JPH0776548B2 - 可変速油圧モータ - Google Patents

可変速油圧モータ

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JPH0776548B2
JPH0776548B2 JP4313887A JP31388792A JPH0776548B2 JP H0776548 B2 JPH0776548 B2 JP H0776548B2 JP 4313887 A JP4313887 A JP 4313887A JP 31388792 A JP31388792 A JP 31388792A JP H0776548 B2 JPH0776548 B2 JP H0776548B2
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和典 小川
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帝人製機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は可変速油圧モータ、特に
斜板傾角を変化させることによりピストンストロークを
可変として、回転軸の回転速度を変化させることのでき
る油圧モータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーショベル等のような建設用
車両にはタイヤ走行式とクローラ走行式とがあり、その
タイヤやクローラを駆動する手段として可変速油圧モー
タが設けられている。この種の可変速油圧モータとして
は、例えば特開昭56−96181号公報に記載のもの
が知られている。図3に示すように、この可変速油圧モ
ータ100は減速機150と一体となって走行駆動手段を構成
しており、そのモータケース101(ケーシング)の外周
に軸受102を介して減速機150の回転ケース151が取付け
られ、そのフランジ部151aにクローラ171(又はタイ
ヤ)を駆動するスプロケットホイール172(タイヤ式車
両にあってはタイヤリム)が装着されるようになってい
る。また、この可変速油圧モータ100では、回転軸111と
同軸連結したシリンダブロック112の複数のシリンダ113
にその所定回転区間で図外の油圧源からの作動油を供給
し、他の回転区間でこの作動油を図外のタンクに排出さ
せることにより、これらシリンダ113に嵌挿されたピス
トン114が斜板115の傾斜面116を押圧しつつシリンダブ
ロック112および回転軸111を回転させるようになってい
る。そして、減速機150の回転ケース151内に位置するモ
ータケース101の先端部内には、回転軸111と直交する面
に対し斜板115の傾斜面116がなす角、すなわち斜板傾角
を可変とする複数の速度可変用ピストン121が回転軸111
と平行に設けられており、これら速度可変用ピストン12
1により斜板傾角を変化させることでピストン114のスト
ローク、すなわち油圧モータの行程容積を増減させ、シ
リンダブロック112および回転軸111の回転速度を制御す
るようになっている。
【0003】この他の可変速油圧モータとしては、例え
ば特開昭49−112205号公報に記載のものが知ら
れている。図4に示すように、この可変速油圧モータ20
0では、シリンダブロック212の放射外方に、斜板215を
挟んで対向する速度可変用ピストン221および復帰用ば
ね222と、速度可変用ピストン221を作動させるスプール
バルブ機構223とを設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示したような従来の可変速油圧モータ100にあっては、
斜板傾角を可変とする速度可変用ピストン121が減速機1
50の回転ケース151内に入り込んだモータケース101の先
端部内でモータ回転軸111と平行に摺動する構成となっ
ていたため、モータケース101の軸長が大きくなり、こ
れをクローラの駆動やタイヤの駆動に用いる場合、モー
タケース101の基端部やこの部分に設けられたカウンタ
