JPH0777161A - ダイアフラムポンプ - Google Patents

ダイアフラムポンプ

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JPH0777161A
JPH0777161A JP22452993A JP22452993A JPH0777161A JP H0777161 A JPH0777161 A JP H0777161A JP 22452993 A JP22452993 A JP 22452993A JP 22452993 A JP22452993 A JP 22452993A JP H0777161 A JPH0777161 A JP H0777161A
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JP
Japan
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diaphragm
deformation
upper stopper
plunger
stopper
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Withdrawn
Application number
JP22452993A
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English (en)
Inventor
Yoshi Otsuka
好 大塚
Toshihiko Ito
猪頭  敏彦
Yasuyuki Sakakibara
康行 榊原
Kazuhide Watanabe
和英 渡辺
Akira Shibata
晃 柴田
Hiroshi Inoue
宏史 井上
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイアフラムの局部的な応力集中及び過大変
形を抑制して、ダイアフラムの耐久性を向上させる。 【構成】 ダイアフラムポンプ1は、ダイアフラム20
の変形に伴いポンプ室24の容積を変化させ燃料の吸入
及び吐出を行う。ダイアフラム20の一側(図の下側)
には複数の油通し孔21aを有するロアストッパ21が
配設され、他側(図の上側)には弾性材料からなるアッ
パストッパ22が配設されている。アッパストッパ22
は、中央部の丸孔22aから外周部にかけて湾曲形状の
曲面22cを有している。プランジャ25の上動時にお
いて、ダイアフラム20はアッパストッパ22の弾性変
形を伴いながら外周部から徐々に当接し、変形する。こ
のとき、ダイアフラム20にかかる応力は広範囲に分散
される。又、プランジャ25の下動時において、ダイア
フラム20はアッパストッパ22による付勢力によって
確実に原位置に戻される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ダイアフラムポンプ
に係り、詳しくはダイアフラムの変形に応じて被圧送流
体の吸入及び吐出を行うダイアフラムポンプに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図6及び図7を用いて、従来のダイアフ
ラムポンプを説明する。図6に示すように、ダイアフラ
ム51及びストッパ52は共に円板状をなし、それらの
外周部はハウジング53及びリテーナ54により固定支
持されている。ダイアフラム51は、ストッパ52に当
接した状態で組み付けられ、この当接位置がダイアフラ
ム51の原位置となっている。ストッパ52には複数の
油通し孔52aが形成されている。リテーナ54の下方
には円筒状のシリンダ55が形成されており、同シリン
ダ55にはプランジャ56が嵌挿されている。プランジ
ャ56は図示しない駆動源によって上下動され、上死点
(図7の位置)と下死点(図6の位置)とを往復する。
ダイアフラム51の上側には被圧送流体(例えば、ガソ
リン)の吸入及び吐出を行うためのポンプ室57が形成
され、下側には作動油(潤滑油)を充填したシリンダ室
58が形成されている。
【0003】そして、上記ダイアフラムポンプの吐出行
程では、プランジャ56の上動に伴いダイアフラムポン
プが図6の状態から図7の状態に移行する。即ち、ダイ
アフラム51が図の上方に撓み変形することによりポン
プ室57の容積が小さくなる。このとき、ポンプ室57
内の圧力が上昇し、同室57内の被圧送流体が吐出され
