JPH0778930B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、リール間寸法及び外形寸法の互いに異なる２
種類のテープカセットが装着可能なビデオデープレコー
ダ等の磁気記録再生装置に関するものである。

従来の技術 従来から、一対のリール間寸法が互いに異なるテープカ
セットを装着可能にする手段としてアダプター方式があ
る。このアダプター方式は、リール間寸法が小さな小テ
ープカセットをリール間寸法の大きな標準形テープカセ
ットと同じサイズのアダプター内にセットし、そのアダ
プターによって小テープカセットを磁気記録再生装置に
装着させるようにして、小テープカセットを標準形テー
プカセットのリール間寸法で使用出来るようにしたもの
である。

第４図にその従来例を示す。第４図において、１は小テ
ープカセットであり、２のアダプターの所定の箇所に装
填されている。３は磁気テープであり、適当な磁気テー
プ引き出し手段にて、小テープカセット１の外方で、且
つ標準形テープカセットの磁気テープ走行経路に相当す
る位置まで引き出し拡張されている。４は供給リール、
５は巻取りリールである。６は回転駆動体であり、その
周囲に歯車７を有している。８〜10は歯車であり、回転
駆動体６と巻取りリール５が回転伝達可能な構成となっ
ている。供給リール４及び回転駆動体６は磁気記録再生
装置のそれぞれ供給リール台及び巻取りリール台と係合
可能である。以上のような構成でリール間寸法の異なる
小テープカセットもアダプターを使用することにより、
標準形テープカセットと同様に使用可能となる。（特開
昭58−100279号公報） 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このアダプター方式では、小テープカセ
ット使用時には、アダプターなる特別部品を必要とし、
コストアップになるとともに、カセット装着の際、手間
や時間がかかり、また、アダプターが手元にない場合に
は小テープカセットを装着することができないという問
題があった。本発明は上記問題点に鑑み、アダプターな
る特別部品を一切用いることなく、リール間寸法及び外
形寸法が異なり且つ一方のリールハブ径が標準形テープ
カセットのハブ径とは異なる小テープカセットを標準形
テープカセットと選択的に装着可能にするとともに、標
準形テープカセットの巻径検出手段を変更することなく
小テープカセットの巻径検出を可能にした磁気記録再生
装置を提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の磁気記録再生装置
は、回転数検出手段を有するとともに標準形テープカセ
ットを巻回しうる第１のリール台及び第２のリール台
と、標準形テープカセットとリール間寸法及び外形寸法
が異なり且つ一方のリールハブ径が標準形テープカセッ
トのハブ径とは異なる小テープカセットを第１のリール
台とともに巻回可能であり該ハブ径が異なるリールと係
合しうるべく配設された第３のリール台と、標準形テー
プカセット装着時に第３のリール台を移動回避させうる
手段と、第２のリール台から第３のリール台に回転伝達
可能な手段を具備し、小テープカセットを第１のリール
台で巻取る時に所定の磁気テープ残量となった時点の第
２のリール台の回転数が、標準形テープカセットを第１
のリール台で巻取る時に同量の磁気テープ残量となった
時点の第２のリール台の回転数に一致するように減速比
を設定した構成を備えたものである。

作 用 本発明は上記した構成によって、アダプターなる特別部
品を用いることなく、リール間寸法及び外形寸法が異な
り且つ一方のリールハブ径が標準形テープカセットのリ
ールハブ径とは異なる小テープカセットを装着可能にす
ることができ、また、標準形テープカセットの巻径検出
手段を変更することなく小テープカセットの巻径検出を
可能にすることができる。