ーバランスバルブ130等の付属機器がタイヤ幅あるいは
クローラシュー幅から突出してしまうことによって、そ
れら突出部の損傷を招き易かった。また、油圧源から複
数の速度可変用ピストン121に作動油圧を供給するた
め、モータケース101の基端部から先端部まで複数の細
長い油路103を穿設するとともに、モータケース101の底
壁部に速度可変用ピストン121を収納するシリンダ104を
形成する必要があり、モータケース101の加工コストが
高くなっていた。
【0005】また、図4に示したような従来の可変速油
圧モータ200にあっては、斜板傾角を可変とする速度可
変用ピストン221がシリンダブロック212の放射外方でモ
ータケース201(ケーシング)の周方向所定位置に設け
られる構成となっていたため、モータケース201を大径
にしなければならなかった。このため、前者の場合のよ
うに油圧モータの外周にスプロケットホイールやタイヤ
リムを装着しようとする場合、スプロケットホイール等
の外径を大きくするかそのモータ出力を犠牲にして油圧
モータ200を小型にする必要があり、車両の走行駆動力
(推力)を高めることができなかった。
【0006】このように従来の可変速油圧モータにあっ
ては、そのケーシングが軸方向又は径方向に大きくなる
ことを免れず、これにより可変速油圧モータをクローラ
車両の走行駆動手段等のように収納スペースに制約があ
る装置に用いる場合に、モータ付属機器の損傷や車両推
力の低下を招くという問題が生じていた。そこで本発明
は、ケーシングの軸長および径を共に小さくし、かつ、
速度可変用ピストンへの油圧給排通路をケーシング周方
向の任意の位置に配置できるようにして、収納スペース
に制約のある装置に用いてもその駆動力を低下させる
とのないコンパクトな設計自由度の高い可変速油圧モー
タを提供するとともに、その組立や部品加工を容易化し
て低コストの可変速油圧モータとすることを目的とす
る。
【0007】上記目的達成のため、本発明は、ケーシン
グと、ケーシングに軸支された回転軸と、ケーシング内
で回転軸に支持され、作動油が供給、排出される複数の
シリンダを形成するシリンダブロックと、一端部がシリ
ンダブロックのシリンダに嵌挿された複数のピストン
と、ピストンの他端部により押圧される傾斜面を有し、
ケーシングに対して回転軸の軸線と直交する所定の支軸
回りに回動自在に支持された斜板と、斜板を前記支軸
線回りに回動させて前記傾斜面の傾斜角度を可変とする
速度可変用ピストンと、前記斜板をその回動方向一方側
に付勢する付勢手段と、を備えた可変速油圧モータにお
いて、前記速度可変用ピストンが、前記ケーシングとの
間にシリンダブロックを取り囲む環状の油圧室を形成し
該油圧室内の油圧を受けて前記回転軸の軸方向に移動す
る筒状部と、回転軸の軸方向一方側から前記斜板に突き
当たるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗し前記斜板
を押圧して該斜板をその回動方向他方側に付勢する突当
部と、を有することを特徴とするものであり、 前記付勢
手段が、回転軸の軸線に対し所定距離を隔てかつ直交す
る支軸線回りに回動する斜板と、回転軸の周りで該斜板
をケーシングの内壁部に向かって押圧するとともに、該
押圧力により前記斜板をその回動方向一方側に付勢する
複数のピストンと、を含んで構成され、あるいは、 前記
斜板が、前記傾斜面の傾斜角度が最大、最小となる2つ
の回動位置で前記ケーシングの内壁部に当接する2つの
背面部を有し、該斜板が、該2つの背面部のうち一方が
ケーシングの内壁部に当接する回動位置では、複数のピ
ストンとケーシングの内壁部とによって位置決めされ、
該2つの背面部のうち他方がケーシングの内壁部に当接
する回動位置では、前記速度可変用ピストンとケーシン
グの内壁部とによって位置決めされるようにするのが好
ましい。
【0008】
【作用】本発明では、速度可変用ピストンとケーシング
との間にシリンダブロックを取り囲む環状の油圧室が形
成される。したがって、速度可変用ピストンの受圧面積
を十分に確保するとともに前記ケーシングの軸長および
