JPH0778158B2 - 結合剤用粉末状フェノール系樹脂組成物 - Google Patents

結合剤用粉末状フェノール系樹脂組成物

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JPH0778158B2
JPH0778158B2 JP61260627A JP26062786A JPH0778158B2 JP H0778158 B2 JPH0778158 B2 JP H0778158B2 JP 61260627 A JP61260627 A JP 61260627A JP 26062786 A JP26062786 A JP 26062786A JP H0778158 B2 JPH0778158 B2 JP H0778158B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機質又は無機質充填剤の結合剤として有用な
粉末流動性に優れたフェノール系樹脂組成物に関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来より、熱硬化性フェノール系樹脂は粉状、粒子状、
繊維状等の有機質又は無機質充填剤と広範囲の割合で混
和し易く、かつ優れた接着機能を有すると共に、比較的
良好な熱的性質、機械的性質電気的性質等を付与し、加
えて材料コストが他の熱硬化性樹脂に比較して低廉であ
ることなどの理由から、多くの産業用資材、例えば建築
部材、成形材料、レジンフエルト材、耐火物、押湯保温
材、砥石材、摩擦材、断熱材、セラミックス、積層板、
シエルモールドなどの工業用樹脂結合剤として多様な用
途分野に使用されている。
通常、この種のフェノール樹脂はその使用目的応じて液
状、粉状又はその他の形状で用いられているが、その中
でもとりわけ粉状形態による供用が一般的である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、前記用途分野においては、その形態に起因し
た粉末流動性に基づく問題、例えば、特に高温多湿にお
ける粉末流動性の低下により、貯蔵タンクやポッパー等
からのフェノール樹脂の排出が困難となったり、または
移送パイプ内でフェノール樹脂が次第に堆積してパイプ
を閉塞したり、あるいはフェノール樹脂の自動散布機や
自動秤量機を用いる際に、樹脂の散布量や秤量にバラツ
キを生じる等、種々のトラブルが発生し、作業工程の混
乱を起こして作業能率を低下させるのみならず安定的な
品質の確立に支障を生じるなどの問題がしばしば経験さ
れており、従来よりこのような実用上の問題を解消すべ
く種々の方法が提案されてきた。
例えば、貯蔵タンクやホッパー等の器壁又は自動移送工
程において、フェノール樹脂が堆積し易い個所に振動又
は衝撃を加える補助手段を付設する方法、またはフェノ
ール樹脂の粒度を粗目に調整する方法、あるいはフェノ
ール樹脂に粉末流動性付与剤を添加配合して流動性を改
善する方法等がその代表的な施策として挙げられる。
しかしながら、前記設備等に振動又は衝撃を加える補助
手段を付設する方法は、非生産的な設備費を要するのみ
ならず、騒音による作業環境の悪化という重大な問題を
招く。またフェノール樹脂の粒度を粗くする方法におい
ては、嵩比重の増加に伴う充填材との接着点減少によ
り、最終製品の物性が低下するという問題を惹起し易
い。一方、問題解決に最も合理的な方法として幅広く検
討されてきたフェノール樹脂に粉末流動性付与剤を添加
配合して流動性を改善する方法において、粉末流動性付
与剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の高
級脂肪酸塩類、メチレンビスステアリン酸アマイド等の
高級脂肪酸アマイド類、ポリエチレンワックス等のワッ
クス類、AEROSIL、ホワイトカーボン等の微粒子ケイ素
化合物、タルク粉、マイカ粉等が一般的に用いられてき
た。しかし、これらの粉末流動性付与剤は、改善効果に
乏しいものが多く、その反面優れた効果を有するもの
は、非常に高価であり、材料コストを上昇させるという
問題を有し、今だ低コストで顕著な効能を有するものは
見出されていない。
このようにフェノール樹脂の粉末流動性を改善すべく、
多様な施策や検討が試みられてきたにも拘らず、完全に
満足しうる結果を導くに至っていない現状であり、ま
た、最近の自動散布機や自動秤量機の著しい普及と相俟
ってフェノール樹脂の粉末流動性の改善は、前記用途分
野において重要かつ緊急な課題とされている。
本発明は、このような従来技術における問題点に鑑みな
されたもので、その目的とするところは、快適な作業環
境を維持し、しかも作業能率の向上、及び品質の安定化
を図りうる粉末流動性に優れたフェノール系樹脂組成物
を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、粉末フェノール系樹脂を使用する関連業