る。又、吸入行程では、プランジャ56の下動に伴いダ
イアフラムポンプが図7の状態から図6の状態に移行す
る。即ち、流体の吸入圧とダイアフラム51自身の復元
力により、ダイアフラム51は変形状態から変形前の状
態に復元され当初の原位置(図6の状態)に復帰する。
このとき、ダイアフラム51とストッパ52との間にあ
る作動油(潤滑油)が油通し孔52aを通してシリンダ
室58に流出されるとともに、ポンプ室57内に被圧送
流体が吸入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ダイアフラムポンプでは、ダイアフラムの耐久性の点で
次のような問題を抱えていた。
【0005】即ち、プランジャ56の往復動に伴いダイ
アフラム51が図6の状態と図7の状態とを繰り返した
場合、ダイアフラム51には周辺部(ハウジング53に
よる支持部付近)にのみ応力が集中する。そのため、ダ
イアフラム51の応力集中部で疲労破壊を生じ易くなる
という問題が生じる。
【0006】又、上記従来の構成では、プランジャ56
が下死点に達してもダイアフラム51が当初の原位置に
戻ることができなくなる場合があり、この場合、ダイア
フラム51の過大変形を招くおそれが生じる。つまり、
例えば低温時に作動油の粘性が高くなって作動油の流れ
が悪化すると、プランジャ56が下死点に達してもダイ
アフラム51とストッパ52との間にある作動油の一部
がシリンダ室58に流出できず、この作動油によりダイ
アフラム51は当初の原位置に戻ることができなくな
る。そのため、ダイアフラム51はプランジャ56の下
死点でも変形状態のままとなり、その状態から再度変形
を開始することでプランジャ56の上死点で過大変形を
招き、ダイアフラム51の破損が生じ易くなる。
【0007】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、ダイアフラム
の局部的な応力集中及び過大変形を抑制してダイアフラ
ムの耐久性を向上させることができるダイアフラムポン
プを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、所定の原位置からダイアフラムの変形
を開始させるとともに、前記原位置にて該ダイアフラム
の変形を終了させ、その間のダイアフラムの変形に応じ
て被圧送流体の吸入及び吐出を行うダイアフラムポンプ
において、前記ダイアフラムの変形可能部分に接するよ
うに弾性部材を配置し、該弾性部材にて前記ダイアフラ
ムを前記原位置に付勢するとともに、当該ダイアフラム
の変形に伴い前記弾性部材を変形させるようにしたこと
を要旨とするものである。
【0009】又、請求項2に示すように、前記ダイアフ
ラムの外周部に近くなる程、前記弾性部材による付勢力
を大きくして構成してもよい。
【0010】
【作用】上記構成によれば、ダイアフラムは所定の原位
置を基準として変形動作を行い、ダイアフラムポンプは
ダイアフラムの変形に応じて被圧送流体の吸入及び吐出
を行う。
【0011】ダイアフラムの変形動作について詳述する
と、ダイアフラムが原位置から変形する際、同ダイアフ
ラムの変形可能部分は弾性部材による付勢力に抗して変
形を開始し、弾性部材もダイアフラムと共に変形する。
このとき、ダイアフラムは、弾性部材との全ての接触面
で変形に伴う応力を受ける。即ち、ダイアフラムが応力
を受ける範囲が、従来のダイアフラムでは外周部付近に
のみ集中していたのに対して、本構成では広範囲に分散
される。その結果、ダイアフラムの外周部付近での局部
的な応力集中が抑制される。又、ダイアフラムが変形状
態から原位置に戻る際には、弾性部材の付勢力によって
ダイアフラムは確実に原位置に戻される。その結果、ダ
イアフラムの最大変形量は常に所定範囲内に抑えられ、
ダイアフラムの過大変形が抑制される。
【0012】又、請求項2の構成によれば、ダイアフラ
ムの変形開始当初、ダイアフラムの外周部では原位置へ
の付勢力が大きいため変形が殆どなく、付勢力の小さい
中央部へと変形が促進される。即ち、ダイアフラムの変
形は中央部が大きく外周部が極端に小さくなるため、従
来のダイアフラムのように外周部でのみ局部的な変形が
繰り返されて応力集中を招くことはない。その結果、本
構成ではダイアフラムの変形が中央部から外周部にかけ
ての広い範囲で進行し、応力は常に広範囲に分散され
る。
【0013】
【実施例】以下、この発明のダイアフラムポンプを具体