径を小さくすることが可能になる。
【0009】また、前記環状の油圧室に作動油を給排す
る油路をケーシングの周方向任意の位置に短く配置で
き、斜板に突き当たる速度可変用ピストンの突当部も筒
状部の周方向任意の位置に押圧に必要な簡単な形状で
けることができる。したがって、可変速油圧モータの設
計の自由度が高まるとともに、ケーシングの加工コスト
の低減と、速度可変用ピストンの組立や加工の容易化に
よるコスト低減とが可能になる。さらに、斜板の回動支
軸線を回転軸の軸線に対し離間させてピストン推力によ
り回動方向一方側へ自己復帰させたり、両回動端で斜板
をピストンや速度可変用ピストンの推力によってケーシ
ングに押し付けたりすることで、更なるコスト低減と動
作の安定性が確保される。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1及び図2は本発明に係る可変油圧モータの一実施例を
示す図である。まず、その構成を説明する。図1におい
て、11は油圧モータのケーシングであり、ケーシング11
内には軸受13、14を介して回転軸15が軸支され、この回
転軸15と同軸にシリンダブロック16が収納されている。
シリンダブロック16は、回転軸15にスプライン結合され
たボス部16aを有し、回転軸15の周りにその軸方向と平
行な複数のシリンダ17を等ピッチ配列したものであり、
シリンダブロック16のシリンダ17にはそれぞれピストン
18の一端部18aが摺動自在に嵌挿されている。また、各
ピストン18の他端部18bには球形の頭部18cが形成され
ており、その頭部18cにはシュー19の球形凹部19aが中
心点回りに回動自在に係合している。シュー19はシリン
ダブロック16とケーシング11の間に設けられるとともに
その摺動面19bを斜板20の傾斜面22に摺動自在に接触さ
せた部材であり、ピストン18はシリンダ17内の油圧を受
けるときシュー19を介して斜板20の傾斜面22を押圧す
る。
【0011】斜板20の軸受14側の一面(背面)において
回転軸15の軸線から所定距離だけ偏倚した位置には、一
対のほぼ半球形状の凹部20aが形成されており、これら
凹部20aは一対の支持用ボール21に摺動自在当接してい
る。また、一対の支持用ボール21はケーシング11の内壁
部11aに形成された一対の凹部11bに摺動自在に係合し
ている。すなわち、斜板20は一対の支持用ボール21によ
りこれらの中心を通り回転軸15の軸線と直交する支軸線
回りに、シリンダブロック16側へは非拘束の状態で回動
自在に支持されている。なお、斜板20をケーシング11側
に支持する支持部材は、上述の支持用ボール21に限ら
ず、例えば半月形断面を有しその底面をケーシング11の
内壁部11aに固着したようなものであってもよく、その
場合、斜板20には支持部材に対応する断面形状の凹部を
形成する。
【0012】また、斜板20の傾斜面22は回転軸15と直交
する面に対して所定の傾斜角度(以下、これを斜板傾角
ともいう)をなして傾斜しており、ピストン18がシュー
19を介して斜板20を押圧するとき、シリンダブロック16
は斜板20からの反力(回転方向の分力)を受けて回転す
る。具体的には、シリンダブロック16の図中上側に示す
ように収縮したシリンダ17に、通孔17aを通して図示し
ない油圧源からの作動油が供給されると、シュー19がピ
ストン18と共にシリンダブロック16から斜板20に向かっ
て突出し、シュー19の摺動面19bが斜板20の傾斜面22に
摺接しながら回転軸15の回りで図中下方側に移動し、こ
れに伴って回転軸15がシリンダブロック16と共に回転す
る。
【0013】さらに、斜板20の背面には支持用ボール21
を境として図中上方側に斜面23が形成され、図中下方側
に垂直面24が形成されている。この斜面23は、斜板20が
回動されて油圧モータが高速側に切り換えられるときケ
ーシング11の内壁部11aに当接して斜板20を高速側位置
に位置決めし、垂直面24は、斜板20が回動されて油圧モ
ータが低速側に切り換えられるとき、ケーシング11の内
