JPH0776081A - 記録ヘッド用基体、記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

記録ヘッド用基体、記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

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JPH0776081A
JPH0776081A JP22359493A JP22359493A JPH0776081A JP H0776081 A JPH0776081 A JP H0776081A JP 22359493 A JP22359493 A JP 22359493A JP 22359493 A JP22359493 A JP 22359493A JP H0776081 A JPH0776081 A JP H0776081A
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recording
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input
ink
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JP22359493A
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Yoshiyuki Imanaka
良行 今仲
Masaaki Izumida
昌明 泉田
Tatsuo Furukawa
達生 古川
Hiroyuki Maru
博之 丸
Shuichi Katao
周一 片尾
Fumio Murooka
文夫 室岡
Yuji Kamiyama
雄次 上山
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録ヘッド用基体の集積回路の入出力部の静
電放電による破壊を防止した記録ヘッドおよび記録装置
を提供する。 【構成】 基板と複数の発熱体と該発熱体を駆動するた
めのドライバと前記発熱体の駆動を制御するためのロジ
ック回路と前記発熱体をドライブするパワートランジス
タとを有する記録ヘッド用基体において、記録装置本体
と記録信号の受け渡しを行う入出力パッド111(12
3)、P型拡散領域104を用いた抵抗122および寄
生ダイオード124を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを噴射すること
により記録を行う記録ヘッド用基体、記録ヘドおよびイ
ンクジェット記録装置に関する。なお、本発明において
用いる記録とは布や糸等へのプリントをも含む。
【0002】
【背景技術】インクジェット記録法(液体噴射記録法)
は、記録時における騒音の発生が無視し得る程度に極め
て小さいという点、および高速記録が可能であり、しか
も所謂普通紙に定着という特別な処理を必要とせずに記
録を行える点において最近関心を集めている。
【0003】その中で、例えば特開昭54−51837
号公報、ドイツ公開(DOLS)第2843064号公
報に記載されている液体噴射記録法は、熱エネルギーを
液体に作用させて、液滴吐出のための原動力を得るとい
う点において、他の液体噴射記録法とは異なる特徴を有
している。
【0004】すなわち、上記の公報に開示されている記
録法は、熱エネルギーの作用を受けた液体が急峻な体積
の増大を伴う状態変化を起こし、該状態変化に基づく作
用力によって、記録ヘッド部先端のオリフィスより液体
が吐出されて、飛翔的液滴が形成され、該液滴が被記録
部材に付着し記録が行われるという特徴がある。
【0005】殊に、DOLS2843064号公報に開
示されている液体噴射記録法は、所謂ドロップオンデマ
ンド(drop−on demand)記録法に極めて
有効に適用されるばかりではなく、記録ヘッド部をフル
ライン(full line)タイプで高密度マルチオ
リフィス化された記録ヘッドが容易に具現化出来るの
で、高解像度、高品質の画像を高速で得られるという特
徴を有している。
【0006】上記の記録法に適用される装置の記録ヘッ
ド部は、液体を吐出するために設けられたオリフィス
と、該オリフィスに連通し、液滴を吐出するための熱エ
ネルギーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の
一部とする液流路とを有する液吐出部と、熱エネルギー
を発生する手段としての電気熱変換体(発熱体)とを具
備している記録ヘッド基体とからなる。
【0007】近年、そうした記録ヘッド用基体は、複数
の発熱体を基板上に構成するだけでなく、それぞれの発
熱体駆動ドライバーと、直列に入出力される画像データ
をそれぞれドライバーに並列に送るための発熱体と同一
ビット数のシフトレジスタと、シフトレジスタから出力
されるデータを一時記憶するラッチ回路とを同一基板内
