JPH0777594A - 高速増殖炉用制御棒 - Google Patents
高速増殖炉用制御棒Info
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- JPH0777594A JPH0777594A JP5223061A JP22306193A JPH0777594A JP H0777594 A JPH0777594 A JP H0777594A JP 5223061 A JP5223061 A JP 5223061A JP 22306193 A JP22306193 A JP 22306193A JP H0777594 A JPH0777594 A JP H0777594A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- control rod
- boride
- oxide
- thermal conductivity
- fast breeder
- Prior art date
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 出力調整用の高速増殖炉用制御棒において、
ボロン・カーバイドペレットのスエリングを軽減させ、
被覆管とボロン・カーバイドペレットとの機械的相互作
用を防ぐことを可能にする。 【構成】 一実施例の高速増殖炉用制御棒ピン1におけ
る被覆管2内に、ボロン・カーバイドに2wt%の酸化
珪素(SiO2)を添加したボロン・カーバイドペレッ
トである、低熱伝導率物質を添加したボロン・カーバイ
ドペレット3を装填してある。
ボロン・カーバイドペレットのスエリングを軽減させ、
被覆管とボロン・カーバイドペレットとの機械的相互作
用を防ぐことを可能にする。 【構成】 一実施例の高速増殖炉用制御棒ピン1におけ
る被覆管2内に、ボロン・カーバイドに2wt%の酸化
珪素(SiO2)を添加したボロン・カーバイドペレッ
トである、低熱伝導率物質を添加したボロン・カーバイ
ドペレット3を装填してある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力調整用の高速増殖
炉用制御棒に関する。
炉用制御棒に関する。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉用制御棒には安全棒及び調整
棒があり、安全棒は原子炉の運転停止用として原子炉の
スクラム時に炉心内に挿入され、調整棒は原子炉の出力
調整用として炉心に対して挿入・引き抜きが行われる構
成になっている。また、高速増殖炉用制御棒は制御棒保
護管を有し、制御棒保護管内には、中性子吸収材ペレッ
トを装填した制御棒ピンが収納されている。本発明は、
この制御棒ピンを改良した高速増殖炉用制御棒に関する
ものである。
棒があり、安全棒は原子炉の運転停止用として原子炉の
スクラム時に炉心内に挿入され、調整棒は原子炉の出力
調整用として炉心に対して挿入・引き抜きが行われる構
成になっている。また、高速増殖炉用制御棒は制御棒保
護管を有し、制御棒保護管内には、中性子吸収材ペレッ
トを装填した制御棒ピンが収納されている。本発明は、
この制御棒ピンを改良した高速増殖炉用制御棒に関する
ものである。
【0003】本発明に関連する従来技術を図2を用いて
説明する。図2は従来の高速増殖炉用制御棒ピンの縦断
面図である。
説明する。図2は従来の高速増殖炉用制御棒ピンの縦断
面図である。
【0004】すなわち、従来の高速増殖炉用制御棒ピン
(以下、制御棒ピンと略称)8は、ステンレス鋼製の被
覆管2内に、中性子吸収材であるボロン・カーバイド(B
4C)を装荷したボロン・カーバイドペレット〔以下、B4
Cペレットと略称〕9を複数個積層させたものである。
(以下、制御棒ピンと略称)8は、ステンレス鋼製の被
覆管2内に、中性子吸収材であるボロン・カーバイド(B
4C)を装荷したボロン・カーバイドペレット〔以下、B4
Cペレットと略称〕9を複数個積層させたものである。
【0005】B4Cペレット9の上下両端はスプリング
4により弾性支持され、制御棒ピン8の上下両端には端
栓5が設けられている。また、制御棒ピン8内には、B
4Cペレット9のボロンB10の(n、α)反応により生
