JPH0780525A - 多段圧延機の圧延方法およびその装置 - Google Patents

多段圧延機の圧延方法およびその装置

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JPH0780525A
JPH0780525A JP5250124A JP25012493A JPH0780525A JP H0780525 A JPH0780525 A JP H0780525A JP 5250124 A JP5250124 A JP 5250124A JP 25012493 A JP25012493 A JP 25012493A JP H0780525 A JPH0780525 A JP H0780525A
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JP
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rolling
reduction
rolled
load
reduction cylinder
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JP5250124A
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Yuji Tawara
裕司 田原
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IRITSUKUSU KK
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IRITSUKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多段式圧延における歩留り向上、高能率、品
質の向上。 【構成】 多段式圧延機において、現に作業ロール間に
挟在する被圧延材個有の板厚と変形抵抗を圧下シリンダ
位置とその負荷圧力から検出して各圧延パスの圧下スケ
ジュールを決める。次に材料を挟まない状態での圧下シ
リンダの位置と負荷圧力の関係で無負荷時の推移線l0
と負荷時の推移線m0 の交点Q0 を求め、当該圧延パス
の材料を挟在したときの同様の線lと線mとをから交点
Qを求め、QとQ0 とを重ねた合成によって今回必要と
する圧下シリンダの位置の移動量ΔSx を演算し駆動す
る。 【効果】 多段圧延機個有の特性を記憶したうえで現在
の材料個有の物性を検知して適正な圧下の負荷を自動的
に算出し駆動命令を出力するので、各圧延パスごとの切
捨ても板厚調整の低速運転も必要なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多段圧延機の合理的な圧
下スケジュールの設定、および該設定に基いて正確に圧
延作業を実行する圧延の制御方法とその装置に係る。
【0002】
【従来の技術】多段圧延機の代表例としてゼンジミアミ
ルが有名である。被圧延材を挟圧する作業ロールの上下
に補強ロール、その上下をパッキングロール(バックア
ップベアリング)で支持し、バッキングロールの中央上
下から上部ラック、下部ラックを介して油圧シリンダー
による圧下力を加え、作業ロール間に挟んだ被圧延材を
圧延する方式である。ステンレス鋼や珪素鋼のように変
形抵抗の大きい材料の圧延に対して他の圧延機にない優
れた適性が認められ、普通20段に及ぶロールの相乗的
な作動によって幅方向、長さ方向の厚み精度が高く、極
薄物の圧延に高い評価を受けている。
【0003】多段圧延機による圧延材の製造に当って
は、現在、被圧延材として提供された材料板厚と最終目
標となる製品の板厚から圧下総量を知り、これを実行す
るための圧下スケジュールをはじめに設定する。これは
各被圧延材の属する鋼種によって既知の情報としてあら
かじめ与えられている材質別変形抵抗によって決定され
る塑性係数と、当該圧延機個有の圧延能力、生産性など
を総合的に勘案して、最初から最後まで最もバランスが
とれた圧下作業を各段階の圧延パスに振り当てるため
に、それぞれの圧下量を策定するのである。
【0004】圧下スケジュールが決れば、各圧延パスに
