.0Hz である場合を示すもので、この場合は、ば
ね上共振周波数を含むようにバンドパスフィルタで周波
数依存性(1.0Hz 〜1.5Hz )を持たせた制御信号VF
は、実際のばね上上下速度及びばね上上下速度信号VR
に対し位相が僅かに進む方向にずれを生じた状態となっ
ている。
【0039】即ち、このような場合にあっては、ばね上
上下速度信号VR がその正負両不感帯しきい値VR-DU
R-DLの範囲内に戻るタイミングより、制御信号VF
その正負両不感帯しきい値VF-DU〜VF-DLの範囲内に戻
るタイミングの方が先行することから、制御信号VF
みに不感帯しきい値を設けた場合と同様に、ハード特性
からソフト特性方向への減衰特性切り換えタイミングの
遅れを生じさせることはない。
【0040】尚、図において、TF は、制御信号VF
その正負両不感帯しきい値VF-DU〜VF-DLの範囲内にい
る時間(不感時間)を、また、TR は、ばね上上下速度
信号VR がその正負両不感帯しきい値VR-DU〜VR-DL
範囲内にいる時間(不感時間)をそれぞれ示している。
【0041】次に、図18は、ばね上上下速度入力の周
波数が2.0Hz である場合を示すもので、この場合は、ば
ね上共振周波数を含むようにバンドパスフィルタで周波
数依存性(1.0Hz 〜1.5Hz )を持たせた制御信号VF
は、実際のばね上上下速度及びばね上上下速度信号VR
に対し遅れる方向に位相が大きくずれた状態となるが、
この場合においても、実際のばね上上下速度に対するば
ね上上下速度信号VR の位相遅れは制御信号VF のそれ
に比べて小さいため、ばね上上下速度信号VR の正負両
不感帯しきい値VR-DU,VR-DLに基づいてハード特性か
らソフト特性方向への減衰特性の切り換えが行なわれる
ことにより、制御信号VF の位相遅れに基づく減衰特性
の切り換えタイミングの遅れを修正することができる。
【0042】尚、図において、点線は、制御信号VF
みに不感帯しきい値を設けた場合の目標ポジションを示
すもので、即ち、実施例では、斜線で示す余分な発生減
衰力をカットすることができる。
【0043】以上説明したように、この実施例では、以
下に列挙する効果が得られる。
【0044】 実際のばね上上下速度に対する制御信
号VF の位相ずれに基づく余分な減衰力の発生を阻止
し、これにより、車両の乗り心地の悪化を防止すること
ができるようになる。
【0045】 従来のスカイフック理論に基づいた減
衰特性制御に比べ、減衰特性の切り換え頻度が少なくな
るため、制御応答性を高めることができると共に、パル
スモータ3の耐久性を向上させることができる。
【0046】以上、実施例について説明してきたが具体
的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。
【0047】例えば、実施例では、伸側が減衰特性可変
で圧側が低減衰特性に固定の伸側ハード領域と、圧側が
減衰特性可変で伸側が低減衰特性に固定の圧側ハード領
域と、伸側・圧側共に低減衰特性のソフト領域との3つ
の領域を有するショックアブソーバを用いたが、伸側及
び圧側の減衰特性が同時に変化する構造のショックアブ
ソーバを用いた制御にも適用することができる。
【0048】また、実施例では、制御信号にも不感帯し
きい値を設けた場合を示したが、ばね上上下速度信号の
不感帯しきい値のみで制御を行なうこともできる。
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の車両懸
架装置は、ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上
上下速度信号が所定の不感帯しきい値を越えている時
は、信号処理回路で処理された制御信号に基づいて、シ
ョックアブソーバを最適の減衰特性に制御すべく減衰特
性変更手段に切り換え信号を出力する基本制御部の他
に、ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速
度信号が所定の不感帯しきい値未満である時は、ショッ
クアブソーバの減衰特性をソフト特性に補正制御する補
正制御部を備えている構成としたことで、実際のばね上
上下速度に対する制御信号の位相ずれに基づく余分な減
衰力の発生を阻止し、これにより、車両の乗り心地の悪
化を防止することができるようになるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両懸架装置を示すクレーム概念図で
ある。
【図2】本発明実施例の車両懸架装置を示す構成説明図
である。
【図3】実施例の車両懸架装置を示すシステムブロック
図である。
【図4】実施例装置に適用したショックアブソーバを示
す断面図である。
【図5】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
【図6】前記ショックアブソーバのピストン速度に対応
した減衰力特性図である。
【図7】前記ショックアブソーバのパルスモータのステ
ップ位置に対応した減衰力特性図である。
【図8】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のK
−K断面図である。
【図9】前記ショックアブソーバの要部を示す図5のL
−L断面及びM−M断面図である。
【図10】前記ショックアブソーバの要部を示す図5の
N−N断面図である。
【図11】前記ショックアブソーバの伸側ハード時の減
衰力特性図である。
【図12】前記ショックアブソーバの伸側・圧側ソフト
状態の減衰力特性図である。
【図13】前記ショックアブソーバの圧側ハード状態の
減衰力特性図である。
【図14】実施例装置における信号処理ブロック図であ
る。
【図15】実施例装置におけるコントロールユニットの
全体の制御作動を示すフローチャートである。
【図16】実施例装置におけるコントロールユニット4
の制御作動のうち、主にショックアブソーバの制御領域
の切り換え作動状態を示すタイムチャートである。
【図17】実施例装置におけるコントロールユニット4
の制御作動のうち、実際のばね上上下速度(またはばね
上上下速度信号)に対し制御信号の位相が進む方向にず
れている場合の作動を示すタイムチャートである。
【図18】実施例装置におけるコントロールユニット4
の制御作動のうち、実際のばね上上下速度(またはばね
上上下速度信号)に対し制御信号の位相が遅れる方向に
ずれている場合の作動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
a 減衰特性変更手段 b ショックアブソーバ c ばね上上下速度検出手段 d 信号処理回路 e 基本制御部 f 減衰特性制御手段 g 補正制御部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に介在され、減衰
    特性変更手段により減衰特性を変更可能なショックアブ
    ソーバと、 ばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手段と、 ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信
    号を処理することによって周波数依存性を持たせた制御
    信号を得るための信号処理回路と、 ばね上上下速度検出手段で検出されたばね上上下速度信
    号が所定の不感帯しきい値を越えている時は、信号処理
    回路で処理された制御信号に基づいて、ショックアブソ
    ーバを最適の減衰特性に制御すべく減衰特性変更手段に
    切り換え信号を出力する基本制御部を有する減衰特性制
    御手段と、 該減衰特性制御手段に設けられ、ばね上上下速度検出手
    段で検出されたばね上上下速度信号が所定の不感帯しき
    い値未満である時は、ショックアブソーバの減衰特性を
    ソフト特性に補正制御する補正制御部と、を備えている
    ことを特徴とする車両懸架装置。
JP22429993A 1993-09-09 1993-09-09 車両懸架装置 Pending JPH0781345A (ja)

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