実施例 以下、本発明の実施例の磁気記録再生装置について図面
を参照しながら説明する。第１図は本発明の実施例の磁
気記録再生装置の小テープカセット装着時のリール台機
構の側面図を示すものである。13は小テープカセットで
ある。36は参考のため記述した標準形テープカセットで
ある。17は第１のリール台、16は第２のリール台、18は
第３のリール台であり、小テープカセット13は、第１の
リール台17と第３のリール台18と係合して巻回可能であ
り、標準形テープカセットは、第１のリール台17と第２
のリール台16に係合して巻回可能である。第１のリール
台17と第２のリール台16はそれぞれ図示しないモータに
連結されており、またそれぞれ図示しない周波数発生器
（以後FGと記述する）を備えており、回転数を電気的信
号に変換して検出可能である。第２のリール台16の一部
16a及び第３のリール台18の一部18aは歯車が構成されて
いる。

21は支軸であり、基盤15上に植立されている。20は中空
軸であり、支軸21と垂直方向に昇降自在に係合してお
り、かつ19のリール台ベースに係止されている。第３の
リール台18は、中空軸20の回りに回転自在に係止されて
いる。22はスライドレバーであり、基盤15上を摺動可能
であるとともにカム部22a,22bを有している。カム部22a
はリール台ベース19に設けられた半円状突起19aと当接
しており23のばねにより、常に当接する様に付勢されて
いる。

第２図は、第１図の平面図である。同図において、26は
回動レバーであり、軸27の回りに回動可能である。24は
歯車であり、回動レバー26上に係止された軸25の回わり
に回転自在に係止されている。35はばねであり、回動レ
バー26を時計方向に回動するように付勢している。34は
ストッパーピンであり、歯車24が第２のリール台16の歯
車部と第３のリール台18の歯車にかみ合う位置で回動レ
バー26が係止するように調整されている、26aは回動レ
バーに設けられたボスである。28はモータであり、29〜
31は歯車である。22cはラックが形成されており、歯車3
1とかみ合っている。

以上のように構成された磁気記録再生装置において以下
動作を説明する。第２図において、標準形テープカセッ
トを装着する時は、モータ28を時計回りに一定時間回転
させることにより、歯車29〜31を介してスライドレバー
22が左方（矢印Ｐ方向）に移動する。スライドレバー22
が左方に移動すると、カム部22bが回動レバー26のボス2
6aを押圧し、回動レバー26を軸27を中心として反時計方
向に回動する。その結果、歯車24が、第２のリール台16
及び第３のリール台18から離れる。さらにスライドレバ
ー22が左方に移動すると、第１図において、リール台ベ
ース19の突起部19aと当接するスライドレバー22のカム
部22aが傾斜部になり、ばね23で付勢されているため、
リール台ベース19は下降する。その結果、第３のリール
台18も下降し、最終的に標準形テープカセットと干渉し
ない位置まで下降し、標準形テープカセットが装着可能
となる。第３図は、標準形テープカセットを装着した時
のリール台回りの平面図である。

一方、小テープカセットを装着する時は、モータ28を一
定時間反時計方向に回転させることにより、スライドレ
バー22が右方（矢印Ｑ方向）に移動する。右方に移動す
るとカム部22aの形状に沿ってリール台ベース19が上昇
する。その結果第３のリール台18が上昇し、カム部22a
が平坦部になると、第３のリール台18の高さが保持され
る。さらにスライドレバー22が右方に移動すると、第２
図において、ボス部26aがカム22bから離れ、ばね35で付
勢されているため回動レバー26が時計回りに回転し、歯
車24が第２のリール台16の歯車部16aと第３のリール台
の歯車部18aにかみ合い、ストッパーピン34で、その位
置で係止される。したがって、小テープカセットは、第
１のリール台17と、第２のリール台16と回転伝達可能な
第３のリール台18に係合して巻回されることになる。

なお、標準形テープカセットと小テープカセットの判別
は、カセットホルダ内で標準形テープカセットと小テー
プカセットの占有する空間が異なるところにマイクロス
イッチ等を設けることにより、テープカセット挿入時に
判別できることになる。この判別手段と適切なモータ制
御手段を備えることにより自動的にモード切換えが可能
となる。