化した一実施例について図面に従って説明する。
【0014】図1は、本実施例におけるダイアフラムポ
ンプ1の正断面を示す図である。このダイアフラムポン
プ1は、例えば車載用ガソリンエンジンの燃料噴射シス
テムに用いられ、燃料タンク(図示略)から吸入された
被圧送流体としての燃料(ガソリン)を燃料噴射弁(図
示略)に向けて吐出するものである。
【0015】図1に示すように、ダイアフラムポンプ1
のハウジングは、図1上部のアッパハウジング2と図1
下部のロアハウジング3とにより構成されており、両ハ
ウジング2,3はボルト等の締結部材(図示略)により
組み付けられている。アッパハウジング2にはねじ孔
4,5,6が形成されており、各ねじ孔4,5,6は燃
料流路7A,7B,7Cにて互いに連通されている。そ
して、アッパハウジング2の図示左側に位置するねじ孔
4には吸入ポート8が配設され、図示右側に位置するね
じ孔6には吐出逆止弁9を介して吐出ポート10が配設
されている。なお、図示はしないが、吸入ポート8には
燃料タンクが接続され、吐出ポート10には蓄圧室を介
して燃料噴射弁が接続されている。又、アッパハウジン
グ2の上側面に位置するねじ孔5には調量電磁弁11が
配設されている。
【0016】調量電磁弁11は、弁体12、スプリング
13及びコイル14を有し、同電磁弁11には、前記燃
料流路7Aと前記燃料流路7Bとを連通するための連通
路15が形成されている。そして、弁体12は、スプリ
ング13により連通路15を開く方向(図の下方向)に
常に付勢され、コイル14が通電されるとスプリング1
3の付勢力に抗して連通路15を閉じる方向(図の上方
向)に移動する。つまり、調量電磁弁11は、コイル1
4の非通電時には連通路15を開いて燃料の流通を許容
し、コイル14の通電時には連通路15を閉じて燃料の
流通を遮断する。なお、調量電磁弁11は、図示しない
制御装置からの制御信号に基づいて開閉制御される。
【0017】又、アッパハウジング2の下面には凹面1
6が形成され、同凹面16の中央部には前記燃料流路7
Bが連通されている。アッパハウジング2の下部には雄
ねじ部2aが形成されており、同雄ねじ部2aにはリテ
ーナ18を固定させるためのリテーニングナット17が
螺着されている。
【0018】アッパハウジング2の下面とリテーナ18
の上面との間には、ステンレス鋼(可撓性材料)からな
る円板状のダイアフラム20が配設されるとともに、同
ダイアフラム20の上面にはアッパストッパ(弾性部
材)22が、下面にはロアストッパ21が介装されてい
る。即ち、アッパハウジング2とリテーニングナット1
7との間には、アッパストッパ22,ダイアフラム2
0,ロアストッパ21,リテーナ18の四部材が拘持さ
れており、各部材は同軸になるように固定されている。
ダイアフラム20は、ロアストッパ21に当接した状態
(図1の状態)で組み付けられ、この状態がダイアフラ
ム20の原位置となっている。なお、本実施例では、ダ
イアフラム20の変形可能部分(アッパハウジング2に
よる拘持部よりも内側の部分)の径を43mmとし、ダ
イアフラム20の板厚を0.1mmとしている。又、ロ
アストッパ21は平坦形状をなし、その上下面を連通す
る複数の油通し孔21aを有している。
【0019】アッパストッパ22は弾性材料(例えば、
薄肉のばね鋼)からなり、図2(a),(b)に示すよ
うにその中央部には丸孔22aが形成されている。アッ
パストッパ22の外周部には、アッパハウジング2の拘
持のための平坦面22bが形成されており、その平坦部
22bと前記丸孔22aとの間は図の上方に湾曲形成さ
れた曲面22cとなっている(曲面22cの半径をRと
する)。同アッパストッパ22は、図1に示すようにそ
の外周部付近がダイアフラム20に接触した状態で組み
付けられている。そして、本実施例では、アッパストッ
パ22を湾曲形状としたことで、ダイアフラム20の外
周部に近くなる程、同ダイアフラム20への付勢力を大
きくすることができるようになっている。なお、本実施
例では、アッパストッパ22の板厚を0.2mmとし
た。又、半径Rはダイアフラム20の変形前の状態でR
=100mmとし、最大変形時にR=70mmとなるよ
うにした。中央部の丸孔22aは流路抵抗にならないよ
うに後述するプランジャ25の径と同等とした。
【0020】一方、図1において、リテーナ18の下部
には円筒形状のシリンダ19が形成されており、同シリ
