JP3690489B2 - ダイオキシン簡易分析法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイオキシン簡易分析法および装置に関し、さらに詳しくはごみ焼却処理施設や工場などの周辺の大気、排ガス、土壌または燃焼灰(フライアッシュ)中のダイオキシン類およびフラン類の濃度を、ガスクロマトグラフィーを用いて簡易かつ迅速に検出、計測し、その発生推移状況を容易に連続的にモニターすることができるダイオキシン簡易分析法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ごみ焼却処理施設や工場プラント等の周辺の大気、排ガス、土壌または焼却灰中のダイオキシン類およびフラン類(以下、単にDXN類ということがある)は、厚生省「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析マニュアル」やJIS K0311、K0312等に準拠した高分解能ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)を用いて分析されている。この質量分析法は、大気、排気ガス、土壌サンプルなどの被検試料に、酸処理、抽出処理、濃縮処理、クリーンアップ処理などの多数の前処理を施した後、該試料中に含まれるほぼ全DXN類を抽出して濃縮し、これらの各成分について高分解能GC/MSで定量分析するものである。
【0003】
JIS K0311等で対象となるダイオキシン類は、4塩素〜8塩素化ダイオキシン約200種類である。従って、JIS K0311等の前処理の中で最も重要な工程は、4塩素〜8塩素化ダイオキシン約200種類をGC/MSで検出する際に妨害となる混入物(妨害物質)を除去するクリーンアップ処理である。このクリーンアップ処理は、(1) 硫酸処理−シリカゲルクロマトグラフ操作または多層シリカゲルクロマトグラフ操作、(2) アルミナカラムクロマトグラフ操作および(3) 活性炭カラムクロマトグラフ操作の3つの工程と、各工程後に行われる濃縮工程を有し、この3種類のクロマトグラフ操作によって抽出液に含まれる妨害物質が除去され、さらにGC/MS測定結果により必要に応じて上記▲1▼〜▲3▼の操作が再度施される。
【0004】
上記した従来技術(JIS K0311等)において、4塩素〜8塩素化ダイオキシン約200種類を試料の中に残そうとすると、妨害となる混入物を完全に除去することは大変困難であるが、高分解能GC/MSでは、妨害物質が試料中に少量残っている場合でも、質量数の違いによって目的対象物と妨害混入物を分別(選択)して定量分析することが可能である(ただし、妨害物質の量が多すぎる場合は困難である)。
しかしながら、上記公定法に基づいて高分解能GC/MSを用いて測定するためには、公定法(またはJIS K0311、0312)に記された複雑な前処理(酸処理、抽出処理、濃縮処理、クリーンアップ処理)を行った試料を用いる必要がある。この前処理操作は複雑で、早くても1週間程度の時間が必要であり、またその後のGC/MS分析でも全ダイオキシン類の濃度の測定に2日程度の所要時間が必要である。従って、分析メーカにサンプルを出した後、分析結果が判明するのは、通常、2週間〜1か月後となり、迅速に分析結果が得られないという欠点があった。さらに1週間以上作業が継続するため、器具、人等の健康安全性の面で極めて問題があった。従って、簡便に迅速にDXN類が計測できる方法および装置が強く要望されていた。
【0005】
一方、前処理をほとんど行わずに抽出処理のみを行った抽出液を高分解能GC/MS(分解能10000以上)を用いて測定した場合、該抽出液中に混入している妨害成分によってダイオキシン類およびフラン類をほとんど検出することはできず、また装置内が妨害成分で汚染されて使用不可になることがあった。
また上記酸処理、抽出処理、濃縮処理、クリーンアップ処理などの前処理を行った試料について、低分解能GC/MSや、SAW/GC(表面弾性波検出:ガスクロマトグラフィー)等の通常のガスクロマトグラフィーで測定すると、ダイオキシン類と同じ保持時間を持つ妨害物質が検出されるため、ダイオキシン類を定量することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、先に、試料ガス中に含まれる特定の1または2種のダイオキシンの濃度を測定し、該測定値から、あらかじめ調べておいた特定ダイオキシン濃度と全DXN類濃度またはTEQ(毒性等量)との相関関係に基づいて全DXN類濃度またはTEQを概算する、迅速で簡易なダイオキシン類の測定方法を提案した(特願平11−123354号)。この方法では、4塩素〜8塩素化ダイオキシン(約200〜210種類)を妨害物質とともに捕集剤に吸着して捕集した後、該捕集剤を加熱装置によって加熱し、同時に不活性ガスを流して妨害物質を系外に排除し、続いて捕集剤を加熱装置でさらに加熱して特定ダイオキシンを捕集剤から脱離させ、該脱離した特定ダイオキシンをガスクロマトグラフに導入してその濃度が測定される。
