JPH077691Y2 - 里芋の催芽処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は里芋の催芽処理装置に関する。

（従来の技術） 里芋を植付けた後芽が出るまでに時間がかかるが、催芽
処理を施すことによりその期間を短くすることが出来、
植付け後生育が早く進むため早期出荷が出来増収をはか
ることができるばかりでなく、生育を早めて根部の生育
を早くして台風による影響を受け難くすることができ
る。

しかし乍ら、従来、里芋の催芽装置として特別なものは
提供されていない。

そこで、本願出願人は、里芋の催芽装置として特願昭62
-58375号を提案した。

上記提案は、送風機及び加熱装置を内装した温風発生機
と、催芽処理室を隣接して設け、上記催芽処理室にはそ
の床面上適宜間隔を有して多数の整流孔を開穿した浮床
を設け、この床面と浮床の間に温度発生機の送風機出口
側に連通連絡する温風導入空間を形成し、該温風導入空
間に加湿器を配設するというものである。

（考案が解決しようとする課題） 本願出願人のその後の研究によると、里芋の芽は風に強
く、上記先提案の催芽処理装置をそのまま使用した場
合、温風により根傷みが生じる恐れが出て来た。

本考案の目的は処理室への温風の吹き込みを必要最少限
に制御して温風による芽の傷みを防止するものである。

（課題を達成するための手段） 上記目的を達成するために本考案の里芋の催芽処理装置
は、処理室内に設けられ該室内の温度を検出する温度検
出手段と、処理室内の温度を設定する温度設定手段と、
設定温度から検出温度を減算して比較温度差を求める比
較手段と、前記比較温度差が基準値以上のときには温風
発生装置のバーナー及び送風機をONにし、比較温度差が
０のときにはバーナーをOFFにすると共にタイマーをス
タートさせ、該タイマーのタイムアップにより送風機を
OFFさせるように制御する制御手段とを備え、上記タイ
マーのタイムアップ時間を火炉の安全維持上及び熱エネ
ルギー回収上必要な最小時間に設定するものである。

（作用） 而して本考案の上記構成によれば、処理室への送風は、
バーナーON時とバーナーOFF後火炉の安全維持上及び熱
回収上必要な最小限の時間のみ行なわれ、それ以外のと
きには処理室への風の吹き込みはない。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。

第２図において、（Ａ）は処理室、（Ｂ）は温風発生機
で、上記処理室（Ａ）と温風発生機（Ｂ）は隣接して一
体的に設けられており、これらを区画する隔壁（12）の
下部に開設した温風吹き出し口（６）及び隔壁（12）上
部に開設した循環口（14）を介して相互に連通連絡して
いる。

温風発生機（Ｂ）は送風機（４），加熱装置（15）を構
成するバーナー（３），火炉（16），熱交換器（17）等
温風発生用機器を内装し、上部には吸気ダンパー（18）
を備えた吸気口（19）を設ける。

処理室（Ａ）は、全面に亘って多数の透孔（１）を開穿
してスノコ状に形成した浮床（２）を温風吹き出し口
（６）の上縁と同じ高さレベルか苦しくはそれより若干
上方に位置せしめて設け、室床面（13）と浮床（２）と
の間に温風導入用の空間（５）を形成する。

また、処理室（Ａ）は側壁の１つ（20）の上部に排気口
（21）を開設する。

而して、温風発生機（Ｂ）で発生された温風は、温風吹
き出し口（６）より処理室（Ａ）床面（13）と浮床
（２）の間の空間（６）に吹き込まれ、浮床（２）の透
孔（１）を介して整流され、処理室（Ａ）内全体に均一
に広がって上昇流動し、一部は排気口（21）より外部へ
排出するが、残りは循環口（14）から温風発生機（Ｂ）
へ戻り、吸気口（19）から新たに吸気された新鮮な空気
と共に再度加熱され、再び上記の如く処理室（Ａ）に送
り込まれる。

即ち、処理室（Ａ）は内部を温風が循環流動するように
なっている。そして、この処理室（Ａ）内の適所には乾
球及び湿球温度計からなる温度検出手段（７）を配設す
る。

処理室（Ａ）内の温度と、処理室（Ａ）内への温風の吹
き込みはマイクロコンピューターを備える制御装置
（Ｃ）により自動制御する。

制御装置（Ｃ）は入力部（22）,CPU,ROM,RAMからなる演
算処理部（23），出力部（24），表示部（25），温度設
定手段（８），タイマー（10）等を備え、温度設定手段
（８）で設定された設定温度と処理室（Ａ）内に配備し
た温度検出手段（７）の検出温度に基づき演算処理部
（23）で必要な演算を行い、その結果に応じて出力部
（24）より火炉（16）のバーナー（３）の燃焼バルブ
（26），送風機（４）に出力を発生して燃料バルブ（2
6）の開閉，送風機（４）の運転及び停止を行い、また
必要によっては、ダンパー（18）の駆動部（18a）に出
力を発生し、ダンパー（18）の角度を調整する。

