JPH0780648A - 溶接用給電チップ - Google Patents

溶接用給電チップ

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Publication number
JPH0780648A
JPH0780648A JP22914493A JP22914493A JPH0780648A JP H0780648 A JPH0780648 A JP H0780648A JP 22914493 A JP22914493 A JP 22914493A JP 22914493 A JP22914493 A JP 22914493A JP H0780648 A JPH0780648 A JP H0780648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
tip
wire
wear resistance
chip
Prior art date
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Pending
Application number
JP22914493A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Shimura
竜一 志村
Kazushi Suda
一師 須田
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温下での耐摩耗性に優れ、導電性も良好
で、スパッタ付着の少ないチップを提供する。 【構成】 重量%で、Al:50〜70%、Cu:30
〜50%、Be:2〜5%を含有し、残部が不可避不純
物からなり、かつ常温において250〜400のビッカ
ース硬さを有することを特徴とする溶接用給電チップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスシールドアーク溶
接、エレクトロスラグ溶接、エレクトロガス溶接等の消
耗電極式アーク溶接用トーチに使用する溶接用給電チッ
プに係わり、特に耐摩耗性に優れた溶接用給電チップに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】消耗電極式アーク溶接では、溶接用給電
チップ(以下、チップという)は消耗電極(以下、ワイ
ヤという)をその中央に設けたワイヤ通孔を経て溶接部
にガイドの役目を果たすとともに溶接電流を安定してワ
イヤへ供給する給電の役目も果たしている。ところが、
従来のチップは比較的軟質な金属のためワイヤの送給速
度が早く、かつチップ内面の給電点の部分が高温になる
ため、ワイヤと接触するワイヤ通孔の部分が著しく摩耗
する。そのため、チップがワイヤのガイドの役目を果た
せず、また摩耗によって給電状態が悪化して、アーク不
安定を引き起こし、ブローホール等の溶接欠陥を発生さ
せる。
【0003】そこで、耐摩耗性を改善する手段として、
例えば特開平1−181980号公報記載の如くチップ
中子部を特殊な銅合金等で構成しているものとか、特開
平2−80492号公報記載の如く、銅、銅合金マトリ
ックス金属に特殊な微粉末を分散して被膜を構成させた
チップで、耐摩耗性、耐スパッタ性能を得る方法、ま
た、特開昭61−82983号公報記載の如く、表面に
導電性セラミックスで構成したチップ先端部に特殊金属
を埋込んだもの、さらには特開平1−259158号公
報記載の如く、電極チップの先端部セラミックス製パイ
プを埋込み、表面に特殊加工で金属、窒化物、炭化物の
薄膜を形成して耐久性を向上させる方法が提案されてい
る。しかし、これらの方法によっても前述の問題点を完
全に解決することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高温下での耐
摩耗性に優れ、しかも導電性も良好で、スパッタ付着も
少ないチップを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、重量%
(以下%と記す)で、Alを50〜70%、Cuを30
〜50%、Beを2〜5%を含有し、残部が不可避不純
物からなり、かつ常温において250〜400のビッカ
ース硬さを有することを特徴とする溶接用給電チップに
ある。
【0006】
【作用】本発明者等は、各種成分の材質によるチップの
耐摩耗性について種々検討を重ねた結果、Alを50〜
70%、Cuを30〜50%、Beを2〜5%の範囲で
含有し、かつ常温におけるビッカース硬さを250〜4
00の範囲に制御することにより、高温下での耐摩耗性
に優れ、しかも導電性も良好で、スパッタ付着も少な
く、さらに、製作工程時の切削加工の簡略化によるコス
ト低減が図れるチップを完成したものである。
【0007】以下に本発明チップの構成成分限定理由に
ついて詳細に説明する。まず、Alを50〜70%添加
するのは、チップの冷却効果を図るとともに導電性並び
に硬度確保のためである。50%未満では溶接時にチッ
プが受ける輻射熱の放散、すなわち、チップによる冷却
効果が期待できず、そのためチップへのスパッタ付着も
多くなり、給電状態が悪化して、アーク不安定を引き起
こし、ブローホール等の溶接欠陥を発生させる。一方7
0%を超えるとチップの硬さが過度に低くなり、耐摩耗
性が確保できないので、Alは重量%で50〜70%に
限定した。
【0008】次に、Cuは、30%未満では導電性の確
保とチップとしての硬さ維持ができず、十分な耐摩耗性
が得られない。一方50%を超えると熱伝導率が低下し
て、チップの熱が放散しずらくなるとともに、電気抵抗
が増し給電状態の悪化をもたらすため、Cuは30〜5
0%に限定した。
【0009】また、BeはAlと同様な性能を持ち、特
にチップの硬度確保のため添加するもので、2%未満で
は、チップの硬さが低くなり、初期の耐摩耗性が確保で
きない。一方5%を超えると、硬度が過度に高くなりす
ぎ、ワイヤと接触するワイヤ通孔部を精度良く加工する
ことが難しく、生産性の劣化をもたらすとともに組織中
に金属間化合物が生じて脆くなる。したがって、Beは
2〜5%に限定した。
【0010】さらに、チップの硬さをビッカース硬さで