【0007】
しかし、上記方法では、試料ガスに多量の妨害成分が含まれる条件下では、捕集剤を加熱装置によって加熱し、同時に不活性ガスを流しても、完全に妨害物質を系外に排除することができない場合があり、その後に捕集剤から脱離した特定ダイオキシンに妨害物質等が混入し易く、正確なダイオキシンの濃度が測定できない場合のあることがわかった。捕集剤を加熱装置により高温状態のまま保持し続ければ、妨害混入物を系外に排除できるが、長時間捕集剤を高温下におくと捕集剤に吸着したダイオキシン類が分解または生成して捕集剤中のダイオキシン類の濃度が変化するため、正確な試料ガス中のダイオキシン濃度が測定できなくなる。
【0008】
本発明の課題は、上記技術の問題点を解決し、大気、土壌、焼却灰などに含まれる全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性当量)を簡易かつ迅速に測定することができるダイオキシン簡易分析法および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、大気、排ガス、土壌、燃焼灰等の被検試料に含まれるダイオキシン類およびフラン類のうち、4塩素化〜7塩素化ダイオキシン類とピレン等の妨害混入物を排除し、8塩素化ダイオキシン(オクタクロロジベンゾジオキシン、以下「O8CDD」と略す)のみを短時間で分画処理し、該分画処理した試料をガスクロマトグラフに導入してO8CDD濃度のみを迅速に定量することにより、全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)を迅速かつ簡易に概算することができることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
【0010】
(1)被検試料中のダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)をガスクロマトグラフィーを用いて測定するダイオキシン分析法において、前記被検試料中から、オクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を除去した後、前記試料中に含まれるオクタクロロジベンゾジオキシンを抽出してガスクロマトグラフィーによりその濃度を測定し、該測定値から、あらかじめ求めておいたオクタクロロジベンゾジオキシン濃度と全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)との関係に基づいて全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)を算出することを特徴とするダイオキシン簡易分析法。
(2)前記被検試料が、大気、排ガス、土壌または燃焼灰に含まれるダイオキシン類およびフラン類を有機溶剤を用いて抽出した抽出液であり、該抽出液を、アルミナを充填したカラムクロマトグラフのカラムに注入し、さらにジクロロメタン3〜7 vol%を含むヘキサン溶液を流下させてオクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を除去し、その後、ジクロロメタン20〜70 vol%を含むヘキサン溶液を流下させてオクタクロロジベンゾジオキシンを溶出させ、該溶出液に含まれるオクタクロロジベンゾジオキシンの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定することを特徴とする(1)に記載のダイオキシン簡易分析法。
【0011】
(3)前記被検試料が、ダイオキシン類およびフラン類を含むガスであり、該ガス中のダイオキシン類およびフラン類を捕集剤に吸着させた後、該捕集剤に吸着されたオクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を有機溶剤で洗い流して除去し、その後、該捕集剤に吸着されているオクタクロロジベンゾジオキシンを有機溶剤で抽出し、該有機溶剤の溶液に含まれるオクタジクロロジベンゾジオキシンの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定することを特徴とする(1)に記載のダイオキシン簡易分析法。