じたヘリウム(He)ガスを一旦保持しておくための、ガ
ス・プレナム部6が設けられている。
4により弾性支持され、制御棒ピン8の上下両端には端
栓5が設けられている。また、制御棒ピン8内には、B
4Cペレット9のボロンB10の(n、α)反応により生
じたヘリウム(He)ガスを一旦保持しておくための、ガ
ス・プレナム部6が設けられている。
【0006】このヘリウムガスは、その圧力が制御棒ピ
ン8の外を流れるナトリウム冷却材の圧力よりも高くな
った場合に、ベント機構部7を通って制御棒ピン8外の
ナトリウム冷却材(図示せず)内に放出されるようになっ
ている。
ン8の外を流れるナトリウム冷却材の圧力よりも高くな
った場合に、ベント機構部7を通って制御棒ピン8外の
ナトリウム冷却材(図示せず)内に放出されるようになっ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】出力調整用の高速増殖
炉用制御棒は、原子炉の運転中、出力調整のために炉心
内に挿入されており、この制御棒における制御棒ピン内
には上述したようなB4Cペレットが複数個装填されて
いる。この場合、ボロンB10の(n、α)反応によりヘ
リウムガスが発生し、しかも1回の(n、α)反応につ
いて約28MeVの発熱量を伴う。
炉用制御棒は、原子炉の運転中、出力調整のために炉心
内に挿入されており、この制御棒における制御棒ピン内
には上述したようなB4Cペレットが複数個装填されて
いる。この場合、ボロンB10の(n、α)反応によりヘ
リウムガスが発生し、しかも1回の(n、α)反応につ
いて約28MeVの発熱量を伴う。
【0008】この反応はB4Cペレット全体で起こるた
め、B4Cペレット内には、中心部が高く周辺部が低い
温度分布が生じ、B4Cペレットの周辺部に引張応力が
発生する。そして、この引張応力がB4Cペレットの破
壊応力を超えた場合には、B4Cペレットに割れが発生
し、その際に、B4Cペレットの破片がリロケーション
(飛散・再配置)する。
め、B4Cペレット内には、中心部が高く周辺部が低い
温度分布が生じ、B4Cペレットの周辺部に引張応力が
発生する。そして、この引張応力がB4Cペレットの破
壊応力を超えた場合には、B4Cペレットに割れが発生
し、その際に、B4Cペレットの破片がリロケーション
(飛散・再配置)する。
【0009】このB4Cペレットのリロケーションによ
り、ステンレス鋼製被覆管とB4Cペレットとの間のギ
ャップ幅は狭まり、B4Cペレットとステンレス鋼製の
被覆管とは部分的に接触する。
り、ステンレス鋼製被覆管とB4Cペレットとの間のギ
ャップ幅は狭まり、B4Cペレットとステンレス鋼製の
被覆管とは部分的に接触する。
【0010】このような状態で出力調整用の高速増殖炉
用制御棒を使用した場合、B4Cペレット内のボロンB
10の(n、α)反応により、ヘリウムガスがB4Cペレ
ット内で次々に作られて行く。
用制御棒を使用した場合、B4Cペレット内のボロンB
10の(n、α)反応により、ヘリウムガスがB4Cペレ
ット内で次々に作られて行く。
【0011】この場合、このヘリウムガスの一部はB4
Cペレットから放出されガス・プレナム部に溜められる
が、残ったヘリウムガスはB4Cペレット内に閉じ込め
られる。
Cペレットから放出されガス・プレナム部に溜められる
が、残ったヘリウムガスはB4Cペレット内に閉じ込め
られる。
【0012】このため、ボロンB10の(n、α)反応に
よる燃焼が継続された場合には、ヘリウムガスがB4C
ペレット内に溜っていき、このヘリウムガスにより、B
4Cペレットにスエリング(ヘリウムガスによるB4Cペ
レットのガス膨張)が生じる。
よる燃焼が継続された場合には、ヘリウムガスがB4C
ペレット内に溜っていき、このヘリウムガスにより、B
4Cペレットにスエリング(ヘリウムガスによるB4Cペ
レットのガス膨張)が生じる。
【0013】このときの被覆管用材として使用されるス
テンレス鋼の熱膨張係数は、ボロン・カーバイドのそれ
に比べて数倍大きい。したがって、上述のようにB4C
ペレットがスエリングした場合は、ステンレス鋼製被覆
管とB4Cペレットとの間のギャップ幅は製造時より広
がるので、B4Cペレットのリロケーションとスエリン