壁部11aに当接して斜板20を低速側位置に位置決めす
る。これら傾斜面23および垂直面24は、ケーシング11に
対し斜板22の2つの傾転位置を規定する2つの背面部を
構成している。
【0014】なお、斜板による速度切換えは公知である
が、その原理を説明すると、斜板20が図中反時計方向に
回動され、図1中に示すように傾斜面22の垂直面に対す
る傾斜角度θが大きくなるとき、ピストン18のストロー
クが大きくなって油圧モータの行程容積が増加し、回転
軸15の回転速度が減少する。逆に、斜板20が図中時計方
向に回動され、図2に示すように傾斜面22の傾斜角度θ
が小さくなるとき、ピストン18のストロークが小さくな
って油圧モータの行程容積が減少し、回転軸15の回転速
度が増大するということになる。すなわち、斜板20の回
動によりその傾斜角度θが大小何れかに切り換えられる
ことで、回転軸15の回転速度が高速、低速の2段のうち
何れかに切り換えられる。
【0015】また、25はケーシング11に固定されてシリ
ンダブロック16の通孔17a側に摺接するプレートであ
り、このプレート25には回転軸15の軸線を中心にほぼ1
80゜の円周角を有し、図1、図2の断面を挟んで対向
する一対の開口部(図示していない)が形成されてい
る。これら一対のうち一方の開口部は前記油圧源に、他
方の開口部は図外のオイルタンクに連通しており、その
一方の開口部から通孔17aを通して所定の半回転区間の
シリンダ17に油圧源からの作動油が供給され、他の半回
転区間のシリンダ17からその通孔17aおよび他方の開口
部を通して前記オイルタンクに作動油が排出されるよう
になっている。
【0016】一方、ケーシング11内には上述した速度切
換えのために斜板傾角を変化させる速度切換え用ピスト
ン30(速度可変用ピストン)が収納されており、速度切
換え用ピストン30は、図中左端側に位置する第1筒状部
30aと、第1筒状部30aと一体形成されケーシング11の
内周面11cに摺動自在に係合する第2筒状部30bと、第
2筒状部30bの周方向一部分から斜板20に向かって突出
した突出部30c(突当部)とを有している。また、この
ピストン30に対応して、ケーシング11内には、その内周
面11cから内方に突出し速度切換え用ピストン30に摺動
自在に係合するリング部材31と、このリング部材31の図
中左方への移動を規制する止め輪34とが設けられてい
る。これらリング部材31および止め輪34はケーシング11
の加工の面から別部品となっているが、ケーシング11の
一部を構成する部材である。
【0017】第1筒状部30aおよび第2筒状部は、ケー
シング11(リング部材31およびストッパ34を含む)との
間にシリンダブロック16を取り囲む環状の油圧室32を形
成する筒状部であり、この油圧室32内の油圧を受けたと
き、突出部30cを斜板20の板厚が大きくなる側の端部
(本実施例では、斜面23側の外周部に形成された凹部20
bの底面20c)に当接させた状態で斜板20を図1中右側
すなわち回転軸15の軸方向一方側に押圧するようになっ
ている。また、油圧室32にはケーシング11に形成された
油路33を通して作動油が供給されるようになっており、
その作動油の供給経路には油圧室32を油圧源又はオイル
タンクに選択的に接続する弁、例えば切換え弁が設けら
れている。そして、その切換え弁によって油圧室32が油
圧源に接続され、速度切換え用ピストン30が斜板20を
1中右側に押圧するとき、斜板20が同図中時計方向に回
動してその傾斜面22の傾斜角度θを減少させ、油圧モー
タが高速側に切り換えられる。また、その弁により油圧
室32にオイルタンクが接続され、油圧室32内の油圧が開
放されるとき、斜板20が速度切換え用ピストン30を押戻
しながら図中反時計方向に回動することで、その傾斜面
22の傾斜角度θが増加し、油圧モータが低速側に切り換
えられる。
【0018】ところで、斜板20の高速側への切換えは速
度切換え用ピストン30によりなされるが、斜板20の低速
側への切換えは、シリンダ17に油圧源からの作動油が供