おける圧下量を得るために必要な作業ロールの具体的な
間隙を設定する必要がある。この作業ロール間隔の設定
は、単にロール間距離を物理的に測定してそのまま流用
できるものではなく、多数の内的な要素も十分考慮に含
めて計算しないと、実情に全く適合しない結果となる。
まして、多段圧延機は一般にハウジングに取り囲まれた
密閉状態で運転されるから、ロール間隔を直接測定する
術もなく、従来から内的な要素を含めた推定方法で判断
する他なかった。
【0005】ロール間隔の推定方法として広く普及して
いるのは、ゲージメータ方式である。従来、一番普及し
ているゲージメータ式は h=A+P/M ここでhは圧延機出口側の板厚、Aは圧延開度、すなわ
ち作業ロールの間隔、Pは圧延荷重、Mは圧延機の弾性
係数をそれぞれ示す。そして上記の式によって間接的に
圧延機の出口側板厚hを算出し、この値と目標とする基
準板厚Hとを比較して板厚偏差Δh、すなわち、 Δh=H−h=H−(A+P/M) に応じて圧延機の圧下開度を調整し、板厚を制御する板
厚自動制御方式としているのである。また、このゲージ
メータ方式では圧延ロールへの荷重が変化し、圧延ロー
ルの曲りが変ったとき圧延の形状が変化して板の形状が
悪くなるという欠点が免れないので、前記のP/Mに補
正項を付加して計算精度の向上を図った公開技報81−
6580号(発明協会)もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】多段圧延機の圧下スケ
ジュールを決定する段階において、まず課題となること
はスケジュール設定の基準となる被圧延材の材質的情報
のばらつきである。この場合に与えられる各材質別の変
形抵抗はあくまで不偏的、一般的、経験的に蓄積された
過去のデータによるものであり、現時点において現実に
作業ロールに供給されている被圧延材自体の個有の物性
ではない。いうまでもなく同一鋼種に属する材料であっ
ても、そのロットによって過去の熱的履歴や前工程の加
工の条件、たとえばクラウンの微妙な差に起因して物性
や板厚などに相当な偏差のあることは否定し難い。多段
圧延に入る前に既に各ロット間に避け難い板厚の変動、
変形抵抗の差があるのに、これを無視して画一的に圧下
の最終に至るまでのスケジュールを割当てることは実情
に即さないから、途中の段階で目標板厚との乖離を解消
するために修正用の圧延パスを追加実施せざるを得ず、
製品の品質と生産性の上で好ましくない影響を受けると
いう課題がある。
【0007】圧下スケジュールの改善は圧延全期の合理
化に有効であり適正化が強く望まれているが、これより
さらに深刻な課題は、具体的なロール間隔の各圧延パス
における適正な設定である。ロール間隔の設定とこれに
よる各圧延パスごとの板厚制御は前記のゲージメータ方
式が一般に採られているが、多段圧延機、たとえばゼン
ジミアミルの構造は多段階に重なったロールの最外部か
ら上下のラックを介して油圧力を受けているから、該方
式に当てはめて算出するとき基本となる被圧延材へ直接
負荷する圧下力の絶対値を知ることができないという構
成上の制約がある。また、既に述べたように被圧延材の
変形抵抗や板厚は、前工程までの熱履歴、加工履歴の違
いに基き、標準として与えられている経験値とは必ず多
少の乖離があって、その程度も予知し難い不特定な要素
であるから、如何に微細な補正項を加えて現実に近ずけ
ようとしても、演算の基礎となる諸要素自体が変動する
のであるから、制御の精度は保証し難いという重要な課
題が残る。
【0008】以上に述べたような課題があれば、現実の
圧延パスにおいて具体的にどのような現象が誘発される
かといえば、まず、決定された圧下スケジュールによっ
て作業ロールの間隔を調整し、被圧延材を噛み込ませて
低速で運転を始め、出口から出てくる圧延材の板厚を測
定して現圧延パスにおける目標板厚と比較しつつロール
間隔を増減し、具体的には油圧シリンダーの圧力計の目
盛りに合わせて総合的な圧下力を調整し、目標の板厚に
一致した段階でその圧延パスの本格的な操業に移るとい
う手順が省けない。結局、この間に流出してくる圧延材
は所望の板厚ではないからオフゲージと呼ばれる規格外
品として処分されるため、歩留り向上の大きな妨げとな
っている。また、この犠牲をできるだけ小さくするため