グとによるステンレス鋼製被覆管とB4Cペレットとの
接触はそれほど強くならない。
テンレス鋼の熱膨張係数は、ボロン・カーバイドのそれ
に比べて数倍大きい。したがって、上述のようにB4C
ペレットがスエリングした場合は、ステンレス鋼製被覆
管とB4Cペレットとの間のギャップ幅は製造時より広
がるので、B4Cペレットのリロケーションとスエリン
グとによるステンレス鋼製被覆管とB4Cペレットとの
接触はそれほど強くならない。
【0014】しかし、原子炉を停止させることにより、
冷却材の温度が下がった場合には、ステンレス鋼製被覆
管の熱収縮がB4Cペレットのそれよりも数倍大きいた
めに、ステンレス鋼製被覆管は過度の応力を受ける。そ
して、この応力がステンレス鋼製被覆管の破断応力を超
えた時、出力調整用の高速増殖炉用制御棒の寿命とな
る。
冷却材の温度が下がった場合には、ステンレス鋼製被覆
管の熱収縮がB4Cペレットのそれよりも数倍大きいた
めに、ステンレス鋼製被覆管は過度の応力を受ける。そ
して、この応力がステンレス鋼製被覆管の破断応力を超
えた時、出力調整用の高速増殖炉用制御棒の寿命とな
る。
【0015】なお、本発明の関連技術として、特公昭6
1−159191号公報が開示されている。しかし、高
速増殖炉用制御棒の中性子吸収材ペレットのヘリウムガ
スによるスエリングを抑制する手段は開示されていな
い。
1−159191号公報が開示されている。しかし、高
速増殖炉用制御棒の中性子吸収材ペレットのヘリウムガ
スによるスエリングを抑制する手段は開示されていな
い。
【0016】本発明は上述のような状況に鑑みなされた
ものであり、B4Cペレットのヘリウムガスによるスエ
リングを低減した、長寿命で経済的な出力調整用の高速
増殖炉用制御棒を提供することを目的としたものであ
る。
ものであり、B4Cペレットのヘリウムガスによるスエ
リングを低減した、長寿命で経済的な出力調整用の高速
増殖炉用制御棒を提供することを目的としたものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
して達成することができる。
【0018】(1)被覆管内に中性子吸収材ペレットを
装填した制御棒ピンを制御棒保護管内に収納し、高速増
殖炉の運転制御のために炉心に対して挿入・引き抜きが
行われる高速増殖炉用制御棒において、中性子吸収材ペ
レットの内部に、低熱伝導率物質を添加したボロン・カ
ーバイド(B4C)を装荷してあること。
装填した制御棒ピンを制御棒保護管内に収納し、高速増
殖炉の運転制御のために炉心に対して挿入・引き抜きが
行われる高速増殖炉用制御棒において、中性子吸収材ペ
レットの内部に、低熱伝導率物質を添加したボロン・カ
ーバイド(B4C)を装荷してあること。
【0019】(2)(1)において、低熱伝導率物質
は、熱伝導率がボロン・カーバイドよりも低い酸化物で
あること。
は、熱伝導率がボロン・カーバイドよりも低い酸化物で
あること。
【0020】(3)(1)において、低熱伝導率物質
は、酸化珪素(SiO2)、酸化アルミ(Al2O3)、酸化
ガドリニウム(Gd2O3)、酸化ユーロピウム(Eu
2O3)、酸化ボロン(B2O3)、酸化ディスプロシウム(D
y2O3)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化イットリウ
ム(Y2O3)及び酸化エルビュム(Er2O3)のうちの少な
くとも1種類の酸化物であること。
は、酸化珪素(SiO2)、酸化アルミ(Al2O3)、酸化
ガドリニウム(Gd2O3)、酸化ユーロピウム(Eu
2O3)、酸化ボロン(B2O3)、酸化ディスプロシウム(D
y2O3)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化イットリウ
ム(Y2O3)及び酸化エルビュム(Er2O3)のうちの少な
くとも1種類の酸化物であること。
【0021】(4)(1)において、低熱伝導率物質
は、ホウ酸化物であること。
は、ホウ酸化物であること。
【0022】(5)(1)において、低熱伝導率物質
は、ホウ酸化ガドリニウム(GdBO3)、ホウ酸化ユー
ロピウム(EuBO3)、ホウ酸化ディスプロシウム(Dy
BO3)、ホウ酸化サマリウム(SmBO3)、ホウ酸化イ
