JPH0777906B2 - 紙 袋 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、重包装袋として用いる吹込口を有する襞付紙
袋に関するものである。

「従来の技術」 従来ミシン縫重包装吹込口付紙袋では紙筒の開口端部及
びその両外側面を２重折テープで被覆し、該被覆部をテ
ープの上からミシン縫いによって封緘するものであった
（以下吹込口付ミシン袋という）。このようなミシン袋
は高さ1.2mから横向（胴部を横向）に落下させる側面落
下テスト（JIS）によると一般に２回目の落下によって
ミシン縫い部即ち両端が破袋するし、ミシン糸及びミシ
ン縫いの設備を要するばかりか開封が容易でないという
問題があった。

「発明が解決しようとする問題点」 本発明は、ミシン縫いによることなく接着剤によって吹
込口を有する襞付紙筒開口端部及びその両外側面を２重
折テープ（オーバーテープ）で被覆して封緘し、側面落
下テストによる両端強度を向上し、ミシン縫いの設備を
要せず、端部の開封が容易でしかも安全性の高い重包装
紙袋を得ることを目的とする。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するため本発明は 両側襞付紙筒の一側端に形突出部を形成し、該突出部
を斜線に沿って内側に折込んで吹込口を折込形成し、該
紙筒の開口端及び開口端部両外側面を２重折テープで被
覆して該開口端を封緘してなる重包装袋において、上記
両外側面が接着剤で上記テープと結合し、上記テープと
上記両外側面の表層との剥離強度を該表層とその内部繊
維層との剥離強度よりも大に形成し、かつ上記一方の側
襞及び上記吹込口の対向内面を上記開口端部において接
着し、上記開口端部の両内側面と該側襞及び吹込口の両
外側面とを遊離してなる紙袋を特定発明とし 接着剤を上記開口端部両外側面に浸透させて表層を形成
した上記発明記載の紙袋 接着剤が加熱溶融接着剤である上記それぞれの発明記載
の紙袋によって構成される。

「作用」 従って両側襞11、11の対向内面12を接着剤８で接着し開
口端５を２重折テープ７で封緘し袋内に粉体を充填する
と、充填粉体による静又は衝撃荷重が該テープ７の折畳
線ｃ（第３図及び第７図）の両側に折畳線ｃと直角にか
かり、該テープ７の内面と開口端５の両外側面６、６と
の間に静又は衝撃的引張りによる剪断力を生じる。しか
し上記テープ７の内面と上記両外側面６、６の表層９と
は接着剤８によって結合しているため（第５図）テープ
７と表層９との層間分離は起らないし表層９と内部繊維
層10との層間分離もない。そのため充填粉体の上記荷重
に充分耐えられる。開封に際しては２重折テープ７の一
端（左端）を把持し、第６図に示すように開口端５の左
方から右方に向って矢印ａ方向に牽引すると該テープ７
は接着剤８及び上記両外側面６、６の表層９を伴って該
表層９とその内部繊維層10との境界から剥離し、開口端
５を開封することができ、該内部繊維層10が破れること
はない。又上記粉体の充填後は第10図に示すように両側
襞11、11の切断端部15は上記開口端５部の両内側面13、
13に沿って摺動する。この摺動は内圧によって襞11が外
側に張出すために摺動し張出圧に順応するものである。
なお、該摺動は突出部２側の襞11にも生じ、粉体の充填
後対向内面12の先端部12′が一平面を張り、該平面は２
重折テープ７によって結合された開口端５によって支持
され、粉体の漏出を阻止する。