に構成できるようになってきた。
【0008】この回路構成例を図6に示す。601が発
熱体、602がパワートランジスタ、603がラッチ回
路、604がシフトレジスタである。他に、シフトレジ
スタを動かすためのクロック605、画像データ入力6
06、パワートランジスタのオン時間を外部からコント
ロールするためのヒートパルス幅入力607、ロジック
電源608、GND609、および発熱体駆動電源VH
610で構成されている。この回路構成において、画像
データはシフトレジスタ604を使い、シリアルに入力
される。このデータはラッチ回路603で一時記憶さ
れ、その間に、ヒートパルス607からパルスが入力さ
れると、パワートランジスタ602がオンし、発熱体が
駆動される。
【0009】本回路構成のように、発熱体と、駆動トラ
ンジスタおよびシフトレジスタと、ラッチからなる画像
処理ロジック回路とを同一基板内に設けるメリットは次
の2つである。
【0010】1. アセンブリ工数減。
【0011】従来のヘッドは、ベースプレートと呼ばれ
る基板上に、発熱体が構成されている基体と、駆動トラ
ンジスタおよびロジックICが構成されているICチッ
プとを、2チップ実装し、かつその間をワイヤーボンデ
ィングで電気的接続を取っていた。例えば、64エレメ
ントの発熱体のヘッドの場合、従来のヘッドではワイヤ
ーの総数は約150本であったが、一体化することで、
約20本に減った。
【0012】2. 安定駆動化。
【0013】現在、液体噴射記録ヘッドは2〜5μse
cのパルスでインクを沸騰させ、その発泡力でインクを
飛ばしているが、2チップ構成の場合、2チップ間の配
線による群遅延が発生し、数nsec〜数100nse
c遅れが生じ、パルス幅に入力信号に対する遅れや、ヘ
ッド間の機差を生じている。これにより、記録品位や発
熱体の耐久性に影響を与える場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来技術にあるように
記録ヘッド用基体へのドライバー回路、シフトレジス
タ,ラッチ等のロジック制御回路の集積化が進んでいる
が、記録ヘッドは、交換可能なものであることから、ユ
ーザーが直接触れることができるため、静電放電が記録
ヘッドのパッド,配線を通じて直接前記基体に印加さ
れ、静電気に弱い集積回路入出力部が破壊されるという
問題が発生した。これは、一般的に発熱体の駆動を制御
する前記ロジック部はMOSで形成されており、その入
力ゲート部は、特に静電気に弱いためである。
【0015】従来の記録ヘッド用基体の入出力部に拡散
抵抗を用いた膜構成、および等価回路を図7に示す。こ
こで図7(a)は、該基体の膜構成を示し、701はP
型シリコン基板、702はN型エピタキシャル領域、7
03はP型埋込領域、704はP型拡散領域、705お
よび706はそれぞれアルミニウム(Al)とオーミッ
クコンタクトをとるための高濃度P型領域および高濃度
N型領域、707はフィールド酸化膜、708は絶縁
膜、709はAl、710はSiO,SiN等からなる
保護膜、711は入出力パッドである。そして、保護回
路における電流制限用の抵抗としてポリシリコン721
が設けられている。図7(b)は前記膜構成の等価回路
であり、722はポリシリコン721で形成される抵
抗、723は上述した膜構成の静電保護ダイオード(D
i)、724はパッドを示す。
【0016】このような膜構成を用いた入出力部の静電
保護Di723が設けられてるにもかかわらず集積回路
入出力部が破壊されるという問題が発生するのは、保護
回路における電流制限用のポリシリコン721で形成さ
れた抵抗722が静電放電による瞬間的大電流により、
発熱、溶断されてしまうためである。
【0017】図8は、図7の膜構成および等価回路を用
いた従来の保護回路および放電電流回路を示す。同図に
示すように、パッド724に放電が生じると、抵抗72
2に瞬間的大電流が流れ、抵抗722が発熱、溶断され
てしまう。
【0018】本発明はこのような事情に鑑み、記録ヘッ
ド用基体の集積回路の入出力部の静電放電による破壊を
防止した記録ヘッド用基体、記録ヘッドおよび記録装置
を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の記録ヘッド用基体は、半導体基板上に、複数の発熱
体と、該発熱体を駆動するためのドライバと、前記発熱
体の駆動を制御するためのロジック回路と、記録装置本
体と前記ロジック回路との間で記録信号の受け渡しを行
う入出力回路とを有する記録ヘッド用基体において、前
記入出力回路の一部を構成する半導体層あるいは導電膜
層に前記記録信号をバイパスするように拡散層を用いた
抵抗を設けたことを特徴とする。
【0020】ここで、本発明の記録ヘッド用基体は、前
記拡散層を用いた抵抗がプルダウンまたはプルアップ抵
抗を構成するようにすることができる。
【0021】また、本発明の記録ヘッド用基体では、前
記抵抗である前記拡散層を入出力パッドの直下におくこ
