JPH0772708B2 - 水中の溶存有機成分の連続採取分析法およびその装置 - Google Patents

水中の溶存有機成分の連続採取分析法およびその装置

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JPH0772708B2
JPH0772708B2 JP5021648A JP2164893A JPH0772708B2 JP H0772708 B2 JPH0772708 B2 JP H0772708B2 JP 5021648 A JP5021648 A JP 5021648A JP 2164893 A JP2164893 A JP 2164893A JP H0772708 B2 JPH0772708 B2 JP H0772708B2
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tube
adsorption
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宗弘 福田
建華 殷
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Mitsui Mineral Development Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海洋における石油・天
然ガス等の地下資源の探査、および地下水・河川水・湖
水・海水等の環境汚染の調査の目的で、水中に含まれる
有機成分を連続的に採取および分析する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水中の溶存有機成分の採取法には、溶媒
抽出法とパージアンドトラップ法等の従来の方法があ
る。溶媒抽出法は互いに混合しない二つの液相間の物質
の分配に基づく分離濃縮法である。つまり、目的成分を
含んでいる液体にこれと混合しない溶媒を入れて、目的
成分を溶媒に抽出する。パージアンドトラップ法は不活
性ガスで溶液をバブリングして溶液中の溶存有機成分を
分離して、トラップ管でトラップする方法である。
【0003】また、実際調査に使用される溶存有機成分
の採取分析法としては、海洋における石油・天然ガス資
源の探査のために、InterOcean Systems, Inc.(米国)
によって開発された「スニファー(Sniffer)」と呼ばれ
る連続式採水・脱ガス分析システムがある。このシステ
ムは基本的にはパージアンドトラップ法の原理を応用し
ており、海水中の溶存炭化水素を不活性ガスのバブリン
グなどにより分離するものである。
【0004】また最近、海洋における石油・天然ガスな
どの地下資源の探査も重要視されており、また環境汚染
(地下水、湖水など)が益々大きな問題となっている。
このような海洋石油調査あるいは湖水水質調査のために
は、調査船を連続的に航行させながら試料水を採取し、
これを前述のような方法で分析するのが一般的である。
これにより、広い海域をカバーし、広範囲の調査が可能
になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の溶媒抽出法は、
操作に手間がかかり、溶媒にも不純物質が混入している
などの欠点がある。一方、パージアンドトラップ法は、
有機成分の揮発性を利用して行われているため、軽質の
有機成分には極めて有効であるが、分子量の大きい有機
成分は、軽質の有機成分に比較して揮発性が小さいた
め、その採取及び分析が困難である。さらにこれら従来
の方法では、採取したサンプルから水分を除去する手段
として、遠心分離による脱水が適用されているため、連
続的な分析は不可能である。
【0006】またいずれの方法も、実験レベルでの少数
量試料の処理には特に問題がないが、実際の石油天然ガ
ス地下資源の探査、環境汚染調査などのような、膨大な
数の試料を短時間で処理しなければならない場合、操作
性の面ではかなり制限がある。「スニファー」採水・脱
ガス分析システムは短時間で多数量の試料を分析するこ
とができるが、前述のように有機成分の揮発性を利用し
ているため、分子量の大きい有機成分の分離採取は困難
である。
【0007】さらに湖水あるいは海水の調査に前述のよ