給されているときには速度切換え用ピストン30の作動油
圧が開放されるのと同時にピストン18の推力と後述する
押圧機構40から押圧力とによってなされる。これは斜板
20を支持する一対の支持用ボール21(前記支軸線)が回
転軸15の軸線から図中上方に偏倚して設けられているこ
とにより、複数のピストン18からの推力を受ける斜板20
に低速側への復帰モーメントが作用するためである。
なわち、回転軸15の軸線に対し所定距離を隔てかつ直交
する前記支軸線回りに回動する斜板20と、回転軸15の周
りで斜板20をケーシング11の内壁部11aに向かって押圧
するとともに該押圧力により斜板20をその回動方向一方
側に付勢する複数のピストン18とは斜板(20)をその回
動方向一方側に付勢する付勢手段を構成している。
【0019】押圧機構40は、シリンダブロック16の放射
内方側、すなわちシリンダブロック16の空洞部16b内に
押圧機構40が設けられている。この押圧機構40は、シリ
ンダブロック16に固着され16bに突出するリング状の
ストッパ41と、16bに嵌挿されたプッシュプレート42
と、ストッパ41およびプッシュプレート42の間に介装さ
れプッシュプレート42を斜板20が余に付勢するコイルス
プリング43と、シリンダブロック16のボス部16aを貫通
して一端がプッシュプレート42に当接するピン44と、ピ
ン44の他端が当接する椀状のカップリングカップリング
45と、内周部でカップリング45に係合し外周部でシュー
19に係合するリングプレート46とから構成されている。
そして、コイルスプリング43の付勢力により常時プッシ
ュプレート42、ピン44、カップリング45およびリングプ
レート46を介してシュー19を斜板20に押圧する。
【0020】なお、図1、図2において、35、36および
37は、ケーシング11とリング部材31の間、ケーシング11
と速度切換え用ピストン30の間およびリング部材31と速
度切換え用ピストン30の間に介装されたシール部材であ
り、何れも油圧室32を封止して作動油の漏出を防止して
いる。また、軸受14からケーシング11の外方に突出した
回転軸15の突出軸部15aは図示しないパワーショベルの
駆動装置に連結されており、油圧モータの出力軸となっ
ている。回転軸15の突出軸部15aとケーシング11の間に
はシール部材47が介装されており、このシール部材47は
ケーシング11内を封止し、ケーシング11内の潤滑油の漏
出あるいは外部からの異物の侵入を防止している。
【0021】次に、作用を説明する。シリンダブロック
16の所定回転区間においてシリンダ17の通孔17aが油圧
源に連通するプレート25の一方の開口部に連通すると、
油圧源からの作動油がそのシリンダ17に供給され、この
ときピストン18がシュー19を介して斜板20を押圧しつつ
伸長し、傾斜面22上を摺動する。一方、この間、他の回
転区間においてシリンダ17の通孔17aがオイルタンクに
連通したプレート25の他方の開口部に連通すると、シリ
ンダ17からオイルタンクに作動油が排出される。そし
て、このような作用が順次繰り返されることによって、
回転軸15がシリンダブロック16と共に回転し、突出軸部
15aに連結された前記駆動機構を介してパワーショベル
が走行駆動される。
【0022】パワーショベルを高速で走行させる場合に
は、前記切換え弁により油圧室32に油圧源が接続され、
速度切換え用ピストン30が作動油圧により傾斜面22を押
圧して斜板20を傾斜角度θの減少方向に回動させ、図2
に示すように、斜面23がケーシング11の内壁部11aに当
接して斜板20が位置決めされる。すなわち、速度切換え
用ピストン30の押圧により、斜板20がその傾斜面22の傾
斜角度θを減少する方向に押圧され、この斜板20が前記
傾斜角度θの最小となる回動位置まで回動すると、速度
切換え用ピストン30とケーシング11の内壁部との間に斜
板20が挟み込まれ、その位置で斜板20が固定される。
【0023】一方、パワーショベルを低速で走行させる
場合には、前記切換え弁により油圧室32がオイルタンク
に接続され、その作動油圧が開放される。このとき、押