とができる。
【0022】本発明の液体を加熱して記録を行う記録ヘ
ッドは、前記何れかの記録ヘッド用基体を用いて構成さ
れることを特徴とする。
【0023】また、本発明の液体噴射記録装置は、前記
記録ヘッドを用いた液体噴射記録装置であって、前記液
体噴射記録ヘッドがキャリッジ上で交換可能であること
を特徴とする。
【0024】
【作用】本発明では、前記記録ヘッド用基体の入出力回
路部に拡散層を用いた抵抗を設けることにより、等価的
に前記基体(通常GND)もしくはVdd電源と入出力回
路部とをダイオード(Di)で接続し、静電気の印加に
よる瞬間的大電流の流れる経路を新たに設ける。これに
より、配線部やポリシリコン等により形成されている抵
抗を流れる電流密度を下げ、溶断による断線等の破壊を
防ぐ。
【0025】
【実施例】本発明を用いた実施例を以下に示す。
【0026】図1に示すのは、本発明の特徴を表す記録
ヘッド用基体の入出力部に拡散抵抗を用いた膜構成、お
よび等価回路である。ここで図1(a)は、該基体の膜
構成を示し、101はP型シリコン基板、102はN型
エピタキシャル領域、103はP型埋込領域、104は
本実施例で抵抗として使用しているP型拡散領域、10
5a〜105cおよび106はそれぞれアルミニウム
(Al)とオーミックコンタクトをとるための高濃度P
型領域および高濃度N型領域、107はフィールド酸化
膜、108は絶縁膜、109はAl、110はSiO,
SiN等からなる保護膜、111は入出力パッドであ
る。ここで、抵抗として使用されるP型拡散領域104
は、高濃度N型領域106とともにダイオードの端子と
なり、パッド111と直接接続されている高濃度P型領
域105aと、この高濃度P型領域105aと離れて設
けられた高濃度P型領域105bとを接続するように設
けられており、高濃度P型領域105bは、アルミニウ
ム109を介してP型埋込領域103に設けられた高濃
度P型領域105cと接続されている。これにより、P
型拡散領域104は、N型エピタキシャル領域102と
ともにダイオードを構成し、かつ高濃度P型領域105
aと高濃度P型領域105bとの間の抵抗として作用す
る。
【0027】図1(b)は前記膜構成の等価回路であ
り、121はGND、122は拡散層を用いた抵抗、1
23はパッド、124は寄生ダイオード(Di)を示
す。同図に示すように、本実施例では、パッド123
は、従来の保護回路の他、抵抗122を介してGND1
21と、また、寄生ダイオード124を介してVddとそ
れぞれ接続されている。
【0028】本発明の特徴を表す上記膜構成を用いてプ
ルダウン抵抗とした入力保護等価回路例および静電放電
された場合の電流の流れる経路を図2に示す。同図に示
すように、P型拡散領域からなる抵抗122は、ポリシ
リコン抵抗722を含む従来の保護回路を介してロジッ
ク部につながる経路から分岐して設けられ、その他端は
GNDに接続されている。また、抵抗122をP層とす
る寄生Di124のN層側はVddに接続されている。こ
れにより、ポリシリコン抵抗722を通る経路以外に、
拡散ベース抵抗122および拡散ベース抵抗122によ
る寄生Di124を通る経路ができる。したがって、パ
ッド123に放電が生じると、従来の保護等価回路(図
8)では静電放電による瞬間的大電流はすべてポリシリ
コン抵抗722を流れていたが、この場合には、電流は
各経路に分散して流れ、ポリシリコン抵抗722の電流
密度を大幅に下げることができる。なお、このような作
用は拡散ベース抵抗をプルアップ抵抗として用いた場合
にもについてもあてはまることはいうまでもない。
【0029】従来の図8の保護回路においては、静電印
加電圧10kV(放電抵抗400Ω、放電コンデンサ2
00pF)においてポリシリコン抵抗722が溶断し、
記録ヘッド用基体が動作不能となっていたが、本対策を
導入することにより25kV(前記条件)の印加に対し
てもポリシリコン抵抗722が溶断することはなく、前
記基体を正常に動作させることができた。
【0030】本発明の特徴である前記抵抗の拡散層を用
いた他の実施例を図3に示す。図3において、(a)は
膜構成を、(b)は(a)の等価回路を示し、図1と同
一の層には同一符号を付して重複する説明は省略する。
ここでは、図3(a)に示すように、記録ヘッド用基体
のパッド111の直下に高濃度P型領域105を介して
P型拡散領域104を設けてダイオードを構成してい
る。すなわち、図3(b)に示すように、パッド123
は、従来の保護回路の他、寄生ダイオード124を介し
てVddと接続される。これにより、静電放電によってポ
リシリコン抵抗,静電保護Diおよび各配線を流れる電
流を、寄生ダイオード124を介してさらに効果的に分
配することができ、静電放電時のポリシリコン抵抗の電
流密度を下げることができるので、より一層静電気放電
に対して強くなる。特に従来の保護抵抗,Diの面積に
対して、パッドの面積は2〜3倍を占めることから、電
流密度を下げる効果は大きい。
