JPH077371Y2 - 浮桟橋構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、主としてヨット、ボート等の小型船舶を係留
するのに用いられる浮桟橋構造に関する。

［従来の技術］ 近年、海洋レジャーの発展に伴ってヨットハーバー等に
おけるヨットやボートの数が増加し、船舶係留箇所の不
足が深刻化している。このため、最近では地盤の軟弱さ
や潮の干満差に影響されず、設置の容易な浮桟橋が広く
普及してきている。

浮桟橋は、一般にメインとなる所定長さの浮桟橋を岸か
ら沖方向へ延ばし、メイン浮桟橋の片側または両側に船
舶係留用の多数の浮桟橋をピンジョイントで連結して構
成される。各浮桟橋は、鋼製のフレーム、フレーム上方
の木製のデッキ、フレーム下方の多数のフロートから成
り、デッキ上には複数のクロスビットが立設されてい
る。また、各浮桟橋の先端は、海中に打ち込まれた支柱
によって上下動可能に支持され、メイン浮桟橋の岸側に
は出入り用のタラップが設置されている。

従って、船舶は、枝分かれした浮桟橋に横付けされ、舫
いの一方を支柱に、他方をクロスビットにつなぐことに
よって所定位置に係留される。

一方、係留されている船舶は、電気機器への給電や船内
への給水を必要とするので、従来では陸側から各浮桟橋
の下面を通して船舶の係留箇所までケーブルと水道管を
引いている。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、従来の浮桟橋構造にあっては、ケーブルや水道
管が海水や飛沫の影響で腐食するのを防止するため、耐
食性の材料でこれらを被覆しなければならず、配線及び
配管工事にかなりの手間を要している。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、ケーブルや水道管の特別な防食作業を省略で
き、配線及び配管工事が容易な浮桟橋構造を提供するこ
とにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案の浮桟橋構造では、フ
レーム上方にデッキ、下方にフロートを有する複数の浮
桟橋ユニットを互いにパイプジョイントで連結し、各パ
イプジョイントとフレームの内部に給電用のケーブルと
給水用の水道管を通している。

［作用］ これらの構成により、陸からのケーブルと水道管は、浮
桟橋ユニットのフレーム内部とパイプジョイントの内部
を交互に通り、海水や飛沫に晒されることなく船舶の係
留箇所まで達し、パイプジョイントが浮桟橋ユニットの
連結とケーブル、水道管の被覆作用を兼備する。

［実施例］ 第１図及び第２図は、本考案が適用された浮桟橋構造の
平面図及び側面図で、この浮桟橋構造は、複数の浮桟橋
ユニット１、パイプジョイント２及び多孔性のプレート
３から構成されている。

浮桟橋ユニット１は、鋼製のフレーム４、フレーム上に
載置された木製のデッキ５及びフレーム下方のフロート
６から成り、長手方向の寸法は例えば１〜2mと短かく形
成されている。

パイプジョイント２は、浮桟橋ユニット１を連結する部
材で、第３図に拡大して示すように所定長さのパイプ７
とこれを受容する受け８から成っている。パイプ７の基
端側は、一方の浮桟橋ユニット１のフレーム４に固着さ
れ、受け８は他方の浮桟橋ユニット１のフレーム４に固
着されている。また、受け８に嵌合したパイプ７の先端
は、ピン９で一体に固定され、図示してないが嵌合部に
はシールが介装されて水分が中に侵入しないようになっ
ている。

対向するフレーム4,4には、パイプジョイント２と同軸
位置に孔10,10が設けられ、該ジョイント２と各孔10,10
内をケーブル11及び水道管12が貫通している。ケーブル
11と水道管12は、停船時の各船舶に各々給電及び給水を
行なうもので、これらは陸側から浮桟橋の各停船箇所ま
で分岐して引かれている。このため従来のように浮桟橋
の下面に特別な配線工事や配管工事をする必要がなくな
る。また、パイプジョイント２の接続作業やケーブル11
及び水道管12を通す作業は、第２図から分かるように海
面上であるからデッキ５上で容易に行なえる。

尚、パイプジョイント２が細くて浮桟橋ユニット１の連
結力が不足する場合には、第３図に想像線で示すように
ワイヤジョイント13を用いてＸ状に補強すればよい。ワ
イヤジョイント13は、従来から建築工事に使用されてお
り、中央のナット14を回転させることによりワイヤの張
力を調節できるものである。

浮桟橋1,1のデッキ5,5間には、デッキ５とほぼ同一面に
なるようにプレート３が載置されている。このプレート
３は、第４図に示すように多数の孔15が形成され、材質
は耐食性のFRPで通常グレーティングと呼ばれている。

従って、上述のような小型の浮桟橋ユニット１を予め工
場で量産して現場にて組み立てれば、その間の運搬や現
場での設置が容易になると共に、海上スペースや湾岸の
形状に応じて浮桟橋の長さを自由に変えることができ
る。また、パイプジョイント２を浮桟橋ユニット１の両
側にも取り付ければ、直角方向にも別の浮桟橋ユニット
１を連結することが可能となる。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案の浮桟橋構造では、浮桟橋
ユニットの連結にパイプジョイントを用いて内部にケー
ブルと水道管を通しているので、これらの特別な防食手
段が不要になると共に全体の配線及び配管工事も容易に
なる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用された浮桟橋構造の平面図、第２
図はその側面図、第３図はパイプジョイント部分の拡大
断面図、第４図はプレートの斜視図である。 １…浮桟橋ユニット、２…パイプジョイント、３…プレ
ート、４…フレーム、５…デッキ、６…フロート、７…
パイプ、８…受け、９…ピン、10…フレームの孔、11…
ケーブル、12…水道管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレーム上方にデッキ、下方にフロートを
   有する複数の浮桟橋ユニットを互いにパイプジョイント
   で連結し、 各パイプジョイントとフレームの内部に給電用のケーブ
   ルと給水用の水道管を通したこと、 を特徴とする浮桟橋構造。