圧機構40とピストン18が協働して斜板20を自動的に図2
中反時計方向に回動させ、斜板20の垂直面24がケーシン
グ11の内壁部11aに当接して斜板20が低速側位置に位置
決めされる。したがって、速度切換え用ピストン30の押
圧解除時に、斜板20が傾斜面22の傾斜角度θの最大とな
る低速運転状態に復帰するから、油圧モータの起動時に
斜板傾角θを常に最大にしておくことになり、モータ自
己圧を斜板傾角の切換え制御に使用する場合に円滑な起
動が可能になる。
【0024】このように本実施例においては、速度切換
え用ピストン30とケーシング11との間にシリンダブロッ
ク16を取り囲む環状の油圧室32が形成され、この油圧室
32内の油圧を受けた速度切換え用ピストン30により斜板
20が押されて斜板傾角θが制御される。したがって、油
圧室32をケーシング11の底壁部や周壁部に穿設する必要
がないとともに、作動油を給排する油路33を短くでき、
ケーシング11の加工コストが低減可能になる。
【0025】また、速度切換え用ピストン30は環状の油
圧室32の周方向全域で油圧を受けることから、周方向所
定位置でのみ油圧面を形成するピストンに比べ、モータ
のケーシング径を大きくすることなく速度可変用ピスト
ンの受圧面積を十分に確保することができ、ピストン30
がシリンダブロック16の放射外方に配置されるから、ケ
ーシング11の軸長も短くて済む。したがって、可変速油
圧モータがコンパクトになり、可変速油圧モータおよび
減速機を収納した駆動ユニットを車輪(クローラ駆動ス
プロケットやタイヤ)の回転中央部にコンパクトに設置
でき、その走行駆動力を低下させることもない。
【0026】さらに、環状の油圧室32に作動油を給排す
る油路33をケーシングの周方向任意の位置に設けること
ができるから、油路33等を最適位置に設けることがで
き、可変速油圧モータの設計の自由度が高まることにな
る。また、斜板20の回動支軸線を回転軸15の軸線に対し
離間させてピストン18の推力により回動方向一方側へ自
己復帰させて複数のピストン18の推力により斜板20をケ
ーシング11の内壁面11aに押圧位置決めし、あるいは、
速度可変用ピストン30の推力によって斜板20を押圧位置
決めするので、ボール21等を使用する片側へは非拘束の
簡素な斜板支持構造を採用し、更なるコスト低減を図る
ことができ、しかも、高・低速の何れでも斜板20を位置
決めすることになるのでモータ回転動作の安定性が確保
される。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、速度可変用ピストンと
ケーシングとの間にシリンダブロックを取り囲む環状の
油圧室を形成し、該油圧室の油圧により速度可変用ピス
トンを駆動して斜板傾角を変化させるようにしているの
で、ケーシングの軸長および径を共に小さくすることが
でき、しかも油圧室形成のためのケーシングの加工を不
要にしつつ、速度可変用ピストンへの油圧給排通路をケ
ーシング周方向の任意の位置に配置することができる。
この結果、低コストでコンパクトな設計自由度の高い可
変速油圧モータを提供することことができ、また、本発
明に係る油圧モータをクローラ車両の走行装置等のよう
に収納スペースに制約がある装置に用いる場合に、その
駆動力を低下させることなく当該装置にコンパクトに設
置することができる。さらに、回転軸の軸方向一方側か
ら前記斜板を押圧してその回動方向他方側に付勢する突
当部を設けているので、速度可変用ピストンのケーシン
グへの組み込み作業が容易化できるとともに、その加工
も容易なものとなる。また、前記付勢手段を、回転軸の
軸線に対し所定距離を隔てかつ直交する支軸線回りに回
動する斜板と、その斜板を推力により回動方向一方側に
付勢する複数のピストンとを含んで構成するようにすれ
ば、専用の付勢手段を別設する必要がなく、コストを低
減させることができる。さらに、前記斜板に、2つの背
面部のうち何れかをケーシングの内壁部に当接させて複
数のピストン又は速度可変用ピストンとケーシングとに
よって斜板を位置決めするようにすれば、更なるコスト