【0031】以上説明した2つの実施例についてはP型
拡散層を用いて説明してきたが、N型拡散層を用いても
同様の効果があることは明確である。
【0032】こうして構成された膜構成の保護回路を含
む図1または図3の記録ヘッド用基体を用いたインクジ
ェット記録ヘッドの一例を図4に示す。図4に示すよう
に、記録ヘッド用基体401には、複数の吐出口402
に連通する液路403を形成するための流路壁部材40
4と、インク供給口405を有する天板406とが取り
付けられており、各液路403とインク供給口405と
は、共通液室407を介して連通されている。また、各
液路403内には、基体401に設けられた吐出口40
2近傍の発熱部408とこの発熱部408への配線40
9とが配置されている。このように構成されたインクジ
ェット記録方式の記録ヘッド410では、インク供給口
405から注入されるインクが内部の共通液室407へ
蓄えられて各液路403へ供給され、その状態で基体4
01の発熱部408を駆動することで吐出口402から
インクの吐出がなされる。
【0033】以上述べた構成の記録ヘッド410を記録
装置本体に装着して装置本体から記録ヘッド410に信
号を付与することにより、高速記録、高画質記録を行う
ことができるインクジェット記録装置を得ることができ
る。
【0034】次に、本発明の記録ヘッドを用いたインク
ジェット記録装置について図5を参照して説明する。図
5は本発明が適用されるインクジェット記録装置500
の一例を示す概観斜視図である。
【0035】記録ヘッド410は、駆動モータ501の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギア502,503を介
して回転するリードスクリュー504の螺旋溝521に
対して係合するキャリッジ520上に搭載されており、
前記駆動モータ501の動力によってキャリッジ520
とともにガイド519に沿って矢印a,b方向に往復移
動される。図示しない記録媒体給送装置によってプラテ
ン506上に搬送される記録用紙P用の紙押え板505
は、キャリッジ移動方向にわたって記録用紙Pをプラテ
ン506に対して押圧する。
【0036】507,508はフォトカプラであり、キ
ャリッジ520のレバー509のこの域での存在を確認
して駆動モータ501の回転方向切換等を行うためのホ
ームポジション検知手段である。510は前述の記録ヘ
ッド510の全面をキャップするキャップ部材511を
支持する支持部材で、512は前記キャップ部材511
内を吸引する吸引手段で、キャップ内開口513を介し
て記録ヘッド410の吸引回復を行う。514はクリー
ニングブレードで、515はこのブレードを前後方向に
移動可能にする移動部材であり、本体支持板516にこ
れらは支持されている。クリーニングブレード514
は、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例
に適用できることはいうまでもない。また、517は、
吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジ
520と係合するカム518の移動に伴って移動し、駆
動モータ501からの駆動力がクラッチ切換等の公知の
伝達手段で移動制御される。前記記録ヘッド410に設
けられた発熱部506に信号を付与したり、前述した各
機構の駆動制御を司ったりする記録制御部は、装置本体
側に設けられている。なお、記録制御部の図示は省略す
る。
【0037】上述のような構成のインクジェット記録装
置500は、前記記録媒体給送装置によってプラテン5
06上に搬送される記録用紙Pに対し、記録ヘッド41
0が前記記録用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら
記録を行うものであり、記録ヘッド410は、前述した
ような方法で製造したものを用いているため、高精度で
高速な記録が可能である。
【0038】以上の説明においては、基体をインクジェ
ット方式の記録ヘッドに採用した例について説明した
が、本発明により基体は、たとえば、サーマルヘッド用
基体にも応用できるものである。
【0039】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0040】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0041】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0042】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0043】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0044】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0045】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0046】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0047】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、記録ヘ