に、各圧延パスの始動時には圧延機を低速で運転するか
ら、この間の圧延作業は製品を生まない準備段階に過ぎ
ず、正常運転による生産性を阻害する大きな因子となっ
ている。このような非能率と材料のムダが各圧延パスの
立ち上がりごとに繰り返され、その間の労務上、材料上
の損失は無視できないマイナス要因となっているうえ、
このような不確定要素がある以上、板厚の自動制御を目
指してもスタートから最大の隘路として立ち塞がる障害
であることは論を俟たず、圧延装置に残された数少ない
非合理的部分であるともいえる。
【0009】本発明は以上に述べた課題を解決し、現在
作業ローラにおいて加工を受ける非圧延材自身の個有の
物性に基いて合理的な圧下スケジュールを決定し、該ス
ケジュールを実行する各個別の圧延パスにおいては、そ
れぞれ個有の物性に基いた加工量を自動的に加えて目標
通りの製品を得る圧延方法、およびそのための制御装置
の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多段圧延機
の圧延方法は、多段圧延の上下一対の作業ロール間で被
圧延材を複数段階挟圧を繰り返して最終目標板厚の圧延
板を得る方法であって、現在作業ロール間に挟圧する被
圧延材個有の現板厚および変形抵抗を、圧下シリンダ位
置と圧下シリンダ負荷圧力との関係から検知し、当該個
有の関係に基いて現在の被圧延材の最終製品に至る圧下
スケジュールを決定することによって前記の課題を解決
した。
【0011】この方法をさらに具体的に限定すると、上
下一対の作業ロール間へ被圧延材を挟圧したときに得ら
れる圧下シリンダ位置と圧下シリンダ負荷圧力の変動履
歴によって無負荷時の状態推移線lと負荷時の状態推移
線mを求め、線mの水平に対する勾配は圧下シリンダ負
荷圧力に対する圧下シリンダ位置の変動の比率とみて、
既知の被圧延材が属する材質に関する変形抵抗のデータ
ーを修正して圧下スケジュールを決定することが最も好
ましい実施例である。
【0012】また、圧下スケジュールが決定されたなら
ば、各圧延パスごとの圧下作業を実施するために、上下
一対の作業ロールが相互に当接しているキスロール状態
における圧下シリンダ位置と圧下シリンダ負荷圧力の当
該圧延機の固定履歴として、無負荷時の状態推移線l0
と負荷時の状態推移線m0 の交叉する点Q0 および圧下
シリンダ位置S0 を求めて記憶し、以後、前記圧下スケ
ジールに基いて予定される複数段階の圧延パスをそれぞ
れ実行するため、圧延パス当初に当該被圧延材独自の前
記の線lおよびmによる変動履歴の交点Qおよび圧下シ
リンダ位置Sを固定履歴と重ね、座標軸を平行移動して
点Qと点Q0 を重ねて得られる合成によって、現在の真
の板厚と、前記圧下スケジュールに基いて予定される今
回圧延パスにおいて必要とする圧下シリンダ位置の移動
量を演算し駆動することが要件となる。
【0013】ここで提案した圧延方法を実施するために
使用する装置としては、ミルハウジング1内で補強ロー
ル2およびバッキングロール3に支持される一対の作業
ロール4と、該作業ロール4へ圧下力を加える圧下シリ
ンダー機構5、該圧下力に対応して変動する圧下シリン
ダ位置の検出装置6、該圧下シリンダ負荷圧力の検出装
置7、および前記圧下シリンダ負荷圧力、圧下シリンダ
位置の検出値を入力してあらかじめ現在の被圧延材個有
の変形抵抗を演算し適切に補正した圧下スケジュールを
出力するとともに、複数段階の圧延パスのそれぞれにお
ける適正な圧下シリンダ位置を、各時点における被圧延
材の情報からその都度調整する駆動信号を出力する演算
装置8よりなる構成が要件である。
【0014】
【作用】本発明の作用を図に基いて説明する。図2は現
在運転をしつつある多段圧延機へ被圧延材を挟在させた
時点の無負荷時、負荷時の圧下シリンダ負荷圧力と圧下
シリンダ位置の関係図であり、変動履歴と呼ぶこととす
る。すなわち、作動ロール間へ被圧延材を噛み込ませ、
上下の圧下シリンダからの油圧力が負荷していく過程に
おける圧下シリンダ負荷圧力を縦軸に、圧下シリンダ位
置を横軸にとったものである。圧下過程の当初は僅かの
勾配で直線lが描かれ、この段階は無負荷時の状態であ
って、この僅かな勾配は圧力油の動粘性抵抗によって生