界の要望に応えるべく、粉末流動性に優れたフェノール
系樹脂の開発を目的として鋭意検討を重ねた結果、表面
処理炭酸カルシウムが粉末流動性付与剤として卓越した
効果を有するという驚くべき事実を見出し、この知見に
基づいて前記従来技術の問題点を解消しうる粉末流動性
に優れたフェノール系樹脂組成物を開発し、本発明を完
成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、熱硬化性を有する粉末状のフェノ
ール系樹脂と表面処理炭酸カルシウムとを含む配合物を
粉体混合して成り、かつ該表面処理炭酸カルシウムの配
合量がフェノール系樹脂100重量部に対して15重量部以
下であることを特徴とする結合剤用粉末状フェノール系
樹脂組成物を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における熱硬化性フェノール系樹脂は、特に制限
されず、少なくともフェノール類とアルデヒド類を触媒
の存在下に加熱反応させて得られる固形フェノール系樹
脂であり、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾ
ール型フェノール樹脂、含窒素系レゾール型フェノール
樹脂、ベンジルエーテル型フェノール樹脂、及びこれら
の変性フェノール樹脂、又はこれらの任意の混合樹脂な
どが挙げられ、これらフェノール系樹脂はいずれもヘキ
サミン(硬化剤)の存在又は非存在の粉末形態として使
用される。
前記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、
キシレノール、フェニルフェノール、パラ・ターシャリ
ブチルフェノール、あるいは他のアルキル置換フェノー
ル等の1価フェノール、またはレゾルノシール、カテコ
ール、ハイドロキノン、ピロガロール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ジフェノリック酸等の多価フェ
ノール類、あるいはフェノール類の製造時に副生する例
えば、レゾルシノール残渣、カテコール残渣、クレゾー
ル残渣、キシレノール残渣等のフェノール系残渣等が例
示され、これらは単独又は2種以上の混合物として使用
される。アルデヒド類としては、例えば各濃度のホルマ
リン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ヘキサミ
ン、又はこれらの混合物などが使用される。また必要に
応じてグリオキザール、フルフラールなどを併用するこ
とも可能である。
フェノール系樹脂の製造においてフェノール類に対する
アルデヒド類の配合量は、樹脂タイプ又は所望の性能に
応じて選択されるため、一概に限定されないが、通常ノ
ボラック型フェノール系樹脂の場合には、フェノール類
1モルあたりアルデヒド類0.5〜0.9モル、一方レゾール
型フェノール系樹脂またはベンジルエーテル型フェノー
ル系樹脂の場合にはフェノール類1モルあたりアルデヒ
ド類1.0〜5.0モルの範囲内で適宜選択される。
また、触媒としては、従来から一般的に用いられている
酸性触媒又は塩基性触媒、例えば塩酸、硫酸、蓚酸、パ
ラトルエンスルホン酸等の無機又は有機酸、Mn,Zn,Pb等
のカルボン酸金属塩及びナフテン酸金属塩又は硼酸金属
塩、塩化亜鉛等のルイス酸、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアリカリ金属水酸化物、酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物又は
水酸化物、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸
塩、リン酸三ナトリウム等の塩基性含リン化合物、アン
モニア、ヘキサミン、水酸化第4級アンモニウム塩等の
アミン系化合物などである。
これらの触媒は同種において、それぞれ単独又は2種以
上組み合わせて用いてもよく、あるいは酸性触媒又は塩
基性触媒を隔時的に併用して用いてもよい。
さらに、所望に応じてフェノール樹脂の製造時に反応な
いし混合せしめ、又は製造後に混合せしめて変性フェノ
ール系樹脂を調製する際に用いられる変性剤としては、
例えば尿素、メラミン、アニリン、グアナミン等の含窒
素化合物、サリチル酸、フルフリルアルコール、カシュ
ーナットシエルオイル、トール油、リグニン、エポキシ
樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビ
ニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂等であ
る。
本発明において、フェノール系樹脂に添加配合し、粉末
流動性を向上させるために用いられる表面処理炭酸カル
シウムは、微粒子炭酸カルシウムの表面を樹脂酸又は樹