うな断続的な分析システムを適用した場合には、調査船
を1地点に停船させるか、あるいは連続的に採取した試
料を分析することなく保管し、後日の分析に供するほか
はない。前者の場合には、非効率的、非能率的であり、
また後者の場合には結果がリアルタイムで得られないた
めに、異常が発見されても現場で迅速に対応することが
できないという問題点がある。そこで、試料中に含まれ
る有機成分を有効に連続分析する方法の開発が要望され
ている。
【0008】本発明の目的は、水試料中に含まれる有機
成分を連続的に採取分析することによって、海洋におけ
る石油天然ガス地下資源の探査、あるいは環境(地下
水、湖水、河川水、海水など)汚染調査などを効率的に
行うことができる方法、ならびにこの方法を実施するた
めの装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水中に
溶存する有機成分を連続的に採取分析する方法であっ
て、(1) 分析すべき試料を1次吸着管に導入し、前記
試料中の目的成分をこの1次吸着管中の吸着剤によって
トラップする工程と、(2) 前記1次吸着管の残水を除
去する工程と、(3) 前記工程(2)で大部分の残水を除去
した前記1次吸着管を加熱して、その内部の吸着剤に吸
着されている有機成分を脱離させ、これを2次吸着管へ
移転させる工程と、(4) 前記2次吸着管を加熱して、
その内部の吸着剤に吸着されている有機成分を脱離さ
せ、これを3次吸着管へ移転させる工程と、(5) 前記
3次吸着管を加熱して、その内部の吸着剤に吸着されて
いる有機成分を脱離させ、これをガスクロマトグラフへ
導入し、有機成分の検出を行なう工程と、を備えたこと
を特徴とする水中の溶存有機成分の連続採取分析法が提
供される。すなわち本発明においては、上述の課題を解
決するために、1次、2次および3次吸着管が使用さ
れ、1次吸着管で吸着された成分は熱脱離により2次吸
着管に移転され、ついで2次吸着管で吸着された成分は
熱脱離より3次吸着管に移転される。この3段階の吸着
処理により、溶存有機成分が分離され、精度の高い分析
結果を得ることができる。また2次吸着管での吸着を水
の沸点以上の温度で行なっており、1次吸着管から移転
されてきた有機成分のほとんどが2次吸着管で吸着され
るが、残存水分は2次吸着管を通り抜け、ここでほぼ完
全に除去される。したがって従来の方法で必要であった
遠心分離による水分の除去が不要になるので、連続的な
採取分析が可能となり、環境汚染調査、石油天然ガス地
下資源の探査などにおいて、精度の高い分析データを得
ることが可能となる。
【0010】さらに3次吸着管での吸着を室温またはこ
れに近い比較的低い温度で行なった場合には、2次吸着
管から移転されてきた成分のほとんどが3次吸着管の先
端部で吸着される。このため、3次吸着管から熱脱離に
よりガスクロマトグラフに導入するときに、短時間で全
量を脱離でき、しかも得られたガスクロマトグラムのピ
ークもシャープになり、検出精度がさらに向上する。
【0011】また吸着剤を充填した2本の1次吸着管を
用意した場合には、これに交互に試料を通過させること
により、試料中の有機成分を吸着剤に吸着させて連続的
に分離採取することが可能になる。
【0012】また本発明の連続採取分析法は、溶媒など
を一切使わないため、溶媒抽出法のような不純物問題が
起こらない。試料中の有機成分を吸着剤に直接接触させ
て分離採取するため、成分の揮発性に関係なく、分子量
の大きい成分も効率良く分離採取できる。また試料の処
理分析は自動的に繰り返されるようになっているため、
短時間で多数量の試料を分析することができる。
【0013】さらに本発明は、上記の方法を実施するた
めの装置を提供する。この装置は、内部に吸着剤が充填
された1次吸着管と、分析すべき試料を前記1次吸着管
に導入する手段と、前記1次吸着管の残水を除去する手
段と、前記1次吸着管にトラップされた試料中の有機成
分を加熱により脱離させる手段と、前記1次吸着管から
脱離された成分が導入される2次吸着管と、前記2次吸
着管を加熱して、その内部の吸着剤に吸着されている有
機成分を脱離させる手段と、前記2次吸着管から脱離さ
れた成分が導入される3次吸着管と、前記3次吸着管を
加熱して、その内部の吸着剤に吸着されている有機成分