(4)大気、排ガスなどの被検試料ガス中に含まれるダイオキシン類およびフラン類を捕集剤に吸着して捕集する手段と、該ダイオキシン類およびフラン類を捕集した捕集剤からオクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を有機溶剤で洗い流す手段と、上記成分が洗い流された捕集剤からオクタクロロジベンゾジオキシンを有機溶剤で抽出する手段と、該オクタクロロジベンゾジオキシンの抽出液をガスクロマトグラフに供給してオクタクロロジベンゾジオキシンの濃度を測定する手段と、該測定値から、あらかじめ求めておいたオクタクロロジベンゾジオキシン濃度と全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)との関係に基づいて全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)を算出する手段とを備えたことを特徴とするダイオキシン簡易分析装置。
【0012】
【作用】
本発明によれば、大気、排ガス、土壌または燃焼灰等の被検試料中に含まれるDXN類から、O8CDDのほぼ全量を簡易な方法で短時間に分取し、該分取したO8CDDの濃度をガスクロマトグラフィー(高分解能GC/MS、ポータブルタイプの低分解能GC/MS、SAW/GCを用いて短時間(数10秒〜数10分間)に検出し、その検出値とあらかじめ求めておいたデータに基づいて全DXN類濃度または全毒性等量(TEQ)を容易に求めることができる。
【0013】
本発明者らは、大気、排ガス、土壌または燃焼灰等から抽出されたダイオキシン類およびフラン類を含む被検試料中のダイオキシン類およびフラン類の濃度を簡易的かつ迅速的に測定する方法を開発するため、SAW/GCおよび低分解能(分解能2000)GC/MSを用いて実験を行った。その結果、被検試料中には、ダイオキシン類以外にPCB、ピレン、ベンゾピレン等の多環芳香族化合物(妨害物質)が多数含まれており、比較的他のダイオキシン類の検出ピークと離れているO8CDDの検出ピークですら、妨害物質の検出ピークに影響(ピークの重なり等)する場合があることがわかった。すなわち、妨害物質が試料中に多量(O8CDDピークの数〜数千倍の妨害物質)に含まれると、妨害物質の検出ピークが巨大になり、O8CDDの検出ピークの位置まで占有し、O8CDDの検出ピークが妨害物質の検出ピークの中に吸収され、その結果、O8CDDを測定できなくなる。
【0014】
一方、試料中の4〜7塩素化ダイオキシン類およびフラン類と妨害物質の含有量が少ない場合には、O8CDDと妨害物質の検出ピークは良好に分離することがわかった。
従って、被検試料中から全DXN類とPCB、ピレン、ベンゾピレン等の多環芳香族化合物を抽出(または捕集)した後、4〜7塩素化のDXN類(約210種類)をPCB、ピレン、ベンゾピレン等の多環芳香族化合物とともに取り除き、一種類のダイオキシン、すなわちO8CDDのみを少量の溶媒中に分取し、これをガスクロマトグラフに導入してO8CDDのみの濃度を測定すれば、短時間で迅速な検出が可能となる。
【0015】
図1(a) には本発明の方法で分取した液中の高分解能GC/MSで検出した各種ダイオキシンの濃度を示し、図1(b) には従来のJIS法で得られたクリーンナップ処理液中の高分解能GC/MSで検出した各種ダイオキシンの濃度を示した。また図2(a) には本発明の方法で分取した液のクロマトグラムを示し、図2(b) には従来のJIS法で得られたクリーンナップ処理液のクロマトグラムを示した。
これらの図1および図2から本発明の方法で分取された液には、4〜7塩素化ダイオキシンおよび妨害物質が除かれており、O8CDDのほぼ全量が捕集されることが示される。
以下に被検試料からO8CDDのみを分取する方法について、(i) 被検試料が有機溶剤による抽出液である場合と、(ii)被検試料が試料ガスである場合に分けて詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
(i)被検試料が、有機溶剤を用いて抽出した抽出液である場合のO8CDDの分取方法
まず、大気、排ガス、土壌または燃焼灰に含まれるダイオキシン類は、トルエン等の任意の抽出溶媒を用いて公知の方法で抽出する。
次に、この抽出液を、アルミナを充填したカラムクロマトグラフに注入した後、これにジクロロメタン3〜7 vol%(好ましくは4〜6 vol%) を含むヘキサン溶液を流下させ、O8CDD以外のDXN類および妨害物質を除去する。その後、ジクロロメタン20〜70 vol%( 好ましくは40〜60 vol%) を含むヘキサン溶液を流下させ、O8CDDを溶出させて分取する。次いで、該溶出液をガスクロマトグラフに導入してO8CDDの濃度を測定する。このときに使用するガスクロマトグラフは、高分解能のものに限られず、一般的なガスクロマトグラフを用いることができる。