ットリウム(YBO3)、ホウ酸化エルビュム(ErBO3)
のうちの少なくとも1種類のホウ酸化物であること。
は、ホウ酸化ガドリニウム(GdBO3)、ホウ酸化ユー
ロピウム(EuBO3)、ホウ酸化ディスプロシウム(Dy
BO3)、ホウ酸化サマリウム(SmBO3)、ホウ酸化イ
ットリウム(YBO3)、ホウ酸化エルビュム(ErBO3)
のうちの少なくとも1種類のホウ酸化物であること。
【0023】(6)(1)において、低熱伝導率物質
は、ホウ化物であること。
は、ホウ化物であること。
【0024】(7)(1)において、低熱伝導率の物質
は、チッ化ボロン(BN)、ホウ化チタン(TiB2)、ホ
ウ化ジルコニウム(ZrB2)、ホウ化ハフニウム(HfB
2)、ホウ化タンタル(TaB2)、ホウ化珪素(SiB4)、
ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化スズ(SnB6)、ホ
ウ化ユーロピウム(EuB6)、ホウ化ガドリニウム(Gd
B6)、ホウ化ディスプロシウム(DyB6)のうちの少な
くとも1種類のホウ化物であること。
は、チッ化ボロン(BN)、ホウ化チタン(TiB2)、ホ
ウ化ジルコニウム(ZrB2)、ホウ化ハフニウム(HfB
2)、ホウ化タンタル(TaB2)、ホウ化珪素(SiB4)、
ホウ化イットリウム(YB6)、ホウ化スズ(SnB6)、ホ
ウ化ユーロピウム(EuB6)、ホウ化ガドリニウム(Gd
B6)、ホウ化ディスプロシウム(DyB6)のうちの少な
くとも1種類のホウ化物であること。
【0025】
【作用】本発明では、中性子吸収材ペレットの内部に、
低熱伝導率物質を添加したボロン・カーバイドを装荷し
てあるので、中性子吸収材ペレットの温度が高くなり、
中性子吸収材ペレットからのヘリウムガスの放出が促進
され、中性子吸収材ペレットのスエリングが低減され
る。
低熱伝導率物質を添加したボロン・カーバイドを装荷し
てあるので、中性子吸収材ペレットの温度が高くなり、
中性子吸収材ペレットからのヘリウムガスの放出が促進
され、中性子吸収材ペレットのスエリングが低減され
る。
【0026】したがって、被覆管と中性子吸収材ペレッ
トとの間のギャップ幅が確保され、中性子吸収材ペレッ
トと被覆管との機械的相互作用の発生を防止することが
できる。
トとの間のギャップ幅が確保され、中性子吸収材ペレッ
トと被覆管との機械的相互作用の発生を防止することが
できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1を用いて説明
する。図1は一実施例の高速増殖炉用制御棒ピンの縦断
面図である。図1が前出の図2と比較して内容の異なる
点は、中性子吸収材ペレットにおいて、図2のB4Cペ
レット9を、本実施例では低熱伝導率物質を添加したボ
ロン・カーバイド(B4C)ペレット(以下、低熱伝導率
物質添加B4Cペレットと略称)3に替えたことであ
る。
する。図1は一実施例の高速増殖炉用制御棒ピンの縦断
面図である。図1が前出の図2と比較して内容の異なる
点は、中性子吸収材ペレットにおいて、図2のB4Cペ
レット9を、本実施例では低熱伝導率物質を添加したボ
ロン・カーバイド(B4C)ペレット(以下、低熱伝導率
物質添加B4Cペレットと略称)3に替えたことであ
る。
【0028】すなわち、一実施例の高速増殖炉用制御棒
ピン1(以下、制御棒ピン1と略称)は、外径16mmの
低熱伝導率物質添加B4Cペレット3を、外径18.5m
m、肉厚0.8mmのステンレス鋼製の被覆管2に装填
してある。そして、低熱伝導率物質添加B4Cペレット
3には、本実施例では、2wt%の酸化珪素(SiO2)
を添加したB4Cを装荷してある。
ピン1(以下、制御棒ピン1と略称)は、外径16mmの
低熱伝導率物質添加B4Cペレット3を、外径18.5m
m、肉厚0.8mmのステンレス鋼製の被覆管2に装填
してある。そして、低熱伝導率物質添加B4Cペレット
3には、本実施例では、2wt%の酸化珪素(SiO2)
を添加したB4Cを装荷してある。
【0029】低熱伝導率物質添加B4Cペレット3の上
下端はスプリング4によりそれぞれ弾性支持されてい
る。また、制御棒ピン1の上部には、ベント機構部7が