ンダ19内にはプランジャ25が摺動可能に嵌挿されて
いる。アッパハウジング2の凹面16、リテーナ18及
びプランジャ25にて形成される空間には、ダイアフラ
ム20にて区画されたポンプ室24及びシリンダ室26
が形成されている。そして、ダイアフラム20の上面側
のポンプ室24は、ダイアフラム20の変形に伴い内部
容積を変化させて燃料の吸入及び吐出を行う。又、ダイ
アフラム20の下面側のシリンダ室26には作動油とし
ての潤滑油が充填されており、プランジャ25の動作に
伴い、潤滑油がロアストッパ21の油通し孔21aを介
してダイアフラム20を下方から押圧する。
【0021】シリンダ19には、シリンダ室26とその
外部のオイル室27とを連通する連通孔28が形成され
ており、この連通孔28はプランジャ25が下死点付近
に達したときのみ連通されるようになっている。なお、
オイル室27にはシリンダ室26内と同じ潤滑油が充填
されている。
【0022】又、シリンダ19とプランジャ25の鍔部
25aとの間には、プランジャ25を常に下方に付勢す
るためのスプリング29が介装されている。プランジャ
25の下部にはタペット30が配設され、同タペット3
0はカム室31内に配設されたカムシャフト32の外周
面に接している。従って、エンジンの図示しないクラン
クシャフトが回転すると、その回転がカムシャフト32
に付与されて同シャフト32が偏心回転する。そして、
カムシャフト32の偏心回転に伴い、プランジャ25が
スプリング29の付勢力に抗して図示上下方向に摺動
し、上死点と下死点とを往復する。
【0023】なお、カム室31内にはカムシャフト32
を潤滑作動させるための潤滑油が充填されている。そし
て、前記オイル室27内に充填された潤滑油とカム室3
1内に充填された潤滑油とは、タペット30の底面に設
けられた複数の通孔33を介して出入りする。
【0024】次いで、上記のように構成されたダイアフ
ラムポンプ1の作用について説明する。前述したよう
に、プランジャ25はカムシャフト32の回転に伴って
上下方向に往復動し、吐出行程と吸気行程とを繰り返し
実行する。つまり、吐出行程ではダイアフラム20が変
形して図1の状態から図3の状態に(原位置から変形位
置に)移行し、吸入行程ではダイアフラム20が図3の
状態から図1の状態に(変形位置から原位置に)移行す
る。
【0025】要するに、吐出行程では、プランジャ25
の上動によりシリンダ19に形成された連通孔28がプ
ランジャ25によって閉鎖される。そして、プランジャ
25がさらに上動することによりシリンダ室26の油圧
が上昇し、ダイアフラム20の変形が開始される。この
とき、ダイアフラム20の変形に伴い、アッパストッパ
22が弾性変形する。
【0026】詳しくは、ダイアフラム20の変形開始当
初には、ダイアフラム20は外周部から徐々にアッパス
トッパ22を押し上げていく。そして、プランジャ25
の上動に伴いダイアフラム20の変形が徐々に進行する
と、ダイアフラム20とアッパストッパ22との接触面
が広がり、このとき、ダイアフラム20が応力を受ける
範囲も同様に広がる。つまり、従来のダイアフラムでは
外周部でのみ局部的な変形が繰り返され応力集中を招い
ていたのに対し、本構成ではダイアフラム20の変形が
中央部から外周部にかけての広い範囲で進行して、ダイ
アフラム20はアッパストッパ22との全ての接触面で
変形に伴う応力を受ける。その結果、ダイアフラム20
にかかる応力は広範囲に分散され、疲労破壊の発生が抑
えられる。
【0027】又、上記のダイアフラム20の変形動作に
より、ポンプ室24の容積が小さくなるとともに、燃料
圧が上昇する。このとき、調量電磁弁11が通電されて
いれば、即ち連通路15が閉鎖されていれば、ポンプ室
24内の燃料の圧力によって吐出逆止弁9が押し開か
れ、燃料流路7Cを経由して吐出ポート10から燃料が
吐出される。なお、プランジャ25が上動する際、調量
電磁弁11を早く通電すれれば吐出量を多くすることが
でき、遅く通電されると少なくすることができる。又、
ダイアフラム20の変形動作時に、調量電磁弁11が通
電されていなければ、即ち連通路15が開放されていれ
ば、燃料流路7B,7Aを介してポンプ室24から吸入
ポート8に燃料が押し返される。
【0028】一方、吸入行程では、プランジャ25の下
動により連通孔28が開放され、シリンダ室26とオイ
ル室27とが連通される。すると、シリンダ室26内の
