JPH07809Y2 - 天井埋込型空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は室内の冷房、暖房等の空気調和を行なう天井
埋込型空気調和機に係り、特に本体ケーシングの配管類
設置側側板構造を改良した天井埋込型空気調和機に関す
る。

（従来の技術） 室内の冷房や暖房等の空気調和を行なう空気調和機の中
には、室内ユニットを天井裏に埋設した天井埋込型空気
調和機がある。この空気調和機は第７図に示すようにキ
ャビネットとしての本体ケーシング１が天井裏２に埋設
される形で設置され、本体ケーシング１廻りの天井開口
部３は天井４の下方ら天井パネル５で覆われる。

天井埋込型空気調和機の中には、暖房を温水コイルで行
なうものがあり、この温水コイル暖房式空気調和機は、
本体ケーシング１の側板1aに暖房用温水配管や冷房用温
水配管を案内する開口が形成される。この開口は、各配
管類のガイド用分割側板6a,6bで閉塞される。分割側板6
a,6bは本体ケーシング１の側板1aに固定ねじ等で側方か
ら着脱自在に固定される。

また、本体ケーシング１内には、分割側板6a,6bの内側
に図示しない熱動弁が設けられ、この熱動弁により熱交
換器としての温水コイルに供給される温水または蒸気を
コントロールしている。熱動弁は長期間の使用により軸
封部が劣化し、漏水等が生じるおそれがあるため、定期
的に点検したり、交換するメンテナンス作業が行なわれ
る。

（考案が解決しようとする課題） 従来の天井埋込型空気調和機において、熱動弁交換等の
メンテナンス作業は、分割側板6a,6bを本体ケーシング
１の側板1aに側方から着脱させる構造であるため、限ら
れたスペースの天井開口部３を介しての作業性が悪く、
また、分割側板6a,6bのねじ止め方向が水平方向である
ため、固定ねじ７をねじ止めするドライバの大きさなど
に制約を受けていた。

このため、メンテナンス作業時には、天井４から空気調
和機の室内ユニット全体を取り外して床上に降ろし、こ
の床上で分割側板6a,6bを取り外して熱動弁交換等のメ
ンテナンス作業を行なっている。この場合には、メンテ
ナンス作業の都度、室内ユニットを取外したり、取付け
たり、また、温水配管や冷媒配管の着脱作業が必要とな
り非常に大掛りな作業が必要であった。

この考案は上述した事情を考慮してなされたもので、熱
動弁の交換等のメンテナンス作業を、室内ユニット据付
状態のまま、簡単かつ短時間に行なうことができ、作業
性を向上させた天井埋込型空気調和機を提供することを
目的とする。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） この考案に係る天井埋込型空気調和機は、本体ケーシン
グの側板に配管類を案内する開口を形成した天井埋込型
空気調和機において、上記開口を配管類ガイド用分割側
板で覆い、上記分割側板を本体ケーシングに下方から固
定の保持板で支持し、上記分割側板および保持板を上下
方向に着脱自在としたものである。

（作用） この天井埋込型空気調和機は、本体ケーシング側板に形
成される配管類案内用開口を配管類ガイド用分割側板で
覆い、この分割側板を本体ケーシングに下方から固定の
保持板で支持し、上記分割側板および保持板を上下方向
に着脱自在としたから、本体ケーシングを据付けた据付
状態のままで分割側板および保持板を下方に取外した
り、下方から取付けることが簡単かつ容易にできる。し
たがって、分割側板の内側に設置される熱動弁等の保守
・交換作業等のメンテナンス作業を簡単かつ容易に行な
うことができ、作業性が向上する。