を脱離させる手段と、前記3次吸着管から脱離された成
分の検出を行なうガスクロマトグラフとを備える。
【0014】
【実施例】図1は本発明にしたがって試料中の有機成分
を連続的に採取分析するために使用される装置のフロー
チャートを示し、図2は図1の装置の作動シーケンスを
概略的に示す。
【0015】図において、符号T1A、T1Bは1次吸
着管、T2、T3はそれぞれ2次、3次吸着管である。
この4本の吸着管は、全てその周囲にヒーターがセット
されており、必要なときだけ加熱されるようになってい
る。
【0016】以下、1試料を分析する場合の各工程を説
明する。
【0017】 1次吸着管T1Aの清浄:吸着剤を充
填した1次吸着管T1Aを、これに試料を導入する前に
清浄する。この清浄のために、高純度N2を、パイプP
4、バルブSOV2、流速コントローラMFC−1、コ
ックC5(白位置)を経て、1次吸着管T1Aに流しな
がら、1次吸着管T1Aを加熱する。1次吸着管T1A
を出たN2は、コックC3(2位置)を経て、排出口V
ENT5から排出される。
【0018】なおこの明細書で「清浄」という用語は、
前回の熱脱離で完全には脱離せずに残存している吸着成
分が、次の吸着脱離工程に悪影響(分析誤差)を及ぼす
ことを防止するために、試料吸着前に、吸着剤に残存し
ている成分を追い出す操作を意味する。
【0019】 試料導入:ポンプで連続的に吸引され
た試料(地下水、湖水、河川水、海水など)は、パイプ
P1、固体不純物を除去するフィルターF1、流速コン
トロール電子バルブV、三方バルブSOV7、コックC
1(1位置)、三方バルブSOV9、コックC3(1位
置)を経て、1次吸着管T1Aに導かれる。試料中の目
的成分はこの1次吸着管T1A中の吸着剤によってトラ
ップされる。1次吸着管T1Aから出た水は、コックC
5(黒位置)を経て排出口VENT3から排出される。
【0020】 残水除去:1次吸着管T1Aに試料を
通した後、パイプP3からバルブSOV1、流速コント
ローラFC1、コックC1(2位置)、三方バルブSO
V9、およびコックC3(1位置)を経て、1次吸着管
T1Aへ高純度N2を流し、パイプおよびT1Aに残る
水をコックC5(黒位置)、排出口VENT3から排出
する。
【0021】 2次吸着管T2の清浄:1次吸着管T
1Aへの試料の導入およびその後の残水除去中、2次吸
着管T2の清浄を行う。高純度N2はパイプP5、バル
ブSOV5、流速コントローラMFC−3、コックC1
1(3位置)を経て、2次吸着管T2に流しながら、2
次吸着管を加熱して清浄する。T2から出てきたN2
コックC10(6位置)を経て、排出口VENT7から
排出される。
【0022】 1次吸着管T1Aから2次吸着管T2
への吸着成分の移転:高純度N2を、パイプP4、バル
ブSOV2、流速コントローラMFC−1、コックC5
(白位置)を経て、で大部分の残水を除去した1次吸
着管T1Aに流しながら、1次吸着管T1Aを加熱して
吸着された有機成分をT1Aから脱離させる。脱離した
有機成分はN2とともにコックC3(4位置)、コック
C8(1位置)、コックC9(白位置)、コックC10
(1位置)を経て、2次吸着管T2に導かれる。この時
2次吸着管T2は、水の沸点以上の温度、たとえば12
0℃にあらかじめ加熱されており、したがって残存水分
はN2とともにそのままT2を通過して、コックC11
(1位置)を経て、排出口VENT9から排出される。
有機成分のほとんどは2次吸着管T2中の吸着剤に吸着
される。
【0023】 3次吸着管T3の清浄:2次吸着管T
2の清浄および有機成分の1次吸着管T1Aから2次吸
着管T2への移転中、3次吸着管T3の清浄を行う。高
純度N2はパイプP6、バルブSOV6、流速コントロ
ーラMFC−4、コックC13(3位置)を経て、3次
吸着管T3に流しながら、3次吸着管を加熱して清浄す
る。3次吸着管T3から出たN2はコックC12(6位
置)を経て、排出口VENT8から排出される。
【0024】 2次吸着管T2から3次吸着管T3へ
の吸着成分の移転:高純度N2をパイプP5、バルブS
OV5、流速コントローラMFC−3、コックC11
(3位置)を経て、で残存水分を完全に除去した2次
吸着管T2に流しながら、2次吸着管を加熱して吸着さ