また第２図において、第２のリール台16から第３のリー
ル台18への減速比即ち、第２のリール台16の歯車部16a
の歯数と第３のリール台18の歯車部18aの歯数の比を、
第１のリール台を巻取り側として小テープカセットを巻
回する時に、第３のリール台と係合するリールのテープ
残量が所定のテープ残量となった時点の第２のリール台
の回転数と、第１のリール台を巻取り側として標準サイ
ズのカセットを巻回する時に第２のリール台と係合する
リールのテープ残量が同量のテープ残量となった時点の
第２のリール台の回転数が一致するように設定すると、
標準形テープカセットも小テープカセットも同じ磁気テ
ープ残量になった時点で、第２のリール台の回転数が一
致することになり、その回転数を検出することにより、
小カセット装着時も、標準サイズのカセット装着時の巻
径検出手段をそのまま使用できることになる。したがっ
て、例えば第１のリール台で小カセットを高速で巻取る
時及び第１のリール台で標準サイズのカセットを高速で
巻取る時は、いずれも第２のリール台のFGが所定の周波
数となった時点で、リール台の回転数を減少させること
により、同じ磁気テープ残量を残してスピードダウンす
ることになる。一方、早送り動作は小テープカセット，
標準形テープカセットとも第２のリール台で巻取ること
になるため、第１のリール台と係合するリールのハブ径
を標準形テープカセットと小テープカセットで同じにし
ておくと、当然同じテープ残量時の第１のリール台の回
転数は等しくなるため、第１のリール台のFGの周波数を
検出することにより、標準形テープカセット及び小テー
プカセットの巻径を検知でき、同様にスピードダウンが
可能となる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、アダプターなる特別部品
を用いることなく、リール間寸法及び外形寸法の異なる
２種類のテープカセットが装着可能となるためコストダ
ウンできるとともに、操作性を著しく向上させることが
できる。また、標準形テープカセットの巻径検出手段を
何ら変更することなく、一方のリールハブ径が異なる小
テープカセットの巻径検出が出来るといったすぐれた効
果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の磁気記録再生装置の小テープ
カセット装着時のリール台機構の側面図、第２図は第１
図の平面図、第３図は本実施例における標準形テープカ
セット装着時のリール台機構の側面図、第４図は従来の
カセットアダプターの平面図である。 13……小テープカセット、15……基盤、16……第２のリ
ール台、17……第１のリール台、18……第３のリール
台、19……リール台ベース、20……中空軸、21……支
軸、22……スライドレバー、23……ばね、24……歯車、
25……軸、26……回動レバー、27……軸、28……モー
タ、29〜31……歯車、32……軸、33……軸、34……スト
ッパーピン、35……ばね、36……標準形テープカセッ
ト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各々回転数検出手段を有するとともに標準
   形テープカセットを巻回しうる第１のリール台及び第２
   のリール台と、前記標準形テープカセットとリール間寸
   法及び外形寸法が異なり且つ一対のリールの内一方のリ
   ールハブ径が標準形テープカセットのハブ径とは異なる
   小テープカセットを前記第１のリール台とともに巻回可
   能であり該ハブ径が異なるリールと係合しうるように配
   設された第３のリール台と、標準形テープカセット装着
   時に第３のリール台を移動回避させうる手段と、第２の
   リール台から第３のリール台に回転伝達可能な手段を具
   備し、第１のリール台を巻取り側として前記小テープカ
   セットを巻回する時に第３のリール台と係合するリール
   に巻回されたテープが所定の残量となった時点の第２の
   リール台の回転数を、第１のリール台を巻取り側として
   前記標準形テープカセットを巻回する時に第２のリール
   台と係合するリールに巻回されたテープが同量の残量と
   なった時点の第２のリール台の回転数に一致すべく、第
   ２のリール台から第３のリール台への回転伝達の減速比
   を設定したことを特徴とする磁気記録再生装置。