低減に加えてモータ回転動作の安定化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可変速油圧モータの一実施例を示
す図で、その油圧モータが低速側に切り換えられたとき
の要部正面図である。
【図2】その油圧モータが高速側に切り換えられたとき
のその要部正面図である。
【図3】従来の可変速油圧モータの一例を示すその断面
図である。
【図4】従来の可変速油圧モータの他の例を示すその断
面図である。
【符号の説明】
11 ケーシング11a 内壁面 15 回転軸 16 シリンダブロック 17 シリンダ 18 ピストン(複数のピストン) 18a 一端部 18b 他端部 20 斜板 22 傾斜面23 斜面(背面部) 24 垂直面(背面部) 30 速度切換え用ピストン 30a 第1筒状部(筒状部) 30b 第2筒状部(筒状部) 30c 突出部(突当部) 32 環状の油圧室 33 油路 θ 傾斜面の傾斜角度(斜板傾角)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング(11)と、 ケーシング(11)に軸支された回転軸(15)と、 ケーシング(11)内で回転軸(15)に支持され、作動油が供
    給、排出される複数のシリンダ(17)を形成するシリンダ
    ブロック(16)と、 一端部がシリンダブロック(16)のシリンダ(17)に嵌挿さ
    れた複数のピストン(18)と、 ピストン(18)の他端部により押圧される傾斜面(22)を有
    し、ケーシング(11)に対して回転軸(15)の軸線と直交す
    所定の支軸線回りに回動自在に支持された斜板(20)
    と、 斜板(20)を前記支軸線回りに回動させて前記傾斜面(22)
    の傾斜角度(θ)を可変とする速度可変用ピストン(30)
    と、前記斜板(20)をその回動方向一方側に付勢する付勢手段
    と、を備えた 可変速油圧モータにおいて、 前記速度可変用ピストン(30)が、前記ケーシング(11)と
    の間にシリンダブロック(16)を取り囲む環状の油圧室(3
    2)を形成し該油圧室(32)内の油圧を受けて前記回転軸(1
    5)の軸方向に移動する筒状部(30a、30b)と、回転軸(1
    5)の軸方向一方側から前記斜板(20)に突き当たるととも
    に、前記付勢手段の付勢力に抗し前記斜板(20)を押圧し
    て該斜板(20)をその回動方向他方側に付勢する突当部(3
    0c)と、を有することを特徴とする可変速油圧モータ。
  2. 【請求項2】 前記付勢手段が、回転軸(15)の軸線に対し
    所定距離を隔てかつ直交する支軸線回りに回動する斜板
    (20)と、回転軸(15)の周りで該斜板(20)をケーシング(1
    1)の内壁部(11a)に向かって押圧するとともに、該押圧
    力により前記斜板(20)をその回動方向一方側に付勢する
    複数のピストン(18)と、を含んで構成されたことを特徴
    とする請求項1記載の可変速油圧モータ。
  3. 【請求項3】 前記斜板(20)が、前記傾斜面(22)の傾斜角
    度(θ)が最大、最小となる2つの回 動位置で前記ケーシ
    ング(11)の内壁部(11a)に当接する2つの背面部(23、2
    4)を有し、 該斜板(20)が、該2つの背面部(23,24)のうち一方がケ
    ーシング(11)の内壁部(11a)に当接する回動位置では、
    複数のピストン(18)とケーシング(11)の内壁部(11a)と
    によって位置決めされ、該2つの背面部(23,24)のうち
    他方がケーシング(11)の内壁部(11a)に当接する回動位
    置では、前記速度可変用ピストン(30)とケーシング(11)
    の内壁部(11a)とによって位置決めされるようにしたこ
    とを特徴とする請求項2記載の可変速油圧モータ。
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