【0017 】
O8CDD以外の成分を除去するためのジクロロメタンのヘキサン溶液濃度が3 vol%未満では、カラムクロマトグラフに供給する液が大量に必要となり、滴下時間が長くなり、迅速な測定ができなくなる。例えば、240mL必要な場合で1.43mL/分で滴下した場合には168分必要となる。なお、JIS K0311に示された0〜2 vol%のジクロロメタンのヘキサン溶液濃度のものを用いた場合には、1日(8時間)でO8CDDを分取し、濃度を測定することはできない。またジクロロメタンのヘキサン溶液濃度が7 vol%を超えると、妨害成分(ピレン、ベンゾピレン、4〜7塩素化のダイオキシン類等)とともにO8CDDが流下し、除去されてしまうため、正確なO8CDDの濃度の測定ができなくなる。
またO8CDDを分取するためのジクロロメタンのヘキサン溶液濃度が20 vol%未満では、溶出量(時間)が多くなり、O8CDDを短時間に流出させて分取することができず、また70 vol%を超えると、O8CDDより高沸点の妨害成分が流出するなどの問題が生じる。
なお、抽出液に多量の妨害成分が存在する場合には、上記ジクロロメタン3〜7 vol%を含むヘキサン溶液を流下する前に、ジクロロメタン0〜2 vol%を含むヘキサン溶液の任意量を流下させてもよい。
【0018】
カラムクロマトグラフに用いるカラムのサイズには特に制約はなく、任意の内径のものが使用できるが、一般的には内径10mm程度のものが使用される。カラムの内径が10mm未満では、溶媒の流速が低下するため滴下時間が増加しやすく、内径10mmを超える場合には妨害成分とO8CDDの分離が不完全となる場合がある。
またカラムに充填するアルミナとしては活性アルミナなどの公知のものが使用でき、その使用量も任意の量でよいが、内径10mm程度のカラムを使用する場合には7g 前後の使用量とするが好ましい。アルミナ量が7g 未満の場合は、妨害成分とO8CDDの分離が不完全となり易く、アルミナ量が7g を超える場合は溶媒の流速が低下するため滴下時間が増大し易い。
【0019】
図3には、ジクロロメタンのヘキサン溶液濃度とO8CDD溶出時間との関係、ジクロロメタンのヘキサン溶液濃度とH7CDD(7塩素化ダイオキシン)および妨害物質の含有率との関係を示した。図3は、ジクロロメタン濃度が3〜7 vol%であれば4時間以内でO8CDDをカラム充填物に残留させてH7CDDや他の妨害物質を除去できることを示す。一方、ジクロロメタン濃度が7 vol%を超えた場合、O8CDDをカラム充填物に残留させる条件ではカラム充填物にH7CDDや他の妨害物質が残留してしまうため、O8CDDの定量が困難となる。
【0020】
具体的には、アルミナ充填カラムクロマトグラフを用いて以下のようにしてO8CDDの分取を行うことができる(図4参照)。
まず、カラムクロマトグラフ管の底部に石英ガラスウールを詰め、アルミナ7g(かさ容積10〜12cm3)とヘキサンの混合物をカラムクロマトグラフ管に充填し、さらに、その上層に硫酸ナトリウムを1〜2g 充填し、液面を硫酸ナトリウムの上面までさげる。土壌または燃焼灰試料を有機溶媒を用いて抽出した液(ダイオキシン抽出液)を移し入れ、ヘキサン0.5〜1mLで数回洗い込み、液面を硫酸ナトリウムの上面まで下げた後、ジクロロメタン3〜7 vol%を含むヘキサン溶液をアルミナかさ容積の4〜10倍量(40〜100mL)を流下させる。この流下液40〜100mL中にPCB、ピレン、ベンゾピレン、4〜7塩素化のダイオキシン類が含まれる。
【0021】
次に、ジクロロメタン50 vol%を含むヘキサン溶液をアルミナかさ容積の1〜5倍量(10〜50mL)を流し、得られた液を試料とする。この試料10〜50mL中にO8CDDが含まれる。この試料を必要に応じて濃縮した後、ガスクロマトグラフィーを用いてO8CDDの濃度を定量する。定量値から、あらかじめ求めておいたO8CDD濃度と全DXN類濃度またはTEQとの関係に基づいて、全ダイオキシン類およびフラン類またはTEQが求められる。
本発明において、溶媒滴下速度(時間)は、カラムクロマトグラフ管の内径10mm、アルミナ量7g の条件下では1.43mL/分とするのが好ましい。
このような方法によれば、1〜2時間でO8CDDを分取でき、従って、2〜3時間で全ダイオキシン類およびフラン類の濃度の連続測定(モニタリング)をすることができる。
【0022】
(ii)被検試料が、ダイオキシン類およびフラン類を含む試料ガスである場合のO8CDDの分取方法
被検試料が大気または排ガスなどの試料ガスである場合には、図5に示すフローチャートに従った工程(手順)によりO8CDDを分取し、ガスクロマトグラフィーによる測定に供される。