じるものであり、当該圧延機自体の個有の特性である。
圧下が進むと線lは点Qを遷移点として急に立ち上がり
線mへ移行する。すなわち、点Qを境に圧下は無負荷状
態から負荷状態へ移行したことを現わし、この線mの勾
配は圧下シリンダ位置の変化量に対する圧下シリンダ負
荷圧力の変化量の割合を示すものであるから、現時点お
いて作業ロール間にある被圧延材を現実に圧延するとき
に、圧延機内部に持つ個有の諸要素も含めた変形抵抗時
の特性を示すものと解釈できる。図4は上方の曲線が既
に述べた各被圧延材の所属する材料区分によって与えら
れる変形抵抗を縦軸に示し、横軸には全圧下率%を目盛
っている。従来はこの曲線によって圧下スケジールを決
定していたのであるが、本発明では、ここで得られた当
該圧延機における当該被圧延材の現実の変形抵抗に既知
の曲線を補正することが一つの要件となる。すなわち、
既知の曲線(上)を図2によって得られた線mの勾配に
合わせて修正し、現実の曲線(下)として圧下スケジー
ルの決定の基礎に採用するのである。
【0015】各段階の圧下スケジールが、たとえばΔS
1 、ΔS2 、ΔS3 、ΔS4 ……のように決定される
と、各圧延パスごとの圧延作業へ移行する。手順は図3
で示す現に使用中の多段圧延機個有の固定履歴の記憶か
ら始まる。作業ロール間へ被圧延材を挟まないで、(キ
スロールという)図2と同様に圧下シリンダ位置と圧下
シリンダ負荷圧力の関係をプロットする。はじめは線l
0 として僅かに右上がりの直線が得られるが、これは図
2の線lと同様に無負荷時の推移線で当圧延機個有の特
性である。この線l0 は点Q0 を遷移点として急に立ち
上がり負荷状態に移行する。負荷状態における線m0
勾配は圧延機内部の弾性抵抗によって生じこれも当圧延
機個有の特性であり、この固定履歴はすべての圧延パス
に共通する固定した関係であるから、今後の各圧延パス
の実行を決める基礎のデータとして制御機構に記憶させ
ておく。つぎに当該圧延パスの対象となる被圧延材を作
業ロール間へ噛み込ませて図2と同様に今回圧延パスに
関する変動履歴の圧下シリンダ位置−圧下シリンダ負荷
圧力関係図を得る。両図を重ねて図2の両座標軸を平行
にずらし、点Qを点Q0 に一致させると、図1のように
線lと線l0 とは圧延機個有の内部要素であるから共通
であり一致して重なるが、この遷移点から先の線mと線
0 とは勾配が異なり二つの独立した直線に分れる。線
0 は圧延機個有の弾性抵抗によって決るのに対し、線
mはこの装置の特性値と被圧延材のその時点における塑
性変形とが合成された数値として現われるためにその勾
配角度は減少するからである。
【0016】一方、図3において、点Q0 に対応する圧
下シリンダ位置S0 と、図2において点Qに対応する圧
下シリンダ位置Sとによって決るS−S0 が、本圧延パ
スにおいて供給された被圧延材の現実の板厚であるか
ら、この圧延パスで予定されている圧下スケジールにお
ける目標圧下量をΔSx とすれば、図2と図3を合成し
た図1において点Qと点Q0 を重ねた点を支点とする線
0 と線m間の横軸方向の間隔ΔSが、当該圧延パスの
所定の圧下スケジュールに予定される圧下量ΔSx と等
しくなったとき、これに対応する圧下シリンダ負荷圧力
Fの値が求める必要な圧下力に他ならない。すなわち、
既に記憶された図3の関係と今回の圧延パスで入力され
た図2の関係とを電子的な回路に命令して図1の関係に
基いて演算させれば、自動的に作動すべき圧下シリンダ
負荷圧力が演算され駆動すべき信号が圧下シリンダの油
圧機構へ出力されて圧延パスが実行される作用が発現す
る。
【0017】図5は各段階における図2の関係図が圧延
パスを重ねて圧延が進行するにつれて徐々に線mの勾配
が立ち上がってくる態様を点Qを重ねて示した図であ
り、被圧延材は圧延が進むにつれて次第に加工硬化が進
行して変形抵抗が増加していく傾向を見せるのである。
【0018】
【実施例】図6は本発明実施例を示す設備の概略斜視図
であり、ミルハウジング1内で補強ロール2およびバッ
キングロール3に支持される一対の作業ロール4と、該
作業ロール4へ圧下力を加える圧下シリンダー機構5、
該圧下力に対応して変動する圧下シリンダ位置の検出装
