JPH0777160B2 - 光蓄積リング - Google Patents

光蓄積リング

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JPH0777160B2
JPH0777160B2 JP1191366A JP19136689A JPH0777160B2 JP H0777160 B2 JPH0777160 B2 JP H0777160B2 JP 1191366 A JP1191366 A JP 1191366A JP 19136689 A JP19136689 A JP 19136689A JP H0777160 B2 JPH0777160 B2 JP H0777160B2
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    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/10Scattering devices; Absorbing devices; Ionising radiation filters
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、シンクロトロン放射光発生装置を使用した光
蓄積リングに関する。
[従来の技術] 最近、荷電粒子を所定の曲率を持つ軌道に沿って光速に
近い速度で運動させることにより、軌道の接線方向へシ
ンクロトロン放射光を発生するシンクロトロン放射光発
生装置が注目を浴びている。本発明者は、このようなシ
ンクロトロン放射光発生装置に荷電粒子軌道の外周を取
巻くように反射鏡を設置し、この反射鏡によりシンクロ
トロン放射光を反射することによって、シンクロトロン
放射光を反射鏡内に蓄積する光蓄積リングを、特開昭64
-72500号公報で明らかにした。このような光蓄積リング
では、通常のシンクロトロン放射光発生装置に比べて、
シンクロトロン放射光の利用効率を著しく改善すること
ができる。また、本発明者は、既に、荷電粒子軌道を真
円形とし、反射鏡を荷電粒子軌道に対して同心円となる
ように設置し、反射鏡の曲率半径を荷電粒子軌道の半径
と特定の関係を満足するように設定することにより、シ
ンクロトロン放射光と該シンクロトロン放射光の反射光
との間の干渉又は反射光同士の干渉を利用して、単色の
光を取り出せるようにした光蓄積リングを、特願平1-60
479号明細書において提案している。更に、本発明者
は、既に、特願昭63-323716号明細書において、レーザ
光を反射鏡内に投入したり、反射鏡の一部又は全部を回
折格子とすることにより、蓄積されたシンクロトロン放
射光と軌道を周回する荷電粒子を相互作用させて、自由
電子レーザ発振を起こさせることができる光蓄積リング
も提案している。とにかく、このような光蓄積リングを
用いて、超LSI等の微細加工だけでなく、レーザ加工、
レーザ核融合等、幅広い応用が期待されている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記開示及び提案された光蓄積リングは、現
時点では、短波長において、その位相を揃える程度にま
で、反射鏡を高精度に製造することが困難であるため、
光蓄積リングから取り出された出射光の波長をあまり短
くすることが出来ない。
従って、本発明の課題は、短波長帯域の光を強調して取
り出すことができる光蓄積リングを提供することであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明によると、荷電粒子を所定の曲率を有する軌道に
沿って光速に近い速度で運動させることにより、前記軌
道の接線方向へシンクロトロン放射光を発生し、該シン
クロトロン放射光を前記軌道の外周を取巻くように配置
された反射手段で反射することにより、前記反射手段内
に前記シンクロトロン放射光を蓄積すると共に、該蓄積
されたシンクロトロン放射光を出射光として光取出手段
を介して取り出す光蓄積リングにおいて、前記シンクロ
トロン放射光の放射方向と逆向きに、前記軌道の接線方
向に沿って電磁波を投入する投入手段を有し、該投入手
段が前記光取出手段に設けられて、前記光取出手段より
取り出された出射光を反射する付加反射手段であり、前
記投入された電磁波を前記軌道上を周回中の荷電粒子と
衝突させることにより、短波長の放出光の量を増加させ
たことを特徴とする光蓄積リングが得られる。
[作用] 軌道の接線方向に放出されるシンクロトロン放射光と反