（実施例） 以下、この考案に係る天井埋込型空気調和機の一実施例
について添付図面を参照して説明する。

第１図において、符号10はこの考案に係る天井埋込型空
気調和機の室内ユニットを示し、この室内ユニット10は
空気調和される室内の天井裏11に埋設される。室内ユニ
ット10は天井12の天井開口部13を通して据付けられるキ
ャビネットとしての本体ケーシング14を備え、この本体
ケーシング14内に図示しない送風機や室内側熱交換器が
収容される。室内側熱交換器は暖房用温水コイルと冷房
用冷媒熱交換コイルを組み合せたものである。本体ケー
シング14廻りの天井開口部13は天井12の下方から天井パ
ネル15で覆われる。

一方、本体ケーシング14の一側板14aには冷媒配管や温
水配管等の配管類を案内する開口16が形成され、この開
口16は対をなす配管類ガイド用分割側板18a,18bと、上
記分割側板18a,18bをサポートする支持用分割側板19と
により覆われ、各分割側板18a,18b,19は横断面Ｌ型をな
すフレーム状の保持板20により本体ケーシング14に固定
される。保持板20は本体ケーシング14に下方から固定ね
じ21等で固定される。

本体ケーシング14の側方開口16を覆う各分割側板18a,18
b,19は具体的には第２図に示すように構成され、配管類
ガイド用分割側板18a,18bはほぼ矩形状開口16の頂部に
係合する段付爪部23a,23bと、上記開口16の側部に係合
する段付爪部24a,24bとを一体に備える一方、各分割側
板18a,18bは開口16の側部側に配管類を案内する配管ガ
イド25a,25bが形成される。配管ガイド25a,25bは例えば
円弧状をなし、そのガイド面が一側に湾曲成形される。
また、各分割側板18a,18bは開口16の縁部を段付爪部23
a,23b;24a,24bおよびカバー部26a,26bにより内側あるい
は外側から覆われ、隙間の発生を防止しており、カバー
部26a,26bは各分割側板18a,18bの本体27a,27bと同一面
を有するように成形される。

また、各分割側板18a,18bをサポートする支持用分割側
板19は、例えば第２図に示すように上方に向って先細り
形状を有し、その先端部に開口16の頂部に係合する段付
爪部30を備えるとともに、支持用分割側板19のテーパ部
には、ガイド用分割側板18a,18bの背側に係合する段付
爪部31a,31bを備える。各段付爪部30,31a,31bは分割側
板19の本体部32と一体成形され、各段付爪部30,31a,31b
を本体ケーシング14の開口16およびガイド用分割側板18
a,18bに係合させたとき、分割側板30のカバー部33a,33b
はガイド用分割側板18a,18bの背側と例えば内側から重
なり合うように形成される。

支持用分割側板19の底部は一側、例えば内方に湾曲成形
され、その湾曲部34にＬ型フレーム状の保持板20が重ね
合され、固定ねじ21等の固定具により固定される。保持
板20は支持用分割側板19の底部から両側に突出し、その
突出部が本体ケーシング14の底板、例えば天井パネルに
固定ねじ21等で下方から固定される。なお、第２図に
は、支持用分割側板19と保持板20とを別体にて構成した
例を示したが、両者を一体成形してもよい。また、本体
ケーシング14の側板14aに形成される開口16は必ずしも
矩形形状に限定されず、例えば台形形状であっても、あ
るいは下方に向って拡開する形状であればよい。その場
合、開口16を覆う配管類ガイド用分割側板は、必ずしも
第１図および第２図に示す形状に限定されず、種々の形
状が考えられ、２枚の分割側板の下部を保持側板で直接
支持してもよい。その際には支持用分割側板が不要とな
る。

次に、天井埋込型空気調和機の作用を説明する。

この空気調和機にて暖房運転を行なう場合には、本体ケ
ーシング14内において各分割側板18a,18b,19の内側に配
置された熱動弁（図示せず）を制御し、給湯配管を通し
て図示しない温水コイルに蒸気または温水を供給し、こ
の温水コイルで室内空気を温め、温風にする。この温風
は、送風機により室内に吹き出され、室内を暖房する。