置6、該圧下シリンダ負荷圧力の検出装置7、および前
記圧下シリンダ負荷圧力、圧下シリンダ位置の検出値を
入力してあらかじめ現在の被圧延材個有の変形抵抗を演
算し適切に補正した圧下スケジュールを出力するととも
に、複数段階の圧延パスのそれぞれにおける適正な圧下
シリンダ位置を、各時点における被圧延材の情報からそ
の都度調整する駆動信号を出力する演算装置よりなって
いる。圧下シリンダ機構は油圧シリンダー51と油圧を
受けて作動する圧下ラック52および給油の配管で形成
されている。圧下シリンダ位置の検出装置6はマグネッ
トスケールを適用するとよい結果が得られる。
【0019】図6の装置における器材と情報の伝達系路
について示したのが図7のフローチャートであり、ま
た、図中の演算装置8はパーソナルコンピューターであ
り、その処理の一例としては図8に示すフローチャート
が好ましい実施例である。
【0020】実際の圧延作業に当っては圧下シリンダ機
構へ圧力油を供給して圧下ラック52を作動させて圧下
シリンダ51を移動させたとき、バッキングロール3の
軸芯位置とロール径および補強ロール、作業ロールの各
ロール径から、作業ロールの移動量、すなわちロールの
間隔の変位量は幾何学的に決定されるから、あらかじめ
圧下シリンダ位置の移動量とロールの間隔を計算によっ
て求めておくことが好ましい、たとえば図9は被圧延材
の目標圧下量が決定したときの、ロール間隔に相当する
圧下シリンダ位置の移動量を決定するうえで有効な関係
図である。
【0021】いままで説明してきた手順はロール間隔の
設定後、張力を加えないで圧延した場合についてである
が、実際の圧延には張力を付与して圧延する場合が多い
から、このときの手順としては、前記の手順に対する補
正が必要となってくる。補正はいままでの説明で得られ
る無張力の条件で得られた圧下シリンダ位置Sまたは圧
下シリンダ負荷圧力Fに補正項Kを乗じて算出すればよ
い。すなわち、張力下の圧下シリンダ負荷圧力Ftは Ft=K×F ただしK=1−[α×t1 +(1−α×t2 )]/k α:定数 t1 :付与される後方張力 t2 :付与される前方張力 k:被圧延材の変形抵抗
【0022】
【発明の効果】本発明は以上に述べたとおり、従来は作
業員の目視による圧下シリンダ負荷圧力のメータ監視に
よって調整していた板厚制御を、はじめの圧下スケジー
ルから各個別の圧延パスのそれぞれに至るまで、すべて
演算処理によって実行し、しかも、その演算は当該多段
圧延機個有の特性を記憶したうえで、現に圧延しようと
する被圧延材独自の物性に基いた適正な圧下シリンダ負
荷圧力を自動的に算出し駆動を命令するので、各圧延パ
スごとの最初の切捨て(オフゲージ部)も板厚調整のた
めの低速運転もない。すなわち高歩留り、高能率に直結
する効果が得られる。しかも板厚の偏差は大幅に改善さ
れて品質の向上に大きな貢献をもたらす。この方法と装
置の適用によって信頼性の高い自動運転への移行が実現
し、高品質、高生産性の両立する優れた工場運営が可能
となる。
【0023】効果の一例として表1を示すが、これは本
発明による実施例と従来技術による圧下精度を比較した
ものである。もちろん板厚制御以外の圧延の諸条件は同
一に揃え、ゼンジミアミルによってSUS304のステ
ンレス冷延鋼を板厚2.1mmから目標圧下量0.4m
mとした第1の圧延パスを実施したものである。表1は
圧延パス後の被圧延材の先端部10mにおける板厚平均
値の圧延目標値に対する偏差を示したもので、比較例は
従来どおり熟練した作業者の経験による手作業の調整下
で圧延したものである。実施例、比較例ともに各30ず
つサンプリングして板厚測定した結果、表からも明らか
なように従来技術では板厚偏差の平均値xは55.97
μm、標準偏差σは77.54μmであったのに対し、
本発明実施例では、板厚偏差の平均値xは7.50μ
m、標準偏差σは11.05μmであり、本発明の歴然
たる効果を明確に示している。
【0024】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各圧延パスにおける圧下シリンダ負荷
圧力を決定するための合成図である。
【図2】本発明の変動履歴を示す図表である。
【図3】同じく固定履歴を示す図表である。