対方向から電磁波(長波長の光)を投入する。この投入
される電磁波と軌道上を周回中の荷電粒子のタイミング
を揃えて、この電磁波を荷電粒子と衝突するように投入
する。このとき、この電磁波は、荷電粒子により、荷電
粒子の進行方向に散乱を受ける。この散乱は、逆コンプ
トン散乱として知られている。この逆コンプトン散乱に
より、荷電粒子と衝突した電磁波は、その荷電粒子から
エネルギを受け、電磁波のエネルギが増加し、散乱され
た(衝突された後の)電磁波の波長は、衝突する前の電
磁波のそれよりも、短くなる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図を参照して、本発明の第1の実施例に係るシンク
ロトロン放射光発生装置から成る光蓄積リングについて
説明する。
第1図に示された光蓄積リングは、円形形状の真空容器
(図示せず)及び超伝導磁石等の偏向磁石によって構成
された磁場発生装置(図示せず)とを備え、電子等の荷
電粒子が入射加速器からインフレクタ等を介して真空容
器内に入射される。真空容器内には、上記した磁場発生
装置によって数テスラに達する磁場が発生されているか
ら、入射した荷電粒子は印加される磁場の強度によって
定まる曲率を有する円形軌道1を描いて光速に近い速度
で運動する。ここでは、荷電粒子軌道1の曲率中心をO
とする。荷電粒子は円形軌道1上で局部的に密集し、所
謂、バンチを複数個形成した状態で運動する。バンチの
長さ及び数はシンクロトロン放射光発生装置の運転条件
及び設計条件によって定まる。各バンチは等間隔を維持
した状態で、荷電粒子軌道1上を光速に近い速度で運動
する。この実施例では、円形の荷電粒子軌道1の半径を
rとして説明し、第1及び第2のバンチ6及び7が荷電
粒子軌道1上を周回しているものとして説明する。この
状態で、各バンチ6及び7からは荷電粒子軌道1の接線
方向にシンクロトロン放射光が放出される。
図示された光蓄積リングは円形の荷電粒子軌道1の外周
を全体的に取巻く反射鏡2及び反射鏡2の一部に設けら
れた光取出口3を有する。ここでは、荷電粒子は電子で
あるものとして説明するが、陽電子、イオン等であって
もよい。図に示された反射鏡2は荷電粒子軌道1と同様
に、円形であり、反射鏡2の曲率中心は荷電粒子軌道1
の曲率中心Oと実質的に一致するように、配置されてい
るものとし、その曲率半径をRとする。したがって、こ
の例では、反射鏡2は荷電粒子軌道1と曲率半径Rの同
心円を構成していることになる。
反射鏡2と荷電粒子軌道1とが同心円を構成している場
合、各バンチ6及び7から荷電粒子軌道1の接線方向に
放出されたシンクロトロン放射光(以下SOR光と呼ぶ)
は、反射鏡2により、荷電粒子軌道1に接するように反
射される。したがって、この構成では、各バンチ6及び
7から放出されたSOR光は荷電粒子軌道1と繰り返し接
しながら、光取出口3に導かれる。このことは、反射鏡
2で反射されたSOR光と荷電粒子軌道1との接点位置で
放射されたSOR光が全て同一の光路5を通って、光取出
口3に導かれることを意味し、これによって、SOR光の
利用効率を改善できる。
第1図に示された光蓄積リングは、光取出口3から、SO
R光の放射方向と逆向きに、荷電粒子軌道1の接線方向
に沿って電磁波を投入するための投入装置を具備してい
る。この投入された電磁波を荷電粒子軌道1上を周回中
のバンチ6と衝突させることにより、以下に詳細に述べ
るように、短波長の放出光の量を増加させることが可能
である。
本第1の実施例では、投入装置は、電磁波として高周波
を発生する高周波発生装置4と、この高周波発生装置4
から発生された高周波を光取出口3へ導いて光取出口3
より投入高周波として反射鏡2内へ投入するための導波
管8とを有している。この投入高周波は、パルス状に送
出されてもよいし、連続的に送出されてもよい。投入高
周波がパルス状に送出された場合には、パルス状の投入
高周波とバンチ6とがそれらの接点Aにおいて衝突する
ように、パルス状の投入高周波の送出タイミングを設定
する。
投入高周波はバンチ6により逆コンプトン散乱を受け
て、光取出口3の方向へ鋭く放出(散乱)される。この
散乱された高周波はバンチ6の電子よりエネルギを受け
るために、その波長が短くなる方向にシフトして、短波
長の高周波となる。
一方、接点Aにおいて散乱を受けなかった高周波は反射
鏡2により荷電粒子軌道1と接するように反射される。
したがって、この反射された高周波は、再び、バンチ、
例えば、バンチ7と衝突する。反射鏡2の曲率半径を、