設けられており、低熱伝導率物質添加B4Cペレット3
から放出されたヘリウムガスは、ベント機構部7を通っ
て外部のナトリウム冷却材中へ放出され、制御棒ピン1
内には一定量のヘリウムガスしか溜らないようになって
いる。
下端はスプリング4によりそれぞれ弾性支持されてい
る。また、制御棒ピン1の上部には、ベント機構部7が
設けられており、低熱伝導率物質添加B4Cペレット3
から放出されたヘリウムガスは、ベント機構部7を通っ
て外部のナトリウム冷却材中へ放出され、制御棒ピン1
内には一定量のヘリウムガスしか溜らないようになって
いる。
【0030】すなわち、制御棒ピン1は、上述のように
構成されているので、低熱伝導率物質添加B4Cペレッ
ト3内にヘリウムガスが生成されても、低熱伝導率物質
添加B4Cペレット3内の温度が高いために、ヘリウム
ガスは低熱伝導率物質添加B4Cペレット3内に溜るこ
となく、低熱伝導率物質添加B4Cペレット3の外部に
放出される。このため、低熱伝導率物質添加B4Cペレ
ット3のヘリウムガスによるスエリングが低減され、低
熱伝導率物質添加B4Cペレット3と被覆管2との機械
的相互作用の発生を防止することができる。
構成されているので、低熱伝導率物質添加B4Cペレッ
ト3内にヘリウムガスが生成されても、低熱伝導率物質
添加B4Cペレット3内の温度が高いために、ヘリウム
ガスは低熱伝導率物質添加B4Cペレット3内に溜るこ
となく、低熱伝導率物質添加B4Cペレット3の外部に
放出される。このため、低熱伝導率物質添加B4Cペレ
ット3のヘリウムガスによるスエリングが低減され、低
熱伝導率物質添加B4Cペレット3と被覆管2との機械
的相互作用の発生を防止することができる。
【0031】また、低熱伝導率物質添加B4Cペレット
3内のボロン・カーバイドに添加する低熱伝導率物質と
しては、反応制御能力を損なわずに、低熱伝導率物質添
加B4Cペレット3のスエリングを低減できるものであ
ることが必要である。したがって、ボロン・カーバイド
に添加する物質は、中性子吸収断面積が大きく、低熱伝
導率を有する物質が最適である。
3内のボロン・カーバイドに添加する低熱伝導率物質と
しては、反応制御能力を損なわずに、低熱伝導率物質添
加B4Cペレット3のスエリングを低減できるものであ
ることが必要である。したがって、ボロン・カーバイド
に添加する物質は、中性子吸収断面積が大きく、低熱伝
導率を有する物質が最適である。
【0032】すなわち、本実施例では、低熱伝導率物質
として、酸化珪素(SiO2)を使用したが、そのほか、
前述した、酸化物、ホウ酸化物及びホウ化物の中のいず
れの低熱伝導率物質を用いても、同様に目的を達成する
ことができる。
として、酸化珪素(SiO2)を使用したが、そのほか、
前述した、酸化物、ホウ酸化物及びホウ化物の中のいず
れの低熱伝導率物質を用いても、同様に目的を達成する
ことができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、出力調整用の高速増殖
炉用制御棒において、スエリングによるB4Cペレット
のスエリングを軽減させ、被覆管とB4Cペレットとの
機械的相互作用を防ぐことができる。
炉用制御棒において、スエリングによるB4Cペレット
のスエリングを軽減させ、被覆管とB4Cペレットとの
機械的相互作用を防ぐことができる。
【図1】本発明の一実施例の高速増殖炉用制御棒ピンの
縦断面図である。
縦断面図である。
【図2】従来の高速増殖炉用制御棒ピンの縦断面図であ
る。
る。
1…一実施例の高速増殖炉用制御棒ピン、2…被覆管、
3…低熱伝導率物質を添加したボロン・カーバイドペレ
ット、4…スプリング、5…端栓、6…ガス・プレナム
部、7…ベント機構部、8…従来の高速増殖炉用制御棒
ピン、9…ボロン・カーバイドペレット。
3…低熱伝導率物質を添加したボロン・カーバイドペレ
ット、4…スプリング、5…端栓、6…ガス・プレナム
部、7…ベント機構部、8…従来の高速増殖炉用制御棒
ピン、9…ボロン・カーバイドペレット。
Claims (7)
- 【請求項1】 被覆管内に中性子吸収材ペレットを装填
した制御棒ピンを制御棒保護管内に収納し、高速増殖炉
の運転制御のために炉心に対して挿入・引き抜きが行わ
れる高速増殖炉用制御棒において、前記中性子吸収材ペ