すなわち、試料ガス中のダイオキシン類およびフラン類を捕集剤に吸着させる工程Iと、該捕集剤に吸着されたO8CDD以外DXN類および妨害物質を有機溶媒で洗い流して除去する工程IIと、該捕集剤に吸着されているO8CDDを別の有機溶媒で溶出して分取する工程III と、該溶出液中のO8CDDの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定する工程IVが順に行われる。
【0023】
具体的には試料ガス中の全ダイオキシン類と妨害物質を、捕集剤に吸着した後、該捕集剤を保有する容器をバルブ切替えにより別系統にスライドし、有機溶媒を試料ガス捕集時と同じ方向に流すことによって該捕集剤に吸着したO8CDD以外のDXN類および妨害物質が除去される。さらに該捕集剤容器をバルブ切替えにより別系統にスライドし、別の有機溶媒を試料ガス捕集時と反対方向に流すことによって捕集剤に吸着したO8CDDを溶出させて分取する。有機溶媒を試料ガス捕集時と同じ方向に流すことによって、全種(200種以上)のDXN類を捕集剤に捕集させつつ妨害物質を除去し、かつ該捕集剤からさらに有機溶媒により全DXN類を溶出させて捕集することは非常に困難であるが、本発明のように有機溶媒を試料ガス捕集時と同じ方向に流してO8CDD以外のDXN類を妨害物質とともに除去し、その後に逆方向から有機溶媒を流してO8CDDの一種類のみを溶出させることは容易である。
【0024】
本発明において、捕集剤としては、炭素材、酸化マグネシウム材等が用いられる。
また捕集剤に吸着した妨害混入物を除去する(排ガス捕集時と同じ方向に流す)ための有機溶媒としては、ヘキサン、アセトン、メタノール、ジクロロベンゼンおよびその混合液を用いることができる。
また捕集剤に吸着したO8CDDを溶出させる(排ガス捕集時と反対方向に流す)ための有機溶媒としては、トルエン、ヘキサン、アセトン、ベンゼン、ジクロロベンゼンおよびその混合液を用いることができる。
一種類のダイオキシン(O8CDD)のみを溶媒中に分取したサンプルは、短時間でガスクロマトグラフィーで検出することが可能である。
【0025】
図6は、本発明の一実施例を示すダイオキシン簡易分析装置の説明図であり、この装置を用いて行われる工程1〜工程IVの説明を図7および図8に示した。
このダイオキシン簡易分析装置は、排ガス中のダイオキシン類および妨害混入物を捕集するための捕集剤を保有した捕集剤容器3と、該捕集剤容器3を保持し、かつ該捕集剤容器3を次工程(工程II〜IV) にスライドさせる回転ホルダ21と、排ガス流路1から排ガスを前記捕集剤容器3に供給するバルブ2および捕集剤容器3を通過した排ガスを排出させるバルブ4と、該排ガスの流量を測定する流量計6および該流量計6に排ガスを供給するポンプ5とを備える。これらは工程Iの操作で使用される。
【0026】
また工程Iの操作終了後に前記回転ホルダー21によりスライドされた捕集剤容器3に溶媒タンク7からポンプ8を介して有機溶媒を供給するバルブ9および該有機溶媒を該捕集剤容器3から排出させるバルブ10と、該バルブ10から排出された有機溶媒を貯留する廃液タンク11を有する。これらは工程IIの操作で使用される。
さらに工程IIの操作終了後に前記回転ホルダー21によりスライドされた捕集剤容器3に溶液タンク12からポンプ13により有機溶媒を供給するバルブ14および前記捕集剤容器3を通過した有機溶媒を排出させるバルブ15と、該バルブ15から排出された有機溶媒を捕集する試料容器17と、該試料容器17を保持する回転ホルダ22とを有する。これらは工程III の操作で使用される。
さらに前記回転ホルダ22に保持された試料容器17内の試料液を濃縮させる濃縮器18と、濃縮液の一定量がオートサンプラ19により供給されて該液中のO8CDD濃度を測定するガスクロマトグラフ20とを有する。これらは工程IVの操作で使用される。
【0027】
このような構成において、各工程I〜IVの操作は以下のように行われる(図7および図8参照)。
〔工程I(ガス捕集)〕
試料ガスは、排ガス流路1からポンプ5および流量計6によりその流量が調整されて捕集剤容器3に導入される。この時の試料ガスは、バルブ2を経て捕集剤容器3を通過する際にガス中のDXN類および妨害混入物が該容器内に充填された捕集剤に捕集される。捕集剤容器3を通過したガスは、バルブ4を通過してポンプ5により系外に排出される。
【0028】
〔工程II(DXN類および妨害物質の除去)〕