また、冷房運転は図示しない冷凍サイクルを作動させて
冷媒配管を通して冷媒を熱交換コイル（図示せず）に案
内し、室内空気を冷却する。冷却された冷却風は送風機
により室内に吹き出され、室内を冷房する。この空気調
和機は必要に応じて除湿運転を行なうこともできる。

ところで、温水コイルを暖房用として利用する天井埋込
型空気調和機では、長時間の使用により熱動弁の軸封機
能が損われ、漏水事故等を生じさせるおそれがあるた
め、熱動弁は定期的に保守・点検・交換等のメンテナン
ス作業が行なわれる。

このメンテナンス作業は、室内ユニット10を天井12から
床上に吊すことなく、天井裏11に埋設状態で行なわれ
る。具体的には、天井開口部13を覆う天井パネル15を取
外した後、各分割側板18a,18b,19を保持している保持板
20を本体ケーシング14から取外す。このとき、保持板20
は本体ケーシング14に下方からねじ止めされているの
で、固定ねじを緩めることにより、ほぼ垂直方向下方に
取り出される。

続いて、支持用分割側板19を下方に引き抜き、配管類ガ
イド用分割側板18a,18bから分離させて取り出す。この
とき、支持用分割側板19は保持板20と一体のまま取り出
してもよい。

支持用分割側板19が取り出された後、対をなすガイド用
分割側板18a,18bを本体ケーシング14の開口16から取り
外し、下方に取り去る。これにより、天井開口部13およ
び本体ケーシング14の開口16が開放された状態となり、
この天井開口部13および開口16を通して熱動弁等の保守
・点検・交換などのメンテナンス作業が行なわれる。熱
動弁のメンテナンス作業時には予め水抜きが行なわれ
る。

熱動弁等のメンテナンス作業が終了した後、各分割側板
18a,18b,19や保持板20、天井パネル15の取付けは、取外
しの場合と逆の手順にて行なわれる。

次に、天井埋込型空気調和機の変形例について説明す
る。

この変形例に示された天井埋込型空気調和機は、第３図
および第４図に示すように構成され、空気調和機の室内
ユニット10Aは天井12に埋設される。室内ユニット10Aは
キャビネットとしての本体ケーシング40を有し、この本
体ケーシング40内にモータ41駆動の送風機42と室内側熱
交換器43とが収容され、本体ケーシング40の下部は天井
パネル44で覆われる。

天井パネル44には空気吸込口45と空気吹出口46とが開口
している。空気吸込口45には吸込グリル47とこの吸込グ
リル47に支持されたエアフィルタ48が設けられる。空気
吹出口46にも吹出グリル（図示せず）を設け、吹出方向
を調節自在としてもよい。

上記吸込グリル47は対をなす巻取りローラ50,50から垂
下された吊ひも等の吊設ロープ51,51に昇降自在に支持
される。巻取りローラ50,50は図示しない制御部にて駆
動制御される可逆回転可能なラッピングモータ52の出力
シャフト53に軸装されており、このモータ駆動により吊
設ロープ51が巻き出されたり、巻き取られ、吸込グリル
47が昇降せしめられる。モータ52および出力シャフト53
を支持する軸受54は天井パネル44上に据付けられる。常
時は、吸込グリル47は天井パネル44の空気吸込口45部に
セットされ、設置される。

この天井埋込型空気調和機の冷暖房運転は、第１図およ
び第２図に示された空気調和機と同様に行なわれ、送風
機42の作動により吸込グリル47から吸い込まれた室内空
気はエアフィルタ48にて清浄化された後、室内側熱交換
器43に送られ、この熱交換器43で熱交換されて冷却風あ
るいは温風となる。この冷却風あるいは温風は空気吹出
口46を通って室内に吹き出され、室内を冷暖房する。