潤滑油がオイル室27に流出し、シリンダ室26内の油
圧が降下する。そして、その油力降下によりダイアフラ
ム20が下方に変形する。この場合、本実施例の構成で
は、ダイアフラム20自身の復元力及び燃料の吸入圧に
加えて、アッパストッパ22がダイアフラム20を付勢
する力が作用して、ダイアフラム20の原位置への復帰
が促される。従って、プランジャ25が下死点に達した
時には、ダイアフラム20とロアストッパ21との間の
潤滑油が油通し孔21aを通して完全にシリンダ室26
に流出される。即ち、低温時等であって潤滑油の粘性が
高い場合においても、ダイアフラム20は確実に当初の
原位置に戻ることができ、ダイアフラム20とロアスト
ッパ21との間の潤滑油残りによる過大変形を招くこと
はない。
【0029】そして、ダイアフラム20の下方への変形
動作により、ポンプ室24の容積が大きくなりポンプ室
24内の燃料圧が低下する。このとき、調量電磁弁11
は通電されず、即ち連通路15が開放され、燃料流路7
A,7Bを介して吸入ポート8からポンプ室24に燃料
が吸入される。
【0030】以上詳述したように、本実施例のダイアフ
ラムポンプ1では、円板状のダイアフラム20の下側に
ロアストッパ21を配設し、上側にアッパストッパ22
を配設した。そして、前記の三部材の外周部をアッパハ
ウジング2及びリテーナ18により固定支持した。アッ
パストッパ22はその外周部から中央部にかけて上方に
湾曲した形状とし、その中央部には丸孔22aを形成し
た。即ち、アッパストッパ22はダイアフラム20を原
位置(ロアストッパ21に当接する位置)に付勢し、そ
の付勢力はダイアフラム20の変位が大きくなる程大き
くなるようにした。
【0031】上記構成によれば、ダイアフラムポンプ1
が燃料を吐出する際、アッパストッパ22はダイアフラ
ム20の変形に伴いダイアフラム20と共に弾性変形す
る。このとき、ダイアフラム20に作用する応力が広範
囲に分散され、ダイアフラム20の外周部付近での局部
的な応力集中が抑制される。又、ダイアフラムポンプ1
が燃料を吸入する際、ダイアフラム20はアッパストッ
パ22によって所定の原位置に付勢されているため、確
実に原位置に戻される。その結果、ダイアフラム20の
最大変形量は常に所定範囲内に抑えられ、ダイアフラム
20の過大変形が抑制される。以上のことから、本実施
例では、ダイアフラム20の耐久性を向上させるという
本発明の目的を達成することができる。
【0032】一方、ダイアフラム20の外周部の応力集
中を抑制するためには、アッパハウジング2の凹面16
を所定の半径にて湾曲形成させることも考えられる。し
かし、この場合には、形状の加工精度や面粗度等への配
慮が要求されて切削や研削加工が困難となるばかりかコ
スト高となるおそれがある。これに対して、本実施例で
は、凹面16の形状は任意とすることができるため、加
工精度や面粗度等への配慮をする必要もなく、コスト面
でも十分な効果を得ることができる。
【0033】なお、弾性部材を具体化した実施例として
は、上記のアッパストッパ22に限定されるものではな
く、次に示す態様にて具体化することもできる。例え
ば、図4(a),(b)に示すように、弾性部材として
のアッパストッパ35に放射状の切欠35aを設けても
よい。この場合、上記実施例のアッパストッパ22より
もダイアフラム20を付勢する力が弱くなるとともに、
アッパストッパ35の弾性変形が容易となる。又、この
場合には放射状の切欠35aが設けられたことにより、
燃料の吸入時にアッパストッパ35とダイアフラム20
との間に燃料が入り易く、その燃料圧でダイアフラム2
0を原位置に押し付ける力を強めることができるという
効果もある。なお、アッパストッパ35の弾性力は板
厚、切欠35aの数、切欠35aの形状等によって調整
することができる。
【0034】又、図5に示すように、弾性部材としての
アッパストッパ36を略平坦形状とするとともに、その
肉厚を中央部に近づく程薄くしてもよい。即ち、アッパ
ストッパ36の中央部の丸孔36a付近の肉厚D1は、
外周部の肉厚D2よりも薄くなっている(D1<D
2)。この場合、アッパストッパ36は中央部の丸孔3
6a付近が変形し易く、外周部に近くなる程ダイアフラ
ム20を付勢する力が強くなる。
【0035】従って、ダイアフラムポンプ1が吐出を行
う際には、ダイアフラム20は、付勢力が強い外周部に