250〜400に限定したのは、ビッカース硬さが25
0未満では、チップとして高温下で十分な耐摩耗性が得
られない。その一方ビッカース硬さが400を超える
と、硬度が過度に高くなりすぎ口径1.2mmφ等の細径
ワイヤ通孔径を高精度で加工することが非常に難しく、
歩留まり不良等の生産性の悪化および切削具損傷の度合
いが高い等でコスト的に実用化が難しい。
【0011】また、硬度が高いということが必ずしも十
分な耐摩耗性が得られるというものでなく、チップの構
成成分を上記範囲に限定し、さらにチップの硬さをビッ
カース硬さで250〜400に限定することで、高温下
での耐摩耗性に優れ、しかも導電性も良好で、スパッタ
付着も少ないチップが得られる。なお、適当な温度での
時効硬化処理を行って本発明の硬度を得ても耐摩耗性の
観点から何等問題はない。図1にチップの断面図を示
す。図中、2が出口側先端部、3がワイヤ通孔、4がワ
イヤである。
【0012】
【実施例】表1に示す組成からなるチップ(断面形状:
図1)に1.24mmφのワイヤ通孔径を加工し、溶接ワ
イヤとしてJIS Z 3313 YGW11の公称ワ
イヤ径1.2mmφを用い、表2に示す溶接条件で溶接を
行った。この溶接条件で溶接ワイヤを20kg消費させた
後のワイヤ通孔径の摩耗度合い、スパッタ付着状況およ
びワイヤ給電状況を各チップについて調査し、その結果
を表3に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】表3のNo.1〜4は本発明例、No.5〜8
は比較例である。この表から明らかなように、本発明例
に係わるNo.1〜4のチップによれば、長時間溶接でも
ワイヤ通孔径の摩耗量が非常に小さく、優れた耐摩耗性
が得られるとともにスパッタ付着が少なく、安定したワ
イヤ送給および給電が維持され、良好な結果を示すこと
が明らかである。
【0017】一方、比較例No.5のチップは、従来から
用いられている100%Cuチップで、硬さが本発明限
定範囲を大きく下回っているため耐摩耗性が著しく悪
く、ワイヤの狙い位置が一定せずワイヤのふらつきが発
生、また、Alの添加がないため冷却効果も得られずス
パッタ付着が多かった。
【0018】No.6のチップは、Alが本発明の限定範
囲を超え、Cuが本発明の限定範囲を下回り、Beの添
加がないもので、No.8のチップは、No.6のチップに
Beを本発明の限定範囲を下回る1.2%程度添加した
チップで、いずれも硬さが本発明限定範囲を下回ってい
るため、耐摩耗性が劣り、スパッタ付着が多く、安定し
たワイヤ送給および給電が維持されなかった。
【0019】さらに、No.7のチップは、Alが本発明
の限定範囲を大きく下回り、CuとBeが本発明の限定
範囲を大きく超えているため、硬さが本発明限定範囲を
大幅に上回り、チップ製作時の切削加工において、チッ
プに細かいヒビ割れが入った。それでも、さらに加工を
進めワイヤ通孔径をドリル加工すると肉厚の薄いところ
が欠け落ちてしまい、完全な完成品が作製できず、溶接
試験に供せなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明の溶接用給電チップによれば、高
温下での耐摩耗性に極めて優れ、しかも導電性も良い特
徴を持っているため、チップの寿命を大幅に向上させ、
安定したワイヤ送給や給電の維持、さらにはスパッタ付
着等による溶接作業時のトラブルを低減させることがで
きる。これは、高品質・高性能な溶接部を得られるとと
もにランニングコストの低減が図れ、溶接の高能率化や
省力化に本発明は大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接用給電チップの断面図を示す。
【符号の説明】
1 溶接用給電チップ 2 出口側先端部 3 ワイヤ通孔 4 ワイヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 Al:50〜70%、 Cu:30〜50%、 Be:2〜5% を含有し、残部が不可避不純物からなり、かつ常温にお
    いて250〜400のビッカース硬さを有することを特
    徴とする溶接用給電チップ。
JP22914493A 1993-09-14 1993-09-14 溶接用給電チップ Pending JPH0780648A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22914493A JPH0780648A (ja) 1993-09-14 1993-09-14 溶接用給電チップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22914493A JPH0780648A (ja) 1993-09-14 1993-09-14 溶接用給電チップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0780648A true JPH0780648A (ja) 1995-03-28

Family

ID=16887461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22914493A Pending JPH0780648A (ja) 1993-09-14 1993-09-14 溶接用給電チップ

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JP (1) JPH0780648A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104002032A (zh) * 2014-06-05 2014-08-27 中冶辽宁德龙钢管有限公司 一种新型焊接装置

Cited By (1)

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CN104002032A (zh) * 2014-06-05 2014-08-27 中冶辽宁德龙钢管有限公司 一种新型焊接装置

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