工程IでDXN類等を捕集した捕集剤容器3は、回転ホルダ21によってスライドされて以下の工程IIの操作が行われる。すなわち、溶媒タンク7からポンプ8を介して有機溶媒が捕集剤容器3に導入される。この時の有機溶媒は、工程Iにおける排ガス供給方向と同じ方向に供給され、バルブ9を経て捕集剤容器3の捕集剤に捕集されたO8CDD以外のDXN類および妨害混入物を該捕集剤から脱離させる。捕集剤容器3を通過した上記脱離成分を含む有機溶媒はバルブ10を経て廃液タンク11に排出される。
【0029】
〔工程III 〕(O8CDD溶出)
工程IIでO8CDD以外のDXN類および妨害物質が除去された捕集剤容器3は回転ホルダ21によってさらにスライドされて以下の工程III の操作が行われる。すなわち、溶媒タンク12からポンプ13を介して有機溶媒が捕集剤容器3に導入される。この時の有機溶媒は、工程IIにおける有機溶媒の供給方向と逆の方向に供給され、バルブ14を経て捕集剤容器3の捕集剤に保持されたO8CDDを脱離させる。捕集剤容器3を通過したO8CDDを含む有機溶媒は、バルブ15およびバルブ16を通過して試料容器17に分取される。
【0030】
〔工程IV〕(ガスクロ測定)
工程III でO8CDDを含む試料液が分取された試料容器17は回転ホルダ22によってスライドされて以下の工程IVの操作が行われる。まず濃縮器18からN2 ガスが試料容器17に供給されて所定量に濃縮される。次に濃縮されたO8CDDを含む試料液は、オートサンプラ19によって所定量サンプリングされ、ガスクロマトグラフ20に供給されてO8CDDの濃度が測定される。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1
本発明によるダイオキシン抽出液からのO8CDD分取法を用いて、ごみ焼却処理場の飛灰のダイオキシン類の濃度を同時測定した。
飛灰1g をふた付きガラス製試験管に入れた後、トルエン5mLを加えて試験管のふたをした。この試験管を小型超音波照射装置に配置し、1分間超音波照射した後、小型超音波照射装置から試験管を取り出し、試験管立てに試験管を立て3分間放置した。試験管内は、上がトルエン層(透明:ダイオキシン抽出液)、下が灰層(黒色)の2層にわかれた。なお、ここまでの操作は、任意の抽出方法で抽出してもよい。
【0032】
ダイオキシン抽出液5mLを新たな試験管に移し、0.5mLになるまで高純度窒素ガス(純度:99.9999%)を試験管内に吹き付けて濃縮した。
ビードレックス社製透明摺合クロマトグラフ管(内径10mm、長さ300mm)の底部に溶媒洗浄済の脱脂綿10mgを詰め、硫酸ナトリウムを1g 充填し、和光純薬社製活性アルミナ7g とヘキサン(PCB分析用)5〜20mLの混合物をカラムクロマトグラフ管に充填し、さらに、その上層に硫酸ナトリウムを1g 充填した。ヘキサン30〜50mLを流下させた後、液面を上層の硫酸ナトリウムの上面までさげる。0.5mLのダイオキシン抽出液を移し入れ、ヘキサン0.5〜1mLで数回洗い込み、液面を硫酸ナトリウムの上面まで下げた後、ジクロロメタン4 vol%を含むヘキサン溶液40mLを流下させた。つぎにジクロロメタン50 vol%を含むヘキサン溶液10mLを流して試料(この10mL中にO8CDDが含まれる)とした。
【0033】
この時の各溶媒の滴下する速度は、約1.43mL/分であった。この試料を0.1mLに濃縮した後、ガスクロマトグラフィー(SAW/GC)でO8CDDを定量した。O8CDD定量値から全ダイオキシン類量およびTEQを算出して、SAW/GCのパソコンのディスプレイに表示した。全所要時間は約2時間であった。
同一灰について5回繰り返して測定を行った結果、サンプル灰中の全ダイオキシン類量は、115〜135ng/g(灰)、TEQは、1.5〜1.8ng/g(灰)であった。本システムを用いれば、ダイオキシン類を2時間間隔でモニタリングできる。
【0034】
実施例2
実施例1において、活性アルミナを充填したカラムクロマトグラフに、ダイオキシン抽出液を入れ、ヘキサン0.5〜1mLで数回洗い込み、液面を硫酸ナトリウムの上面まで下げた後、ヘキサン溶液200mLを流下させた以外は、実施例1と同様にしてO8CDDの定量を行い、該定量値から全ダイオキシン類量およびTEQを算出した。
このときの全所要時間は約4時間であった。また同一灰について5回繰り返して測定を行った結果、サンプル灰中の全ダイオキシン類量は、120〜140ng/g(灰)、TEQは、1.6〜1.9ng/g(灰)であった。
【0035】
比較例1
従来の高分解能GC/MS(厚生省「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析マニュアル」等に準拠した高分解能ガスクロマトグラフ/質量分析法)を用いて、実施例1と同じごみ焼却処理場の灰のダイオキシン類を測定した。試料灰の抽出処理およびGC/MS測定に11日間を要した。