脂酸系表面処理剤、脂肪酸又は脂肪酸系表面処理剤、界
面活性剤(例えばカチオン系、スルホン酸系、硫酸エス
テル系、脂肪酸系など)、リグニン、ポリアクリル酸系
表面処理剤、パラフィン系表面処理剤、ケイ素化合物又
はその他の表面処理剤で処理したものであり、これを天
然ゴム、合成ゴム、各種合成樹脂、塗料、インキ、製紙
等に補強充填剤として配合し、その物理的性質(例えば
機械的性質、電気的性質、熱的性質など)を改良した
り、加工性を良くするものとして、業界においてこの呼
称で広く知られており、また実際に多数の商品が上市さ
れている。例えば、樹脂酸で表面処理された炭酸カルシ
ウムとして白艶華O、白艶華DD、白艶華AA、白艶華TD
D、ホモカルD、ホモカルDM、Unifant−15(以上、白石
工業社製商品名)MC−7,MT−100,MSK−G(以上、丸尾
カルシウム社製商品名)脂肪酸又は脂肪酸系表面処理剤
で表面処理された炭酸カルシウムとして白艶華CC、白艶
華CCR、白艶華RO6、ゲルトン50、Vigot−15、Stavigot
−15A(以上、白石工業社製商品名)MSK−B,カルファイ
ン200,MSK−A,MSK−PO,カルファイン100,MC−T,MC−SI
I,スノーライトSSS,スノーライトSS,Mホワイト,MCコー
トS−1(以上、丸尾カルシウム社製商品名)ライトン
BS−O,ライトンA(以上、備北粉化工業社製商品名)カ
チオン系界面活性剤で表面処理された炭酸カルシウムと
して白艶華U(白石工業社製商品名)リグニンで表面処
理された炭酸カルシウムとしてカルモス(白石工業社製
商品名)、ポリアクリル酸系表面処理剤で表面処理され
た炭酸カルシウムとしてMP−777,MP−1000,MP−Z(以
上、丸尾カルシウム社製商品名)ケイ素系化合物で表面
処理された炭酸カルシウムとしてMS−K−K,FP−1(以
上、丸尾カルシウム社製商品名)、SL−101,SL−151,TS
パウダーH50(以上、白石工業社製商品名)、パラフィ
ン系で表面処理された炭酸カルシウムとしてMCコートP
−1(丸尾カルシウム社製商品名)等として市販されて
いる。これらの中でも好ましいものとしては平均粒径が
1μm以下のものであり、一般的に、粒径が細かい方が
粉末流動性を改善する効果が大きいといえる。
本発明に用いられる表面処理炭酸カルシウムの平均粒子
径は、恒圧通気式比表面積測定器で測定した比表面積か
ら次式により求められたものをいう。
本発明における表面処理炭酸カルシウムの配合量は、前
記フェノール系樹脂の種類及び粒度、該炭酸カルシウム
の種類及び粒度、及びその他の添加剤の有無又は所望の
粉末流動性等によって異なり、一概に限定されないが、
通常フェノール系樹脂100重量部に対し、15重量部以
下、好ましくは0.1〜10重量部である。この配合量が15
重量部を超えると粉末流動性の改善効果は小さく、非経
済的であるのみならず、結合剤としての性能低下を招く
原因となり好ましくない。
また、本発明における表面処理炭酸カルシウムは、前記
従来技術の問題点において、記述した従来から一般的に
用いられている粉末流動性付与剤と併用することも可能
である。
本発明の粉末流動性に優れたフェノール系樹脂組成物の
製造方法としては、特に制限はなく、通常、当該製造分
野において一般的に実施されている慣用粉砕機による共
粉砕方法が採用される。
本発明のフェノール系樹脂組成物には、前記した成分の
ほかに、必要に応じて従来から一般的に使用されている
任意の添加剤、例えばアミノ系シラン、エポキシ系シラ
ン等のシランカップリング剤、又はエチレンビスステア
リン酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、ステア
リン酸アマイド、メチロールアマイド等の脂肪酸アマイ
ド類、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、カ
ルナバワックス等のワックス類、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の
ステアリン酸塩類などの離型剤、あるいは安息香酸、サ
リチル酸、アミノカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、
レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールS等の多価フェノール類、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム等のアルカリ土
類金属水酸化物又は酸化物、アニリン、ジアミノジファ
ニルメタン、フェニレンジアミン等の芳香族アミンなど
の硬化促進剤を本発明の目的を損わない範囲内で配合す
ることができる。
〔実施例〕
本発明を実施例、応用例および比較例により具体的に説