「実施例」 第２図に示すように、巻取原紙を巻戻して一側端に定寸
（袋長）より形突出部２を形成するように切断し、該
切断紙を切断方向（原紙の長手方向と直角）に側線ｂ、
ｂに沿って折畳む。そして、前記突出部２を斜線３に沿
って内側に折込み（第１図）吹込口４を折込形成し、両
側端縁を重合貼着して両側に襞11、11を有する紙筒１を
形成する。上記吹込口４を折込形成した際の該紙筒１の
上下の平行な端が開口端５となり、該開口端５および開
口端部両外側面６、６を２重折テープ７（オーバーテー
プ）によって被覆し、該開口端５を封緘し重包装袋を形
成するものである。その際襞11、11のそれぞれ対向内面
12、12を開口端５部においてホットメルト接着剤８で接
着し、襞11、11の両側面14、14は開口端５の両内側面1
3、13と遊離させる。上記原紙はクラフト紙や可伸張紙
のように繊維堆積紙16による抄製紙であって、抄造過程
において紙繊維は原紙の長手方向に並列勝手であるため
長手方向の引張り力が直角方向の引張り力より強いとい
う特性がある。この性質は紙筒１においても側線ｂ、ｂ
の方向の引張り力が直角方向の引張り力よりも強い。上
記２重折テープ７には上記クラフト紙を用い或はポリエ
チレンのヤーンによる経緯平織クロス17又は該クロス17
とクラフト紙との複合紙等が用いられ該クロス17では内
面に60℃〜80℃で溶融するポリエチレンによる加熱溶融
接着剤８（ホットメルト接着剤）をラミネートし、クラ
フト紙ではアンカー材18を介して60℃〜80℃で溶融する
低熱溶融性接着剤８をラミネートし（第４図）ナイロン
又はポリエステル（PET）による補強層を該接着剤８と
上記アンカー材18との間に介在させても良い。開口端５
および開口端部両外側面６、６に該接着剤８を面接して
加熱し該接着剤８が上記両外側面６、６の表層９にまで
浸透したところで冷却固化させることによって該表層９
とテープ７とを接着剤８によって一体に結合させるもの
であって該接着剤８は表層９の内部繊維層10にまで浸透
させることなく、それによって表層９と内部繊維層10と
の相互関係は抄造過程における紙繊維相互の剥離強度が
保持され、表層９と上記テープ７との剥離強度よりも弱
くなっている。この表層９は上記両外側面６、６に接着
剤８を浸透させて形成される。上記２重折テープ７によ
る封緘は紙筒１の両底又は片底に用いられる。なお図中
19で示すものは剥離部の細かいけば立ち、8aは襞11の対
向内面12、12の外側に延長塗布したホットメルト接着剤
である。

「実施例」 （１） 本発明による紙袋に25kg粉体を充填し床面上1.
2mのところから紙筒１を横向にしてJISに基き側面落下
テストを行なった結果、落下回数10回において破袋がみ
とめられなかった。しかし従来のミシン袋は落下回数２
回目でミシン目に沿って破袋した。

（２） 紙筒を上下方向にしたJISに基く垂直落下テス
ト（高さ1.2m）では本発明の25kg紙袋で落下回数10回で
破袋せず、従来のミシン袋では４〜５回目に破袋した。

「効果」 本発明は上述のように構成したので両側襞付紙筒１の開
口端５を２重折テープ７によって被覆しミシンによるこ
となく接着剤８によって封緘し得て量産に適し、しかも
封緘部特に両側襞部分の破袋強度を著しく向上し得る
し、しかも開封容易であるばかりでなくかつ開封時に開
口端５が破れるおそれがなく安全性が高いという便益が
ある。また、吹込口４の両外側面14が開口端５の両内側
面13と遊離しているので吹込口４の内端部の密着性が高
く粉体の充填後は粉体が漏出し難いという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の紙袋の吹込口側の封緘部を示す拡大斜
視図、第２図は開口端及び形突出部を示す拡大斜視
図、第３図は封緘部の縦断面図、第４図は２重折テープ
の拡大縦断面図、第５図は結合状態であって第３図の一
部拡大図、第６図は開封状態の斜視図、第７図は上記テ
ープの開封状態拡大縦断面図、第８図は両襞紙袋の正面
図、第９図は充填状態の斜視図、第10図は吹込口の反対
側の粉体充填状態斜視図、第11図は吹込口の密封状態の
切欠斜視図である。 １……紙筒、２……形突出部、３……斜線、４……吹
込口、５……開口端、６……開口端部両外側面、７……
２重折テープ、８……接着剤、９……表層、10……内部
繊維層、11……側襞、12……対向内面、13……開口端部
両内側面、14……襞の両外側面。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】両側襞付紙筒の一側端に形突出部を形成
   し、該突出部を斜線に沿って内側に折込んで吹込口を折
   込形成し、該紙筒の開口端及び開口端部両外側面を２重
   折テープで被覆して該開口端を封緘してなる重包装袋に
   おいて、上記両外側面が接着剤で上記テープと結合し、
   上記テープと上記両外側面の表層との剥離強度を該表層
   とその内部繊維層との剥離強度よりも大に形成し、かつ
   上記一方の側襞及び上記吹込口の対向内面を上記開口端
   部において接着し、上記開口端部の両内側面と該側襞及
   び吹込口の両外側面とを遊離してなる紙袋。
2. 【請求項２】接着剤を上記開口端部両外側面に浸透させ
   て表層を形成した請求項（１）記載の紙袋。
3. 【請求項３】接着剤が加熱溶融接着剤である請求項
   （１）又は（２）記載の紙袋。