れた有機成分をT2から脱離させる。脱離した有機成分
はN2とともにコックC10(3位置)、コックC12
(3位置)を経て、3次吸着管T3に導かれる。この
時、3次吸着管T3の温度を室温に近く保持して、有機
成分のほとんどは3次吸着管T3の先端部に吸着され
る。N2はそのままT3を通過して、コックC13(1
位置)を経て、排出口VENT10から排出される。
【0025】 3次吸着管T3からの脱離およびガス
クロマトグラフへの導入:高純度N2を、パイプP6、
バルブSOV6、流速コントローラMFC−4、コック
C13(3位置)を経て、3次吸着管T3に流しなが
ら、3次吸着管T3を加熱して、吸着された有機成分を
脱離させる。脱離した有機成分は、N2とともにコック
C12(5位置)、コックC14(3位置)、コックC
15(白位置)、およびガスクロマトグラフのカラムオ
ーブンOVEN3内に置かれているプレカラムCL1を
経て、ガスクロマトグラフの分析カラムCL2に導かれ
る。DETは検出器であり、分析カラムCL2で分離さ
れた有機成分はここで検出され、ついで排出口VENT
12から系外に取り出される。
【0026】コックC3〜C6は第1のオーブンOVE
N1内に、コックC8〜C15は第2のオーブンOVE
N2内に、またプレカラムCL1および分析カラムCL
2は第3のオーブンOVEN3内にそれぞれ収容されて
いる。
【0027】以上の〜の動作は、1試料中の有機成
分を採取分析する場合の連続式吸着分析装置の作動工程
に対応している。この例では、1次吸着管T1Aにおけ
る処理時間は30分、2、3次吸着管T2、T3におけ
る処理時間およびガスクロマトグラフの分析時間はすべ
て15分である。
【0028】有機成分の分離採取を効率的かつ連続的に
行うために、1次吸着管T1Aの他に、1次吸着管T1
BおよびコックC4を含むもう1系列の試料の通水部を
設け、1次吸着管T1Aと交互に試料を処理し、交互に
有機成分を2次吸着管T2に導入するようになってい
る。したがって装置全体としては、15分おきに1試料
を分析することになる。また上述の処理時間、分析時間
は全て変えられるようになっており、また分析の目的成
分に応じて、分析条件を変えることは可能である。
【0029】海水中の有機成分を採取分析する場合、海
水中の塩分がパイプまたは1次吸着管に多少残るため、
上記の移転後パイプおよび1次吸着管を純水で洗う必
要がある。具体的に言えば、ポンプで吸引される純水は
パイプP2、三方バルブSOV8、コックC1(3位
置)、三方バルブSOV9、コックC3(1位置)を経
て、1次吸着管T1Aに導かれる。パイプおよび1次吸
着管T1Aに残る塩分が純水によって洗い出され、純水
とともにコックC5(黒位置)を経て排出口VENT3
から排出される。
【0030】以上の工程をすべてシーケンサでコントロ
ールし、スタートボタンを押せば、15分ごとに試料の
処理分析を自動的に繰り返すようにすることができる。
【0031】試料中の固体粒子を除去するフィルターも
2個(F1、F2)並列し、装置全体が止まらないよう
にフィルターを交互に使用する。
【0032】有機成分の1次吸着からガスクロマトグラ
フに到達するまでの通路は、適当な温度に加熱しておく
ことが、ガスクロマトグラフに到達するまでに成分が凝
固損失することがないために望ましい。
【0033】標準ガスは、コックC7を経てコックC8
(4位置)で系内に導入することができるようになって
おり、その後の経路は分析試料と同じである。
【0034】本発明で使用する吸着剤は、採取分析する
目的成分に対して吸着能力を有するものであれば、その
種類に制限はない。例えば、芳香族炭化水素を分析する
場合、グラファイト化カーボンブラックが、適切な吸着
剤として使用できる。
【0035】前述のような操作を行うことにより、後述
する実験例から明らかなように、試料中に含まれる微量
有機成分を効率よく、且つ、連続的に採取分析すること
が可能である。
【0036】(実施例1)図1に示した本発明の連続式
採取分析方法の工程にしたがって、各吸着管として下記
の規格のものを使用して分析を行なった。
【0037】第1次吸着管 内径:8mm 長さ:11.5cm 吸着剤:Carbotrap(米国SUPELCO社) 第2、3次吸着管(米国SUPELCO社の「Carbotrap 200」