明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例により
制限するものではない。また、実施例、比較例又は応用
例において記載する「部」及び「%」は特に断りのない
限りすべて重量基準である。
実施例1〜12 フレーク状ノボラック樹脂1000部、硬化剤としてヘキサ
ミン100部および粉末流動性付与剤として表面処理炭酸
カルシウム(商品名:白艶華O、白石工業社製品)10部
から成る配合物を作製し、アトマイザーで粉砕混合して
粉状フェノール樹脂組成物(A1)を得た。なお、これら
および以下の実施例および比較例に用いた粒状フェノー
ル樹脂の50%累積値(メジアン)粒径はすべて約20〜25
μmであった。(実施例1) 以下、第1表に示す組成配合基準に従って実施例1と同
様に操作処理して11種類の粉状フェノール樹脂組成物
(A2)〜(B7)を得、これらを実施例2〜12とした。
実施例13 粗粒状アンモニアレゾール樹脂1000部および粉末流動性
付与剤として表面処理炭酸カルシウム(商品名:白艶華
DD、白石工業社製品)30部から成る配合物を作製し、小
型アトマイザーで粉砕混合して粉状フェノール樹脂組成
物(C)を得た。
比較例1〜2 前記実施例と比較対照のため、表面処理炭酸カルシウム
に代えて従来の未処理炭酸カルシウム(商品名:Brillia
nt−1500、白石工業社製品)を使用した粉状フェノール
樹脂組成物(D)ならびに表面処理炭酸カルシウムを用
いない粉状フェノール樹脂組成物(E)を第1表に示す
組成配合に基づき実施例1と同様に操作処理して調製
し、これを順を追って比較例1、比較例2とした。
実施例および比較例で得られた粉状フェノール樹脂組成
物について、下記の試験方法に従ってそれぞれの粉末流
動性を測定した。その結果を第1表に示す。
粉末流動性の測定 一辺60mmの直方体容器に充填した一定量の粉状フェノー
ル系樹脂が該容器底部に設けられた排出口から自由落下
し得る流出限界口径を5mm角間隔で求めて粉末流動性の
優劣を評価した。
第1表に示されるように、表面処理炭酸カルシウムを用
いた本発明の粉状フェノール樹脂組成物は、未処理炭酸
カルシウムを用いた樹脂組成物(比較例1)や従来の樹
脂組成物(比較例2)より極めて優れた粉末流動性を有
することから、表面処理炭酸カルシウムは粉状樹脂の流
動性改善剤として非常に有効であることが確認された。
また実施例5に示すように結合剤としての性能低下を惹
起しうるほど多量の表面処理炭酸カルシウムを配合して
も粉末流動性の改善効果は小さく経済的でないことが判
明した。
また、粉状フェノール樹脂組成物に含有されている炭酸
カルシウムの識別判定は次の分析法により実施すること
が可能であり、作業ミスの防止等の品質管理上、非常に
有益である。
すなわち、少量の界面活性剤(例えばライポンF)を含
む30%NaBr水溶液中に粉状フェノール樹脂組成物(含有
炭酸カルシウム)を加えて十分に振盪分散させた後、遠
心分離器にかけて樹脂層(第1層)NaBr水溶液(第2
層)及び沈澱物(第3層)に分離させる。次いで第1及
び2層を除去した後、残る沈澱物に前記NaBr水溶液を加
えて同様な操作を繰返した後、水洗、分離(遠心分離
器)、ロ過、乾燥することにより沈澱物を得る。
以上の前処理により得られた沈澱物を赤外線吸収スペク
トル(IR)で測定し、未処理炭酸カルシウムとの差スペ
クトルを求めれば、表面処理の有無の識別が可能であ
る。更には該沈澱物をメタノール等の有機溶剤により処
理して有機物質を抽出後、IR法、GPC法等で表面処理剤
の判定並びに灼熱減量(900℃×60分)を求めることに
より表面処理剤の量を把握することが可能である。
応用例1 予め繊維質基材を解繊維で解繊させた反毛に、フレーク
状ノボラック樹脂に対しステアリン酸カルシウム1%用
いる以外は、実施例2と同様に操作処理して調製した粉
状フェノール樹脂組成物を、前記反毛100重量部に対し3
0部配合した後、これをフリース製造機で十分に混合し
てから厚み約100mmのマット状フリースを形成した。
次いで、このフリースを金網で約30mm厚に狭持しつつ雰
囲気温度130℃の熱風加熱炉中で120秒間焼成して目付12
00g/m2のセミキュアーフエルトを得た。更に、このセミ
キュアフエルトを成形温度200℃、成形圧力20kg/cm2
成形時間60秒の成形条件で熱圧成形して厚み3mmの成形
フエルトとした後、これをトリミングして曲げ強度測定
用テストピース(長さ200mm×幅50mm)を作成した。ま
た比較のため、フレーク状ノボラック樹脂に対しステア
リン酸カルシウム1%を用いる以外は比較例2と同様に
操作処理して調製した従来の粉状フェノール樹脂組成物
を用いて、上記方法と同様にテストピースを作製し、万
能試験機でそれぞれの曲げ強度を測定した。
その結果は第2表に示す如く、本発明の樹脂組成物は従
来の樹脂組成物を遜色のない強度を示し、結合剤として