その結果、サンプル灰中の全ダイオキシン類量は、133ng/g(灰)、TEQは、1.8ng/g(灰)であった。
【0036】
比較例2
実施例1と同じごみ焼却処理場の灰のダイオキシン類を測定した。実施例1と同じ方法によって抽出したダイオキシン抽出液5mLを新たな試験管に移し、0.5mLになるまで高純度窒素ガス(純度:99.9999%)を試験管内に吹き付けて濃縮した。この試料を0.1mLに濃縮した後、ガスクロマトグラフィー(SAW/GC)でO8CDDを定量した。
その結果、測定クロマトグラムには多数の妨害ピークが存在し、O8CDDを定量できなかった。
【0037】
実施例3
図6に示すダイオキシン簡易測定装置を用いてごみ焼却処理場の排ガスのダイオキシン類を測定した。
ごみ焼却処理場の煙道から排ガス1m3を、捕集剤(炭素ピッチ系繊維状炭素材、2g)を保有させた捕集剤容器3に供給してDXN類および妨害物質を捕集した。次いで捕集剤容器3をスライドし、該捕集剤容器3に溶媒タンク7からヘキサン500mLを流した後、さらに捕集剤容器3をスライドし、該捕集剤容器3に溶媒タンク12からトルエン100mLを流して試料容器17に収容した。つぎに試料容器17に収容されたO8CDDを含むトルエン溶液を、濃縮器18によってN2 を吹き付けて200μL に濃縮した。この濃縮液は、オートサンプラ(インジェクタ)19によって1μL がガスクロマトグラフ20に注入され、O8CDD濃度が測定された。O8CDD定量値から全ダイオキシン類量およびTEQを算出してパソコンのディスプレイに表示した。
その結果、排ガスサンプル中の全ダイオキシン類量は、1850ng/m3 、TEQは、18ng/m3 であった。本システムを用いれば、ダイオキシン類を簡易モニタリング測定できる。
【0038】
実施例4
実施例3と同じ装置を用いて、実施例1と同時に同じごみ焼却処理場の排ガス1m3を捕集剤容器3に供給してDXN類および妨害物質を捕集した。この捕集剤容器3をスライドし、該捕集剤容器3に溶媒タンク7からアセトン200mLを流した後、さらに捕集剤容器3をスライドし、捕集剤剤容器3に溶媒タンク12からヘキサン/ジクロロメタン(重量比1:1)溶液50mLを流し、試料容器17に収容した。つぎに試料容器17に収容されたO8CDDを含む溶液を、濃縮器18によりN2 を吹き付けて200μL に濃縮した。この濃縮液は、オートサンプラ(インジェクタ)19によって1μL がガスクロマトグラフに注入されてO8CDD濃度が測定された。O8CDD定量値から全ダイオキシン類量およびTEQを算出してパソコンのディスプレイに表示した。
その結果、排ガスサンプル中の全ダイオキシン類量は、1920ng/m3 、TEQは、19ng/m3 であった。
【0039】
比較例3
従来の高分解能GC/MS(厚生省「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析マニュアル」等に準拠した高分解能ガスクロマトグラフ/質量分析法)を用いて、実施例3と同じごみ焼却処理場の排ガスのダイオキシン類を同時に測定した。試料の抽出処理およびGC/MS測定に11日間を要した。
その結果、サンプル灰中の全ダイオキシン類量は、1900ng/m3 、TEQは、18ng/m3 であった。
【0040】
比較例4
本発明者らが先に特願平11−123354号で提案したダイオキシン簡易測定法に基づいて、実施例3と同じごみ焼却処理場の排ガス中のダイオキシン類を同時に測定した。
具体的には、捕集剤(イオン交換樹脂(XAD−2樹脂)50g)に排ガス1m3を通過させてDXN類および妨害物質を吸着させ、捕集した後、該捕集剤を加熱装置によって加熱し、同時に不活性ガスを流してO8CDD以外のDXN類および妨害物質を系外に排除し、続いて捕集剤を加熱装置でさらに加熱してO8CDDを該捕集剤から脱離させ、該脱離したO8CDDをガスクロマトグラフに導入してその濃度を測定した。
その結果、測定クロマトグラムには多数の妨害ピークが存在し、O8CDDを定量できなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明のダイオキシン簡易分析法および装置によれば、被検試料に多量の妨害有機物が混入している場合でも、O8CDDのみを容易に分取することができ、該O8CDDの濃度に基づいて全ダイオキシン類の濃度およびTEQをリアルタイムに算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で分取した液および従来のJIS法でクリーンナップ処理された液の高分解能GC/MSにより検出された各ダイオキシンの濃度を示す図。