レットの内部に、低熱伝導率物質を添加したボロン・カ
ーバイド(B4C)を装荷してあることを特徴とする高
速増殖炉用制御棒。 - 【請求項2】 前記低熱伝導率物質は、熱伝導率が前記
ボロン・カーバイドよりも低い酸化物である請求項1記
載の高速増殖炉用制御棒。 - 【請求項3】 前記低熱伝導率物質は、酸化珪素(Si
O2)、酸化アルミ(Al2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2
O3)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、酸化ボロン(B2O
3)、酸化ディスプロシウム(Dy2O3)、酸化サマリウム
(Sm2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)及び酸化エルビ
ュム(Er2O3)のうちの少なくとも1種類の酸化物であ
る請求項1記載の高速増殖炉用制御棒。 - 【請求項4】 前記低熱伝導率物質は、ホウ酸化物であ
る請求項1記載の高速増殖炉用制御棒。 - 【請求項5】 前記低熱伝導率物質は、ホウ酸化ガドリ
ニウム(GdBO3)、ホウ酸化ユーロピウム(EuB
O3)、ホウ酸化ディスプロシウム(DyBO3)、ホウ酸
化サマリウム(SmBO3)、ホウ酸化イットリウム(YB
O3)、ホウ酸化エルビュム(ErBO3)のうちの少なく
とも1種類のホウ酸化物である請求項1記載の高速増殖
炉用制御棒。 - 【請求項6】 前記低熱伝導率物質は、ホウ化物である
請求項1記載の高速増殖炉用制御棒。 - 【請求項7】 前記低熱伝導率の物質は、チッ化ボロン
(BN)、ホウ化チタン(TiB2)、ホウ化ジルコニウム
(ZrB2)、ホウ化ハフニウム(HfB2)、ホウ化タンタ
ル(TaB2)、ホウ化珪素(SiB4)、ホウ化イットリウ
ム(YB6)、ホウ化スズ(SnB6)、ホウ化ユーロピウム
(EuB6)、ホウ化ガドリニウム(GdB6)、ホウ化ディ
スプロシウム(DyB6)のうちの少なくとも1種類のホ
ウ化物である請求項1記載の高速増殖炉用制御棒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5223061A JPH0777594A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 高速増殖炉用制御棒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5223061A JPH0777594A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 高速増殖炉用制御棒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0777594A true JPH0777594A (ja) | 1995-03-20 |
Family
ID=16792225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5223061A Pending JPH0777594A (ja) | 1993-09-08 | 1993-09-08 | 高速増殖炉用制御棒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0777594A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106282713A (zh) * | 2016-09-14 | 2017-01-04 | 厦门大学 | 一种核反应堆灰控制棒用钼基氧化镝材料及其应用 |
CN106381433A (zh) * | 2016-09-14 | 2017-02-08 | 厦门大学 | 一种核反应堆灰控制棒用钼基氧化铥材料及其应用 |
-
1993
- 1993-09-08 JP JP5223061A patent/JPH0777594A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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