【図4】圧下スケジュールの決定方法を示す図表であ
る。
【図5】圧延パスの進行とともに変化する変動履歴の推
移を示す。
【図6】実施例の装置を示す斜視図である。
【図7】各器材と情報の伝達系路を示すフローチャート
である。
【図8】演算装置内の手順を示すフローチャートであ
る。
【図9】圧下シリンダ位置とロール間隔の関係図であ
る。
【符号の説明】
1 ミルハウジング 2 補強ロール 3 バッキングロール 4 作業ロール 5 圧下シリンダ機構 6 圧下シリンダ位置検出器 7 圧下シリンダ負荷圧力検出器 8 演算装置 51 油圧シリンダー 52 圧下ラック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段圧延機の上下一対の作業ロール間で
    被圧延材を複数段階挟圧を反復して最終目標板厚の圧延
    板を得る圧延方法において、現在作業ロール間に挟在す
    る被圧延材個有の現板厚および変形抵抗を、圧下シリン
    ダ位置と圧下シリンダ負荷圧力との関係から検知し、当
    該個有の関係に基いて現在の被圧延材の最終製品に至る
    圧下スケジュールを決定することを特徴とする多段圧延
    機の圧延方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上下一対の作業ロー
    ル間へ被圧延材を挟在したときに得られる圧下シリンダ
    位置と圧下シリンダ負荷圧力の変動履歴によって無負荷
    時の状態推移線1と負荷時の状態推移線mを求め、線m
    の水平に対する勾配は圧下シリンダ負荷圧力に対する圧
    下シリンダ位置の変動の比率とみて、既知の被圧延材が
    属する材質に関する変形抵抗のデーターを修正して圧下
    スケジュールを決定することを特徴とする多段圧延機の
    圧延方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、上下一対の
    作業ロールが相互に当接している状態における圧下シリ
    ンダ位置と圧下シリンダ負荷圧力の該圧延機の固定履歴
    によって、無負荷時の状態推移線l0 と負荷時の状態推
    移線m0 の交叉する点Q0 および圧下シリンダ位置S0
    を求め、以後、前記圧下スケジールに基いて予定される
    複数段階の圧延パスに対する圧下をそれぞれの圧延パス
    ごとに実行するため、圧延パス当初に当該被圧延材独自
    の前記の線lおよびmによる変動履歴の交点Qおよび圧
    下シリンダ位置Sを前記固定履歴と重ね、座標軸を平行
    移動して点Qと点Q0 を重ねて得られる合成によって、
    現在の真の板厚と前記圧下スケジュールに基いて予定さ
    れる今回圧延パスにおいて必要とする圧下シリンダ位置
    の移動量を演算し駆動することを特徴とする多段圧延機
    の圧延方法。
  4. 【請求項4】 ミルハウジング1内で補強ロール2およ
    びバッキングロール3に支持される一対の作業ロール4
    と、該作業ロール4へ圧下力を加える圧下シリンダー機
    構5、該圧下力に対応して変動する圧下シリンダ位置の
    検出装置6、該圧下シリンダ負荷圧力の検出装置7、お
    よび前記圧下シリンダ負荷圧力、圧下シリンダ位置の検
    出値を入力してあらかじめ現在の被圧延材個有の変形抵
    抗を演算し適切に補正した圧下スケジュールを出力する
    とともに、複数段階の圧延パスのそれぞれにおける適正
    な圧下シリンダ位置を、各時点における被圧延材の情報
    からその都度調整した駆動信号を出力する演算装置8よ
    りなることを特徴とする多段圧延機の圧延制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007090437A (ja) * 2007-01-09 2007-04-12 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp リバース式圧延機における板厚制御装置

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