また、吸込グリル47が天井パネル44に収納されていると
き、モータ41をON駆動させると、吊設ロープ51が巻取り
ローラ50に巻き付けられているため、出力シャフト53は
逆回転となって巻取りローラ50から吊設ロープ51が繰り
出され（巻き出され）、吸込グリル47は下降し、吊り下
げられる。

吸込グリル47が最大下降した時点で、第６図に示すリモ
ートコントローラ56等を操作してモータの駆動を停止さ
せる。しかして、吸込グリル47上に内蔵されているエア
フィルタ48を取り外して洗浄することができる。このた
め、エアフィルタ48の洗浄作業を簡単かつ容易に行なう
ことができる。

エアフィルタ48は洗浄後、再び吸込グリル47上に設置
し、再度リモートコントローラ56等を操作してモータ52
を駆動させると、モータ52は逆回転のまま巻取りローラ
50にて吊設ロープ51が巻き取られ、吸込グリル47は上昇
する。吸込グリル47が天井パネル44の空気吸込口45部に
納まったとき、モータ52をOFFにする。次にモータ52を
駆動させると、吊設ロープ51は巻取りローラ50に完全に
巻き付けられているので、吊設ロープ51は正転し、この
正転により巻取りローラ50から吊設ロープ51が繰り出さ
れる。

なお、天井パネル44側にマイクロスイッチ等の検出器を
取付けておけば、天井パネル44の空気吸込口45に吸込グ
リル47が収納されたとき、モータ52の駆動を自動停止さ
せることができる。

この天井埋込型空気調和機においては、リモートコント
ローラ56等の手動操作により吸込グリル47が天井パネル
44から昇降自在に設けられたから、吸込グリル47に設置
されたエアフィルタ48の着脱が容易になり、エアフィル
タ48のフィルタ清掃を簡単かつ容易に行なうことができ
る。エアフィルタ48を取外すために、踏台やはしごが不
要になるとともに、エアフィルタ48の清掃により冷暖房
能力を低下させることなく有効的に発揮させることがで
きる。

〔考案の効果〕

以上に述べたようにこの考案に係る天井埋込型空気調和
機においては、本体ケーシングの側板に形成される開口
を配管類ガイド用分割側板で覆い、この分割側板を本体
ケーシングに下方から固定の保持板で支持し、上記分割
側板および保持板を上下方向に着脱自在としたから、分
割側板や保持板の着脱方向を上下方向とし、下方から固
定できるので、熱動弁交換等のメンテナンス作業を簡単
かつ容易に、短時間で行なうことができ、メンテナンス
作業の作業性が向上する等の効果を奏することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る天井埋込型空気調和機の一実施
例を示す図、第２図は第１図に示した空気調和機の要部
を示す図、第３図は天井埋込型空気調和機の変形例を示
す側断面図、第４図は第３図のIV-IV線に沿う断面図、
第５図は第３図の天井埋込型空気調和機を下方から見た
図、第６図は第３図に示された空気調和機の天井パネル
に設けられる吸込グリルの昇降機構の一例を示す図、第
７図は従来の天井埋込型空気調和機を示す図である。 10,10A……室内ユニット、11……天井裏、12……天井、
13……天井開口部、14,40……本体ケーシング、15,44…
…天井パネル、16……開口、18a,18b……ガイド用分割
側板、19……支持用分割側板、20……保持板、21……固
定ねじ、41……ファンモータ、42……送風機、43……室
内側熱交換器、45……空気吸込口、46……空気吹出口、
47……吸込グリル、48……エアフィルタ、50……巻取り
ローラ、51……吊設ロープ、52……モータ、53……出力
シャフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケーシングの側板に配管類を案内する
   開口を形成した天井埋込型空気調和機において、上記開
   口を配管類ガイド用分割側板で覆い、上記分割側板を本
   体ケーシングに下方から固定の保持板で支持し、上記分
   割側板および保持板を上下方向に着脱自在としたことを
   特徴とする天井埋込型空気調和機。