この様にバンチと投入高周波が繰り返し衝突する様に設
定できることは、特開昭64-72500号公報で明らかであ
る。このようにして、投入高周波は極めて有効に利用さ
れる。
所で、本実施例では、高周波を投入するために導波管8
を使用している。そして、この導波管8には、接点Aで
散乱された高周波を取り出すための穴9が空けられてい
る。投入高周波は、その波長が長いので、導波管8に空
けられた穴9によっては、その反射率に余り影響を受け
ない。
散乱された高周波の最短の波長λは、次の式で与えられ
る。
λ=λ/(4γ) ここで、λは投入高周波の波長、γは特殊相対性理論
に表れる電子のローレンツ・ファクタである。因みに、
電子のエネルギが500MeVのとき、波長λとしてmmのオ
ーダの投入高周波を投入するならば、散乱された高周波
の波長λとしてnmのオーダのものを得ることが出来る。
上記の第1の実施例では、電磁波の発生源として高周波
発生装置4を用いている。しかし、SOR光は白色光であ
るので、その長波長の成分のみをSOR光の放射方向と逆
向きに反射して、再び、荷電粒子軌道上に戻して、荷電
粒子軌道のバンチと衝突させることにより、上記の第1
の実施例と同様の効果を得ることが出来る。ミラーと接
点Aの間の距離は、反射された放射光が再び電子と衝突
する様に設定されている。
第2図を参照して、本発明の第2の実施例では、光取出
口3に、図示の如く、SOR光の長波長の成分のみを反射
するような材質のミラー10を設置している。ミラー10の
中心部には、SOR光および散乱された電磁波の内、短波
長のもののみを透過するための、所定の半径をもつ穴11
が空けられている。ミラー10の材質としては、高誘電体
が好ましい。また、ミラー10は、銅板、金メッキした金
属板、または金属メッシュでもよい。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、SOR光
の放射方向と逆向きに、荷電粒子軌道の接線方向に沿っ
て電磁波を投入することにより、短波長の光を得ること
が出来るという効果がある。また、電磁波を投入する手
段として、光取出手段より取り出された出射光を反射す
る付加反射手段を使用しているので、構成が極めて簡易
であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例による光蓄積リングの概
略構成を示す平面図、第2図は本発明の第2の実施例に
よる光蓄積リングの概略構成を示す平面図である。 1……荷電粒子軌道、2……反射鏡、3……光取出口、
4……高周波発生装置、5……光路、6,7……バンチ、
8……導波管、9……穴、10……ミラー、11……穴。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子を所定の曲率を有する軌道に沿っ
    て光速に近い速度で運動させることにより、前記軌道の
    接線方向へシンクロトロン放射光を発生し、該シンクロ
    トロン放射光を前記軌道の外周を取巻くように配置され
    た反射手段で反射することにより、前記反射手段内に前
    記シンクロトロン放射光を蓄積すると共に、該蓄積され
    たシンクロトロン放射光を出射光として光取出手段を介
    して取り出す光蓄積リングにおいて、前記シンクロトロ
    ン放射光の放射方向と逆向きに、前記軌道の接線方向に
    沿って電磁波を投入する投入手段を有し、該投入手段が
    前記光取出手段に設けられて、前記光取出手段より取り
    出された出射光を反射する付加反射手段であり、前記投
    入された電磁波を前記軌道上を周回中の荷電粒子と衝突
    させることにより、短波長の放出光の量を増加させたこ
    とを特徴とする光蓄積リング。
  2. 【請求項2】前記付加反射手段が、前記光取出手段より
    取り出された出射光及び前記荷電粒子と衝突して散乱さ
    れた電磁波の内、短波長のもののみを透過する透過手段
    をもつ請求項1記載の光蓄積リング。
  3. 【請求項3】前記透過手段が所定の大きさの穴或いはメ
    ッシュ状の金属である請求項2記載の光蓄積リング。
  4. 【請求項4】前記透過手段が可視光を透過する誘電体ミ
    ラーである請求項2記載の光蓄積リング。
  5. 【請求項5】前記透過手段がハーフミラー或いはQスイ
    ッチである請求項2記載の光蓄積リング。
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