【図2】本発明の方法で分取した液および従来のJIS法でクリーンナップ処理された液のクロマトグラムを示す図。
【図3】ジククロメタンのヘキサン溶液濃度とO8CDD溶出時間との関係、ジクロロメタンのヘキサン溶液濃度とH7CDDおよび妨害物質の含有率との関係を示す図。
【図4】本発明によるカラムクロマトグラフを用いたO8CDDの分取法の説明図。
【図5】本発明による試料排ガスからのO8CDDの分取法のフロー図。
【図6】本発明の一実施例を示すダイオキシン簡易分析装置の説明図。
【図7】図6の装置を用いた工程Iおよび工程IIの説明図。
【図8】図6の装置を用いた工程III および工程IVの説明図。
【符号の説明】
1…排ガス流路(煙道)、2…バルブ、3…捕集剤容器、4…バルブ、5…ポンプ、6…流量計、7…溶媒タンク、8…ポンプ、9…バルブ、10…バルブ、11…廃液タンク、12…溶媒タンク、13…ポンプ、14…バルブ、15…バルブ、16…バルブ、17…試料容器、18…濃縮器(N2 吹き付け器)、19…オートサンプラ、20…ガスクロマトグラフ、21…回転ホルダ(捕集剤容器用)、22…回転ホルダ(試料容器用)。

Claims (4)

  1. 被検試料中のダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)をガスクロマトグラフィーを用いて測定するダイオキシン分析法において、前記被検試料中から、オクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を除去した後、前記試料中に含まれるオクタクロロジベンゾジオキシンを抽出してガスクロマトグラフィーによりその濃度を測定し、該測定値から、あらかじめ求めておいたオクタクロロジベンゾジオキシン濃度と全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)との関係に基づいて全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)を算出することを特徴とするダイオキシン簡易分析法。
  2. 前記被検試料が、大気、排ガス、土壌または燃焼灰に含まれるダイオキシン類およびフラン類を有機溶剤を用いて抽出した抽出液であり、該抽出液を、アルミナを充填したカラムクロマトグラフのカラムに注入し、さらにジクロロメタン3〜7 vol%を含むヘキサン溶液を流下させてオクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を除去し、その後、ジクロロメタン20〜70 vol%を含むヘキサン溶液を流下させてオクタクロロジベンゾジオキシンを溶出させ、該溶出液に含まれるオクタクロロジベンゾジオキシンの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定することを特徴とする請求項1に記載のダイオキシン簡易分析法。
  3. 前記被検試料が、ダイオキシン類およびフラン類を含むガスであり、該ガス中のダイオキシン類およびフラン類を捕集剤に吸着させた後、該捕集剤に吸着されたオクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を有機溶剤で洗い流して除去し、その後、該捕集剤に吸着されているオクタクロロジベンゾジオキシンを有機溶剤で抽出し、該有機溶剤の溶液に含まれるオクタジクロロジベンゾジオキシンの濃度をガスクロマトグラフィーにより測定することを特徴とする請求項1に記載のダイオキシン簡易分析法。
  4. 大気、排ガスなどの被検試料ガス中に含まれるダイオキシン類およびフラン類を捕集剤に吸着して捕集する手段と、該ダイオキシン類およびフラン類を捕集した捕集剤からオクタクロロジベンゾジオキシン以外のダイオキシン類およびフラン類ならびにオクタクロロジベンゾジオキシン成分のガスクロマトグラフィーによる検出を妨害する妨害物質を有機溶剤で洗い流す手段と、上記成分が洗い流された捕集剤からオクタクロロジベンゾジオキシンを有機溶剤で抽出する手段と、該オクタクロロジベンゾジオキシンの抽出液をガスクロマトグラフに供給してオクタクロロジベンゾジオキシンの濃度を測定する手段と、該測定値から、あらかじめ求めておいたオクタクロロジベンゾジオキシン濃度と全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)との関係に基づいて全ダイオキシン類およびフラン類の濃度またはTEQ(毒性等量)を算出する手段とを備えたことを特徴とするダイオキシン簡易分析装置。
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