即ち、温度設定手段（８）では里芋の芽出しに最適な温
度25℃〜30℃、例えば28℃に処理室（Ａ）内の温度が設
定され、この設定された設定温度と、温度検出手段
（７）で検出された乾球温度，湿球温度が夫々入力部
（22）を介して演算処理部（23）に入力される。

演算処理部（23）は検出された乾球温度を設定温度と比
較し、その比較温度差が所定値以上のとき、即ち設定温
度に比べて乾球温度が所定値以上低いとき、例えば25℃
のときには出力部（24）を介してバーナー（３）の燃焼
バルブ（26）に出力を発生してバーナー（３）に着火さ
せると共に送風機（４）に出力を発生して送風機（４）
を作動させる。従って、これにより処理室（Ａ）には温
風が吹き込まれ、循環流動する。

また演算処理部（23）は処理室（Ａ）の温度が上昇し乾
球温度が設定温度と同じ28℃になると燃料バルブ（26）
への出力を停止し、該バルブ（26）を閉止し、バーナー
（３）を消火すると同時にタイマー（10）を作動させ、
タイマー（10）のタイムアップにより送風機（４）への
出力を停止し、送風機（４）を止める。従って、送風機
（４）はバーナー（３）の消火よりタイマー（10）のタ
イムアップ時間分だけ遅れて停止する。

バーナー（３）と送風機（４）の作動をタイムチャート
に表わすと第３図のようになる。

上記タイマー（10）のタイムアップ時間は、火炉（16）
の安全維持上及び熱エネルギー回収上必要な最適最少の
時間、例えば５分に設定する。

尚、本装置において、種里芋（ａ）は、第２図に示すよ
うに、ノコクズ，モミガラ，オガクズ，シラス，ワラ等
の培地（28）を予め湿らせて入れた箱状容器（29）に並
べ入れた状態で処理室（Ａ）内に収容配置して催芽処理
を行うが、この際上記容器（29）は処理室（Ａ）内に多
数積み上げるが、上位の容器（29）と下位の容器（29）
との間にスペーサー（30）等を挾入して上，下位の容器
（29）相互間に通気空隙（31）を設けるようにする。

尚（32）は送風機（４）の回転数を落とすための可変連
装置、例えばインバーターであり、これを装備すること
により、葉たばこ乾燥機を本装置として利用することが
可能になる。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成し、バーナーを燃焼させない
ときには、バーナー消火後、火炉の安全維持上、熱エネ
ルギー回収上必要な最少限の時間だけ送風機を運転する
ようにしたので、里芋にできるだけ風を当てないように
するという目的に適い、里芋の芽に対する風の影響を最
小限に止めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構成を示す機能ブロック図、第２図は
本考案の一実施例を示す里芋の催芽処理装置の概略構成
図、第３図はバーナーと送風機の作動と温度変化の関係
を説明するタイムチャートである。 A:処理室、B:温風発生装置 1:透孔、2:浮床 3:バーナー、4:送風機 5:空間、6:温風吹き出し口 7:温度検出手段、8:温度設定手段 9:比較手段、10:タイマー 11:制御手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多数の透孔を一面に有する浮床を備える処
   理室と、バーナーと送風機を備え上記処理室の浮床下方
   に形成される空間に温風吹き出し口を連絡する温風発生
   装置と、処理室内に設けられ該室内の温度を検出する温
   度検出手段と、処理室内の温度を設定する温度設定手段
   と、設定温度から検出温度を減算して比較温度差を求め
   る比較手段と、前記比較温度差が基準値以上のときには
   温風発生装置のバーナー及び送風機をONにし、比較温度
   差が０のときにはバーナーをOFFにすると共にタイマー
   をスタートさせ、該タイマーのタイムアップにより送風
   機をOFFさせるように制御する制御手段とを備え、上記
   タイマーのタイムアップ時間を火炉の安全対策上及び熱
   エネルギー回収上必要な最小時間に設定することを特徴
   とする里芋の催芽処理装置。