吸着管) 内径:2mm 長さ:11.5cm 吸着剤:Carbotrap(前半部)、Carbosieve S-III(後
半部) 吸着剤を充填した1次吸着管T1Aに、高純度N2を1
00ml/分の流速でパイプP4から流しながら、1次
吸着管T1Aを400℃で11分加熱して清浄する。
【0038】ポンプで連続的に吸引される試料は、パイ
プP1から300ml/分の流速で清浄した1次吸着管
T1Aに6分通され、トータル1800mlの試料が1
次吸着管T1Aに通過することになる。試料中の分析対
象成分は、この1次吸着管中の吸着剤によって吸着され
る。
【0039】1次吸着管T1Aに試料を通した後、パイ
プP3から1次吸着管T1Aへ高純度N2を100ml
/分で2分流し、パイプおよびT1Aの中の残水を排出
する。 1次吸着管T1Aへの試料の導入およびその後
の残水除去中、2次吸着管T2に高純度N2をパイプP
5から15ml/分の流路で流しながら、2次吸着管T
2を400℃で4分加熱して清浄する。
【0040】大部分の残水を除去した1次吸着管T1A
に、高純度N2をパイプP4から100ml/分で流し
ながら、1次吸着管T1Aを350℃で5分加熱して、
吸着された有機成分をT1Aから脱離させる。脱離した
有機成分は、N2とともに、温度を120℃に保持して
いる2次吸着管T2に導かれる。残存水分はN2ととも
にそのままT2を通過するが、有機成分のほとんどは2
次吸着管T2に吸着される。
【0041】2次吸着管T2の清浄および有機成分の1
次吸着管T1Aから2次吸着管T2への移転中、高純度
2をパイプP6から3次吸着管T3に流しながら、3
次吸着管T3を400℃で5分加熱して清浄する。
【0042】残存水分を完全に除去した2次吸着管T2
に、高純度N2をパイプP5から15ml/分で流しな
がら、2次吸着管T2を400℃で3分加熱して、吸着
された有機成分をT2から脱離させる。脱離した有機成
分はN2とともに、清浄した3次吸着管T3に導かれ
る。3次吸着管T3に通過中T3の温度を室温に近く保
持し、有機成分のほとんどは3次吸着管T3の先端部に
吸着される。
【0043】3次吸着管T3の吸着終了後、高純度N2
をパイプP6から15ml/分で3次吸着管T3に流し
ながら、3次吸着管T3を400℃で2分加熱して、吸
着された有機成分をT3から脱離させる。脱離した有機
成分は、N2とともに、ガスクロマトグラフのカラムオ
ーブンに置かれているプレカラムCL1および分析カラ
ムCL2に導かれる。有機成分は分析カラムCL2で分
離され、検出器DETで検出される。
【0044】以上のプロセスを繰り返して、連続的吸着
分析を行った。
【0045】この分析に供された試料は上水道の水であ
り、図3、図4に示すように、芳香族炭化水素のm、p
−キシレンおよびo−キシレンの存在が明瞭に確認され
た。
【0046】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明方法によれ
ば、溶媒抽出法の不純物、パージアンドトラップ法の分
子量の大きい有機成分に対して採取効率が低いなどの問
題を解決でき、試料中の有機成分を自動的に連続採取分
析することにより、海洋における石油天然ガス地下資源
の探査、環境(地下水、湖水、河川水、海水など)汚染
調査などを効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による連続吸着分析装置の系
統図。
【図2】本発明の連続吸着分析装置の動作シーケンスを
示すタイミングチャート。
【図3】採取された上水道の水中のm、p−キシレンを
連続して分析した結果(イオン強度)を示すグラフ。
【図4】採取された上水道の水中のo−キシレンを連続
して分析した結果(イオン強度)を示すグラフ。
【符号の説明】
C1〜C15 コック CL1,CL2 カラム DET 検出器 F1,F2 フィルター FC1,FC2 流速コントローラ MFC1〜MFC4 流速コントローラ OVEN1〜OVEN3 オーブン P1〜P6 パイプ PCV1,PCV2 圧力コントロールバルブ P1−1,P1−2 圧力計 SOV1〜SOV10 バルブ T1A,T1B 1次吸着管 T2 2次吸着管 T3 3次吸着管 V 電子バルブ VENT1〜VENT13 排出口