ッド基体の入出力パッド部保護回路に拡散層を用いた抵
抗を設けることにより、容易に静電気放電に対して強い
構成とし、記録ヘッド基体、記録ヘッド、記録装置の信
頼性を向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の記録ヘッド基体の保護回路
部膜構成(a)、およびその等価回路(b)を示す図で
ある。
【図2】図1の構成を用いた保護回路の等価回路および
電流経路を示す図である。
【図3】他の実施例の記録ヘッド基体の保護回路部膜構
成(a)および等価回路(b)を示す図である。
【図4】本発明の記録ヘッド基体を用いた記録ヘッドを
示す斜視図である。
【図5】図4の印字記録ヘッドを用いた記録装置を示す
斜視図である。
【図6】記録ヘッド基体内の回路例を示す図である。
【図7】従来技術に係る印字記録ヘッド基体の保護回路
部膜構成(a)、およびその等価回路(b)を示す図で
ある。
【図8】図7の構成を用いた保護回路の等価回路および
電流経路を示す図である。
【符号の説明】
101 P型シリコン基板 102 N型エピタキシャル領域 103 P型埋込領域 105,105a,105b,105c 高濃度P型領
域 106 高濃度N型領域 107 フィールド酸化膜 108 絶縁膜 109 アルミニウム(Al) 110 保護膜 111 入出力パッド 121 GND 122 拡散層を用いた抵抗 123 パッド 124 寄生ダイオード 401 基体 402 吐出口 403 液路 404 液路壁部材 405 インク供給口 406 天板 407 共通液室 408 発熱部 409 配線 410 記録ヘッド 500 インクジェット記録装置 501 駆動モータ 502,503 駆動力伝達ギヤ 504 リードスクリュー 505 紙押え板 506 プラテン 507,508 フォトカプラ 509 レバー 510 支持部材 511 キャップ部材 512 吸引手段 513 キャップ内開口 514 クリーニングブレード 515 移動部材 516 本体支持板 517 レバー 518 カム 519 ガイド 520 キャリッジ 521 螺旋溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/16 B41J 3/04 103 B 103 H (72)発明者 丸 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 片尾 周一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 室岡 文夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 上山 雄次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、複数の発熱体と、該発
    熱体を駆動するためのドライバと、前記発熱体の駆動を
    制御するためのロジック回路と、記録装置本体と前記ロ
    ジック回路との間で記録信号の受け渡しを行う入出力回
    路とを有する記録ヘッド用基体において、 前記入出力回路の一部を構成する半導体層にあるいは導
    電膜層に前記記録信号をバイパスするように拡散層を用
    いた抵抗を設けたことを特徴とする記録ヘッド用基体。
  2. 【請求項2】 請求項1における前記拡散層を用いた抵
    抗がプルダウンまたはプルアップ抵抗を構成することを
    特徴とする記録ヘッド用基体。
  3. 【請求項3】 請求項1における前記抵抗である前記拡
    散層を入出力パッドの直下におくことを特徴とする記録
    ヘッド用基体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載された記録
    ヘッド用基体を用いて構成された、液体を加熱して記録
    を行う記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項4の液体噴射記録ヘッドを用いた
    インクジェット記録装置であって、前記液体噴射記録ヘ
    ッドがキャリッジ上で交換可能であることを特徴とする
    インクジェット記録装置。
JP22359493A 1993-09-08 1993-09-08 記録ヘッド用基体、記録ヘッドおよびインクジェット記録装置 Pending JPH0776081A (ja)

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