十分な実用性を備えたものであることが確認された。
応用例2 ヘンシエルミキサー中に水4000部と新聞紙67部とを投入
して5分間混合解繊したのち、これを混合槽に移し、次
いでパルプ33部、ロックウール67部及び8号珪砂850部
を加えて8分間混合し、さらに実施例11で調製した粉状
フェノール樹脂組成物(B6)50部を加えてよく混合分散
させて樹脂含有スラリーを得た。次いで、このスラリー
を水切り装置に投入後、吸引脱水して含水率約43%のマ
ット状成形体を形成し、これを熱風加熱炉中において、
温度200℃で3時間焼成した後、常温で冷却して押湯保
温材として適用される硬化成形体を得た。得られた硬化
成形体より曲げ強度測定用テストピース(長さ225mm×
幅15mm×厚み30mm)を作製した。また、比較のため上記
樹脂組成物(B6)に代えて、比較例2で調製した粉状フ
ェノール樹脂組成物(E)を用いる以外は、上記方法と
同様にしてテストピースを作製し、万能試験機でそれぞ
れの曲げ強度を測定した。その結果は第3表に示す如
く、本発明の樹脂組成物は従来の樹脂組成物と遜色のな
い強度を示し、結合剤として十分に実用性を備えたもの
であることが確認された。
応用例3 ドライホットコート法により製造したレジンコーテッド
サンドを250℃に温調された金型に充填した後、3分間
焼成してドックボーン鋳型を作製した。次いで、この鋳
型を中央部(断面積約6.5cm2)から切断し、恒温器(雰
囲気温度200℃)内で15分間予熱した後、鋳型片を取出
し、直ちに一方の切断面に実施例12で調製した粉状フェ
ノール樹脂組成物(B7)を0.3部散布して他方の鋳型片
を圧着し、常温まで放置冷却して接着強度測定用テスト
ピースを作製した。
また比較対照のため、上記樹脂組成物((B7)に代え
て、比較例2で調製した従来の粉状フェノール樹脂組成
物(E)を用いる以外は、上記方法と同様にしてテスト
ピースを作製し、抗張力試験機を用いて接着強度を測定
した。その結果は第4表に示す如く、本発明の樹脂組成
物は従来の樹脂組成物と遜色のない強度を示し、結合剤
として十分に実用に供しうることが確認された。
〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、高度の粉末流動性を付
与した本発明の粉状フェノール樹脂組成物は次のような
効果を有し、工業的に有用性の極めて高いものである。
(1)従来、高温多湿時に発生し易い樹脂の排出又は閉
塞トラブルの対応措置として実施されてきた貯蔵タン
ク、ホッパー、移送パイプ等の設備に付設されたバイブ
レータ等の使用による騒音問題を解消し得ることから、
作業環境の悪化を防止し、一層の作業能率の向上を図る
ことができる。
(2)自動散布機や自動秤量機による樹脂の散布・秤量
が円滑に遂行されるため、従来、この種のトラブルによ
り生じていた品質上のバラツキや作業能率の低下を防止
し得ることから安定的な品質確保と共に生産性の改善を
図ることが可能であるばかりでなく、秤量時間の短縮な
どの合理化に寄与することができる。
また、本発明の粉状フェノール系樹脂組成物は、レジン
フェルト材、押湯保温材、ミネラルボード、ファイバー
ボード等の建築部材、無機系繊維断熱材、砥石材、摩擦
材、セラミックス、カーボン材、グラファイト材、不焼
成レンガ材、高炉閉塞材等の耐火物、シエルモールド、
鋳型または中子接着剤、成形材料、などの各種用途の工
業用樹脂結合材として好適に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性を有する粉末状のフェノール系樹
    脂と表面処理炭酸カルシウムとを含む配合物を粉体混合
    して成り、かつ該表面処理炭酸カルシウムの配合量がフ
    ェノール系樹脂100重量部に対して15重量部以下である
    ことを特徴とする結合剤用粉末状フェノール系樹脂組成
    物。
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JPS5483033A (en) * 1977-12-14 1979-07-02 Shiraishi Kogyo Kaisha Ltd Calcium carbonate composite pigment and plastic composition thereof
JPS55165960A (en) * 1979-06-13 1980-12-24 Shiraishi Kogyo Kk Calcium carbonate filler and production thereof

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JPS63117060A (ja) 1988-05-21

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