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 30/12 J 30/46 A 30/88 C 33/18 B 7055−2J

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に溶存する有機成分を連続採取分析
    する方法であって、 (1) 分析すべき試料を1次吸着管に導入し、前記試料
    中の目的成分をこの1次吸着管中の吸着剤によってトラ
    ップする工程と、 (2) 前記1次吸着管の残水を除去する工程と、 (3) 前記工程(2)で大部分の残水を除去した前記1次吸
    着管を加熱して、その内部の吸着剤に吸着されている有
    機成分を脱離させ、これを2次吸着管へ移転させる工程
    と、 (4) 前記2次吸着管を加熱して、その内部の吸着剤に
    吸着されている有機成分を脱離させ、これを3次吸着管
    へ移転させる工程と、 (5) 前記3次吸着管を加熱して、その内部の吸着剤に
    吸着されている有機成分を脱離させ、これをガスクロマ
    トグラフへ導入し、有機成分の検出を行なう工程と、を
    備えたことを特徴とする水中の溶存有機成分の連続採取
    分析法。
  2. 【請求項2】 前記3次吸着管の温度を室温に近く保持
    して、有機成分のほとんどを前記3次吸着管の先端部に
    吸着させる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記1次吸着管が、これに試料を導入す
    る前に清浄される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記2次吸着管が、前記1次吸着管への
    試料の導入およびその後の残水除去中に清浄される請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記2次吸着管が、前記1次吸着管から
    の試料の導入に先立って、水の沸点以上の温度にあらか
    じめ加熱される請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記3次吸着管が、前記2次吸着管の清
    浄および有機成分の前記1次吸着管から前記2次吸着管
    T2への移転中に清浄される請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 水中に溶存する有機成分を連続的に採取
    分析するための装置であって、内部に吸着剤が充填され
    た1次吸着管と、分析すべき試料を前記1次吸着管導入
    する手段と、前記1次吸着管の残水を除去する手段と、
    前記1次吸着管にトラップされた試料中の有機成分を加
    熱により脱離させる手段と、前記1次吸着管から脱離さ
    れた成分が導入される2次吸着管と、前記2次吸着管を
    加熱して、その内部の吸着剤に吸着されている有機成分
    を脱離させる手段と、前記2次吸着管から脱離された成
    分が導入される3次吸着管と、前記3次吸着管を加熱し
    て、その内部の吸着剤に吸着されている有機成分を脱離
    させる手段と、前記3次吸着管から脱離された成分の検
    出を行なうガスクロマトグラフとを備えたことを特徴と
    する水中の溶存有機成分の連続採取分析装置。
  8. 【請求項8】 前記1次吸着管として2つの吸着管が設
    けられ、各吸着管を交互に使用するための切替え手段が
    設けられている請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記1次吸着から前記ガスクロマトグラ
    フに到る通路を加熱する手段が設けられている請求項8
    記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記1次、2次および3次吸着管に充
    填される吸着剤が、グラファイト化カーボンブラックで
    ある請求項7から9のいずれか1項に記載の装置。
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