近くなる程、変形量が少なくなる(変形状態を、図5に
二点鎖線で示す)。それにより、ダイアフラム20にか
かる応力は広範囲に分散され、外周部での応力集中が回
避される。吸入を行う際には、ダイアフラム20がアッ
パストッパ36により付勢されて所定の原位置に確実に
戻され、過大な変形が防止される。又、図5の場合に
は、アッパストッパ36が湾曲していないため、上記各
実施例に比べて成形加工を容易にすることができる。な
お、平坦形状のアッパストッパ36に複数のスリットを
設けたりすることも可能である。
【0036】さらに、上記各実施例では、アッパストッ
パ(弾性部材)の材質をばね鋼としたが、テフロン等の
樹脂に代えてもよく、この場合にも上記と同様の効果を
得ることができる。
【0037】又、上記実施例では、ダイアフラム20や
アッパストッパ22の寸法を具体的に例示したが、勿論
これに限定されるものではなく、ダイアフラムポンプ1
の要求吐出量や体格等に応じて任意に変更することがで
きる。
【0038】又、上記実施例では、アッパストッパ22
の中央部の丸孔22aの径をプランジャ25の径と同じ
にしたが、これを変更することもできる。このとき、プ
ランジャ25の径よりも大きく、且つダイアフラム20
の変形可能部分の1/3以下程度に前記丸孔22aの径
を設定することが、流路抵抗及びストッパ機能を両立す
る上で好ましい。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、ダイアフラムの局部
的な応力集中及び過大変形を抑制して、ダイアフラムの
耐久性を向上させることができるという優れた効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例におけるダイアフ
ラムポンプの全体構成を示す正断面図である。
【図2】(a)はアッパストッパの平面図であり、
(b)はアッパストッパの正断面図である。
【図3】ダイアフラム及びアッパストッパの変形時にお
けるダイアフラムポンプの正断面図である。
【図4】別の具体例におけるアッパストッパの形状を示
し、(a)は平面図であり、(b)は正断面図である。
【図5】別の具体例におけるアッパストッパの形状を示
した正断面図である。
【図6】従来のダイアフラムポンプの一部を破断して示
した正断面図である。
【図7】同じく従来のダイアフラムポンプを示し、ダイ
アフラムの変形状態を示す正断面図である。
【符号の説明】
1…ダイアフラムポンプ、20…ダイアフラム、22,
35,36…弾性部材としてのアッパストッパ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊原 康行 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 渡辺 和英 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 柴田 晃 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内 (72)発明者 井上 宏史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の原位置からダイアフラムの変形を
    開始させるとともに、前記原位置にて該ダイアフラムの
    変形を終了させ、その間のダイアフラムの変形に応じて
    被圧送流体の吸入及び吐出を行うダイアフラムポンプに
    おいて、 前記ダイアフラムの変形可能部分に接するように弾性部
    材を配置し、該弾性部材にて前記ダイアフラムを前記原
    位置に付勢するとともに、当該ダイアフラムの変形に伴
    い前記弾性部材を変形させるようにしたことを特徴とす
    るダイアフラムポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ダイアフラムの外周部に近くなる
    程、前記弾性部材による付勢力を大きくした請求項1に
    記載のダイアフラムポンプ。
JP22452993A 1993-09-09 1993-09-09 ダイアフラムポンプ Withdrawn JPH0777161A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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